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交通事故の被害者は加害者の保険会社と直接示談交渉をして慰謝料を請求することになりますが、大半の人は交通事故の経験と法律の専門知識はないので、本当に正しい手続きを出来ているか誰しも不安を抱くものです。
そんな時に頼れる心強い味方が弁護士ですが、当然ダダではないので利用するなら費用の相場と節約方法を把握しておく必要があります。
この記事では交通事故の弁護士費用についてご紹介するので、弁護士への依頼を検討されている場合はぜひ参考にしてみて下さい。
交通事故の弁護士費用の相場
下表は弁護士に示談交渉と裁判を依頼する費用の相場です。弁護士によって価格設定は異なるので若干の誤差は生じますが、下表の費用額から大幅に変わることはないので目安として参考にして下さい。
示談交渉の相場
交通事故の示談金交渉を弁護士に依頼する場合、着手金の有無で弁護士費用の体系が異なります。
下記の表を確認すると、着手金無料の場合は報酬金の割合が高くなっていますよね。
【示談交渉】
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着手金
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報酬金
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着手金あり
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10~20万円
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報酬額の10~20%
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着手金なし
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無料
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報酬額の20~30%
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示談交渉により、大幅な示談金額の増加が見込まれる場合はかえって着手金無料の費用体系で依頼すると損をする場合があります。
示談交渉で弁護士が介入することで上がる可能性がある費用名目として下記の2点があります。
今回は後遺障害慰謝料について例として取り上げます。
後遺障害慰謝料の等級ごとの弁護士に依頼した場合の費用相場は以下の通りです。
等級
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自賠責基準
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任意保険基準(推定)
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弁護士基準
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1級
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1,100万円
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1,300万円
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2,800万円
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2級
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958万円
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1,120万円
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2,400万円
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3級
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829万円
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950万円
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2,000万円
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4級
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712万円
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800万円
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1,700万円
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5級
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599万円
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700万円
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1,440万円
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6級
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498万円
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600万円
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1,220万円
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7級
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409万円
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500万円
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1,030万円
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8級
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324万円
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400万円
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830万円
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9級
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255万円
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300万円
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670万円
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10級
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187万円
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200万円
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530万円
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11級
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135万円
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150万円
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400万円
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12級
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93万円
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100万円
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280万円
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13級
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57万円
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60万円
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180万円
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14級
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32万円
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40万円
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110万円
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例えば弁護士が介入して、後遺障害等級を8級から6級に上げることができた場合は
後遺障害慰謝料の相場が830万円から1180万円に増額されたことになります。
なお後遺障害慰謝料の相場は後遺障害等級に応じて、弁護士基準として定まっています。
詳しくは以下の記事から確認してください。
この場合、着手金ありの報酬体系で依頼した場合の弁護士費用例は下記の通りになります。
15万円(着手金を15万とした場合)+52.5万円(報酬金の割合を15%とした場合)=67.5万円
一方で完全成功報酬で弁護士に依頼した場合の弁護士費用例は以下の通りです。
0円(着手金無料)+87.5万円(報酬金の割合を25%とした場合)=87.5万円
着手金ありの報酬体系の場合の弁護士費用例と比較すると、20万円も損をしていることになります。
示談金を大幅に増額できそうな見込みがあると感じた場合は、あえて着手金ありの報酬体系で交通事故問題の解決を弁護士に依頼する方が
かえって安くなる可能性があることを知っておきましょう。
裁判の相場
【裁判】
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着手金
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報酬金
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着手金あり(経済利益額0~300万円)
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経済利益額の8%
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経済利益額の16%
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着手金あり(経済利益額300~3,000万円)
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9万円+経済利益額の5%
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18万円+経済利益額の10%
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着手金あり(経済利益額3,000万円~3億円)
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69万円+経済利益額の3%
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138万円+経済利益額の6%
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着手金あり(経済利益額3億円以上)
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369万円+経済利益額の2%
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738万円+経済利益額の4%
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着手金なし
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無料
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20万円+報酬額の10%
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ここで重要なのは『経済利益額の○○%』という記載です。
経済利益とは何を指すのでしょうか。
経済的利益とは弁護士に依頼することで獲得できる金額や物の価値の事をさします。
つまり、弁護士に依頼することで獲得できた金額全般を指します。
先ほど確認した、成功報酬と同様、かえって着手金ありの場合の方が弁護士費用が安くなる可能性があることに注意しましょう。
交通事故の主な弁護士費用はこの示談と裁判で変わってきますが、他にも細かな弁護士費用が存在するのでそれらは下記でご紹介します。
弁護士の相談料
依頼前の法律相談に発生する費用で、相場は1時間で5,000円~1万円ほどです。ただ最近では相談料を無料に設定している弁護士も少なくありません。
相談終了時に支払いになるのが一般的ですが、相談時に依頼が決定すれば弁護士によっては案件終了時に精算としてくれる場合もあります。
着手金
着手金とは、弁護士に依頼を決めた時に必要になる費用で、近年だと示談交渉の相場は10~20万円であると言われています。
着手金は交渉と裁判の結果は関係なく弁護士が問題解決に取り組むために必要な費用なので、途中で契約を止めても返金はされませんが、近年では着手金を無料にして報酬金を多めに設定する弁護士も増えてきています。
成功報酬
成功報酬とは、依頼した示談や裁判が成功した時にその報酬として弁護士に支払う費用で、
成功報酬の相場は依頼の難易度や得られる経済利益額によって変動します。
- 着手金あり:経済利益額の10%~20%
- 着手金なし:経済利益額の20%~30%
上記の表と数値が異なりますが、上表は旧弁護士表の目安なので現在はこちらの相場額を基に費用を設定する弁護士も多いようです。成功報酬は着手金と違って依頼の失敗や途中で解約した場合は費用を支払う必要はありませんが、案件の進行状況に応じて請求がされる場合もあります。
その他の費用
弁護士の日当
日当とは、示談交渉や裁判など弁護士が遠方に出張する際にかかる費用で、1時間1万円が相場とされています(電車などの移動時間も日当のカウントに含まれる)。日当については案件終了時に精算する場合が多いと思われます。
弁護士によっては着手金にあらかじめ日当を含め示談交渉は何回までなら無料と定めている場合もあるので、依頼の際に料金体系の詳細を確認しておくと良いでしょう。
弁護士の実費
実費とは、書類の郵送や遠方出張の時の交通費や宿泊費などに必要になる費用です。実費についても案件終了時に精算する場合が多いと思われます。
あらかじめ弁護士から説明はあると思いますが、具体的な内訳が知りたい場合は相談の際に尋ねてみることをおすすめします。
後遺障害の認定
交通事故の負傷で障害が残る場合は後遺障害の申請を出して慰謝料の請求ができますが、その手続きを弁護士に依頼することが可能です。
費用の相場は、着手金が10~20万(但し、後遺症の程度が重い場合は50~100万程度かかる場合もあります。)で報酬金が成果報酬の10%~20%ほどですが、後遺障害の慰謝料請求を弁護士に依頼すれば自分で請求するよりも慰謝料額はずっと高くなるので、費用を含めても大体のケースは弁護士に依頼した方がお得になるでしょう。
【関連記事】
後遺障害等級認定で獲得できる慰謝料|相場と計算方法まとめ
後遺障害の申請方法と被害者請求で有利な審査結果を得る方法
交通事故で弁護士を雇うメリット
請求できる慰謝料が増える
交通事故の慰謝料は保険会社の基準で算出する自賠責基準・任意保険基準と弁護士が法律と過去の判例を基に算出する弁護士基準の3種類があります。
- 自賠責基準(自賠責保険の基準を基にした算出法)
- 任意保険基準(任意保険の基準を基にした算出法)
- 弁護士基準(法律と過去の判例を基準にした算出法)
示談金は『弁護士基準>任意保険基準>自賠責基準』で弁護士基準が一番高額となるので、弁護士に依頼をした方が慰謝料を多く請求することが可能です。参考までに入院慰謝料の比較をご紹介しておきます。
<3カ月間(90日)入院した事例>
算出基準
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3カ月間入院した場合
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自賠責基準
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37万8,000円
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任意保険基準
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75万6,000円
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弁護士基準
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145万円
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手続きを弁護士が代行してくれる
両者に過失がある事故なら保険会社同士で交渉が行われますが、過失割合が0-100でこちらが被害者の場合だと保険会社は交渉の場に立ってくれないので、被害者本人が手続きを進めなければいけません。
しかし、弁護士に依頼をすれば保険会社との示談交渉や慰謝料請求に必要な書類の準備など、大部分の手続きを任せられます。
事故当事者の大半は交通事故など経験がないため、自分で法律について勉強しながら仕事や学業の間を縫って対処していくことになりますが、弁護士に依頼をすればその負担を軽減し手続きにかかる時間を大幅に節約することが可能です。
【関連記事】
示談交渉で揉めたときに弁護士への示談交渉依頼を進める理由
交通事故の示談交渉で弁護士に依頼するメリットとタイミング
あなたの交通事故の場合の弁護士費用が具体的になったら、次に弁護士に交通事故問題を依頼した際の流れについて知っておきましょう。
弁護士に依頼した際の流れを知っておくことで、スムーズに弁護士と対話することが可能となり、問題解決まで最短で進めることが出来ます。
弁護士費用を安くする方法でよく言われることが多い弁護士費用特約についてここからは説明していきます。
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弁護士費用特約を利用したら弁護士費用は本当に無料になる?
よく他のサイトにも『弁護士費用特約を利用すると弁護士費用を無料で依頼できる』といったような表記が見受けられます。
しかし、理由についてはあまり深く説明されていることも少ないようです。
本当に弁護士費用特約を利用することで、弁護士費用は無料になると言えるのでしょうか。
ここからは弁護士費用特約について具体的に掘り下げて、本当に弁護士費用が無料になる理由や弁護士費用を無料にするために弁護士費用特約を適用する方法などについて解説します。
弁護士費用特約とは
弁護士費用特約とは交通事故に遭った際に、保険会社が弁護士への相談・依頼にかかった諸費用を限度額まで負担してくれる保険サービスです。
被害者が加入する任意の自動車保険にオプションとして付与することが出来ます。
しかし、実際には保険会社から提案されたプランの中に入っている場合が多く、約65%の人が弁護士費用特約に加入しているのです。
引用元:おとなの自動車保険『弁護士費用特約』
自分が弁護士費用特約に加入しているということや弁護士費用特約の内容について知らない人が多いため、実際の利用者は約0.05%に留まっています。
交通事故発生数は以下の通りです。
引用元:警察庁『平成29年中の交通事故の発生状況』
計算すると事故発生件数が約47万件に対して約1万5000件程度の事故でしか弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼していないと考えられます。
弁護士に交通事故の示談から依頼することで、大幅な示談金増額が見込めるケースが多々あります。
具体的には下記の記事で説明しておりますので、一度確認いただくことをお勧めします。
弁護士費用特約を適用して保険会社に弁護士費用を負担してもらった状態で、弁護士に依頼することが出来ればリスクなく示談金の増額を行うことが出来ることになります。
しかし、弁護士費用特約を活用する方法を知らないことで95%以上の人が損をしていることになります。
この記事を読んでいるあなたは損をしないように、弁護士費用特約について詳しく知っておきましょう。
まずは、どのような場合に弁護士費用特約を適用できるのかを見ていきましょう。
弁護士費用特約の適用条件
自身が加入している任意の保険会社の約款に具体的な適用条件が記載されています。
保険会社によって補償を受けることが出来る条件は若干異なりますが、一例として東京海上日動の場合は以下のような適用条件が定められています。
1.記名被保険者
2.記名被保険者の配偶者
3.記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
4.記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
5.ご契約のお車に乗車中の方
6.1〜4の方が、ご契約のお車以外のお車(事業用のお車等を除きます。)を運転中(駐車または停車中を除きます。)の事故については、そのお車の所有者および同乗者
7.ご契約のお車の所有者(ご契約のお車の所有、使用または管理に起因する事故の場合に限ります。)
引用元:東京海上日動『弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型)弁護士費用特約(自動車事故型)』
一度自身の保険会社に適用条件について問い合わせてみることをお勧めします。
では、弁護士費用特約の補償範囲はどこまでカバーできるのでしょうか。
ここからは弁護士費用特約の適用範囲について説明します。
弁護士費用特約の適用範囲
保険会社毎に若干限度額は異なります。
一般的には弁護士費用特約は法律相談料の限度額が10万円、弁護士に依頼した際にかかる費用の合計が300万円までとされていることがおおいです。
先ほど確認した東京海上日動の場合も以下の通り定められています。
弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型)は日常生活での事故またはご契約のお車の事故で、弁護士費用特約(自動車事故型)はご契約のお車の事故で相手方に法律上の損害賠償請求をするために負担した弁護士費用詳細および法律相談費用詳細に対して、1事故について補償を受けられる方1名あたり300万円を限度に保険金をお支払いします。
引用元:東京海上日動『弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型)弁護士費用特約(自動車事故型)』
基本的に交通事故の案件で弁護士費用が300万円を超えることはまれです。
そのため、弁護士費用特約を適用して実質無料で弁護士に交通事故問題を依頼して解決してもらうことが出来るというのは事実です。
弁護士費用特約の加入の有無を調べる方法
弁護士費用特約の加入の有無を知るのに最も手っ取り早いのは自身の加入している保険会社に電話をして直接聞いてみることです。
しかし、保険会社と話す際には保険契約書の控え等を手元に置いて電話することが多いと思います。
契約書をよく見ると弁護士費用特約について記載があるため、電話する前に契約書に弁護士費用特約の加入有無について記載があるかを一度確認して、分からなければ電話するようにしましょう。
弁護士費用特約を適用する流れ
保険会社に電話をして、弁護士費用特約を利用することをまずは伝えましょう。
その後、自身の相談したい弁護士に依頼をする際に弁護士に対して弁護士費用特約を使用する旨を伝えてください。
弁護士に相談者が加入する弁護士費用特約を適用することを伝えることで、弁護士は保険会社に弁護士費用を請求することが一般的です。
そのため、初めに自身が弁護士費用を立て替えるといったこともありません。
弁護士費用特約を利用することに複雑な手続きは必要ありません。
この記事を読んでいる方はいま手元にお金がなく、(弁護士費用を抑えたい、、出来れば実質無料にしたいな、、)という気持ちの方は多いのではないでしょうか。
弁護士費用を抑えたり実質無料にすることは、条件によりますが可能です。
ここからはパターン別でそれぞれ弁護士費用を安くするための方法を確認していきましょう。
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【パターン別】弁護士費用を抑える方法
以下の図に従って弁護士費用を抑える方法の中で自分に当てはまるものを活用してください。
弁護士費用特約に加入している場合
保険会社に連絡して、弁護士費用特約に加入していることが判明した場合は実質無料で交通事故問題の解決を弁護士に依頼することが出来ます。
まずは保険会社に電話をして、弁護士費用特約を使用する旨を伝えましょう。
その後、あなたに合った弁護士を探して、弁護士に相談する際に弁護士費用特約を使用することを伝えます。
上記の手続きによって、保険会社に弁護士費用を負担してもらった状態で弁護士に依頼することが出来るため、実質無料で弁護士に依頼することが出来るのです。
弁護士費用特約に加入していない場合
もし保険会社に連絡した際に、自身の加入している自動車保険が弁護士費用特約に加入していない場合は基本的には自身で弁護士費用を負担することになります。
しかし、弁護士費用が手元にない場合はどうすればよいのでしょうか。
実は法テラスを活用することで、弁護士費用を法テラスが立て替えてくれる制度があります。
法テラスを活用出来るか確認する
法テラスの弁護士費用立て替え制度を利用するには法テラスが定める条件があります。
具体的には以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 収入等が一定額以下であること
- 勝訴の見込みがないとは言えないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
このうち民事法律扶助とは弁護士費用がないなどの経済的な問題により、本来持っているべき裁判を受ける権利を放棄せざるを得ない状況の場合に費用を援助してもらえることを指します。
ここで注意したいのは、弁護士費用特約を活用する場合と異なり、あくまでも費用を法テラスが一時的に立て替えてもらえるだけであることです。
しかし、弁護士費用倒れにならない限りは、相手から獲得できた示談金などを返済に充てることで実質手元に資金がなくても弁護士に交通事故問題の解決を依頼できます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
完全成功報酬の料金体系がある事務所を探す
もし、弁護士費用特約への加入もしておらず、法テラスの弁護士費用立て替え制度の条件も満たしていない場合はどうすればよいのでしょうか。
そのような場合は、完全成功報酬の料金体系がある法律事務所を探しましょう。
交通事故において、不当な過失割合を相手の保険会社が提示している場合や不当な後遺障害認定等級に認定されている場合があります。
上記のような被害者にとって不利な条件提示が行われており、弁護士が介入してほぼ確実に示談金を上げることが出来ると見込んだ案件については、完全成功報酬制で交通事故問題の依頼を請け負ってくれる事務所があります。
一度完全成功報酬制度のある法律事務所に相談してみることで、手元にお金がなくとも依頼することが出来る場合があるのです。
弁護士に依頼する全ての人ができる費用を抑える方法
無料相談の弁護士を選ぶ
依頼をどの弁護士に任せるかは複数の弁護士を比較して決めることになりますが、相談先が全て有料の場所だと相談料だけでかなりの出費がかさんでしまいます。
どうしても気になる弁護士がいる場合は有料相談を利用するのもなしではありませんが、費用をなるべく安く抑えたい場合はなるべく無料相談をしている弁護士から検討していくと良いでしょう。
住居に近い場所にいる弁護士を選ぶ
例えば、四国に住んでいる人が東京の弁護士に依頼をすると弁護士は出張する機会が増えるため、実費と日当の費用がかなりの高額になってしまう可能性があります。
近隣で交通事故を得意とする弁護士が見つからない場合は仕方ありませんが、それでもなるべく住居から近いところから弁護士を選ぶようにすれば、費用を安く抑えることができます。
弁護士費用の費用倒れには注意が必要
弁護士に交通事故問題を依頼しても費用倒れになる場合があります。
例えば、物損事故の場合や、人身事故でも3ヵ月以内に完治するような軽傷のみの場合は弁護士にできることは少ないため、弁護士費用倒れになってしまう可能性があります。
しかし、弁護士も費用倒れになるかどうかの判断は経験から推測できます。
もし相談した際に、弁護士が費用倒れになると判断した場合は依頼を受けられない旨を伝えることも多いでしょう。
基本的に人身事故で中程度以上のけがを負った場合は、費用倒れになる可能性は低いと考えて問題ありません。
弁護士を雇った方が得なケース
弁護士依頼をすれば獲得できる慰謝料は増額するとは言え、増額した慰謝料から費用を差し引いてマイナスになるようでは意味がありません。弁護士に依頼するなら『慰謝料-弁護士費用>保険会社基準の慰謝料』になるかを確認しましょう。
基本的には入通院が半年以上と長引き後遺障害が見込める状況の場合は、弁護士に依頼をすれば請求できる慰謝料がお得になる可能性が高いです。
自分で弁護士に依頼をした方が得かどうか判断しかねる状況の場合は、弁護士に相談だけ依頼をして見積もりを出してもらうことをおすすめします。
弁護士費用を用意できない場合は
明らかに弁護士に依頼をした方が請求できる慰謝料が増える状況なのに弁護士費用が用意できない…。そういった状況でとれる対策は以下の2つです。
- 着手金なしの弁護士に依頼をする
- 民事法律扶助を利用する
着手金なしの費用は報酬金から差し引きの料金携帯である弁護士に依頼をすれば、前もって費用を支払う必要はないので実質無料で弁護士に依頼が可能です。
また、法テラスという法律組織では民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)という弁護士費用を払えない方の弁護士費用を一時的に建て替えてくれる制度があるので、一度こちらに無料相談をしてみるのも良いでしょう。
参照元:民事法律扶助業務|法テラス
弁護士の探し方と選ぶコツ
弁護士の得意分野を見極める
医者に外科や内科などの担当があるのと同じく、弁護士にも税務訴訟や離婚などそれぞれ得意とする分野があります。
交通事故の場合は法律の知識だけでなく後遺障害など医療知識も必要になるので、交通事故問題の経験が乏しい弁護士だと思うような成果が得られない可能性も否定できません。なので、必ず交通事故に力を入れている弁護士に依頼をするようにして下さい。
最近では弁護士のHPを見れば得意分野や過去にどういった問題を解決してきたのかを確認できるので、相談に行く前に弁護士の経験・活動を確認しておきましょう。
インターネット検索を活用する
インターネットで検索をすれば弁護士の紹介サイトや弁護士のHPを誰でも容易に見つけることができます。
『交通事故 弁護士』『後遺障害 弁護士』『交通事故 示談 弁護士』などのキーワードで検索をすれば、交通事故問題に力を入れている弁護士が見つかりやすいので、その中から候補を探すと良いでしょう。
インターネット検索が不安な場合は以下のような無料相談サービスを利用して、そこから自分の希望に沿う弁護士を紹介してもらうことをおすすめします。
また、この『あなたの弁護士』でも交通事故問題の解決が得意な弁護士を掲載しています。
多くの検索条件を備えているので、あなたにとってピッタリな弁護士を探しやすいでしょう。
一度あなたにあった検索条件を活用して弁護士を探してみましょう。
人間的に合うかどうか
弁護士の働きは依頼者との信頼関係が大きく影響してきます。これは感覚的なことですがとても重要な判断材料です。
交通事故の状況と要望を伝えてアドバイスをもらっても、あなたがその弁護士が苦手だと感じていると助言を素直に受け入れられない可能性がありますし、それが原因で依頼が思うように進行せず揉めてしまうかもしれません。
もし初対面で弁護士を嫌いと感じてしまったなら、お互いに迷惑をかけ合わないよう素直に別の弁護士を探すようにしましょう。
このような状況は電話相談を利用すれば避けられるので、気になる弁護士が電話相談を提供しているのなら、直接相談に行く前に一度話してフィーリングが合うかの確認をしておくことをおすすめします。
交通事故のあなたにあった弁護士の探し方については以下の記事で具体的なポイントをお伝えしています。
あなたに最適な弁護士を探すための知識を身につけましょう。
まとめ
一般的な生活を過ごしている目線だと弁護士費用は決して安いものではありませんが、請求できる慰謝料が増えたり手続きの手間を省けたりなど、弁護士への依頼は価格相応のメリットがあります。
近ごろは相談料が無料の弁護士は増えてきているので、もし時間に余裕があるのなら一度アドバイスだけでも受けてみてはいかがでしょうか。
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