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KL2020・OD・037
退職勧奨(たいしょくかんしょう)とは、会社側が労働者に対して退職を申し出るように勧めることです。退職は基本的に、会社側と労働者の合意がなければすることはできません。過剰あるいは執拗な退職勧奨を行った場合は違法になる可能性もあります。
今回は、退職を勧められても会社を辞めたくない人のために、退職勧奨の対処法と退職・解雇に関する法律をご紹介します。
退職勧奨は、それ自体が違法ではありません。あくまでも退職の申し出を促すものなので、労働者に合意がとれれば問題はないのです。
しかし、過剰・執拗な退職勧奨の場合は退職の強要と判断され違法です。退職勧奨のなかには、裁判となった事例もあるので、併せてご紹介していきます。
退職勧奨は、自発的な退職の申し出を促すために行われるものであり、それ自体は違法ではありません。退職時に労働者が納得できる事情を説明したり条件を提示したりすることで、会社と労働者との間に合意が成立すれば、退職勧奨は特に問題ではありません。
ただし、次の項目でお伝えしますが、過剰あるいは執拗な退職勧奨は退職の強要にあたるため違法とされています。
冒頭でもお伝えしましたが、退職勧奨自体は違法ではありません。ただし、個人の尊厳を傷つけるような過剰な退職勧奨や短期間に何度も行う執拗な退職勧奨は違法とみなされます。違法な退職勧奨は損害賠償の対象になったり、強要罪に問われたりする場合もあります。
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元:民法
第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
引用元:刑法
上記のような退職勧奨を短期間に何度もされた場合は、違法な退職勧奨と考えていいでしょう。また、無能、のろま、馬鹿などの過剰な暴言はパワハラ(パワーハラスメント)にもあたり違法性が高いでしょう。
<事件概要> 市立高校に勤務していた男性教員が、学校長らより早期定年による退職勧奨を受けた。男性教員は退職勧奨に対し応じない旨を示したが、学校長らはその後、2〜3年に渡り退職勧奨を続けた。学校長らによる退職勧奨は、20分から2時間にも及ぶ面談を約4ヶ月間に11〜13回という頻度で行うなど執拗なものであった。 男性教員は、これらの退職勧奨に対し精神的苦痛を受けたとして市や同市の教育長及び次長らに対して損害賠償を請求した。 |
<判決> 当該の退職勧奨は過剰かつ執拗なものであり、違法性高いと判断された。男性教員には損害賠償として計9万円が容認された。 |
過剰・執拗な退職勧奨は違法であるとされています。退職はあくまでも自主的な申し出や会社と労働者との間の合意がなければできないため、退職勧奨は拒否することができます。
この項目では退職勧奨の考え方と解雇についてご紹介します。
そもそも退職は、基本的に会社側と労働者側に合意がなければなりません。
退職勧奨はあくまでも自主的な退職の申し出を促すためのものなので、拒否をする事もできるのです。
もしも、退職の強要、一方的な解雇を行なった場合は違法となります。
退職勧奨は、上司や職場上優位な立場にいる人から行われるため、パワハラと考える事もできます。労働者の雇用の不安を煽る退職勧奨は、パワハラと同じように差止要求書を送ることもできます。
詳しい対処方法については、後の項目「しつこい退職勧奨はパワハラとして差止要求の書面を出す」でご紹介します。
労働者が退職勧奨に従わないからといって、正当な理由なく解雇を行うことはできません。また、解雇を行う場合は、少なくとも30日前に解雇予告を行わなければなりません。これらを無視して解雇が行われた場合は「解雇権の濫用」にあたり、違法であるとされています。
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用元:労働契約法
第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
○2 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
○3 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。
引用元:労働基準法
ここでは、退職勧奨をされた方が「会社を辞めたくない」と思った際に、退職勧奨を止めさせる・解決させる方法をご紹介します。
退職勧奨をされた時は、まず拒否の姿勢を示しましょう。退職勧奨に応じるつもりはないことをはっきりと伝え、交渉に応じない姿勢をとりましょう。
会社側は一旦断られたからといって、退職勧奨をやめないと思うので、1度目の退職勧奨を受けたら証拠として日時や内容を記録したり、ボイスレコーダーなどを準備することも考えてください。
退職勧奨をされて「会社を辞めたくない」と考えた場合は、退職届は絶対に書かないようにしてください。
退職届は一度提出してしまうと、取り消したり無効を主張したりすることが難しいため「会社を辞めたくない」という思いがある場合は退職届を出さないでください。
過剰・執拗な退職勧奨は、交渉の経緯や音声を証拠として記録に残しておきましょう。退職勧奨はパワハラとも考えることができ、止めさせるための書面を送ったり専門家に相談したりすることができます。
退職勧奨の証拠として残しておくものは以下の通りです。
退職勧奨はパワハラとして考える事もできます。パワハラは差止要求書を会社に送付することもできます。パワハラの差止要求書は以下のような書面で送ることができます。
上記のような場合は、退職勧奨を弁護士などの専門家に相談することも考えてください。退職勧奨を止めさせる書面の作成や損害賠償請求などの訴訟を起こす際に、弁護士は心強い味方となってくれます。
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退職勧奨は上司から精神的に追い詰められる一方で、雇用や生活もかかっているため受け入れることもできない問題ですよね。
さまざまなことが重なってストレスとなり、追い詰められてしまう人もいるでしょう。精神的に追い詰められてしまったら、一度仕事から離れてみることを考えてください。
退職勧奨で精神的に追い詰められてしまった場合は、医師の診断書などをもらい仕事を休むようにしましょう。
休職という形であれば、退職勧奨を受けたり仕事を辞めたりすることなく、一時的に仕事から離れることができます。
退職勧奨によって、うつ病などを患い働けない状態になってしまった場合は労災申請も考えてください。労災を申請することで、怪我や病気の治療費が補償されることがあります。
退職勧奨で精神的に追い詰めてくる会社は、辞めるというのも選択肢のひとつです。一度働けない状態にまで追い詰められてしまうと、仕事に復帰するのに時間がかかったり難しくなったりします。
自分が「追い詰められている」と感じたら、仕事を休んだり辞めたりして一旦仕事から離れるようにしましょう。無理をすることは禁物です。
退職勧奨は、労働者が退職を申し出るように促すための方法であり、本来は違法ではありません。また、私たち労働者は退職勧奨に対して受け入れることも拒否することもできるのです。もしも、会社を辞めたくないのに退職勧奨を受けて悩んでいる方がいた場合は、早い段階で専門家に相談したり、場合によっては差止要求書を送るなどの行動を起こしてみてください。
この記事で、退職勧奨に悩んでいる方のお手伝いができれば幸いです。
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