原野商法|無価値な土地を買わされた際の対処法と二次被害を防ぐ知識

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
原野商法|無価値な土地を買わされた際の対処法と二次被害を防ぐ知識

原野商法(げんやしょうほう)とは、価値がない土地をあたかも値上りするかのように伝え、契約を締結させる悪徳商法をいいます。

「値上がり確実」などと言われ、土地の購入を勧められたことはないでしょうか?

もしくは、過去に買った無価値な土地の買い手が現れ、土地を買ってもらえると期待してはいないでしょうか?

厳しいことを言いますが、甘い言葉を真に受けてはいけません。国民生活センターのデータを見ると、2013年には1,018人の相談者が、原野商法の二次被害に遭っていることがわかります。

国民生活センター|止まらない!!増え続ける原野商法の二次被害トラブル

引用元:国民生活センター|止まらない!!増え続ける原野商法の二次被害トラブル

また、この手口には被害者の90.9%が60歳以上という特徴があります。詐欺や悪徳商法では、高齢者をターゲットにすることがよくあります。判断力が弱っている高齢者を守るには、家族の協力が欠かせません。

国民生活センター|止まらない!!増え続ける原野商法の二次被害トラブル


引用元:国民生活センター|止まらない!!増え続ける原野商法の二次被害トラブル

今回は、原野商法の手口と事例をお伝えした上で、被害を未然に防ぐための対策や、被害に遭ってしまった際の対処法をお伝えします。

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原野商法の手口

原野商法の手口

冒頭でもお伝えしたように、無価値な土地をあたかも価格が高騰するかのように錯覚させ、高額な契約をさせるのがこの手口の特徴です。詳しく確認していきましょう。

土地の値上がりが確実と思わせる

  1. リゾート
  2. 高速道路・新幹線等のインフラ

などの開発計画があるように思わせ、ターゲットを錯覚させます。実際に販売するのは僻地ですが、見学をする際は本当に開発される別の土地を見学させるなどしてリアリティを出します。自分の目で見たと思いこんでいるわけですから、まさか騙されているとは気づけないかもしれません。

土地が区画分けさているように見せかけ多くの人に購入させる

分筆登記という制度を使えば、1つの土地の区割りを自由に設定し登記できます。広大な土地を細切れに登記することで、あたかも区画整理がされているような印象をターゲットに与えることができます。また、区画がいくつもあるため、被害者の人数も増えやすい点も特徴です。

公図だけでなく開発後のイメージが描かれているパンフレットを見せることもあり、ターゲットは購入予定の土地を見ることなく契約を結んでしまいます。

有名人の名前を出し信頼性を演出する

区画の一部を無償で有名人に譲渡し、「○○さんも所有している」と宣伝する場合があります。有名人や公的機関の名前を持ち出されると、無条件で良い物のように錯覚してしまう人もいます。悪徳商法や詐欺ではよく使われる方法なので、騙されないようにしましょう。

水源地投資詐欺|水源地と称し無価値な土地を売りつける

無価値な土地を“水源地”と称して契約を促す手口を水源地投資詐欺といいます。有名な飲料水メーカーの名前を出して信用を得ようとしてくる場合もあります。ただ、河川法に基づいていない売買をしても、水の利権を得ることはできません。河川法以外にも森林法の規定があり、森林の開発には制約が多くあります。

水源地を購入することと水の利権を得ることは全く別物なので、騙されてはいけません。水がなければ私たちは生きられません。ライフラインとも言える水源を個人が自由に売買できるのであれば、今の社会は維持できないでしょう。

実際に得られるのは無価値な土地

景気の良い話を聞かされますが、実際に契約する土地は無価値です。

  1. 人が住む場所からかなり離れている土地
  2. 傾斜が厳しく農地にも住宅地にもできないような土地等

開発のしようがないため1坪の価値は数百円ですが、この手口では100万円を超える値段で販売されます。

 

原野商法は二次被害のリスクもある

冒頭でもお伝えした通り、原野商法では二次被害に遭う人も少なくありません。価値のない土地ですから、できれば売りたいというのが本音ではないでしょうか?悪徳業者は被害者のそんな気持ちにつけ込みます。

売れると思っていたところ、別の土地との交換を持ちかけられたり、測量費、整備費、雑草処理費用と言う名目でお金を請求されたりして、土地の権利もお金も失ってしまう場合があります。

原野商法に引っかかった人は、「カモリスト」に個人情報が記載され、業者間で売買されます。一度騙された人は、手を変え品を変え騙されるリスクがあることを知っておかなければなりません。

 

原野商法の事例

ここでは、原野商法の事例をご紹介します。

事例1

業者から、夫が40年位前に購入した山林を買い取るという電話があり、その後業者が来訪した。すると、所有している山林の売却のために別の山林を購入するよう言われ、「この土地は将来太陽光発電の会社が買い取るはずだから」と言うので契約し、代金を支払った。

 その後、もともと所有していた山林をその業者に買い取ってもらったが、さらにまた別の山林を購入し、差額を支払った。解約したい。

(2014年5月受付、契約者:神奈川県、70歳代、女性)

引用元:国民生活センター|止まらない!!増え続ける原野商法の二次被害トラブル

土地を処分したい気持ちに付け込まれて二次被害に遭った事例です。このように、最終的には土地の交換を持ちかけられ、差額の費用を請求される場合があります。

事例2

30年ほど前「絶対に値上がりする。」といわれて購入した土地を、買い手がつかないため持ったままでいた。

 ある日、土地活用の管理会社を名乗る業者から、「昔買った別荘地を売らないか」と、電話がかかった。

 自宅に説明に来て、「広告掲載すれば、半年以内に必ず土地は売れる」と費用を提示された。

 いったんは契約をしたが、よく考えると不審なので解約したい。

引用元:京都府|昔買った土地を売らないかといわれて(原野商法の二次被害)

広告掲載をすれば土地を売れるとターゲットを騙し、費用を請求した事例です。土地を売ったり買ったりする際は、かならず複数の業者を比較しましょう。似たような条件の土地をいくつか見れば、相場がわかってきます。

  1. 電話勧誘や訪問販売等をしてきた相手の話を真に受けない
  2. 知識がないものに投資しない
  3. 似た商品サービスも検討する

この3点を守りましょう。では、ここからは原野商法の被害に遭わないために、具体的にどんな対策をするべきなのかお伝えします。

 

原野商法に遭わないための対策

原野商法に遭わないための対策

原野商法を未然に防ぐための対策は次の通りです。

不審な勧誘は断る

うまい話を持ちかけてくる人には気をつけましょう。そもそも、値上がりが確実な土地であれば、他人に売るよりも自分で持っていた方がとくなはずです。確実に値上りするものを売るのは理にかなっていません。

甘い言葉を鵜呑みにしない

甘い言葉を真に受けてはいけません。相手の発言内容だけでなく、契約内容がどうなっているのか書面で確認しましょう。矛盾している内容やおかしな箇所があれば、契約をやめましょう。もし書面の内容が理解できないのであれば、理解できないものに対してお金を支払おうとしていると気付けるようにしたいところです。

自治体や不動産業者に問い合わせて事実を確認する

土地の購入を持ちかけられたら、相手の話を聞いただけで満足せずに自治体や不動産会社に連絡し、土地開発の情報は事実なのかを確認しましょう。

高齢者は家族が見守る

冒頭でお伝えしたように、原野商法の被害者は9割が60代以上です。判断力が弱っている場合もあるので、いつ詐欺・悪徳商法に騙されるかわかりません。

  1. 高齢者が1人で留守番をするときはインターホンを切っておく
  2. 電話を留守番設定にしておき、誰からかかってきているか確認したうえで折り返す
  3. ATMの1日の振込上限額を下げる

など、高齢者がだまされないような対策を家族の方がしてあげましょう。詳しくは『高齢者詐欺の悪質な手口と周りの人たちができる対処法』をご確認ください。

 

原野商法に遭ってしまった際の対処法

原野商法に遭ってしまった場合は、次の対処法をとりましょう・

土地の本当の価値を知る

酷なことをいいますが、二次被害に遭わないためにも、買ってしまった土地に価値がなく買い手が付く可能性がないことを理解しなければいけません。二次被害に遭って今以上にお金を失うリスクがあるからです。不動産業者に土地の価値を鑑定してもらえるよう連絡をしましょう。

自分が買ってしまった土地に価値がないと認めたくない気持ちはわかります。ただ、悪徳業者や詐欺師はそんな気持ちにつけ込む人種だということを忘れてはいけません。

クーリングオフをする

訪問販売や電話勧誘で土地を購入してしまった場合、書面を受け取ってから8日間であればクーリングオフができます。『クーリングオフ書面の書き方と記入例|送付前に確認したい注意点3つ』で書き方を確認し、販売元に書面を送付しましょう。

また、クーリングオフ期間が過ぎていても、契約を取り消せる場合がありますので、諦めてはいけません。次にご紹介する専門家に相談し、あなたの場合はどんな対応ができるのか助言をもらいましょう。

専門家に相談する

詐欺・悪徳商法に遭ったかもしれないと思った場合は国民生活センターに連絡をしてどんな出来事があったのかを伝えましょう。騙されているかどうか判断をしてもらったり、どうするべきか教えてもらえたりします。

また、既に高額なお金を騙し取られてしまった人は弁護士に相談をすると、騙し取られてしまったお金が返ってくるよう業者と交渉をしてくれます。相手の居場所がわからなくなったり、財産を処分されたりしてからだと手遅れになるかもしれません。詐欺・悪徳商法との戦いはスピードが命です。

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【関連記事】

▶『詐欺被害の相談先4つと騙されてから相談するまでの注意点4つ

 

まとめ

無価値な土地を購入してしまったら処分したくなるのも当然かと思います。ただ、悪徳業者はそこまでお見通しなので、甘い話で被害者を再び騙そうとしてきます。今回お伝えした対策や対処法を覚えておきましょう。また、もしあなたが一人で悩んでいるのであれば、今回ご紹介した国民生活センターや弁護士への相談をおすすめします。

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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