遺産相続協議書への捺印後、相続人の中に認知症患者がいるという理由で無効を訴えることができるか?
「妻が認知症を患っていたとしても、「夫が亡くなり、夫の財産は、全部私(妻)のものになる。」という理解さえ可能であれば、成年後見人は、認知症患者である妻の財産、権利を守るために就ける必要があるものですので、夫の財産をすべて妻のものとする内容の遺産分割であれば、妻が不利益を蒙るということはなく、その意味では、成年後見人を就ける必要不可欠性はありません。」というアドバイスを受け、アルツハイマーの母が全ての相続するという遺産協議書を作成しました。(他の相続人は協議書にハンコは押しましたが、預金を法定相続分を貰うということになっています。)
相続人は、母、私(代表相続人)、他の兄弟3人です。
しかし、なぜか、私の母と私を除く相続人が、「ハンコを押すことを強要された」「母親が重いアルツハイマーである」という2点を理由に協議書の無効を訴えてきています。
(1)「ハンコを押すことを強要された」
私は、このようなことが起こることを想定して3人の親戚に同席してもらっており、私が強要などしていないことは確認できます。
(2)「母親がアルツハイマーである」
・母は、当日、デイサービスに行っていて協議の場にはいませんでしたが、事前に私が父の財産をすべて相続するという内容を説明すると、それを理解し、その会話はビデオに録画してあります。 今は、忘れていると思いますが。
・母が全部の財産を相続するという内容なので母に不利益はなく、成年後継人を立てる必要はないと思います。
・相続する者が母が認知症だと知らなかったらまだしも、全ての相続人は母が認知症を患っていることを理解している上で協議は行われています。
今更、母が認知症であることを理由に協議書の無効を訴えることができるのでしょうか? もしできるなら、なぜ、協議に出席したのでしょうか? 成年後見人がつくまで協議をしないと主張できたはずです。
そもそも、母が認知症でなかったら協議の内容がどう変わったというのでしょうか?
母に不利益が生じるならともかく、母が自分に有利なるような反論をするはずがありません。
ハンコを押す際も、成年後見人を付けると複雑化するので、形式上、母がすべてを相続する形をとるということは全ての相続人には説明済みで、他の兄弟は納得してハンコを押しています。
この遺産協議書は相手の言う通り無効なのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
想像ですが、相手は、私(代表相続人)が協議書を理由に決められたお金を払わないのではないかと疑心暗鬼になっていると思っています。
相談者(ID:643)さん
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