コンプレックス商法の実態|劣等感煽り高額契約をさせる手口に注意

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
コンプレックス商法の実態|劣等感煽り高額契約をさせる手口に注意

コンプレックス商法(こんぷれっくすしょうほう)とは、消費者の劣等感を煽り立ててコンプレックスを抱かせ、高額な商品・サービスを契約させる悪徳商法のことです。

あなたはコンプレックスを解消できると思い、高い商品を買ってしまったことはないでしょうか?もしあるとするなら、その時誰かに相談できましたか?できないですよね。

この手口の被害者は、なかなか他人に相談できないため被害が表沙汰になりにくい傾向があります。ただ、『コンプレックス商法に遭ってしまった場合の対処法』でご紹介する相談先に相談をすれば、周りの人にバレずに問題を解決できる可能性があります。

今回は、コンプレックス商法の手口や問題点、被害に遭ってしまった際の対処法などについてお伝えします。

コンプレックス商法の手口

まず、コンプレックス商法の手口を見ていきましょう。

コンプレックスにつけ込み高額商品を売りつける

人は誰しも多かれ少なかれコンプレックスを抱いています。あなたが夜も眠れないような劣等感を感じているとして、もしそれを解決できる方法があるとするなら多少胡散臭くても知りたくなるのではないでしょうか?

付け込まれやすいコンプレックスの種類

人の悩みは健康・将来・人間関係・お金の4つに集約できます。コンプレックス商法では、この中でも人間関係、特に外見や身体に関する劣等感につけ込む手口が多くなっています。

  • 身長
  • 薄毛
  • 肥満
  • 包茎

具体的には上記のような悩みに付け込まれます。

コンプレックスを煽り立てる

「このままじゃヤバイ」「このままじゃ嫌だ」そんな気持ちになるようコンプレックスを煽り立ててきます。無料で肌年齢をチェックし、シミュレーションと称しシワやシミにまみれた自分の顔を見れば、悲しみや焦り、劣等感が生まれるのは容易に想像がつきますよね。

「これを買えば解消できますよ」と甘い言葉で購買意欲を高める

世の中の商品やサービスは誰かの悩みを解決するためにあります。それ自体は問題ではありません。ただ、コンプレックス商法の場合は効果が期待できないものを高額で販売する点に問題があります。

秘匿性を演出し、購買意欲を高める

数量や期間を限定されると、その商品やサービスを購入したくなる心理が私たちにはあります。悪徳商法の場合は特に限定になる理由が曖昧です。数が少ないとも限りませんし、そもそも数が少ないから良いものだとも限りません。

あまりに希少性をゴリ押ししてくるようであれば、一度疑いの気持ちを持ちたいところです。

コンプレックス商法の問題点

コンプレックス商法の問題点

コンプレックス商法のやっかいなポイントは次の2点です。

リピートしてしまいやすい

  • 「効果が出るまでには時間がかかる」
  • 「今やめたらこれまでの努力が無駄になる」

今まで高いお金を払ってきたのに、上記のように言われて再購入をやめられますか?断れたとしても悩みはするでしょう。高額商品をリピートするので、被害額が膨らみやすい問題があります。

被害が表に出にくい

コンプレックスを解消するために高い商品を買ってしまったと他人に相談するのは、なかなかハードルが高いことではないでしょうか?実際、この手口の場合高額なお金を支払ってしまっても、恥の意識から誰かに相談できず泣き寝入りしている人が多くいます。

コンプレックス商法の事例

コンプレックス商法の事例

コンプレックス商法の事例をご紹介します。

事例1

10カ月ほど前のまだ18歳だった時、繁華街の路上で「美容に関するアンケートをお願いします」と声をかけられ、そこで無料の美顔エステを勧められた。営業所に連れて行かれ、美顔器を使用したエステをしてもらいアンケートを書かされた。その後、「シミ、そばかすがある」などと言われ、家庭用美顔器と化粧品を勧められられた。「この家庭用美顔器は通常100万円するが、今日なら特別20万円で買える」などと長時間にわたって勧誘され、結局、月々8,000円ずつ支払うということで、わけもわからないまま契約書に署名させられた。契約書には、25万円と書かれていた。また、親には言わないようにと言われた。

 しかし、一人暮らしで学校も忙しくアルバイトができなくなり、支払いができなくなってしまった。美顔器は1~2度、化粧品もほとんど使っていないが解約できるか。

(女性 学生)

引用元:国民生活センター

若い女性を狙うコンプレックス商法は後を絶ちません。上記の場合は被害者が未成年で、法定代理人(親)の許可なく契約をしたことから、最終的に契約を無効にできました。

事例2

毛髪が細くなってきたのが気になり、店舗に出向いた。店員から「気になる部分が確実に治る」と説明されて、育毛サービス165万円を契約し、クレジット(60回払い)で払うことにした。しかし、理髪店に行った時に、理容師に「髪は太くならない」と言われた。このまま長く続けるとお金がかかりそうなので解約したいと思った。24回(1ヶ月に2回ずつの1年間)施術を行うことになっていたが、そのうち2回だけサービスを受けた後に解約を申し出ると、育毛サービスやヘアケアサービスの料金の25%に当たる30万円を解約金として支払うように言われた。解約金が高額である。

(20歳代 男性 給与生活者)

引用元:国民生活センター

もし本当に店員が「確実に治る」と言っていたのであれば、誇大広告(実際よりも優良であるかのように伝えること)や不実告知(嘘をついて契約を結ぶこと)に該当し、契約を取り消せる可能性があります。

ただ、この事例では相談者はサービスを利用してしまっている点が問題です。最終的に30万円は払わずに済みましたが、施術分の料金やシート仕様の料金、合計19万円の解約料を払っています。

コンプレックス商法に遭わないための対策

コンプレックス商法に遭わないための対策

寝ても覚めても頭から劣等感が離れないのは辛いものです。ただ、世の中にはそんな人の弱みに付け込む人がいる事実は知っておかなければなりません。

売る側の言葉だけで判断しない

問題を「楽に」「簡単に」解決できればどんなに素敵でしょうか?ただ、本当にコンプレックスが楽に解消するのであれば、今頃悩んではいないですよね。売り手が甘い言葉ばかり言っているときは決して真に受けず現実はどうなっているのか調べなければなりません。

よくリサーチしてから買う

コンプレックスが解消する理由をいくつか説明されるかと思います。

例えば、美容に関する商材のセールスで「コエンザイムが配合されているから肌が綺麗になる」と言われたとしましょう。ここで素直に真に受けてはいけません。なぜコエンザイムが配合されていたら肌が綺麗になるのか、Googleの検索窓に「コエンザイム」といれて検索してみましょう。

すると、検索ページに次のような情報が出てきます。

コエンザイムに効果があるのかないのか、使ったことがないので筆者はわかりません。ただ、手放しで信用できなさそうなことはわかります。今あなたがされているように、わからないことを検索するようにすると騙されたときに気づきやすくなります。

他の商品、サービスと比較する

コンプレックスを解消できる書品・サービスは1つではありません。何か書いたくて仕方がない時、なおかつ高いものを買おうとしている場合は他の商品・サービスと比較しましょう。比較をすると、相場がわかるので、「高すぎるんじゃない?」と気づきやすくなります。

コンプレックス商法に遭ってしまった場合の対処法

コンプレックス商法に遭ってしまった場合の対処法

コンプレックス商法に遭ってしまった場合は、次の対処法を試してみてください。

クーリングオフをする

訪問販売、電話勧誘販売、キャッチセールス等で商品・サービスを契約した場合は書面を受け取ってから8日間はクーリングオフができます。

契約を取り消す

特定商取引法に反する勧誘をされた場合は契約を取り消せる場合があります。嘘をついて契約をされた場合や、不都合な事実を伏せたまま契約をしてしまった場合などは契約の取り消しができます。

ただ、証拠がなければ「言った、言ってない」の水掛け論になるため、自力で何とかするのではなく専門家に相談するのがおすすめです。

専門家に相談する

コンプレックス商法に遭った場合は、一人で悩まずに国民生活センター、警察、法テラス、弁護士等に相談しましょう。高額なお金を払ってしまった場合で、なおかつ返金をしてもらいたい場合は、弁護士に依頼することであなたに変わって交渉をしてもらえます。

どの相談先に連絡をするにしても、あなたが抱えているコンプレックスが知り合いにバレることはありません。一人で悩んで泣き寝入りをせずに、相談されることをおすすめします。

まとめ

コンプレックスにつけ込まれ、その上高いお金を払ってしまったとなれば、悩んでいたとしても誰にも相談できないのではないでしょうか?ただ、悪徳な業社はそこまで計算してあなたを騙そうとしてきます。高額なお金を取り戻すのであれば、警察、国民生活センター、法テラス、弁護士等に相談しましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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