遺留分の算定方法(単純に、評価額で計算してもいいのですか)

相続
遺留分

よろしくお願いします。
相続人は、長男と長女(私)です。危急遺言で、公正証書で、すべて長男にとあります。

遺留分の計算方法としては、固定資産の場合、遺留分の算定方法は、固定資産税の評価額なのでしょうか。

相続財産は、土地2件の¥5,763,601 ¥9,974,250 と家屋3軒の¥988,096 ¥766,799 ¥1,649,015です。(このほかに、12年前に、生前贈与を、長男は受けています。)

父が生前私に譲ってくれると言っていたのは、土地の¥5,763,601と家屋の¥988,096だったので、これを現在、遺産分割協議書を作成してもらうようになっているのですが、騙された形での遺留分放棄はしたくありません。

兄が言うには、私の遺留分を越していると言っているのですが本当かどうか教えてください。

相談者(ID:)さん

2016年02月04日

弁護士の回答一覧

村永 俊暁
弁護士(プラム綜合法律事務所)

生前贈与を特別受益と捉えられるか、危急時遺言を公正証書で作成したということなのか、お父様が生前...

生前贈与を特別受益と捉えられるか、危急時遺言を公正証書で作成したということなのか、お父様が生前譲ると言っていたのは死因贈与なのかなどについては、詳しい事情がわからないので答えられませんが、ご質問についてお答えします。

相続財産のうち不動産の価値をどう捉えるかについては合意が優先されます。固定資産税評価額、相続税評価額(路線価)、取引価格など、いずれかの方法について合意することで、その評価に基づいて、遺産分割協議や遺留分の減殺などがなされます。
この評価方法について合意ができず、遺留分減殺請求訴訟になった場合、「不動産の評価額は相続開始時の時価(取引価額)によるのが原則である」とされています(東京地判平成24年10月12日)。
そのため、ご質問者がお兄様と法廷で争った場合には、時価での評価が前提となるでしょう。

もっとも、相続人がお兄様とご質問者だけであれば、ご質問者の遺留分は1/4です。
全ての財産を長男(お兄様)に相続させる旨の遺言が有効であり、特別受益等を考慮しないことを前提とすると、既に進められている遺産分割協議において、ご質問者は合計約675万円の土地家屋を相続することになっていますね。これは、遺留分算定の基礎財産(約1900万円)の1/4を超えています。時価で計算することで、お兄様が相続する不動産の価格が高くなり、ご質問者が相続する不動産の価格が低くなるというのであれば別ですが、これ以上の要求は難しいのではないかと思います。
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村永 俊暁
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遺留分の算定について、固定資産税の場合、特に土地については、厳密でない場合には固定資産税の評価...

遺留分の算定について、固定資産税の場合、特に土地については、厳密でない場合には固定資産税の評価プラスアルファあたりで調整がはかられるようです。建物について固定資産税の評価額はあまり実際の評価額を反映していません(実質上ゼロと言う場合もあります)。本件では生前贈与の中身が分からないのでご質問には直ちに確答はできないという感じです。なお遺留分は法定相続分の2分の1ですので、本件では総額の4分の1となります。それらを踏まえた場合に、概括的に見た場合、遺留分額とそれほどの隔たりはないのではないかというあたりでしょうか。弁護士回答の続きを読む
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