出向命令に対する拒否の妥当性
■出向命令拒否の件
出向命令が出ることに対して拒否要件を満たせるかを確認したく存じます。
◆事案
現在就業中の会社には、2014年7月に経理職として転職入社
以後経理の管理職として業務に従事
2020年10月7日
出向の動きがあることを事前に外部から情報を得る
2020年10月8日
当該件について会社に問いただす
◆内容は以下の通り
・2020年11月1日付で親会社の監査室へ出向してもらう。
・後任はすでに決まっていて、11月1日入社とのこと
・内示は11月15日に予定していた。
◆会社側の出向理由
・本人が当社の社風に合っていない。
・本人が能力を持て余している
・会社の多くの人が、本人と仕事がやりずらいと言っている
・外に出て人間関係を構築してもらいたい
◆本人固辞
・転職で経理職として入社しているので、監査室への出向は自分の歩んできた
キャリアとは相違するので出向には応じたくない
・後任はすでに採っていて、退路を断つようなやり方はいかがなものか
・本人が当社の社風に合っていない→明確な回答なし。客観的な判断とのこと。
・本人が能力を持て余している→やるべき業務にしっかり対応(人事評価も悪くない)
・会社の多くの人が、本人と仕事がやりずらいと言っている→ほとんど業務上の関係を持っていない
・外に出て人間関係を構築してもらいたい→自分としては普通にできていると考えている
◆出向の経緯(本人想定)
・以前から会社の経営層に対して、経理として不正につながるような行為を指摘
・特定の経営層に対して横暴な対応が見受けられるため、それに対して客観的に反抗
・特定の経営層に対してパワハラ等の行為を是正するよう要望
↓
会社にとって不都合な存在
◆出向拒否事由
以下のいずれかに該当するのではと考えております。
・在籍出向の必要性が認め難い場合
・在籍出向の相当性がない場合
・在籍出向命令の動機・目的が不当な場合
・権利の濫用
◆会社の就業規則内容(一部)
会社は適材を適所に配置し 、 人材の育成を図るとともに業務の円滑かつ合理的な 運営を行う
ために社員に対して異動 、 転勤 、 出向を命ずることがある。
前項の場合 、 社員は正当な理由なくして 、これを拒むことができない。
他の出向規程等はなし。
↓
就業規則に「出向先での労働者の地位、賃金、退職金、各種の出向手当、昇格週休等の査定、その他の処遇など」
が明確に定められていない限り「出向命令」は拒否できる
以上よろしくお願いします。
◆未確認情報
外部から聞いた情報だと
当社代表取締役が親会社役員に対して出したい奴がいるかどうにかならないかと相談したという
◆本人の所感
集団的なパワハラ
↓
・会社の多くの人が、本人と仕事がやりずらいと言っている
↓
業務で聞かれれば実直に対応。他はほとんど関わりがないものの評価
↓
客観的に嫌悪があるものを集団的に排除しているやり方
相談者(ID:19169)さん
弁護士の回答一覧
お悩みのことと存じます。お困りのことと存じます。詳しい事情がわからないので、一般論として回答は...
出向命令は、就業規則上根拠があって、権利濫用にならなければ、有効です。有効性が認められやすい傾向にあります。有効な命令を拒否すれば解雇等になります。かつては厳しい規制が判例法理上ありましたが、現在は配転命令とかわらないといっても過言ではないです・・・
本件、過去の裁判例に照らした、専門的な判断が必要です。有効である可能性は十分にあります。
気軽に、ということであれば(その場合も真剣な相談でお願いいたします)、労働局に相談されてもよいですが、なかなか正確な回答は難しいかもです。頑張りましょう。法的に正確に分析されたい場合には、労働法にかなり詳しく、上記に関連した法理等にも通じた弁護士等に相談し、証拠をもとにしながら具体的な話をなさった上で、今後の対応を検討するべきです。
納得のいかないことは徹底的に解明しましょう! 不正確な法的判断で対応すると、不利な状況になる可能性もあります。弁護士への直接相談が良いと思います。なぜならば、法的にきちんと解明するために、良い知恵を得るには必要だからです。
弊所は、ここ=ネットでは、回答を終えさせて頂き、さらなるご質問は、希望される場合にのみ、有料相談でお受けいたします。お力になりたいと思います。良い解決になりますよう祈念しております。
クラウンズ法律事務所代表弁護士 藤川久昭
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