定年後の賃金引下げの合理性(同一労働同一賃金の問題)
大企業に分類される団体に勤務するものです。2020年3月31日に退職し、同4月1日付で嘱託職員として再任用されています。2020年3月まではラインの部長として任用されており、年棒は手当込みで約1200万円でした。4月からは嘱託職員となったものの人材不足からラインの部長の任は解かれず、現役時と全く同様にライン部長として業務を行っておりますが、給与に関しては月給制となり年収は手当込みで約530万円となりました。もちろん評価が悪い等の事由はなく、むしろ評価されての続投である旨は確認しています。給与は定年前の約44%になりましたが、役割は定年前と全く変わりません。最高裁の長澤運輸事件における判決で定年前の20%程度の減給は不合理とは言えないとされたことからも、定年によりある程度減給されることは理解できますが、一方で先日の名古屋地裁判において再任用の基本給が60%(40%減給)を下回ることは再雇用者に対する不合理な待遇格差であるとの判決もあり、私の減給が「同一労働同一賃金」の法令やガイドライン等に反する合理性を欠くものではないかと疑問に思っています。私の減給が適正範囲であるか、合理性があるかについて専門家の方のご助言を賜るとともに取りうべきアクションがあればご教示いただければ幸いです。
相談者(ID:19244)さん
弁護士の回答一覧
お悩みのことと存じます。お困りのことと存じます。詳しい事情がわからないので、一般論として回答は...
1.高年法の趣旨に違反しているかどうか、本件は、法的に正確に分析すべき事案です。素人判断は大いに危険です。過去の裁判例に照らした、専門的な判断が必要です。違法だとは断言できないです・・・
2.同一労働同一賃金の原則(パート有期・雇用法9条)に違反するか否かです。本件では、基本給、賞与その他の待遇について、①職務内容同一、②通常の労働者と同視すべき、③理由としてという3つの要件を満たせば、「差別的取扱いをしてはならない」ことになります。
3.不合理待遇禁止の原則(パート有期・雇用法8条)に違反するかどうかです。①基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、②通常の労働者の待遇との間において、③不合理といえるかどうか、A職務の内容 B職務の内容及び配置の変更の範囲 Cその他の事情 D当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものという要素から、判断されます。要件等を充足すれば、「相違を設けてはならない」とあrまう。
気軽に、ということであれば(その場合も真剣な相談でお願いいたします)、労働局に相談されてもよいですが、なかなか正確な回答は難しいかもです。頑張りましょう。法的に正確に分析されたい場合には、労働法にかなり詳しく、上記に関連した法理等にも通じた弁護士等に相談し、証拠をもとにしながら具体的な話をなさった上で、今後の対応を検討するべきです。
納得のいかないことは徹底的に解明しましょう! 不正確な法的判断で対応すると、不利な状況になる可能性もあります。弁護士への直接相談が良いと思います。なぜならば、法的にきちんと解明するために、良い知恵を得るには必要だからです。
弊所は、ここ=ネットでは、回答を終えさせて頂き、さらなるご質問は、希望される場合にのみ、有料相談でお受けいたします。お力になりたいと思います。納得のいかないことは徹底的に解明しましょう! 良い解決になりますよう祈念しております。応援しています!!
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