悪徳商法の手口一覧と対策や対処法|欲や不安に付け込まれない知識

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
悪徳商法の手口一覧と対策や対処法|欲や不安に付け込まれない知識

悪徳商法(あくとくしょうほう)とは、違法または不当な方法で販売者が利益を得るような商法のことを言います。

社会人経験が浅い20代の人や、判断能力が鈍っている高齢者がターゲットにされることが多いので、どんな手口があるのか理解し、騙されそうになったらすぐ気づけるようにしておきましょう。

今回は悪徳商法の一覧をご紹介した上で、被害に遭わないための対策や、被害に遭ってしまった場合の対処法などをお伝えします。

悪徳商法の一覧

悪徳商法の一覧
悪徳商法には次のような種類があります。時代とともに手を変え品を変えあなたを騙そうとしてきますので、新しい商品や技術が出たときなどは特に注意しましょう。

マルチ商法|楽に儲けられるビジネスや企業の話を持ちかけられたら気をつけよう

「夢がかなえられる」「自由になれる」「会社に縛られないで済む」などと言われ、ビジネスに勧誘されたことはないでしょうか?それはもしかしたらマルチ商法かもしれません。特定商取引法上では連鎖販売取引として定義されており、違法ではないものの勧誘方法が厳しく規定されています。

おまけに、勧誘時に説明されたほど簡単に儲かるわけでもありません。

原野商法|「値上がり確実!」などと言い無価値な土地を高く売る手口

都市開発やリゾート開発を騙り、値上りすると思わせて無価値な土地を販売する手口を原野商法といいます。

この手口は二次被害が多いのも厄介なポイントです。無価値な土地を買ってしまった人の中には、いらない土地を処分したいと思う人も多くいます。時間が経過した後に、「買い手が現れた」などと甘い言葉でターゲットを釣り、さらにお金を奪い取られてしまう被害者は少なくありません。

霊感商法|悩みを霊の祟りのせいにして高額な商品を売りつける手口

ターゲットの不安の原因を「ご先祖様の祟り」などのせいにし、掛軸や壺、数珠や御札などを高額で売りつける手口を霊感商法といいます。

お金を取られるだけでなく、病気を患っている場合などは対応が遅れてしまい手遅れになることもありえます。どん底にいるときほどわらにもすがりたくなりますが、人の弱みにつけ込む悪い人がいることを忘れてはいけません。

開運商法|「持っているだけで運気が上がる」と高額商品を売りつける

身につけているだけで運気が上がるなどと言い、ブレスレットや印鑑などを高額で売りつける手口を開運商法といい、霊感商法とよく似ています。

雑誌などの広告欄で宣伝されている場合もありますが、購入する前になぜ運が良くなるのか、合理的な理由があるかどうかは確認しておいたほうが良いでしょう。

アポイントメント商法|街頭でターゲットを捕まえ高額商品を契約させる

街頭で声をかけたり、ビラでおびき寄せたりすることでターゲットを営業所に連れ込み、最終的に高額商品を買わせる手口をアポイントメント商法と言います。

  1. 「景品が当たった」
  2. 「アンケートのご協力をお願いします」
  3. 「展示会を開いています」

などと声をかけてきますが、不要であればきっぱりと断りましょう。断るのが苦手な人もいるかもしれませんが、営業所に連れ込まれた後はもっとしつこい勧誘が待っていることは覚えておいた方が良いでしょう。

催眠商法|狭い会場に閉じ込めて冷静な判断力を奪い高額商品を買わせる手口

狭い会場にターゲットを集めた上で、最初は無料プレゼントをします。「これ欲しい人!」と言い、ターゲットには「ハイ!ハイ!」と言いながら手を挙げさせます。

ハイハイと言って手を挙げれば物を貰えると学習させたのち、少しずつ金額を釣り上げていきます。最終的に20万円以上の買い物をしてしまったり、会場に行くのが楽しくて何回も被害に遭ったりする場合もあります。

かたり商法|警察、水道局、電気会社、ガス会社などの職員に成りすます手口

「水道局の方から来ました」などと公的機関の職員に成りすまし、不当な契約をする手口をかたり商法といいます。

本物そっくりな制服を着ていたり、名刺などの小道具を偽造していたりすることもあり、ひと目で見分けられません。

水道局職員に成りすます手口であれば、「浄水器の設置が義務化された」などと嘘をつき契約をさせる場合があります。

点検商法|無料点検に見せかけ最終的に工事等を契約させる手口

かたり商法と併用されることもある手口です。リフォーム会社になりすまして「無料で床下点検をしている」などと言って家に入り込みます。

点検をしたのち、「シロアリに床下が食われており、家が倒壊する可能性がある」などと言ってきて、工事の契約を促します。ここで契約をしてはいけません。

必ず問題箇所を見せてもらったり、複数の業者に点検を依頼したりしましょう。制服を着てそれっぽいことを言っているだけですので、簡単に信用してはいけません。

送りつけ商法(ネガティブオプション)|生鮮食品を送りつけ代引き手数料を払わせる手口

頼んでもいないのにカニなどの生鮮食品を代引きで送りつけ、お金を騙し取る手口です。この手口の場合、荷物の受取を拒否すれば被害には遭いません。

ただ、「誰かが頼んだのかな?」などとお金を立て替えてしまうと、そのまま騙し取られるので注意が必要です。

資格商法|資格を取れば安心という考えにつけ込む手口

無価値な資格にあたかも将来性があると思い込ませ、高額な契約をする手口です。高額な授業料やテキスト代を支払いますが、対象の資格自体が無価値であれば、時間とお金を無駄にすることになってしまいます。資格の価値は吟味しましょう。

コンプレックス商法|コンプレックスにつけ込み、解消できる方法があると思わせて契約をさせる手口

人は誰しもコンプレックスを抱えているものですが、そんな弱みにつけ込む悪徳商法もあります。体型やニキビ、身長など悩みを抱えている部分につけ込み、高額な美容整形、薬、機器などを契約させます。

内職商法|「在宅で高収入」などといいパソコンソフトや機器等を売りつける手口

在宅収入をうたい、内職に必要な機材やテキスト等を購入させる手口です。初期費用が高額であるにも関わらず、購入後は仕事を振ってもらえなかったり、全く稼げなかったりします。

悪徳商法に遭わないための対策

悪徳商法に遭わないための対策

悪徳商法に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか?以下でお伝えします。

騙されやすい人の共通点を理解しておく

詐欺や悪徳商法に騙された人は口を揃えて「自分が騙されるとは思わなかった」と言います。騙される危機感がなければ警戒も対策もしないので、悪徳業者からすればいい獲物でしかありません。

インターネットで検索してみる

業者名や担当者名、手口をインターネットで検索してみましょう。悪徳商法であれば怪しい情報がヒットします。焦って支払いをする前に、必ず事実確認をしましょう。

発言の根拠や販売元の身元を確認する

業者のホームページを発見したら、運営者情報がきちんと書かれているのか確認します。架空の住所が使われている場合や、運営年数が短い場合などは悪徳商法の可能性があるので気をつけましょう。

不要なものはきっぱり断る

いらないものはきっぱり断るというのが、どの手口でも共通して重要な対策です。曖昧な大度を見せれば、こちらが首を縦に振るまでしつこい勧誘が続くでしょう。

基本的に契約の意志が全くない人にいつまでも時間は割きませんので、抵抗感はあるでしょうがはっきり「いりません」と言えるようにしておきましょう。

焦った状態で衝動的に高額なお金を支払わない

なぜ悪徳商法や詐欺に騙されるか不思議に思ったことはないでしょうか?冷静な判断力を奪われている、というのが原因の1つです。普段は冷静な人であっても、恐怖や欲に付け込まれると冷静に思考できなくなります。焦って衝動的にお金を払うのはやめましょう。

複数の商品・サービスを検討する

商品・サービスを契約させるタイプの手口であれば、必ず類似の商品・サービスを比較検討し相場を把握しましょう。よほどの商品でない限り、「これでなければいけない」という必然性はないはずですので、自分の視野が狭くなっていないか気付ける冷静さを持ちたいところです。

悪徳商法に遭ってしまった際の対処法

悪徳商法に遭ってしまった際の対処法

最後に、悪徳商法に騙された場合の対処法をお伝えします。

商品を使わない

商品を使ってしまうと、契約に同意したとみなされクーリングオフできなくなることがあります。ただ、業者の指示で開封した場合は別です。

クーリングオフをする

書面を受け取ってから8日間、もしくは20日間はクーリングオフが可能です。書面を受けとっていない場合やクーリングオフ妨害が遭った場合は期間が延長されますし、特定商取引法に基づいて契約を取り消せる場合もあるので、諦めないようにしましょう。

専門家に相談する

怪しい業者と関わってしまった、もしくは契約をしてしまったという場合は、警察に通報したり、国民生活センターに相談したりしましょう。

ただ、被害額が高額な場合は被害金を回復するためにも弁護士に相談するのがおすすめです。悪徳商法との戦いは時間との戦いです。相手がまだ身元をくらませていないのであれば、悪徳商法に詳しい弁護士に相談をしましょう。当サイトから消費者被害が得意な弁護士を探していただくこともできます。

まとめ

今回はあらゆる悪徳商法について、その手口や対策をお伝えしてきました。被害に遭った場合はまずクーリングオフをしたいところですが、被害金が高額な場合は確実に取り戻すためにも、弁護士に相談をした方が良いでしょう。

悪徳商法の業者が姿を消してしまえば請求のしようがなくなるので、スピード感が重要になってきます。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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