ハラスメント全36種類を徹底分類|意外と知らない「いじめ」の違法性

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
ハラスメント全36種類を徹底分類|意外と知らない「いじめ」の違法性

ハラスメントとは、職場上の立場や優位性を利用して嫌がらせをすることです。現在では、『パワハラ』、『セクハラ』、『マタハラ』をはじめとする職場でのハラスメントが、36種類ほどあるとされています。

この記事では、全36種類のハラスメントの概要や労働環境に関する法律についてご紹介します。

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労働問題で深刻な3大ハラスメント

労働問題で深刻な3大ハラスメント

職場でのハラスメントは、職場上の立場や優位性を利用して以下のような嫌がらせ行為を行うことです。

  • 職場環境を悪化させ、働きづらくさせる
  • 個人を肉体的または精神的に攻撃する
  • 制度利用の妨害や不当な人事評価を行う

この項目では、深刻な問題に発展しやすく、違法性が高い3つのハラスメントについてご紹介します。

職場での立場や優位性を利用したパワーハラスメント

上司や同僚によって、肉体的・精神的な嫌がらせを受けたり有給取得の拒否など制度利用の妨害をされたりすることは、パワーハラスメント(パワハラ)にあたります。パワハラは上司・部下などに関わらず、同僚間でも成立します。相手に言われて拒むことができないという時点で、立場に優位性があるとみなされるのです。

性的な侮辱や嫌がらせを行うセクシャルハラスメント

職場上の立場を利用して、労働者が嫌がっているのに身体に触れたり性的な言動を行ったりするのは、セクシャルハラスメント(セクハラ)にあたります。セクハラは、男性から女性に対する嫌がらせというイメージがありますが女性から男性、同性間でも成立します。

働くママ・パパに対する育児ハラスメント(マタハラ・パタハラ)

働くママ・パパに対して、育児休業の制度利用を妨害したり、子育てをきっかけに嫌がらせしたりする行為が育児ハラスメントにあたります。育児ハラスメントは、女性の場合はマタニティハラスメント(マタハラ)、男性の場合はパタニティハラスメント(パタハラ)と呼ばれています。

ハラスメント分類と違法性|ハラスメント行為は法令違反

ハラスメント分類と違法性|ハラスメント行為は法令違反現在では、いくつものハラスメントが話題に上っています。ダイバーシティ化や価値観の多様化によって、昔はそこまで問題視されなかったものまでハラスメントとして話題に上がることがあります。

この項目では、ハラスメントと労働問題に関する法律についてご紹介します。

ハラスメントの基本的な考え方と法律

労働安全衛生法では、労働者の就業環境について以下のように規定しています。

第七十一条の二 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。
一 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置
二 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置
四 前三号に掲げるもののほか、快適な職場環境を形成するため必要な措置
引用元:労働安全衛生法

ハラスメントは、うつ病などの健康障害の恐れがあるため、会社側にはハラスメントなどの就業環境を害する問題に対して対処する義務があるのです。

ハラスメントの4分類と種類一覧表

ハラスメントは大きく分けて4つに分類することができます。この項目では、ご紹介するハラスメントを以下のように分類をしました。

なお、各分類で気になるハラスメントがあれば、クリック(タップ)することで各ハラスメントの説明を読むことができます。

ぜひご活用ください。

ハラスメントの4分類

職場内のパワハラ系ハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)

マタニティハラスメント(マタハラ)

パタニティハラスメント(パタハラ)

ケアハラスメント(ケアハラ)

モラルハラスメント(モラハラ)

パーソナルハラスメント(パーハラ)

ラブハラスメント(ラブハラ)

エイジハラスメント(エイハラ)

アカデミックハラスメント(アカハラ)

リストラハラスメント(リスハラ)

テクノロジーハラスメント(テクハラ)

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)

終わらせハラスメント(オワハラ)

キャンパスハラスメント(キャンハラ)

性別・人種差別に関するセクハラ系ハラスメント

セクシャルハラスメント(セクハラ)

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)

マリッジハラスメント(マリハラ)

レイシャルハラスメント(レイハラ)

ソジハラスメント(ソジハラ)

レリジャスハラスメント(レリハラ)

ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)

スクールハラスメント(スクハラ)

身体を壊す労災系ハラスメント

スモークハラスメント(スモハラ)

アルコールハラスメント(アルハラ)

エアーハラスメント(エアハラ)

スメルハラスメント(スメハラ)

エレクトロニックハラスメント

その他

カラオケハラスメント(カラハラ)

ドクターハラスメント(ドクハラ)

ペイシェントハラスメント(ペイハラ)

ヌードルハラスメント(ヌーハラ)

シルバーハラスメント(シルハラ)

ペットハラスメント

 

家事ハラスメント(カジハラ)

ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)

職場上の立場を利用するパワハラ系ハラスメント

立場を利用して嫌がらせや業務や人事評価などに影響を与え、職場環境を悪化させるタイプのハラスメントで労働基準法や労働契約法、育児介護休業法などに違反する可能性があります。

性的・人種的差別に関するセクハラ系ハラスメント

性別や人種で差別して個人や周囲の人を不快な気持ちにさせるハラスメントです。ダイバーシティが提唱されているなか、昔は通用していたことが現在ではハラスメントになってしまう場合もあります。セクハラ系ハラスメントは主に、男女雇用機会均等法に違反する可能性のあるハラスメントをまとめました。

身体を壊す労災系ハラスメント

相手の体調を崩させるようなハラスメントを行い、会社を休ませたり来れない状態にしたりするハラスメントです。

その他

労働問題とは少し異なりますが、現在問題となっているハラスメントをまとめました。

セカンドハラスメント(セカハラ)

セカハラは、ハラスメントが被害者にとって相談する勇気を奪い、事態を深刻化させてしまうものです。ハラスメントを相談したことによって、さらなる嫌がらせ・仕返しにあったり取り合ってもらえなくなったりなどの二次被害が出た場合はセカンドハラスメント(セカハラ)にあたります。

ハラスメントをやめさせるために必ずやっておくべきこと

職場で起こるハラスメントは、会社側がハラスメントの実態を把握していたか、それに対処していたかということが重要になります。そのため、ハラスメントを解決させる際は、必ず社内の相談窓口などにハラスメントがあったという事実を報告することが大切です。

もし、会社側にハラスメントを相談していなかったのにも関わらず、十分な対処がされなかったため悪化した場合は会社側に責任が問われます

ハラスメント全36種類の解説

ハラスメント全36種類の解説この項目では、世間で話題になっているハラスメント36種類について、解説していきます。

パワーハラスメント(パワハラ)

パワーハラスメント(パワハラ)とは、職場上の立場や優位性を利用して嫌がらせ行為をするハラスメントです。パワハラは上司から部下だけでなく、同僚間でも成立します。

関連Q&A

マタニティハラスメント(マタハラ)

マタニティハラスメント(マタハラ)とは、妊娠や出産、子育てをきっかけとして職場で精神的・肉体的な嫌がらせをされたり、不利益な取り扱いを受けたりするハラスメントです。

マタハラは、労働基準法や男女雇用機会均等法、育児休業法に違反する行為です。

パタニティハラスメント(パタハラ)

パタニティハラスメント(パタハラ)とは、マタハラの男性版で、育児休業の取得妨害をしたり子育てをきっかけに嫌がらせ行為や人事評価に影響を与えたりするハラスメントです。男性の育児休業取得は、育児休業法で認められている権利なので、会社側が休業の取得妨害をすることは基本的にできません。

第六条 事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
引用元:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

ケアハラスメント(ケアハラ)

ケアハラスメント(ケアハラ)とは、家族の介護を行う労働者に対して介護休暇の取得を妨害したり嫌がらせ行為をしたりするハラスメントです。ケアハラは育児介護休業法に違反する行為で、会社側が責任を問われる可能性もあります。

モラルハラスメント(モラハラ)

モラルハラスメント(モラハラ)とは、職場や家庭などで精神的な攻撃を目的として叱責を行うハラスメントです。個人の生き方や価値観に対して、自分の考えが一番正しいと相手を否定することがモラハラ行為の特徴と言われています。

パーソナルハラスメント(パーハラ)

パーソナルハラスメント(パーハラ)とは、個人や集団に関わらず極めて個人的な理由によって嫌がらせ行為をするハラスメントです。主に『いじめ』を呼ばれるもの全般がパーハラ行為をみなされます。

ラブハラスメント(ラブハラ)

ラブハラスメント(ラブハラ)とは、恋愛に関する話題を執拗に振って不快な思いをさせるハラスメントです。

「彼氏いるの?」「今度の有給は彼氏と出かけるの?」など、恋愛に関することを執拗に詮索することはラブハラにあたります。また、ラブハラが職場などで行なわた場合はパワハラやセクハラにあたる可能性があります。

エイジハラスメント(エイハラ)

エイジハラスメント(エイハラ)とは、主に中高年社員などに対して年齢による職務能力低下などを侮辱するといった嫌がらせ行為をするハラスメントです。

同年代で出世している上司と比べて、中高年なのに平社員という中高年社員などに対して「あの人、使えないよね。」と言ったり、『おじさん』『じじい』と呼んで、人間関係から切り離したりすることはエイハラにあたります。

アカデミックハラスメント(アカハラ)

アカデミックハラスメント(アカハラ)とは、大学などの研究機関に置いて行われるパワハラの一つで、優位性のある立場の人間によって研究活動が害されるハラスメントです。

教授などの優位な立場にある方が学生に対して、退学を勧奨されたり正当な理由なく留年させられたりすることはアカハラにあたります。また、女性研究者などに対するマタハラなども含まれます。

リストラハラスメント(リスハラ)

リストラハラスメント(リスハラ)とは、リストラ対象者に対して行われる嫌がらせや過度な退職勧奨を行うハラスメントです。

リスハラでは、企業が対象者を自主退職させるために、突然配置転換を行ったり『だからリストラの対象になるんだよ』と言った発言をして精神的に追い詰めたりすることにより、経費削減を図ろうとします。リスハラなどの退職強要は悪質な場合、強要罪になる可能性もあります。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。

テクノロジーハラスメント(テクハラ)

テクノロジーハラスメント(テクハラ)とは、PC操作などIT機器に慣れている社員が、機械に疎い社員に対して専門用語を使ったり馬鹿にしたりするなどで嫌がらせをするハラスメントです。テクハラは部下から上司に行われるパワハラとしても知られています。

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)とは、職場の立場などを利用してSNSなどのソーシャルメディアに「いいね」をさせたり、同意なく写真などをアップロードし個人がわかるようなタグ付けなどを行ったりするハラスメントです。

また、友達申請などを無理やり承認させたり、LINEなどの連絡先を無理やり聞いたりすることもソーハラにあたります。

終わらせハラスメント(オワハラ)

終わらせハラスメント(オワハラ)とは、企業が学生に対して、内定辞退を防ぐために他の企業の就職活動をさせないように働きかけるハラスメントです。競合他社などの面接日に内定者研修や説明会などを入れて拘束したり、就職活動を終わらせるための誓約書を書かせたりする場合、オワハラにあたります。

キャンパスハラスメント(キャンハラ)

キャンパスハラスメント(キャンハラ)とは、大学内で行われる不利益な取り扱いをするハラスメントです。キャンハラは生徒同士や教員などの間で行われるハラスメント全般を指します。

セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクシャルハラスメント(セクハラ)とは、職場内での性的な言動によって就業環境が害されるハラスメントのことです。

身体を触られる他、他の従業員から見えるように性的なポスターや画像を表示したり「胸が大きい」「下着の色は何色?」などの発言をしたりすることはセクハラにあたります。男女雇用機会均等法では、セクハラに対して以下のように規定されています。

第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)とは、「男らしい」「女らしい」などの社会通念的な性差別によって行われるハラスメントのことです。「男のくせに酒も飲めねえのか。」「女のくせにお茶汲みもできないのか。」など、性別だけで業務とは関係のないことを強要することはジェンハラにあたります。

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)とは、文書に関する性的嫌がらせのことで、「女性だからこんな文章が書けるわけがない。」「男のくせに女々しい文章を書く。」と言った表現に関して性差別を行ったり、成果を疑ったりするハラスメントのことです。

テクハラは、性差別によって被害者の成果を虚偽のものだと吹聴するなど悪質な場合、損害賠償請求や名誉毀損罪などの裁判に発展することもあります。

マリッジハラスメント(マリハラ)

マリッジハラスメント(マリハラ)とは、独身者に対して未婚を理由にハラスメントを行うことです。「結婚しないの?」「◯◯だから結婚できないんだよ。」と職務とは関係のないことで性格や能力について言及を行うことはマリハラにあたります。

レイシャルハラスメント(レイハラ)

レイシャルハラスメント(レイハラ)とは、国籍などによる人種的差別を行うハラスメントです。「ロシア人は働かない。」「韓国人は平気で嘘をつく。」など、国に対する勝手なイメージによって個人の性格や能力を決めつける言動を行うことはレイハラにあたります。

ソジハラスメント(ソジハラ)

ソジハラスメント(ソジハラ)とは、主にLGBTなど、性自認や性指向に置いてマイノリティにあたる方々に対するハラスメントです。

「ゲイっぽいよね。」「女なのにネクタイ締めるの?」など、被害者がLGBTであることを問わず、性別に関する差別的言動を行うことで不快にさせた場合はソジハラにあたります。

レリジャスハラスメント(レリハラ)

レリジャスハラスメント(レリハラ)とは、特定の宗教を信仰する人に対する嫌がらせや執拗な宗教勧誘によって不快な思いをするハラスメントです。

今後、外国人労働者が増えるなか、宗教の違いによって業務時間にお祈りをしなければならない、食事のメニューに配慮しなければならないというシーンも出てくることが考えられます。また、特に近年では新興宗教に関する偏見によって、親が信者だったために就職などが難しくなる2世信者問題も話題になりました。

ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)

ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)とは、血液型によって個人の性格などを決めつけて差別するハラスメントのことです。

血液型占いのようなパターンで個人を決めつけ、「◯型だから仕事が粗雑だ。」などと関係ないことに結びつけて叱責するなどの問題に発展することもあります。

スクールハラスメント(スクハラ)

スクールハラスメント(スクハラ)とは、学校内で教師から生徒に対して行われる性的な嫌がらせのことです。判断力に欠ける未成年に対し、指導を行う教員が『指導の一貫』という名目で体を触ったり性的な発言を行ったりすることがスクハラにあたります。

スモークハラスメント(スモハラ)

スモークハラスメント(スモハラ)とは職場などで非喫煙者が、喫煙者によって意図せず受動喫煙を強いられたり喫煙を迫られたりすることです。また、タバコ休憩などによる実働時間の格差などについてもスモハラと呼ぶ場合があります。

アルコールハラスメント(アルハラ)

アルコールハラスメント(アルハラ)とは、飲酒の強要や飲めない人への配慮をしないハラスメントです。一気飲みを行わせたり酔い潰す目的で飲酒させたりすることは、悪質な場合は強要罪にあたります。また、体質の問題や運転などで飲酒できない人に対して、侮辱したり酒以外の飲み物を用意しないこともアルハラにあたり違法性が高い行為です。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
引用元:刑法

エアーハラスメント(エアハラ)

エアーハラスメント(エアハラ)とは、エアコンやサーキュレーターの風を特定の人間に当たるようにするなど相手の体調を崩させる目的で空調を調節するハラスメントです。

エアハラなどで、風を一点に集中して当てられると低体温症などの健康障害の恐れがあります。また、持病がある方などが患部のみを急速に冷やされると、命に関わることもあるのです。

スメルハラスメント(スメハラ)

スメルハラスメント(スメハラ)とは、匂いによって周囲の人を不快な気持ちにさせるハラスメントです。

体臭や口臭の他、香水のつけすぎによるキツイ匂いもスメハラの原因になります。満員電車やエレベーターなど、密閉された空間にいる際などに匂いによって気分が悪くなってしまうという方もいるため、体臭・口臭など最低限のエチケットは守りたいですね。

エレクトロニックハラスメント(エレハラ)

エレクトロニックハラスメント(エレハラ)とは、電磁波などを利用して、睡眠妨害を行ったり健康を害したりするハラスメントのことです。

また、モスキート音などを発して、一部の人が嫌がる音を発するなどもエレハラと呼ばれる場合があります。

カラオケハラスメント(カラハラ)

カラオケハラスメント(カラハラ)とは、カラオケが苦手・嫌いという方に立場を利用して無理やり歌わせようとしたりカラオケに連れて行ったりするハラスメントです。

「新入社員なんだから!」「良かれと思って…。」と相手が嫌がっているのにも関わらず、無理にカラオケ店に連れ込んだり歌わせようとしたりする場合はカラハラにあたります。

ドクターハラスメント(ドクハラ)

ドクターハラスメント(ドクハラ)とは、医師が権威性を利用し患者に嫌がらせを行うことです。医師の中には、自身の権威性に溺れて、患者に対して失礼な態度を取る人もいます。

病気や怪我で患者が精神的に弱っていることをいいことに、「◯◯をしないと治らないよ。」と高額な治療を迫ったり、「◯◯だから病気(怪我)になるんだ。」と無関係なことを根拠に患者を責めたりすることはドクハラにあたります。

ペイシェントハラスメント(ペイハラ)

ペイシェントハラスメント(ペイハラ)とは、患者側が医療従事者の言い分を聞かずに、クレームなどを入れて医療の提供を妨害するハラスメントのことです。

医療には、専門知識を持った医療従事者にしかわからない制約がいくつもあります。それらの制約を患者の都合によって、クレームとして主張してしまうと医療事故にもつながりかねないのです。

ヌードルハラスメント(ヌーハラ)

ヌードルハラスメント(ヌーハラ)とは、蕎麦などの麺類を音を当ててすする日本人独特の文化によって、外国人を始めとする方々を不快な気持ちにさせるハラスメントです。

外国人観光客が増えている中で、文化の違いによるハラスメントは深刻な問題に発展することもあります。

シルバーハラスメント(シルハラ)

シルバーハラスメント(シルハラ)とは、家族の介護に追われる方に対して嫌がらせを行うことです。また、介護者への虐待もシルハラを呼ぶ場合があります。

労働者にとってのシルハラは育児介護休業法に違反する可能性の高い行為です。

ペットハラスメント

ペットハラスメントとは一般的に、ペットを適切な環境で飼育しないなどのハラスメントを指します。また、ペットを飼っている方が、動物が苦手な方やアレルギーのある人に対し配慮をせずに散歩させたり乗り物に乗せたりすることもペットハラスメントと呼ばれています。

ペットハラスメントは、動物愛護法や地域の迷惑防止条例に違反する可能性があります。

第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
引用元:動物の愛護及び管理に関する法律

第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
 一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
引用元:動物の愛護及び管理に関する法律

家事ハラスメント(カジハラ)

家事ハラスメント(カジハラ)とは『家事は女性(妻)がやるものだ』という概念から、日頃の感謝をせず当たり前のように女性に家事を押し付けていくことです。また、この他に『妻に家事を押し付けられた』ということをカジハラと呼ぶ男性もいます。

現在では、夫婦ともにフルタイムで働いている家庭が多いため、家事がどちらか一方の負担という考えは時代錯誤とも言われています。また、『女性の家事を手伝う』という表現自体がカジハラにあたるという意見もあります。

ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)

ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)とは、交際相手に結婚を迫るハラスメントです。結婚雑誌をわざと部屋の見せる場所に置いたり、子供や家など結婚に関連する事柄について問い詰めるように聞いたりして、結婚へのプレッシャーをかけていきます。

結婚を迫ること自体は嫌がらせにあたりませんが、男性にとってはプレッシャーの重いものです。相手がハラスメントだと感じてしまうような言い方は避けた方が懸命かもしれません。

ハラスメントは弁護士に相談することで解決できる場合がある

ハラスメントは弁護士に相談することで解決できる場合があるハラスメント問題を弁護士に相談すると、辞めさせるための差止要求書の作成や残業代、慰謝料、損害賠償などの請求で心強い味方となってくれます。

また、不当解雇などの場合は、地位確認などの裁判で解雇を無効・撤回にできる可能性があります。この項目では、ハラスメントで弁護士が解決できることについてご紹介します。

パワハラは残業代請求が可能な場合もある

『残業代をつけさせない』『残業代を支払わない』などで未払いの残業代がある場合は、残業代請求を行うことができます。

残業代請求について弁護士に相談する

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不当解雇は地位確認の裁判ができる

『ハラスメントで退職に追い込まれた』『身に覚えのないハラスメントで解雇された』などの場合、会社に処分の無効・撤回を求めたり、裁判で地位確認を行ったりすることができます。

妊産婦の解雇は無効

妊娠を理由とした解雇は無効です。また、出産時期の女性には解雇制限があります。妊娠・出産を理由とした解雇・降格・雇い止めは違法で、処分の撤回や無効を主張でいる可能性があります。

ハラスメントで発生した損害の賠償請求ができる

ハラスメントで休職や退職、解雇に追い込まれてしまい損害が発生したという場合は、ハラスメントをした相手や会社に損害賠償請求をすることができます。

ハラスメントを受けなければ本来働くことができた期間の労働賃金や、病気・怪我の治療費用、精神的負担に対する損害を請求しましょう。

ハラスメントで傷ついてしまった場合の対処方法

ハラスメントで傷ついてしまった場合の対処方法

ハラスメントで傷ついてしまったり疲弊してしまったりする場合は、自分だけで抱え込まず周囲を巻き込むようにしましょう。

この項目では、ハラスメントの解決のために必要なことについてご紹介します。

上司など身近な人から相談する

会社には、ハラスメントを対処する義務があります。そのため、ハラスメント問題は会社がハラスメントの事実を認識していたかが重要になります。言いやすい上司や社内の相談窓口や電話相談窓口などを利用し、会社にハラスメントがあることを認識させましょう。

関連リンク:厚生労働省|労働条件相談ほっとライン

必要な場合は労災申請をする

ひどい嫌がらせや暴力行為によって、うつ病などの精神疾患や怪我をして働けない状態になってしまったという方は労災申請という方法があります。

労災申請をすると、治療費などを補償できます。

とにかく無理せず休む

ハラスメントで重要なことは、『無理せず仕事を休むことです。ハラスメントによって傷ついてしまう人は、真面目な方や与えられた仕事をこなそうと頑張りすぎてしまう方です。

会社を1日休んでも仕事はなくなりません。一旦、仕事から離れて見て、自分と仕事・職場との関係を見直すということも大切なことです。もう少し頑張ろうと思うのもいいですし、仕事を辞めてしまうというのもひとつの選択です。

冷静に判断するためにも、思いつめてしまった時は躊躇なく仕事を休んでください。

加害者にならないために必要なこと

加害者にならないために必要なことハラスメントは、働き方や働く人々の多様化、その時代の価値観などによって定義が異なります。そのため、何をしたらハラスメントになるかということはその時々によって判断されます。

ハラスメントの加害者にならないために過敏になる必要はありませんが、『色々な価値観を持った人が働いている』ということを念頭に置いて言動に気をつけて業務に専念したいですよね。

この記事で、ハラスメントに関する疑問が解決することができれば幸いです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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