社会保険への未加入は罰則がある?未加入のリスクやデメリットとは

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
社会保険への未加入は罰則がある?未加入のリスクやデメリットとは

社会保険への加入は法律で義務付けられており、未加入が発覚した場合には、その会社に罰則が与えられます。しかし、現在も未加入の会社は数多くあり、そのリスクを抱えたまま事業を進めてしまっています。

社会保険の未加入が発覚してからでは手遅れになってしまいますし、もしも未加入の場合であれば、早急に加入することをおすすめします。

今回は、社会保険に未加入の場合のリスクについて、またはそれが発覚した場合に生じる罰則などについて、解説していきます。

社会保険の未加入は違法?

社会保険の未加入は違法?

それではまず、社会保険に加入しないことは違法となってしまうのかについて、説明していきます。

社会保険の加入が義務付けられている事業所

社会保険の加入は、事業所によってその義務の有無が違います。以下に挙げる2つでは、社会保険の加入が義務付けられています。

  • 法人会社
  • 従業員が5人以上の個人事業所(一部の業種を除く)

法人会社、または従業員が5人以上の個人事業所では、社会保険に加入しなくてはいけません。この2つを『強制適用事業所』といい、ここで働く労働者のすべては社会保険に加入する義務があります。

もし未加入だった場合の罰則

これらの事業所の労働者がもしも社会保険に未加入だった場合、それに応じた罰則が与えられると法律で決められています。健康保険法第208条には、

事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第四十八条(第百六十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 第四十九条第二項(第五十条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、通知をしないとき。

 第百六十一条第二項又は第百六十九条第七項の規定に違反して、督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき。

 第百六十九条第二項の規定に違反して、保険料を納付せず、又は第百七十一条第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、若しくは同項若しくは同条第二項の規定に違反して、報告せず、若しくは虚偽の報告をしたとき。

 第百九十八条第一項の規定による文書その他の物件の提出若しくは提示をせず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

引用元:WIKIBOOKS

このように記載されており、これらのいずれかに該当してしまうと6ヶ月以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

社会保険未加入によって生じるリスク

社会保険への未加入が発覚すると、それに応じた罰則が与えられるということを先ほどお伝えしました。しかし、まだまだ社会保険に未加入の会社は多いのが現状です。そういった会社には、次にお伝えするような大きなリスクがあるので注意が必要です。

発覚した場合に法的な措置を受ける

まずは先ほどもお伝えした通り、社会保険の未加入が発覚すると、罰則が与えられます。

第208条:6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

1:第48条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

2:第49条第2項の規定に違反して、通知をしないとき。

3:第161条第2項又は第百六十九条第七項の規定に違反して、督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき。

4:第169条第2項の規定に違反して、保険料を納付せず、又は第171条第1項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、若しくは同項若しくは同条第2項の規定に違反して、報告せず、若しくは虚偽の報告をしたとき。

5:第198条第1項の規定による文書その他の物件の提出若しくは提示をせず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

参照元:健康保険法

これらに該当する会社には、6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が課せられます。

また、社会保険への未加入が発覚してしまった場合、最大で過去2年に遡り、社会保険の総額を労働者とともに折半する必要があります。

もしもその労働者の所在がわからない場合、会社側で全額を負担しなければなりません。これは会社にとっては大きなリスクとなるでしょう。

社会的信用を失う

社会保険への未加入が発覚した場合、刑罰が科されたり、保険料が遡及的に徴収されるリスクがありますが、それですべてが解決するわけではなく、社会的な信用を大きく失ってしまうことにもなるのです。

もしも罰則を受ければ会社の名前が知れ渡ってしまいますし、それによって会社の名前に傷がつくことは間違いないでしょう。

従業員の社会保険を支払わないという目先の利益を追ってしまうことで、お金よりも大切なものを失ってしまうことにもなりかねません。

人材採用が難しくなる

社会的な信用がなくなれば、当然人材採用も難しくなるでしょう。労働者にとっても、社会保険制度が適法に導入されていない会社には入りたくないと思うのが普通です。

また、社会保険への未加入が発覚していない場合でも、やはり社会保険を完備している会社に比べてその魅力は半減してしまい、労働者にとって働きづらいというイメージを抱かれてしまうかもしれません。

それが原因で人材を確保することができないのは、会社にとって大きなリスクになることに間違いありません。

社会保険の未加入は逃れられない?

社会保険の未加入は逃れられない?

社会保険の加入を促すために、未加入会社には通知が送られてくることもあります。このような状況の中でも、社会保険は高額すぎるという理由から、加入に前向きになれない経営者もいらっしゃるかもしれません。

どうにかして加入を逃れたかったり、その時期を少しでも遅らせることに努めているといったケースもあるでしょう。しかし、社会保険の未加入によって今は高いお金を支払わずに済むかもしれませんが、いずれ上の見出しで挙げたように、そこには大きなリスクを伴うことになります。

発覚した後では手遅れになる場合もありますし、多額のお金が必要となることや、刑罰を科される可能性すらあります。

いまだに未加入が発覚していない会社も現状はたくさんありますが、今は逃れられているとはいえ、発覚した時のリスクを考えると、早めに社会保険へ加入することが適策だといえるでしょう。

自身が社会保険に入りたくない場合

社会保険加入の条件を満たしている場合、従業員は社会保険に加入しなければいけません。もしも加入したくないのであれば、下の『加入しなければいけない条件』でも説明するこちらの条件を満たさないことが必要です。

  • 1週間の労働時間が20時間以上である
  • 1年以上の勤務を続けている
  • 1ヶ月の給与が88,000円以上である
  • 社会保険加入者が501人以上の企業である
  • 社会保険加入者が501人以下で、加入についての労使合意を取っている
  • 学生ではない

このうち、自身の都合で変えられるのは勤務時間ですね。一週間の労働時間が20時間に満たなければ社会保険には加入する必要はありませんので、そこをうまく調整してみましょう。

ただし、その分受け取る給与も少なくなってしまうので、そことの兼ね合いもしっかりと考えることが大切です。

加入しなければいけない条件

正社員はもちろんのこと、契約社員やアルバイト、またはパート契約であっても、社会保険に加入しなければいけない場合もあります。まず一つ目の条件が、『一週間の労働時間、及び一ヶ月の労働日数が、常時雇用者の4分の3以上である』ということです。それに加え、以下の条件に当てはまる場合にも、社会保険に加入する必要があります。

  • 1週間の労働時間が20時間以上である
  • 1年以上の勤務を続けている
  • ヶ月の給与が88,000円以上である
  • 社会保険加入者が501人以上の企業である
  • 社会保険加入者が501人以下で、加入についての労使合意を取っている
  • 学生ではない

この全てに当てはまる場合、正社員以外の契約であっても、社会保険に加入しなければいけません。

社会保険に入るメリットとデメリット

それでは最後に、社会保険に入ることのメリットとデメリットについて解説していきます。

まずは労働者側のメリット・デメリットはこちらです。

メリット

デメリット

・病気になった時に給付金が、老齢になった時に年金がもらえる。

・所得から社会保険料が控除されるため、自己で負担する額が減る。

・毎月の給付の手取り額が減る

・配偶者の家族手当が受け取れない可能性がある。

続いて、会社側のメリット・デメリットはこちらです。

メリット

デメリット

・人材が確保しやすくなる

・従業員の定着率がアップする。

・会社のイメージが上がる。

・保険料のコストが増える

社会保険への未加入は大きなリスクを伴っていますので、その時期を遅らせることなく、早めに加入することをおすすめします。

まとめ

まとめ

今回は、社会保険の未加入の問題について解説してきました。

会社側にとっては、なるべく社会保険にかかる費用を抑えるために加入時期を遅らせたり、未加入のままで事業を行っていきたいという考えを持つこともあるかと思います。

しかし、そこには大きなリスクがありますし、発覚してからでは遅いということも起こりえます。

そうならないためにも、目先の負担額が増えることから目を背けるのではなく、末永く経営を発展させていくために、社会保険への加入を早急に進めていっていただきたいと思います。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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