相続放棄して、息子に借りた葬儀代を返済したい
先日に父が亡くなり長男である私が葬儀代を全額負担しました。※私の息子の貯金から捻出しました。父の遺産を調べたところ負債の方が多いので相続放棄を考えているのですが、父の勤めていた会社から未払いの給与を預かっている連絡きたのですが、そこからかかった葬儀代を返してもらうのは単純承認に該当してしまうのでしょうか?
相談者(ID:17202)さん
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はじめまして。 気にされているのは,民法921条ですね。 形式的に捉えれば,お父様の未...
気にされているのは,民法921条ですね。
形式的に捉えれば,お父様の未受領の給与から葬儀費用の償還を受けることは同条1号の「処分」といえるでしょう。
しかし,ここは,若干議論があるところではあるのですが,「処分」が衡平な意思信義上やむを得ない事情に由来するときは,「処分」に該当しないという解釈が適当と考えられます。
古い裁判例ですが,「遺族として当然営まざるべからざる葬式費用に相続財産を支出するがごときは道義上必然の所為にして」「処分」には該当しないとするものがあるようです。
本件とは,時系列が異なりますが,上記裁判例と同じ考えが適用可能だと思います。
もっとも,上述したとおり,この考えは,若干議論があるところであり,確実に認められる考えかといえば小さいながらもリスクがあるかもしれません。
そのため,万全を期すならば,未受領の給与には手を付けずに,相続放棄することが適当なのかもしれません。
端的に,相続放棄の申述の際に,家庭裁判所に,事情をお話しして,「処分」に該当するのかお尋ねになるのが一番安心を得られるのではないでしょうか。
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