相続協議中の遺産からの収入

相続
遺産分割

現在、父の相続を調停で話し合いをしています。

相手方は長男で弁護士を立てています。相続人は母と子が4人で計5名です。三男の私が申立人で相手方が長男です。母と次男は私と同じ考えで話し合いを続けています。なかなか進捗しないですが、調停は弁護士を立てずに進めるつもりです。

相談内容は父の遺産からの収益についてです。

生前は母が管理していたのですが、亡くなる前に父の介護の為に長男に管理と通帳などを渡しました。不動産会社が間に入っており、賃貸契約、回収、メンテナンスや費用の支払いを一括して行い、差し引きした収益のみを受け取るだけなので管理といっても不動産会社からの報告に必要に応じて返事をするだけです。

不動産会社に対して長男は相続人代表と称して自分の口座に収益のすべてを入金させる契約を独断で行いました。

長男と不動産会社に各相続人の法定相続分で分配するように求めましたが、長男は弁護士を通じて相続調停での話し合いも支払いに応じることも拒否し、不動産会社は不当であると伝えても契約を盾に支払に応じようとしません。不動産会社は情報の開示には応じて毎月の収益報告は送られてきます。今のところ、収益に対する法定相続分を計算した請求書を長男に対して送っていますが、特に回答も支払いもありません。

相続調停で話し合う合意は得られないので、この収益分配の件を弁護士に依頼しようと考えています。具体的に進める為に以下の通りお尋ねしたいと思います。

1.遺産とは別個の債権なので分配するのが当然の様ですが、こういった事案の場合は代理人を立てることで民事裁判にならずに話し合いで解決するものなのでしょうか。それとも調停から裁判となり長期化する事の方が多いのでしょうか。

2.賃料収益を独占していることもあり、長男は代理人弁護士に潤沢な資金を使えているようです。不動産会社に収益の支払い停止をさせることはできるのでしょうか。祖父からの相続で建設時の債務も引き継いでいるので支払い停止が可能であれば長男に対して圧力をかけられると思います。銀行は他の相続人に催促はできても強要は難しいので長男にこれまで通りの支払を求めると思います。担保行使となれば共有している長男が一番困ります。

3.出身地でのことなので現在の居住地から300キロほど離れているのですが、この案件の場合依頼する弁護士はどちらで選択する方がよいのでしょうか?
また遠方の場合は日当など実費が嵩むとも言いますが、費用の面からもメリット、デメリットを教えてください。

4.請求している収益の法定相続分で現在約900万円です。母の分は3600万で私が代理として請求書を送っています。債務や税金分(長男が一括で支払っているはず)が差し引かれるとすれば何割か減額になると思いますが、その情報は開示してもらえないので不明です。長男に圧力をかける意味もあるのですが、仮に裁判となった場合は、開始以後に発生した収益はまた別に訴えていかなければならないのでしょうか。

5.前項に関係するのですが、分配金から債務を差し引く場合、当該収益不動産を相続する人が減額となった債務を引き継ぐので、その分相続税が減ったりする恩恵を受けます。相続とは別と考えるならば債務支払い分は分配金から引かないのが正しいのでしょうか。

6.全体的にどのような進行を想定しておけばよいか教えてください。

7.このような事例の経験のある弁護士はどう探せばよいのでしょうか。

以上、長々とすいませんがよろしくお願いします。

相談者(ID:1880)さん

2018年06月11日

弁護士の回答一覧

橘高 和芳
弁護士(たちばな総合法律事務所)

 順次回答いたします。  1の質問ですが、相手方が情報の開示を拒絶していることからすると、話...

 順次回答いたします。
 1の質問ですが、相手方が情報の開示を拒絶していることからすると、話し合いでの解決は難しく(ご質問者様が大幅に譲歩すれば別ですが)、民事裁判を提訴したほうが良いでしょう。
 2の質問ですが、不動産会社と長男との契約を既にしているということからすると、支払い停止は難しいでしょう。この点は、亡父と不動産会社との契約書があるのであれば弁護士と相談して、難しいと思われますが、亡父との契約がまだ存続しているはずであるなどと主張できないか検討だけはしたほうが良いでしょう。
 3の質問ですが、一般論としては、ご質問者様の住所地近くの弁護士の方が相談しやすくて良いでしょう。勿論、係争物件である収益不動産の所在地近くの事務所でも構いません。
 4の質問ですが、相続開始後に発生した賃料は、民事裁判で請求することになります。また、相続開始前に発生している賃料で、長男が使い込んでいるものも民事裁判で請求することになります(相続開始時点で預金・現金など相続財産として現存しないものは、民事裁判で解決することになります)。
 5の質問ですが、相続税の債務控除は、相続開示時点での債務残高を控除するので、相続開始後の収益により債務が減少したことは相続税の税額計算については影響がありません。銀行との契約による約定返済については、収益分配金から引いて、その残額を請求することになります。なお、ご注意ですが、所得税法的には、実際に長男から分配を受けていなくても、相続人は大体の不動産所得金額を算定した上で、所得税の確定申告を毎年する必要があります。
 6については、弁護士にご相談ください。経験上では、民事裁判も家事調停も同じ弁護士に依頼して同時並行で進めたほうが、解決は早いと思われます(相互の手続きで証拠を相互に利用することや相手方が手続ごとに違う言い訳をするのを防止できるため)。
 7については、相続を取り扱ったことがある弁護士を探せばよいと思われます。
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橘高 和芳
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住所大阪府大阪市天王寺区上本町6-6-26上六光陽ビル2階
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支払われた賃料分は法定相続分に応じた請求が可能でしょう。今後支払われるであろう分については、た...

支払われた賃料分は法定相続分に応じた請求が可能でしょう。今後支払われるであろう分については、たとえば不動産会社に支払い請求の通知を出して、それを受けて不動産会社が供託する、ということは想定されるかと思われます。この件で弁護士に依頼するのであれば、調停も含めて依頼をして、一度調停の場で方向性を確認した上で訴訟手続きをとる、という進め方もあるかと思います。弁護士についてはとりあえず身近の弁護士に面談して感触を確かめたほうがいいかと思います。交通費日当と信頼性を考量する、ということです。弁護士回答の続きを読む
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渋谷 徹
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