賃貸の敷金償却と現状回復費用について

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退去後の修繕費負担の件でご相談です。管理会社立会い退去の際、フローリングの凹みがあったため、そこが修繕が必要になるだろうということで退去が完了しました。その後、立会い退去の際発見されなかった巾木の破損を大家さんが発見しフローリングと合わせて修理、合計35000円という請求がきました。(事前連絡はなくすべて事後で連絡が来ました)
巾木の破損は立会い退去の後の話であったこと、なんの連絡もなく修理後にいきなり請求だっため、管理会社が巾木修繕費3000円は会社で負担するのでフローリングの修繕費32000円は支払ってくれと現在言われています。敷金は償却のため原状回復には使用しないため、この修繕費は全額私たちが負担する金額だということです。

契約書を見ると、敷金は償却と記載はあるので、敷金を返金してほしいとは考えていません。しかし、私の認識が誤っているかもしれないのですが、この敷金の中から今回でいうと35000円の修繕費を出してもらうことはできないのでしょうか?35000円の修繕費を敷金からひいてもあまりはありますが、それは償却なので返金はない。というふうに考えていたのですが、、。

敷金を修繕費には使用しないという記載もないですし、修繕費は乙が負担というような記載はありますが、それは敷金から出すことで乙が負担という扱いならないのか、専門的知識がないためアドバイスをいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。

以下、契約書の抜粋です。
5条(敷金)
1、乙は敷金として本契約と同時に、甲に対して賃料の一ヶ月分に相当する金117,000円を預託する。
2、敷金は、乙が本件賃室を退去して甲に引き渡しを完了してから30日以内に未納賃料等の甲に対して支払うべき金額を控除して返還する。尚、乙は敷金の返還を受けるときは、乙が契約終了日迄に使用した電気・ガス・水道の使用料支払領収書を甲に対して提示するものとする。
3、敷金には利息を付さない。
4、乙は、敷金が預託されていることを理由に賃料等の甲に対して支払うべき金員の支払いを拒むことはできない。

7条(賃室の管理義務)
1、乙は、住宅の使用方法に関する甲の規則、注意に従って賃室を善良な管理者の注意を守って使用し、危険な行為、騒音等近隣の迷惑となる行為をしてはならない。
2、
3、乙の責に帰すべき事由によって賃室並びに付帯の造作が滅失、汚損または毀損した時は、乙はこれを現状に復さなければならない。
4、前項の場合において、乙は甲に対して甲が被った一切の損害を賠償しなければならない。

8条(賃借人の負担する費用)
1、
2、畳の表替・裏返、障子・襖、壁紙の張替、壁の塗替、ガラスのはめ替に要する費用、塵埃・汚物の処理に関する費用、扉の鍵、電気のスイッチ、ガスの元栓、排気扉浴場施設(すのこも含む)、瞬間ガス湯沸器、その他室内の付帯の造作の修理に要する費用は乙の負担とする。
3、乙は本契約が終了したときは、前項に定めるものに付いての修理もしくは取り替えを行い、又その費用を負担しなければならない。

22条(特約事項)
1、退去時敷金より現賃料の一ヶ月分を償却することとする。
2、
3、乙は、住宅の明渡しに際して、その事由もしくは名目の如何にかかわらず、甲に対して住宅または造作設備器具等について支出した必要費・有益費の償還請求、自己の費用にて設置した間仕切りその他造作設備等の買取請求、または移転料・立退料等一切の請求をしないものとする。
4、乙は契約時礼金として金117,000円を支払うものとする。

相談者(ID:7421)さん

2019年07月25日

弁護士の回答一覧

依田 敏泰
弁護士(池袋中央法律事務所)

本来であれば、あなたのお考えのとおり、敷金を償却するということは、当然、契約期間を通じて部屋の...

本来であれば、あなたのお考えのとおり、敷金を償却するということは、当然、契約期間を通じて部屋の設備が摩耗したり劣化したり破損したりした場合の修繕費をその中で賄うことを意図してのものと考えるべきであって、原状回復費が11万7000円を超えてしまった時、初めてその超過分の支払いを請求されることになるはずです。
実際、礼金は別に1か月分支払わされているわけですし、敷金を償却するけれどもその償却分で原状回復費を充当するわけではないとして扱われるならば、結局、礼金が2ヶ月分であったのと同じことになってしまいます。

ですが問題は、8条の存在です。
原状回復費が実際いくらかかるかを問わずに、原則、敷金の範囲で賄うということならば、本来、8条のような規定はいらないはずですし、せいぜい、敷金で賄うことができなかった金額について追加で支払わなければならないという趣旨の条項を入れれば十分なはずです。
にもかかわらず8条が敷引特約と関係なく設けられているということは(22条で8条の適用を否定していないということは)、敷金とは別に原状回復費を賃借人に請求する趣旨なのだろうと考えざるを得ません。

しかしそれでは、本来、人に賃貸する以上、覚悟しなければならない物件の設備の老朽化や自然摩耗の損失も賃借人に請求できるばかりでなく、礼金と敷金と合計2か月分の賃料相当金額を丸々、賃貸人が取得できることになり、あまりにも賃借人に不利で、賃貸人に有利な不公平な契約であることになってしまいます。

というわけであなたのお考えも、管理会社の主張も双方、成り立ちうるのであって、いずれが正しいのか、にわかには判断できません。粘り強く交渉してみる価値はあるかと思います。
しかし3万5000円の請求の是非をめぐる紛争については、弁護士などに相談すると割が合わなくなってしまいますので、最終的には、今後、賃貸借契約を締結するときに注意すべきポイントを学んだ授業料であると割り切って支払いに応ずるのもやむを得ないかと思います。
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依田 敏泰
弁護士(池袋中央法律事務所)
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