有期雇用契約の契約解除について
社会福祉法人勤務です。1年ごとに契約を更新しており、継続前提の有期雇用契約です。2回更新してます。12月の頭に突然本年度で契約解除するとの書面が届きましたが、根拠は示されていません。説明要求をしましたが、法人からの説明はなく、弁護士に相談して回答するとの書面が届きました。継続前提の有期雇用契約の解除は解雇に相当すると思うのですがいかかでしょうか。また今後の対応の仕方のアドバイスをいただければと思います。雇用契約書には更新の有無や、更新時の条件等は示されていません。
相談者(ID:)さん
弁護士の回答一覧
さぞ悔しい思いで一杯だと思います。お察しいたします。 まず、「本年度で契約解除」が、今回...
まず、「本年度で契約解除」が、今回の1年満了で契約を終了させ、次の契約を更新しない、という意味としてとらえます。
とすれば、ご相談の件は、労働契約法19条の適用の問題です。少なくとも、同条2号にいう、「契約期間の満了時」に、「更新期待について合理的な理由がある」場合だと思われます(注:更新有無などが示されていないこと、継続前提の資料次第では、1号該当性も十分ありえます)。そして理由の説明もない(ことに加え、更新有無・基準の存在していない)ので、客観的合理的な理由及び社会通念上相当性が欠如していると思われます。
以上の要件を満たせば、簡単にいえば、これまでの労働条件で、1年間の有期労働契約を締結したものとみなされます。
今後の対応ですが、一番大切なのは、こちらから「契約更新の申し込み」を使用者側に行っておくべきことです(注:厚生労働省の見解では、そこまでしなくても、更新されないことに不服がある程度でよいとされていますが、法律通り、行っておく方が安全です)。書面が望ましいです。次に、継続前提であることを示すような資料(書類、メール、録音データなど)を用意しておくことです。最後に、方法としては、労働局などへのあっせん申請、労働審判、労働訴訟などがありますが、労働契約法19条の問題は、労働法に詳しい弁護士を相談して解決された方がよいと思います。過去の判例・裁判例の参照が特に大切な問題ですから・・・
「本年度で契約解除」の意味が、「本年度途中で契約解除」ということであれば、労働契約法17条1項の問題です。労働契約法16条の解雇権濫用法理よりも厳しい要件が使用者に求められます。
よい解決がなされますよう、心からお祈りしております。弁護士回答の続きを読む
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