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KL2020・OD・037
有給休暇を取得したとき、もらえる賃金の金額は必ずしも勤務した場合と同じではありません。有給休暇は労働義務を免除されつつ賃金の支払を受けられる労働者の正当な権利です。
労働基準法では一定の条件を満たす労働者全てに有給休暇の権利を付与しています。
この記事では有給休暇取得時の賃金計算方法について、解説していきます。
賃金計算方法をしっかりと理解した上で、不当な給与計算や有休の取り扱いが行われていないかを確認しておきましょう。
目次
有給休暇を取得した場合、労働の義務を免除されて休日となりますが、この場合に支払われる賃金計算方法は法律に定めがありません。
そのため、各社が合理的な計算方法により算定・支給するのが通常です。ほとんどは以下の2パターンで計算されているものと思われます。
まず1つ目に、有給休暇を取得した日を通常通り勤務したものとみなして計算する方法です。
通常、休日に労働しなかった日は欠勤として賃金控除がなされますが、有給休暇を取得した場合当該欠勤控除を行うことなく給与を算定します。
この方法に依る場合、有給休暇の取得により賃金が減少するということがありません。
参考までに以下に給与形態毎の有給休暇取得時の給与計算について記載しておきます。
2つ目に、労働基準法の定める平均賃金により算定する方法があります。
具体的には、過去3か月の勤務により支給された給与額を総日数で除した金額を1日の平均賃金と考え、これに取得した有給休暇日数を乗じて算定する方法です。
この場合、過去3ヶ月間に支払われた残業代等も算定の基礎として考慮されるため、通常の賃金よりも金額が高くなることもあります。
しかし、就労日数が少なく支給額が少ない場合には、通常の賃金よりも金額が低くなることもあります。
高い分には問題ないですが、金額が低くなりこの方法に依る場合が不合理な場合は、例えば総日数ではなくて所定労働日数で除して1日の平均賃金を算定する方法が取られることもあります。
有給休暇は一般社員だけでなく、アルバイトやパートにも付与されます。
一般社員とは違い、1週間にどのくらい労働をしているかで付与日数は異なりますが、使用すれば社員と同様に労働の義務が免除されます。
パートやアルバイトの有給付与日数は以下の通りです。
勤務年数 |
有給休暇付与日数 |
6ヶ月 |
10日 |
1年6ヶ月 |
11日 |
2年6ヶ月 |
12日 |
3年6ヶ月 |
13日 |
4年6ヶ月 |
14日 |
5年6ヶ月 |
15日 |
6年6ヶ月以上 |
16日 |
参照元:「リーフレットシリーズ労基法39条」厚生労働省
ただし、正社員よりも勤務日が少ない場合は上記の通りではありませんので、ご注意ください。
正社員よりも勤務日が少ない場合は以下の表の通りに算出することが出来ます。
週所定
労働日数1年間の所定
労働日数雇入れ日から起算した継続勤務期間(単位:年) 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上 4日 169日~216日 7 8 9 10 12 13 15 3日 121日~168日 5 6 6 8 9 10 11 2日 73日~120日 3 4 4 5 6 6 7 1日 48日~72日 1 2 2 2 3 3 3 引用元:「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」厚生労働省
アルバイトが有給休暇を取得したとき、免除された日の給与計算方法に関して、アルバイトやパートは就労日数が固定でない場合は、前者の方法は使えません。
また、後者の方法は就労日数が少ないため、原則どおりだと金額が非常に少なくなってしまう可能性があります。
そのため、パートやアルバイトは、平均賃金方式の例外的な手法(所定労働日数で除す方法)や賃金が日給や時間給である場合、これに基づいて合理的な金額を算定する方法が取られる事が多いです。
会社によって、有給休暇の給与計算方法については異なるので、勤務先の会社に問い合わせることをお勧めします。
有給休暇を取得すれば、労働が免除された一日も給与支払いの対象になります。
ただ先にも話した通り有給休暇取得時の給与計算方法によっては、通常よりも金額が多かったり少なかったりということがあります。
これが著しく少ない場合は、支払われるべき賃金に不払いがあるとして労働基準法違反となる可能性がありますので、労使ともに注意したいところですね。
有給休暇が取得できない、取得させてもらえないという話を耳にすることがあります。
上述のとおり、有給休暇は労働者の権利であるため、これを取得させない行為は労働基準法違反となります。
また、有給休暇を取得したのに欠勤扱いとされてしまい、賃金が支給されないという場合も当然労働基準法違反です。
このようなケースが繰り返され、会社に是正を求めても対応されない場合、労働基準監督署や弁護士への相談を検討してみても良いかもしれません。
退職時、まだ残っている有給を取得したいと思っている人もいるでしょう。もちろん取得する分には問題ありませんが、給与算定によっては一気に取得するよりも、計画的に取得したほうがいいケースに分かれます。
最初の方法として、最終出勤日を終えてから退職日までの間を有給休暇にあてます。この方法では最終出勤日と退職日が異なり、最終出社日までに引継ぎなどをすべて終わらせなくてはいけません。
次の方法として、退職日でもある最終出勤日までに少しずつ取得して、最終日まで何日か出勤する方法です。引継ぎを始めとした作業の進行に影響を及ぼしにくく、会社との折り合いも付けやすくなります。
有給休暇は在職中に使い切ることが想定されており、退職時に未消化の有給休暇はそのまま消滅するのが原則です。
もちろん、会社に未消化有給休暇の買取を求めて交渉することは可能ですが、会社に買取義務はありませんので、拒否されれば権利は退職とともに消滅します。そのため、有給休暇は買取を求めていくよりも、退職日までに使い切ってしまう方が賢明といえます。
なお、在職中に行使しない有給休暇を買い取ることは法律上できないので、このような交渉は退職時のみ有効です。
有給休暇を取得、労働が免除された日の賃金額の算定方法には概ね2つの種類があります。通常勤務で支払われる金額か、3か月勤務した分の平均賃金かのいずれかです。
また、退職時に使うときはまとめて取得するか、引継ぎなど作業の合間をぬって取得するか、ケースに合わせて取得しましょう。
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