サービス残業を告発して改善するために必要な5つの知識と相談先

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サービス残業を告発して改善するために必要な5つの知識と相談先
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サービス残業は労働者にとって、労働に対する賃金が支払われないのに時間ばかり拘束される深刻な問題です。

サービス残業をさせる会社は、労働者がサービス残業をすることが当たり前のように扱われているので、労働者が声を上げない限り改善されることはありません。

もしも、サービス残業に悩まれている場合は証拠を残し、関係機関に相談することで外からの改善を求めましょう。この記事では、サービス残業を告発する方法や実際に労働者が声を上げた事例などをご紹介します。

◆残業代請求をしたい方へ

サービス残業をした分の残業を請求したい方は、弁護士に依頼することをおすすめします。
残業代を請求するためには、残業をしたことの証拠も残す必要があります。
具体的な手順などについては、労働問題が得意な弁護士を探して相談してみましょう。

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サービス残業を告発する前に知っておくべきこと

労働者に賃金を支払わずに労働させるサービス残業は違法であり、許されるものではありませんよね。

しかし、残業代カットのためにタイムカード等を定時で打刻させたり職場内にサービス残業をしなくてはならない雰囲気があったりして、サービス残業をせざるをえない状況にあることが多いと思います。この項目では、サービス残業の考え方をご紹介します。

サービス残業は拒否することができる

サービス残業は労働賃金を支払っていない違法な労働です。会社は、労働者が働いた分の賃金は全額支払わなければなりません。

賃金が支払われない労働は、拒否をしても問題はありません。また、サービス残業を断ったことによって解雇することはできません。
 

サービス残業はパワハラとして相談することもできる

上司などが残業代をつけさせないような指示を出したり、明らかに定時までに終わらない量の仕事を押し付けられたりする場合はパワハラとして相談することもできます。

終わらない量の仕事を押し付けて帰れないようにするのは過大要求型パワハラにあたります。パワハラは差止要求書を送付するなどでやめさせるための交渉をすることもできます。

【関連記事】:パワハラの解決方法

サービス残業の残業代請求をする

サービス残業は記録を残すことで残業代を請求することもできます。

「サービス残業は自主的に行ったものだから労働時間とみなさない」という考えもありますが、サービス残業が職場で常態化していたり残業代をつけられない雰囲気があったりする場合は労働時間と判断することができます。
 

残業代請求をする場合は、証拠や関係機関への相談が重要になってきますので、「未払い残業代を企業に請求して支払ってもらう5つの手順」もあわせてご覧ください。

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サービス残業を告発する方法

サービス残業を告発する方法
サービス残業は、労働基準監督署に相談することで告発することもできます。サービス残業を労働基準監督署に相談する際には、サービス残業の証拠が必要になります。この項目ではサービス残業の証拠などについてご紹介します。

残業したことの証拠を残す

サービス残業を相談したり残業代請求をしたりする際には、実際に残業をしていたことを示す証拠が重要になります。会社のタイムカードや業務日報に記録が残っていなくても、自分で労働時間を記録しておくことで証拠を残すことができます。サービス残業の証拠として残すことができるのは以下のようなものです。

  • 会社のタイムカードや業務日報などの記録、給与明細など
    タイムカードや業務日報、給与明細などには時間外労働の時間や残業手当が記載されていますよね。自分が残した記録と会社が残した記録に乖離があれば、労働賃金を支払われていない違法なサービス残業の証拠となります。
  • 残業をしている時間帯のパソコンのログオン記録や業務メール
    会社のタイムカードや業務日報に記録として残っていなくても、業務用パソコンのログオン記録や業務メールが残っている場合はその時間帯はオフィスで仕事をしていたことの証拠になります。特に上司から「○○の件、明日の朝までにやっておくように」等の業務指示メールがあった場合は、上司からの指示による残業とも判断できます。
  • 就業時刻をメモした手書きのノートや日記
    会社の就業記録とは別に、実働時間をメモした手書きのノートを作っておくことをおすすめします。最近では残業記録アプリなどもありますが、ボールペンなどの消えない筆記具で書いたノートは有効な証拠になります。

労働基準監督署に相談する

サービス残業に悩まれている場合は、サービス残業の証拠を持って労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署では、主に労働基準法に則って問題解決を行います。サービス残業は労働賃金を支払わない労働基準法に違反している問題ですので、労働基準監督署に相談することができるのです。
 

労働基準監督署は労働者から相談・要望があった場合は、会社に実態調査に入ることがあります。労働基準監督署に調査に入られるということは会社にとって多大なダメージを与えることになるので、どうしても許せないという場合の手段として考えてください。

関連リンク:厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内

労働者がサービス残業を告発した事例

労働者がサービス残業を告発した事例
労働者がサービス残業を告発し、会社が労働基準監督署からの指導を受けたり残業代の支払いが命じられたりする事例はいくつかあります。

サービス残業は労働者から声を上げなければ改善が難しい問題です。労働基準監督署では、匿名による相談も受け付けているので、サービス残業に悩んでいる方は行動を起こしましょう。

サービス残業の告発により書類送検

<事例>

東京都江戸川区に所在するスーパーマーケット2店舗では、労働者に対し労働時間の延長を行いながら、割増賃金を含む労働賃金を支払っていなかった。同社は以前より労働基準監督署より割増賃金の不払いを指摘・指導されていたが、その後も割増賃金が不払いであったことから江戸川労働基準監督署より書類送検された。

参考リンク:東京労働局|双剣事例 平成26年度

サービス残業の残業代を請求

<事件概要>

ゴム製造業に勤務していた男性は平日及び休日に時間外労働を行なっていたが、その労働時間に対する割増賃金は支払われていなかった。同社では、時間外労働を行う際に「所定時間内に休日出勤・残業許可願を上長に提出する」という給与規定があった。しかし実態として業務性質上、多くの社員が同社が規定している定時に業務が終わらず時間外労働を行なっていた。男性社員は、妻が記録していた帰宅時間の記録から、同社に対して平日の時間外労働と休日労働に対する割増賃金を同社に対して請求した。

<判例>

男性の妻が記録していた帰宅時間はあくまでも家に着いた時間を記録したものであり、男性が業務に従事した時間であるという証明は難しいものであった。しかし、同社で不払いの時間外労働(サービス残業)が常態化していたこと、同社が従業員の労働時間をタイムカードなどで管理していなかったことなどがあげられ割増賃金の支払いが認められた。

男性の妻の記録から、定時5:30より午後9時までの時間外労働の支払いを認め、同社に対して残業代272万円と付加金として230万円の支払いを命じた。

参考リンク:労働基準判例検索|ゴムノイナキ事件

サービス残業の相談先

サービス残業の相談先
サービス残業を改善するためには、告発以外にもいくつかの方法があります。サービス残業は許せないものですが、いきなり労働基準監督署に駆け込んでしまうとその後会社に居辛くなるのも事実です。ここでは、サービス残業の相談から訴訟までを含めた相談先をご紹介します。

【関連記事】:サービス残業の相談先と対処法|違法な残業を見直す6つの知識

労働条件相談ほっとライン

厚生労働省が運営している労働条件相談ほっとラインでは、労働条件に関する無料電話相談を行なっています。土日や平日の夜間の相談も受け付けているため、気軽に相談することができます。サービス残業を改善したいけれど、どうしたら良いかわからないという場合は電話相談を利用するのもひとつです

関連リンク:厚生労働省|労働条件相談ほっとライン

労働基準監督署

サービス残業をやめさせるために調査や問題解決のためのあっせんを行って欲しい場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署に相談した場合は、調査結果による是正指導・問題解決のための話し合い、労働審判などの解決方法の提案を行ってくれます。

弁護士

サービス残業の残業代請求をする、サービス残業をハラスメントとして訴え差止要求を行うという場合は弁護士に相談することをおすすめします。

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まとめ

サービス残業は労働賃金を支払わない違法労働です。サービス残業は労働基準監督署に相談することで告発し、会社側に調査や改善のための指導が行われます。また、サービス残業の労働賃金は支払われるべきものなので残業代請求をすることも可能です。

この記事でサービス残業に悩まれている方の手助けができれば幸いです。

この記事を監修した法律事務所
弁護士法人ネクスパート法律事務所
2016年1月に寺垣弁護士、佐藤弁護士の2名により設立。現在の在籍弁護士は14名(2018年1月時点)。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

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