祖父からの遺贈について
質問は、祖父から私への遺贈についてです。
ほぼ10年前、私は、父方の祖父が所有する土地の上に自宅を建てました。
それ以来、祖父は「オレが死んだら、あの土地をお前に相続させるから心配するな。」とことあるごとに言ってくれていました。このことは、相続人全員が今も認めてくれています。
祖父は時機を見て遺言を書くと言っていましたが、実際には書いていませんでした。
(祖父の遺産相続人は、父と父の妹の2人です。)
先日、祖父は脳溢血で入院し、意識が戻らない状態になってしまいました。
祖父の状態を考えると、自分のわがままばかりを言っていてはいけないと思いますが、私も自宅の土地を祖父から譲り受けるつもりで生活設計をしていましたので、不安が募るばかりです。(私はいずれ脱サラして会社を始めようと思っており、その際に必要となる資金の借り入れは、自宅の土地・建物を担保に行う予定でした。)
上記の状況に置かれている中で、以下の3つの質問をさせていただきたく存じます。
<前提>
すべての相続人は、私がその土地を相続(受贈)することに積極的に賛成してくれています。
<質問1>
このような状態のまま祖父が亡くなった場合、私はその土地を相続(受贈)する方法はありませんでしょうか。
<質問2>
文字は書けないが簡単な意思表示ならできるくらいまで祖父が回復した場合、何か対応する方法はありませんでしょうか。
<質問3>
質問に対するご回答以外に、私にとってありがたく思える情報はありませんでしょうか。
ネットで一生懸命検索し、相続について学習したのですが、現時点で有効な手段の有無について判断しかねております。専門的な見地からお知恵をお貸しくださいますようお願い申し上げます。
相談者(ID:)さん
弁護士の回答一覧
1.質問1について このまま祖父が亡くなった場合,「死因贈与契約」が考えられます(民法554...
このまま祖父が亡くなった場合,「死因贈与契約」が考えられます(民法554条)。これは「自分が死んだら〇〇の財産を贈与する」という契約のことで,口頭でも成立します。そして,遺贈に関する規定が準用されますし,税法上も贈与税ではなく相続税の対象となります。
契約書がない場合には,相続人全員の協力が必要です。相続人全員がそのような約束が成立していたと認めてくれれば,登記が可能です。
2.質問2について
「一般危急時遺言」が考えられます(民法976条)。
一般危急時遺言とは,(1)遺言者が疾病その他の事由によって, 死亡の危急に迫っている場合に,(2)証人3人以上の立会の下で,(3)その1人に遺言の趣旨を口授し,(4)口授を受けた証人が遺言の趣旨を筆記し, 遺言者及び他の証人に読み聞かせ,又は閲覧させ,(5)各証人がその筆記の正確なことを承認した後, 署名, 押印すること,によって作成される遺言です。
この一般危急時遺言は,効力発生のためには家庭裁判所の確認が必要です。
具体的には,(1)遺言の日から20日以内に証人の1人又は利害関係人から家庭裁判所に一般危急時遺言の確認の請求を行い,(2)家庭裁判所が,その遺言が遺言者の真意を表明したものであるという心証を得て確認を行うことが必要です。
なお,遺言者の死亡後には,別途家庭裁判所で遺言書の検認手続を経る必要があります。
もっとも,死亡の危急からの回復によって,遺言者が普通方式の遺言を行うことが可能になった時から6ヶ月間生存するときは,一般危急時遺言の効力は失われますので注意が必要です。弁護士回答の続きを読む
住所 | : | 兵庫県宝塚市栄町1-1-11タカラコスモス六番館3階 |
---|---|---|
対応地域 | : |
問題解決のためのアプローチはひとつではありません。 弊事務所では豊富な知識と経験に基づいて多角的なアプローチを検討し,事案に応じた適切な解決方法を探し出します。
この質問に関連する法律相談
前日父が亡くなりました。
我が家は四年前に離婚しており
子供だけの相続になります。
父の実子は私、長男、次男
私の息子が父の養子に入ってる形です。
父と一緒に同居してたのは
私の息子です。
先日納骨を済ませたのですが
その際弟2人に
...
生涯一人ものの姉が亡くなりました。親は昔に亡くなっているので、姉の相続人は兄弟3人となりました。遺産は1000万の不動産と預貯金1000万円で、法定相続分で分けて3人が各々3分の1もらうと決めました。
その後、妹に1000万の不動産を遺贈するという姉の...
両親別居で育ち…15年前に父他界の話を父の兄から聞きその時は何も考えなかったのですが私に第一生命から電話が入ったが間違え的に切られ…あ~相続だったんだなと父には別居後内縁の妻や子供がいてそちらでわけたんだと思いますが遺族年金があるならそれだけでもほしいの...
父親と母親が離婚時に弁護士を立て土地と建物を折半(書類もあります)
母親と私達(姉私)は東京で都営住宅で私の子供2人と、5人一緒に暮らしています
兄はアメリカで暮らしています
その後父親が再婚し1人子供ができました。
父親の子供は私達3人...
先日、離婚後にほぼ行き来の無い父が亡くなり遺言書は無いと思っていました。
ところがしばらくして、幼少時に父の実家で少し遊んだくらいの叔父(父の弟)が、20年以上前に書かれた父の自筆遺言書を持って現れました。
非常に汚い速筆ですが筆跡は父のもの...
質問させてください。よろしくお願いします。息子の自死に逢いお尋ねします。ジャパンネット銀行に口座を持っていました。たぶん嫁に内緒の口座だったようです。一年少し前に百万ほど援助の時、口座番号を聞いておりましたが暗証番号がわかりません。現在残高があるのかない...
相続に関する法律ガイドを見る
遺産相続の権利とは | 相続人の権利や順位・割合・各種手続きの基礎知識
人生において、必ずどこかで直面するのが身内の死、すなわち遺産相続です。よほど例外的なケースでない限り、誰しも一度は遺産相続の当事者になるのが普通ではないかと思います。日本における遺産相続では、民法だけでなく相続税法も密接な関連性を有し...続きを読む
相続放棄の相談先とよくある相談例|弁護士に依頼した場合の費用
相続は必ずしも良い点ばかりではありません。もし被相続人に借金など負債があれば、相続人はそちらも受け継がないといけません。そんなとき活用したいのが相続放棄ですが、手続きなどがわからないときに誰に相談したらいいのか。記事では相続放棄に関する相談をご紹介します。続きを読む
遺留分減殺請求は一定の法定相続人に保障された権利ですが、この請求を拒否したいという悩みを抱える人も少なくありません。とはいえ、請求自体を無視するというのは得策ではなく、ある程度は対応しなければ後々大きなトラブルになりかねませんから、対処法をご紹介いたします。続きを読む
寄与分は遺留分減殺請求の対象外|遺留分・遺贈・寄与分の三角関係とは
寄与分とは、共同相続人の中に被相続人の財産の維持・増加に特別に貢献した人がいる場合に、相続分にこの貢献分を反映して共同相続人間の公平を図る制度ですが、遺留分減殺請求の際にどのような扱いになるのかについて、遺留分や遺贈との関係とともにご紹介いたします。続きを読む
遺留分減殺請求できる財産には順序がある|遺留分減殺の正しい順序とは
遺留分を侵害された法定相続人は、実際に侵害されている財産の限度で、侵害の相手方に対し遺留分減殺請求をすることができますが、実は、遺留分減殺請求できる財産には優先順位が決まっており、原則としてその順番通りに減殺を行っていかなければならないとされています。続きを読む
遺言書の作成にあたっては最低限の法律知識が必要となります。作成内容に不備があるような場合、効力が無効となってしまう恐れもあるため、弁護士などの専門家に相談しましょう。この記事では、遺言書の相談先・相談時の流れ・依頼費用などを解説します。続きを読む