【2018年問題】雇い止めという名の合法的クビを阻止するためには

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
【2018年問題】雇い止めという名の合法的クビを阻止するためには

2013年の労働契約法改正により、契約社員は雇用期間が通算5年を超えると無期雇用転換を求めることができるようになりました。また、2015年の労働者派遣法改正により、有期雇用派遣社員の派遣可能期間の上限は3年とされました。

これは労働者の雇用環境の安定化や待遇改善のために行われたもので、次のような意図があります。

  • 派遣、契約社員の使い捨てを阻止したい
  • 正社員同様に活躍しているなら同じ待遇を与えないと不平等
  • 長年派遣社員として働いている人は派遣先が直接雇用すべき

ですがこの法改正により、企業側は『有期雇用労働者を無期雇用に切り換えるか、雇い止め(契約終了)をして他の人を雇うか』の選択を迫られるケースが生じることになってしまいました。

結果、契約終了を理由に多くの失業者が生まれる可能性があるのが2018年なので、『2018年問題』と呼ばれています。

この記事では、今の職場でこれからも働き続けたいと考えている有期雇用労働者の方のために、雇い止めを食い止める方法を紹介します。

雇い止めは違法ではない

有期雇用労働者の契約満了時に契約更新をしないで契約を終了する。これは決して違法なことではありません。

では企業が雇い止めを決定した場合、労働者側はなすすべなしなのか?と言われるとそうではなく、労働者にできることはいくつか残っています。「今の職場でどうしてもこれからも働きたい!」と考えている方は下記の内容を参考にしてみてください。

まずは『雇い止め法理』を理解する

まずは雇い止めの法理を理解しましょう。誰にでもわかるように簡単に説明します。

  • 過去に何度か契約更新を行っており、今回の雇い止めは正社員を解雇するのと変わらないだろうと思われるとき
  • 過去に、次回の契約更新をほのめかす発言があったり、労働者自身が職場内において重要なポジションにいたりすることで、客観的に見ても、次回も契約を更新するのが当たり前だろうと思われるとき

 

このように、実質的に正社員と同じような働き方をしている場合や有期雇用であっても当然契約が更新されるものと期待してしかるべきという場合には雇い止めについて正社員を解雇するのと同様に正当な理由が必要になります。これを雇い止めの法理と言います。

 

まずは雇い止めの法理が適用できることを証明するために、証拠を集めることから。

 

  • 自身の業務内容について説明できる資料
  • 契約の更新回数や通算期間が分かる資料

 

証拠になりそうなものはなんでも集めておきましょう。

 

会社に自身が雇い止めの理由を確認する

 

次に会社に雇い止めの理由を確認しましょう。理由があいまいだったり、いい加減な場合は、雇い止めを阻止できる可能性があります。雇い止めの理由が確認できるものも大切な証拠の一つですので、きちんとした証拠を残すためには、メールを使うのがベストです。

なお、3回以上契約が更新されている労働者や通算期間が1年以上の労働者は雇い止め理由の証明書を発行してもらえますので、必ず申請しましょう。

証拠が揃ったら会社と交渉

 

証拠が揃ったら雇い止めを阻止すべく交渉しましょう。

  • 雇い止めの法理が適用できる理由となるもの
  • 雇い止めの理由が不当(正社員を解雇するのと同程度の理由ではない)であるがわかるもの

この2つの証拠を添えて、

  • 雇い止めの法理が適用できる理由
  • 雇い止めの理由が不当であること
  • 雇い止めには従えないこと

この3点を自分の言葉でつづって会社に送りましょう。会社と和解できれば雇い止めを阻止できる可能性があります。

労働基準監督署に相談する

上記の方法で会社に交渉してもダメだった場合、労働基準監督署に相談しましょう。契約の内容や手続きなどに違反がある場合は、会社に対して注意をしたり、改善を促したりといった対応をしてくれます。

この時点で会社と和解できれば、雇い止めを阻止できるかもしれません。

ただし、双方の言い分にすれ違いがある場合の仲裁などはできません。労働基準監督署は裁判所ではないからです。

労働審判を申し立てる

労働審判は、労働問題専門の簡易裁判のようなもの。地方裁判所で行われ、双方の言い分を聞いたうえで正当な判断を下してくれます。

労働審判での決定内容は確定すれば法的強制力があるので、会社がこれに従わない場合には強制執行等が可能となります。

まとめ

雇い止めを阻止するために知っておきたいこと、また阻止するために自身ができることを紹介しました。会社に対し戦う姿勢を見せるのは勇気がいるでしょう。ですが、ここできちんと主張ができなければそのまま泣き寝入りすることになってしまいます。それが嫌であれば勇気を出して行動を起こしましょう。

また、労働審判の結果も納得がいかない場合は通常訴訟をすることもできます。ですが労働審判と違い、多くの時間がかかります。

筆者としては、労働審判で思うような結果が得られなかった場合はあきらめて、新しい仕事を探すことをおすすめします。

 

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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