不安につけ込む開運商法の手口とお金を騙し取られた場合の対処法

開運商法（かいうんしょうほう）とは、消費者の不安につけ込み高額な開運商品を売りつける悪徳商法のことをいいます。夜も眠れないほど大きな悩みを抱えている時に、「これをつければ運気が上がる」などと言われて高額な商品を勧められたことはないでしょうか？

開運商法は人の弱みに付け込む手口で、許すべきではありません。今回は、開運商法の問題点、手口、事例をお伝えした上で、被害を未然に防ぐ対策や、被害に遭った方がすぐにやるべきことについてお伝えします。

開運商法の問題点

効果がない商品を高額で買わされるのはもちろん問題です。しかし、開運商品を信じたために問題の発見が遅れ、手遅れになってしまうのが最も大きな問題ではないでしょうか？特に持病があるときなどは、病院に行くのが遅れたせいで取り返しがつかなくなる恐れまであります。

開運商法の手口

では、開運商法の手口を確認していきましょう。

無料鑑定でターゲットをおびき寄せる

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• 占い

等を無料ですることで、まずはターゲットをおびき寄せます。鑑定をしたのち、「先祖の祟り」「オーラが濁っている」「運気が下がっている」など、あなたの悩みは霊的なものによって引き起こされていると伝えてきます。

悩みや不安につけ込み高額な契約をさせる

病気やケガなどが続いていると、霊的な存在が自分に悪影響を与えているのではと思うこともあるでしょう。もし自分に悪霊がついていて問題を引き起こしているのであれば、早く何とかしなければと焦ってしまうものです。ターゲットの不安がピークに達したところで、「これを身につければ助かります」と言わんばかりに高額な開運商品を勧めてきます。

勧められる商品は様々ですが、例えば次のようなものがあります。

• 印鑑
• お札
• 石
• お守り
• 数珠
• 写真
• 絵
• ブレスレット
• 財布

悩みが楽に解決すると思わせる

上記の商品例を見てもわかるように、持っているだけで問題が解決すると思わせるようなものを売りつけます。わらにもすがりたくなっているときには厳しいかもしれませんが、「簡単さ」を強調してくる商品やサービスは警戒した方が良いでしょう。「楽になりたい」という気持ちにつけこんだ悪質な手口です。

金銭だけでなく個人情報までもが奪われる場合も

「先祖の祟りを解き明かすために家系図がいる」などと言い、家系図やご家族の個人情報を要求します。そしてその情報は先祖の祟りを鎮めるためではなく、他の悪徳業者に販売してお金をもらうために使われます。

俗に言う“カモリスト”というものに個人情報を載せられ、別の悪徳業者からターゲットにされる恐れが出てきます。くれぐれも二次被害にはご注意ください。

開運商法の事例

開運商法の事例をご紹介します。

事例1｜続く病気やケガへの悩みに付け込まれた事例

家族に病気やけがが続き悩んでいた。「あなたのお悩み解決します。鑑定料2千円」と書かれた悩み事相談の体験談の新聞の折り込みチラシを見て、ホテルで開かれている易鑑定会に出向いた。3千円を支払って鑑定を受けた結果、成仏していない先祖の霊のせいだと言われた。「出家して100日間の祈とうをしなさい。それができなければ、代わりに高僧が行う。100日分の料金が必要」と言われた。このまま悩みが続くのかと思うと不安になり30万円の祈とう料と3万円のお札料を払ってしまった。領収書をくださいと言ったが「出せない」といわれ不審に思った。祈とう料も高額。解約したい。

引用元：国民生活センター

悩みの原因＝先祖の霊のせいと信じてしまった点に問題があります。

領収書をくださいと申し出る判断は良かったのですが、断られた時点でお金を渡すべきではありませんでした。早く問題を解決したいと思っていて焦っているときは「お金を払えば助かる」そう信じたくもなります。しかし、はやとちりをしてしまうと後悔します。

事例2｜家族が引っかかってしまった事例

母が知人に誘われセミナーや勉強会のようなイベントに参加して、何度も高額なお布施のようなものを払っているようだ。聞いても詳しいことを話してくれないが、だまされているのではないか。

引用元：国民生活センター

この例では、相談者の母親が被害に遭っています。あなたが大丈夫でも、ご家族が騙されてしまう場合もあるでしょう。特に高齢者は詐欺や悪徳商法に狙われやすいため、家族の方のサポートが欠かせません。

開運商法に遭わないための対策

開運商法に遭わないために、次の対策法を確認しておきましょう。

辛い時ほどわらにすがらない

どん底まで追い詰められて本気で悩んでいるときに、簡単に楽になれる方法があればすがりつきたくなるでしょう。開運商法はそんな悩みにつけこんでくる非道な手口です。不安を煽られたり、ご利益があるなどと言われたりしたときは要注意です。お金を払えば楽になれるわけではありません。

悩みを相談できる友人を作る

中には1人で抱え込んでしまう人もいるでしょう。なかなか他人に話しづらいこともありますが、つらい気持ちを発散できるような人を数人持つことで、騙された時に止めてもらえる可能性が高くなります。孤立して一人で悩むほど、親身になってくれる悪徳業者を「良い人」だと感じてしまいます。

いろんな専門家の話を聞くようにする

例えば病気で悩んでいるのであれば、霊能者だけでなく、医者の言葉も聞くようにしましょう。

都合の悪いことも言われるかもしれませんが、ここで虫が良いことを言ってくれる人を信用する人が騙されてしまいます。つらいかもしれませんが、問題を受け入れた上で対処法を考えていくのが結果的に根本的な解決に繋がる場合もあります。

開運商法に遭った際の対処法

開運商法に遭った場合は、クーリングオフをしたり専門家に相談したりしましょう。

クーリングオフをする

訪問販売や電話勧誘等がきっかけで商品を購入してしまった場合、書面を受け取ってから8日間であればクーリングオフができます。

専門家に相談する

クーリングオフ期間が過ぎていても契約を取り消せる場合があるので、まだ諦めてはいけません。国民生活センターに相談し、これまでの状況を伝えてお金が帰ってきそうか確認しましょう。もし支払った金額が高額なのであれば、弁護士への無料相談をおすすめします。詐欺や悪徳商法との戦いはスピードが大切です。行方をくらませたり、お金を処分されたりしてしまう前に対策をしましょう。

まとめ

どん底まで追いつめられたとき、甘い言葉で簡単に不安を解消できると高額な商品を勧めてくる人がいるかも知れません。残念ですが、お金を払えばあなたの不安が消えるわけではありません。もしお金を騙し取られたのであれば、今回お伝えした相談先に連絡をし、お金が戻ってきそうなのか確認してみてください。