後遺障害等級14級の症状と慰謝料|14級の認定基準まとめ

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
後遺障害等級14級の症状と慰謝料|14級の認定基準まとめ

交通事故によって負ったケガが治療し続けても回復の見込みがなく、日常生活で行う身体の動作が制限されたり労働能力を失ったりした場合、全部で14段階ある後遺障害等級のいずれかに認定されます。後遺障害第14級は全等級の中で最も軽症だとされていますが、後遺障害等級の認定件数では非常に多く、平成26年度の後遺障害等級別認定件数を見ても全体の58.81%も占めます。

自動車保険の概況平成27年度 – 損害保険料率算出機構

引用元:自動車保険の概況平成27年度 – 損害保険料率算出機構

しかし、後遺障害第14級の等級認定は難しく、特に身近な症状であるむち打ち症において、後遺障害等級の認定申請をしても非該当にされてしまうケースも多いので、申請する際には認定の基準を事前に把握しておいた方が良いでしょう。

そこで、この記事では後遺障害第14級に認定される基準や申請を通りやすくするためのポイントをご紹介しますので、後遺障害申請を検討されている場合はぜひ参考にしてみて下さい。

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後遺障害第14級で認定される9つの症状

後遺障害第14級の労働能力喪失率は5%とされていて、全部で14段階ある後遺障害等級の中でも最も軽症の部類です。各症状の詳細は以下の通りです。

後遺障害等級 後遺障害 概要
第14級 1号 1眼のまぶたの一部に欠損を残しまたは、まつげはげを残すもの
2号 3歯以上に対して歯科補綴(しかほてつ)を加えたもの
3号 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの
4号 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
5号 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
6号 1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7号 1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することが出来なくなったもの
8号 1足の第3の足指以下の1、または2の足指の用を廃したもの
9号 局部に神経症状を残すもの

第14級 1号|片目のまぶたの欠損

交通事故が原因で片方のまぶたの一部を欠損してしまうか、まつげがはげてしまった(抜けてしまった)場合に第14級1号に認定されます。欠損の度合いとしては、まぶたを閉じたときに黒目は隠れるものの白目が露出しているくらいの程度です。

第14級 2号|3本以上の歯の欠損

永久歯を3本、または4本を失った状態です。歯科でブリッジや差し歯などの治療を受けること歯科補綴(しかほてつ)と呼ばれますが、第14級2号に認定する上では歯科補綴が前提になります。なお、5本以上の永久歯を失った場合は第13級5号に等級が上がります。

第14級 3号|片耳の聴力障害

片耳の聴力が低下し、1メートル以上の距離では小声の会話が聞き取れなくなる状態です。数値的な認定基準では、片耳の平均純音聴力レベルが40dB(デシベル)以上70dB未満の聴力になります。

第14級 4号|腕に残る醜状

腕に手のひらサイズの大きな傷跡が残った状態です。肩関節から指先までの露出面が対象の範囲であり、常に露出していない服で隠れる部位の傷跡でも認定されます。

第14級 5号|脚に残る醜状

脚に手のひらサイズの大きな傷跡が残った状態です。股関節(大腿部)から足の甲までの露出面が対象の範囲で、腕の場合と同じく常に露出していない部位の傷跡でも認定されます。

第14級 6号|片手の親指以外の指骨の一部欠損

片手の親指以外の手指において、骨が一部欠けてしまった状態です。また、指骨が欠けていなくても遊離骨折(骨がくっつかない状態)であれば認定の対象になりますが、レントゲン写真など医学的な証拠が必要です。第14級6号は親指以外の4本のいずれかで指定していますが、親指の骨が欠けた場合は第13級7号に認定されます。

第14級 7号|片手の親指以外の手指の機能障害

片手の親指以外の手指で、第1関節より先が硬直するか曲げ伸ばしが出来なくなった場合に第14級7号に認められます。機能障害を起こした指の本数に条件はありませんが、症状が酷くなり第2関節より先で麻痺を起こすと第12級10号に等級が上がります。

第14級 8号|片足の足指の機能的喪失

片足の指で中指と薬指、小指の中で1本または2本の指の機能を失った状態です。機能を失ったことを『用を廃した』と言いますが、認定基準は第1関節から根元の間で切断してしまうか、可動域が健常時と比べて2分の1以下に制限されてしまう状態です。中指と薬指、小指の3本全てで機能的喪失がある場合は第13級10号に該当します。

第14級 9号|局部の神経症状

局部に神経症状を残す場合に認められますが、局部に『頑固な』神経症状を残す後遺障害である第12級13号と比較して軽症であるのが第14級9号です。この第14級9号(または第12級13号)に該当する症状の中で最も多いのは『頸椎捻挫』や『頸部挫傷』と呼ばれるむち打ち症です。むち打ち症は、車の追突事故などの衝撃で頭が前後に強く揺らしたことで頸部(首)の組織を損傷させたために起こる症状です。

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他覚症状がない後遺障害

他覚症状がない後遺障害

他人から見て症状の有無の判断が難しい負傷であっても、状態によっては後遺障害が認められる場合があります。下記の後遺症は特に判断が難しいと言われていますが、14等級の認定を受けられる可能性はあるので、把握しておいた方が良いでしょう。

むちうち

むちうちとは、事故で衝突の衝撃を受けたときに首がムチのようにしなってしまい、首の骨や神経が傷ついてしまう負傷です。首の痛みが代表的な症状ですが、以下の表のように腕の痺れなど色々な部位に後遺症が生じる可能性があります。

症状の種類

症状の特長

頸椎捻挫

頚椎の周りの筋肉・靭帯の損傷により首回りや肩などに痛みが生じる。むちうちの70~80%がこれに該当します。

根症状型

頚椎の並びの歪みにより、首回りの痛み以外にも腕の痛みやしびれ、後頭部の痛み、顔面痛などが生じます。

バレ・リユウー症状型

頚椎に沿って流れる血の巡りが悪くなり、頭痛・めまい・吐き気・耳鳴りなどの症状が生じます。

脊髄症状型

頚椎に通る神経が損傷され、四肢の痺れにっよる歩行障害・知覚障害・膀胱直腸障害(尿便が出にくくなる)が生じます。

むちうちは事故直後には平気でも数日後に遅れて痛みが出てくるケースが多いです。外傷はなくても後遺症が残る可能性がある負傷なので、事故数日後でも身体に異常を感じる場合は必ず病院で検査を受けるようにして下さい。

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、脳の損傷によって記憶障害・注意障害・社会的行動障害を起こしてしまう負傷です。事故後に仕事のミスが増えたり感情の抑制が効かなくなったりなど、どのような障害が生じるかは人によって様々です。

負傷者本人には自分が変わった自覚はなくレントゲンなどの画像診断でも異常が見つかりにくいため、発見がとても難しい障害であると言えるでしょう。

以下の5つの条件のいずれかに該当する場合は高次脳機能障害が認められる可能性があるので、周囲の人から「事故後から変わった」と指摘をよく受ける場合には、後遺脳機能障害の可能性を疑った方が良いかもしれません。

  1. 初診時に頭部外傷の診断があったこと
  2. 頭部外傷後、6時間以上の重たい意識障害、もしくは1周間以上、軽度の意識障害が継続していたこと
  3. 診断書に「高次脳機能障害」、「脳挫傷」、「びまん性軸索損害」などの記載があること
  4. 診断書に高次脳機能障害を示す「典型的な症状の記載」があること。知能検査や記憶検査などの神経心理学的検査で、明らかな異常が見られること
  5. 頭部画像上、初診時の脳外傷は明らかで、少なくとも3ヶ月位内に脳室拡大や脳萎縮が確認されたこと

後遺障害第14級で請求が認められる損害賠償

後遺障害第14級で請求が認められる損害賠償

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、後遺症を負わされた精神的苦痛に対して請求できる慰謝料です。後遺障害慰謝料は後遺症の等級によって結締されます。

 

自賠責基準

任意保険基準

弁護士基準

12等級

93万円

100万円

290万円

14等級

32万円

40万円

110万円

詳細記事:後遺障害認定で請求できる慰謝料の相場額|計算方法と増額するポイント

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺症により低下した労働力によって減少した将来の収入に対する損害賠償です。14級の後遺障害の労働喪失率は5%なので、現在の収入の5%を定年分まで請求ができます。

(※専業主婦や未成年などの非労働者はその年の男女別平均年収で計算、むちうちの場合は定年までではなく5年分)

【後遺障害逸失利益の計算例】

後遺症を負った人

後遺障害逸失利益

40歳の年収600万円の会社員

約439万円

45歳の専業主婦(H28女性平均年収:376)

約247万円

22歳の大学生(H28男性平均年収:549)

約487万円

<後遺障害逸失利益の算出方法>
『後遺障害逸失利益』=『1年あたりの基礎収入』×『労働能力喪失率』×『ライプニッツ係数』

後遺障害逸失利益の計算式の詳細については以下の記事で解説しています。

詳細記事:後遺障害逸失利益の計算方法|賠償金増額のための3つのポイント

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後遺障害が認定される確率を高めるポイント

後遺障害が認定される確率を高めるポイント

等級に関係なく後遺障害の認定を受けるためには、以下5つの条件を全て満たしていなければいけません。

  1. 事故の状況と、「患者(被害者)が医師に申告する症状」と程度が一致していること
  2. 事故当初から、医療機関への定期的な通院を続けていること
  3. 事故当初から、患者(被害者)の訴える症状が続いており、かつその症状には一貫性がある(痛みの回復、再発ではない)こと
  4. 症状が重たいと認められ、かつ日常生活において継続している(日常で慢性的に症状が出ている)と認められていること
  5. 症状にズレや矛盾がない他覚的所見(第三者が確認できる画像診断結果や検査結果など)があること

そこで、上記の条件を満たして認定される確率が高めるためのポイントをご紹介します。

症状が重いことを正確に伝える

自覚症状について相当程度に重篤性がないと後遺障害に認めてもらえません。後遺障害は将来に亘って回復が困難な症状という位置づけであるため、症状はある程度重いことが一つの基準とされています。そのため、身体の違和感や凝りがあるといった具合の自覚症状では、症状が軽微であり後遺障害とは認められないと判断される可能性が相当程度高いといえます。

嘘の自覚症状はもちろん言ってはなりませんが、痛みを感じたり痺れがあったりした場合はこれを放置せず、医師に明確に伝えておくことが大切です。

医療機関への通院実績で証明する

症状の重さを分かってもらうためには、定期的な通院をすることが必要です。仮に1カ月以上の治療中断期間がある場合、症状の継続性や連続性に疑問を持たれてしまいますし、症状が軽快していたため通院を継続しなかったのではないかと思われて、後遺障害と認定されないこともあります。そのため、症状が軽快しないのであれば、定期的に病院へ通うようにしましょう。

症状が一貫・連続していること(常時性があること)

上記の通院実績と関連しますが、治療中断期間があったり、症状が増悪したり減退したりということがある場合は認定が難しくなる可能性があります。

また、被害者の愁訴内容が一定せず、疼痛部位や疼痛の程度が一貫していないという場合も後遺障害と認められるのは難しいでしょう。したがって、何らかの後遺症状がある場合、自覚症状について明確かつ一貫した訴えをしましょう。

また、症状が常に発生していることも重要になります。例えば『昨日は首に強い痛みがあったが、今日は軽くなった』とか『雨の日に限って症状が出てくる』など、外的状況で症状があったりなかったりというような場合には後遺障害として認定されにくいのでお気をつけください。

たまたま症状が軽くなっていることもあるので曖昧に答えず、長期的に続く自覚症状を明確に伝えた方が良いと思われます。

後遺障害診断書や画像所見・検査結果の資料に不備がないこと

被害者の自覚症状や他覚所見を記載する後遺障害診断書は医師に書いてもらうことになりますので、被害者は自覚症状を正確に伝えるように心掛けるべきですが、書いてもらった後遺障害診断書を自分の目で一度確かめることも大切です。

記入漏れがあると上記で説明した通り、症状が無くなったと誤解されてしまうこともあるので内容をチェックするようにしましょう。

また、レントゲン写真などの画像所見があれば理想ですが、むち打ち症の場合は画像所見での証明が難しいので神経症状を確認するためのテスト結果(神経学的所見)を出すことが重要です。

詳細記事:後遺障害診断書の書き方|等級認定が受けやすくなる3つのポイント

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後遺障害の申請は弁護士依頼がおすすめ

後遺障害の申請は弁護士依頼がおすすめ

後遺障害が認定されやすくなる

後遺障害の申請方法には加害者の保健会社に手続きを任せる『事前認定』と被害者本人が手続きを進める『被害者請求』の2種類がありますが、被害者請求の手続きを弁護士に依頼すれば後遺障害が認定される確率を高めることができます。

弁護士はどんな資料を集めてどのように医師から後遺障害診断書を作成してもらえば認定されやすいかを把握しているので、弁護士が行う被害者請求が最も後遺障害が認定されやすい申請方法であると言えるでしょう。

むちうちや高次脳機能障害など、他覚症状がなく判断が難しい後遺症を申請する場合には、少しでも認定率を高めるため弁護士依頼を検討してみることをおすすめします。

もっとも、他覚所見のない後遺症状が後遺障害と認められるためには、上記判断要素についての総合的判断が必要となります。そのため、これら判断要素についてカルテ等に基づいて十分な立証ができなければ、弁護士に依頼しても後遺障害認定を受けることは難しいでしょう。そのため、後遺症状について不安がある場合は早期に弁護士に相談してそのアドバイスを受けながら通院を継続することが重要です。

最も慰謝料が高額な弁護士基準で請求できる

上記の『後遺障害第14級で請求が認められる損害賠償』を見てお気づきかと思いますが、弁護士依頼をすると最も慰謝料が高額になる弁護士基準で損害賠償請求ができます。

また、弁護士に依頼することで、後遺障害慰謝料が認められるか否かに拘らず、『入通院慰謝料』も増額する可能性がありますので、後遺障害が関わる交通事故では『弁護士費用』を差し引いても、収支がプラスになるケースが多いです。

弁護士費用が弁護士依頼の唯一のデメリットなので、弁護士費用を支払っても増額分の方が大きくなる状況なら迷わずに依頼するべきだと言えるでしょう。後遺障害認定の可能性がある場合は弁護士相談だけでも一度は受けておくことを強くおすすめします、

ちなみに、自分もしくは同居している家族の任意保険に自動車費用特約が付属していれば保険会社から弁護士費用を負担してもらえるので、その場合は何も迷わずに弁護士依頼を検討して頂いて問題ありません。

詳細記事:弁護士費用特約とは|保障内容と慰謝料を増額させるお得な使い方

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まとめ

後遺障害第14級に認定される方法と慰謝料の相場について解説しましたが、お分かりいただけましたでしょうか。むち打ち症といった身近な症状でも等級認定が難しい場合が多いため、医師との相談や十分な診察を受けて被害者自身の症状を明確に伝えることが後遺障害第14級の認定を受ける上で大事なポイントになります。

また、認定申請や保険会社との交渉では専門的な知識が無いと分からないこともありますので、不安に思ったら弁護士のアドバイスを受けるのも重要なことです。医学的な立証が不完全な症状でも等級認定を受けることは可能なので、諦めずに主張しましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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