会社に内緒でキャバクラでバイト!バレたらどうなる?弁護士に聞いてみた

渋谷徹法律事務所
監修記事
会社に内緒でキャバクラでバイト!バレたらどうなる?弁護士に聞いてみた

『会社の給料じゃ生活できないから、キャバクラもかけもちしてるんですよ』

先日私のお気に入りのキャバクラの子がこんなことを言っていました。

女性がセクシーな格好をしてお客さんにお酒をつぎ接待するキャバクラの仕事は非常に給料が高く、自由な時間が少ない女性会社員にとって、短時間で高給が稼げるうってつけの仕事なのだそうです。

キャバクラ自体やそこで働く女性に対して、嫌悪感やタブーな雰囲気を感じる人もまだまだいるらしく、「会社で正社員として働いているのに、キャバクラで働くなんてありえない!」と言われたこともあるとのこと。

ただし、好きで働いているわけではなく、会社の月給が十数万円と少なく、足りない生活費を稼ぐために副業としてキャバクラをしている事情があると話してくれました。

そして最も心配しているのは「キャバクラで働いてるのが会社にバレること」だそうです。友人や家族にもキャバクラのことを隠しているのに、会社にバレて噂が広まったら、いづらくなったり、クビになるのでは?と彼女は心配していました。

話を聞いているうちに私も疑問に感じることがありました。

  • 給料が少ないからキャバクラで副業してるのに、会社にバレたらどうなるのか?
  • キャバクラをやめる代わりに昇給してもらえるのか?
  • バレたらやっぱりクビになってしまうのか?

事情があって副業しているのに会社から処分を受けるのはしょうがないことなのでしょうか。今回はこの疑問について、渋谷徹法律事務所の渋谷先生に聞いてみました。

 

会社に内緒でキャバクラでバイト!バレたらどうなる?弁護士に聞いてみた 渋谷徹法律事務所
代表弁護士 渋谷 徹(東京弁護士会 所属)

1952年生まれ。新潟県出身。1990年に弁護士登録。
東京の文京区千駄木に事務所を構え、離婚、相続、交通事故など、民事事件を幅広く扱う。

 

キャバクラでの副業がバレた場合、解雇される可能性がある

-キャバクラでの副業が会社にバレたらどうなるんですか?

渋谷先生:会社としては「そういう副業をしてるなら会社をやめてくれ」という反応になるケースが今でも多いように感じます。

ただし、やめて欲しいと会社側が伝えても、やめないケースもあると思うので、そういう場合は『クビ』いわゆる『解雇』を言い渡されるということになります。

 

-『解雇』と聞くとかなり厳しい処分のように感じますね・・・

渋谷先生:『解雇』にもいくつか種類があって、よく聞くものだと『懲戒解雇』があります。横領などの犯罪行為の場合はこの解雇にあたります。

今回のような「キャバクラで副業をした」ケースでは、予告から30日後に辞めてもらう『普通解雇』になることもあります。。

 

-一応重い処分にはならないんですね。そもそも、副業って処分の対象になるものなんですか?

渋谷先生:会社に入社する際に結ぶ労働契約や就業規則で副業が禁止されている場合が多いですね。

最初に言ったようにキャバクラでの副業がバレて『解雇』になる場合は、「就業規則に副業は禁止って書いてあるだろ」というのが会社側の言い分です。

 

-就業規則には従わないといけないんですね。

渋谷先生:雇われた時に労働条件や就業規則などにお互い合意して契約を結んだわけですから、拘束力は強いですね。書かれている内容は基本的にルールとして守るべきです。

ただし、就業規則に書いてしまえば、何でも縛ることができるというわけではありません。

 

解雇に納得いかない場合は、労働審判で会社と争う

-なるほど、このように解雇されて納得いかない場合の対処法ってあるのでしょうか?

渋谷先生:今回のように、解雇に納得がいかないなら、労働審判で「解雇無効を訴える」ことができます。「解雇無効だから自分はまだ社員である、社員である以上は給料を要求する」というような主張をするのです。

 

※労働審判とは、労働者と会社間の揉め事を解決するための裁判所の手続きです。労働審判官(裁判官)1名と労働審判員(民間出身の専門家)2名が両者の言い分を聞いて、判決を下します。

 

-会社側としては、なんだか納得できない部分もありそうですが・・・

渋谷先生:もちろん会社側はそれに対して「副業禁止と就業規則に書いてあるから解雇は有効」だと訴えるでしょうね。それをくつがえすために、解雇された従業員は「副業禁止が無効」だと主張していかなければなりません。

 

-例えば「月給10万円で生活ができない!だから副業禁止は無効だ」という主張は通るのでしょうか?

渋谷先生:主張の一つとしてはありますが、でも労働契約時にその金額で合意したじゃないかという話にもなります。ここでは「その副業が禁止されているかどうか」がポイントで、主に

 

  1. 会社として利益を損なわないか
  2. 業務外のプライベートな時間だけで完結しているか
  3. 同業他社での副業ではないか

 

この3つの観点から考えられます。

 

-今回のキャバクラでの副業はどう考えれば良いんですか?

渋谷先生:キャバクラで副業して会社の評判が下がれば、1つ目に該当し利益を損なうことにつながりかねませんよね。そしてプライベートな時間で副業していても、その結果遅刻や欠勤につながったら、会社の業績にマイナスの影響をおよぼすと考えられます。

 

-お互い顔を知っている取引先の人がキャバクラに来て「取引をやめる」なんてことになったら、会社に損害になりますもんね。

渋谷先生:そうですね。まあただ、最終的には労働審判の裁判官がどちらの言い分が正しいかを判断することになりますし、そして一般的には従業員寄りの判決になることが多いんです。それ相応の理由がない限り、最終的に解雇が有効という判断にはならないでしょう。

 

労働審判での争いは解決金を支払い解決することが多い

-そうなんですね。そもそも労働審判で、従業員と会社が争う時点で会社にいづらくなると思うんですが、どうなんでしょうか・・・

渋谷先生:実際のところは従業員と会社側のどちらにとっても働き続けるのは現実的ではないですね。よくあるのは会社側から従業員に解決金を支払って解決することで、その方が双方にとって良いよねと判断されるケースが多いです。

 

-やっぱりそうですよね。ちなみに、その解決金はいくらぐらいが相場になるんでしょうか?

渋谷先生:だいたい給料の3ヶ月分ぐらいが良いところでしょう。3ヶ月あれば次の職場を見つけるのにも十分な期間ということもありますし、そもそも労働審判自体が1ヶ月ほどかかるので、その1ヶ月分にプラスアルファの金額を加えて解決するというのが妥当な気がします。

 

-転職期間も見込まれた、事情を配慮した金額であれば、従業員としても納得感がありそうですね。本日はお時間をいただきありがとうございました。

 

まとめ

会社側と従業員とで交わした就業規則等の中で副業禁止が明記されている場合は、キャバクラでの副業がバレた時にクビになるケースがあるとのことでした。

また会社側の処分(解雇など)に納得いかない場合は、労働審判で訴えて主張を認めてもらうことで、処分を無効にできる可能性もあります。

ただし会社からの処分が無効になっても、その会社で働き続けるのはお互いにとって望ましくない場合が多く、解決金として給料の3ヶ月分ほどの金銭を支払うことで解決することが多いそうです。

この記事を監修した弁護士
渋谷徹法律事務所
1952年生まれ。新潟県出身。1990年に弁護士登録。東京の文京区千駄木に事務所を構え、離婚、相続、交通事故など、民事事件を幅広く扱う。東京弁護士会所属。
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