住宅賃貸の現状回復特約についての疑問
賃貸契約を終了し、不動産会社から退去時精算書と現状回復工事費用の見積もり書が届きました。その請求金額が妥当なものなのか、そもそも契約時の現状回復に関わる特約に有効性があるのか疑問に思い相談させていただきました。
ペット可物件に2年住んでおりましたが、退去時の掃除も完璧に済ませ、畳にはクッションシートで全範囲を覆って日焼けや摩耗もない状態で引き渡しをいたしました。(クッションシートを外した際に、半畳の2箇所に通気性が悪かったのかカビが生えた箇所がありました。拭き掃除で見た目は綺麗になりました。不動産屋の担当者が引き渡しの際に仔細に畳を見ていましたが何も指摘されませんでした。)
契約書には、特約のようなものが記されておりましたが借主が契約上負担すべきことになる経年劣化、通常損耗の負担範囲や負担金額の説明が何もなく、借主が現状回復義務以上の負担を負うことに関しての書類や詳しい説明もありません。
契約書には、以下のように記されていました。
次の号に定める費用は、法律の定めにかかわらず、乙の負担にて現状回復するものとする。
①室内のクリーニング代
②畳替え
③その他附属設備の撤去費用
請求内訳は、半畳12帖分(部屋の全ての畳分となります)¥36,000、ペット消臭消毒費¥10,000、壁洗浄(全ての部屋)¥5000、ハウスクリーニング2LDK分¥38,000
以上の現状回復工事費用として税込み9万7900円を請求されました。
説明が抽象的な特約については無効になる場合があると知りました。
特に、畳の表替を全て負担しなければいけないという点には納得がいきません。
敷金2ヶ月分から差引きされるようですが、見積もり請求金額は妥当なものなのでしょうか?また、異議を申し立てられる案件なのか知りたいです。宜しくお願いします。
相談者(ID:17763)さん
弁護士の回答一覧
契約書には、 >次の号に定める費用は、法律の定めにかかわらず、乙の負担にて現状回復するものと...
>次の号に定める費用は、法律の定めにかかわらず、乙の負担にて現状回復するものとする。
①室内のクリーニング代
②畳替え
③その他附属設備の撤去費用
とあるのですから、お考えとは全く逆に畳替え費用については負担をさせられる可能性があるのに対し、他の費用については請求される根拠はありません。
「室内のクリーニング代」といっても、あなたが自分で退去するに当たり、完璧に清掃をしたのですし、カビも除去したとのことですから、既に済んでいます。更にクリーニング代を請求されるいわれはないといえるはずです。
また、ペット消臭消毒費や壁洗浄については、契約書にも全く書かれていないのであって、これらは貸主が必要と思えば貸主の負担で行えばよいだけのことです。
それに対し畳替えについては、賃借人の負担とすることが明記されているのです。
ただ畳替えの費用として3万6000円がかかると予め明記されていなかったのですし、その金額の妥当性については話し合うことが可能だと思います。弁護士回答の続きを読む
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