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KL2020・OD・037
M&Aでは資産や負債の移転が発生しますが、その際には以下のような税金がかかります。
この記事では、事業譲渡をする際の消費税について解説します。
『譲渡』は取引なので基本的に消費税が課されますが、資産によっては非課税になることも。
では、事業の譲渡側、譲受側それぞれの消費税はどのようになっているのでしょうか。
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譲渡会社(事業を渡す側)と譲受会社(事業を引き受ける側)のどちらの立場であるかによってどんな税が課税されるのかが変わります。
移転手法 | 移転資産に係る消費税の取扱い | 移転先法人における納税義務の免除の特例 |
事業譲渡 | 課税(消法 2①八) | 一定の新設会社の場合、あり(消法 12、消令 23・24) |
現物出資 | 課税(消法 2①八、消令 2①二) | 会社新設の場合、あり(消法 12、消令 23・24) |
会社分割 | 不課税(消令 2①四) | あり(消法 12、消令 23・24) |
合併 | 不課税(消令 2①四) | あり(消法 11、消令 22) |
現物分配 | 不課税(消法 2①八) | なし |
譲渡会社にかかる税は以下の2つです。
法人税は譲渡益が課税対象で、この譲渡益は譲渡価格から譲渡資産の帳簿価額を引いたもので、要は譲渡することによって得た利益のことです。
課税資産と非課税資産があり、消費税は課税資産と認められるものだけに課税されます。では、課税資産と非課税資産はそれぞれ何なのでしょうか。
以下にそれぞれの対象を述べます。
棚卸資産(たなおろししさん)とは、企業が販売や加工を目的とし保持している資産のことで、商品や原材料などを指します。
のれん代とは、その会社や事業の利益を出す力のことです。
のれん代を明確に決める方法はありませんが、営業キャッシュフローの3~5年分をのれん代とすることが多いようです。
営業キャッシュフローは営業利益+減価償却費で算出されます。
消費税は、対価が伴う生活用資産以外の資産の国内における譲渡に課せられるものです。
何が課税対象になり、何が非課税対象になるかに関する法律は、課税対象が消費税法第四条、非課税対象が消費税法第六条および別表第一で確認できます。
譲渡資産が、有形固定資産5億、営業権8億、土地30億で、負債10億をすべて譲渡した場合、消費税の課税標準は課税資産と非課税資産を区分したうえで課税します。そのため、有形固定資産5億と営業権8億を合わせた額である13億が消費税の課税標準です。
※土地は非課税資産
譲受会社にかかる税は以下のとおりです。
登録免許税や不動産取得税は譲渡資産に不動産があれば課税されます。簡単に言えば名義登録と、取得したという事実にかかる税金のこと。
M&Aで事業分割をする方法には、事業譲渡の他に『会社分割』があります。会社分割は『吸収分割』と『新設分割』というものに分けられますが、どちらも消費税はかかりません。
そもそも消費税の考え方として、買った(消費したもの)に対して課税されるのが消費税。
会社を分割したり吸収したりなどの行為では、消費が起こっていないと考えられますし、消費税法施行令でも、会社分割等、資産の包括承継においては課税されないとされています。
消費税法施行令-第二条四
貸付金その他の金銭債権の譲受けその他の承継(包括承継を除く。)
引用:消費税法施行令(昭和六十三年十二月三十日政令第三百六十号)
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KL2020・OD・037
本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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