訪問販売に不退去罪は適用されるのか?成立要件と対処方法まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
訪問販売に不退去罪は適用されるのか?成立要件と対処方法まとめ

玄関先までズカズカと入ってくる訪問販売って嫌ですよね。

そんな悪質な訪問販売業者に“不退去罪”は適用されるのでしょうか。

この記事では、不退去罪が適用される条件や悪質な訪問販売業者への対処方法を紹介します。

消費者被害について相談できる弁護士を探す

訪問販売における不退去罪の概要

この項では不退去罪の成立要件や罰則、住居侵入罪との違いなどをお伝えします。

不退去罪の成立要件

不退去罪が成立する要件は以下のように定義されています。

他人の住居、建造物、艦船に、適法に又は過失によって立ち入ったのち、要求を受けたにもかかわらず退去しなかった場合に成立する。
引用元:不退去罪 - Wikipedia

つまり、住居人が「帰ってください!」と要求したのにもかかわらず、帰らなかった場合に不退去罪は成立するということです。

ただし、退去要求をして即座に不退去罪が成立するわけではなく、帰るために荷物をまとめたり、衣類を整えたり、退去に要する合理的な時間を超えて故意に退去しなかった場合に成立します。

不退去に該当する場所

『玄関まで入っていなくても不退去罪に該当するのか』『どこまではよくて、どこからがダメなのか』と疑問に思う方もいるでしょう。

結論としては、自身の所有敷地からの退去命令に従わない者に不退去罪が適用されます。

例えば、玄関先に居座る訪問販売業者に対して退去を要求したが帰らなかった場合などに、不退去罪が成立する可能性があります。

不退去罪の罰則

不退去罪の罰則は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
引用元:刑法第130条

不退去罪に該当した場合の相談先

訪問販売業者に帰れと要求しても、ずっと居座られるなどの行為があった場合、これは民事事件ではなく、刑事事件です。警察に相談しましょう。

住居侵入罪との違い

住居侵入罪は『入ってはいけない場所に正当な理由なく入った場合』に適用されます。

正当な理由なく住居などに侵入した場合は住居侵入罪、正当な理由があって住居などに入ったけれど退去要求に従わなかった場合は不退去罪になります。

消費者被害について相談できる弁護士を探す

訪問販売が不退去罪で逮捕された事例

不退去罪で逮捕された過去の事例をご紹介します。

「自宅に訪問され投資用マンションの勧誘を受け、業者の車でマンションの 空室に連れ込まれ、監禁状態で契約を迫られた」 「立ち去るよう言っても聞き入れなかった」「『契約するまで居座り続ける』と言われた」 「帰りたい旨を告げても帰してもらえなかった」「とりあえず物件を見てと言われ、現場 まで連れて行かれた。断ると『何を今さら言うのか。契約しないで帰れるはずがない』 と凄まれて契約させられた」

引用元:国民生活センター|ますますエスカレートするマンションの悪質な勧誘

かなり強引で悪質な訪問販売の事例ですよね。

間違っても業者などの車に乗り込んだりしてはいけません。退去要求をしても居座り続けた時点で警察を呼びましょう。

訪問販売で、販売品、会社名を聞いても言いません。 「どういう販売品なのかは、紙に書いて説明します。部屋の中できちんと説明します」との一点張り。 玄関の中に入り、ドアを閉め家に上がろうとします。 何度断っても、帰らないので「何を売りたいのか、用件を言ってもらいたい」と言っても 「紙に書いて説明をします、そうしないと分かりません。」とのこと。 長時間居座り販売製品、会社名を名乗らない。 警察に電話しようと携帯を部屋に取りに行くと出て行きました。

引用元:教えて!goo|不退去罪の犯人を逮捕する方法 -語り商法での訪問販売員を逮捕する方法

訪問販売業者はまず会社名と訪問した目的を言わなければなりません。

会社名を名乗らない場合、悪質な訪問販売業者の可能性があります。

まず会社名を聞き、それに答えなければすぐに退去要求をしましょう。

消費者被害について相談できる弁護士を探す

しつこい訪問販売業者をすぐに帰らせる方法

しつこい訪問販売業者にすぐに帰ってもらう方法をご紹介します。

【関連記事】訪問販売の上手な断り方とNGな断り方|訪問販売が来にくくなる裏技3選

居留守を使う

断るのも面倒くさいという方は居留守を使うのが一番です。

訪問販売業者もノルマなどが設定されている場合が多いので、ムダな時間を使うわけにはいきません。

人がいないと判断すれば、すぐに次の家に向かうでしょう。

ドアを開けない

訪問販売業者の最初の目標はドアを開けてもらうことです。

ドアを開けてしまうと、ドアの間に足を入れるなどして閉めにくくしてくる場合もあります。

また、お客さんの返答に対する切り返しをあらかじめ用意している場合も多く、断っても断っても上手く切り返されてしまう恐れもあります。

相手と同じ土俵に上がる必要はありません。なるべくインターホン越しで対応するようにしましょう。

「不退去罪で警察を呼ぶ」と伝え、電話をかける素振りを見せる

どうしても帰らない場合は「不退去罪で警察を呼ぶ。」と伝え、電話をかける素振りを見せましょう。

訪問販売業者も警察が来て時間が取られてしまうと、ノルマが達成できなくなります。

本気で断る姿勢を見せれば、大人しく帰るでしょう。

キッパリと断る

一番手っ取り早い方法はやはり、キッパリと断ることです。

「いらないです。」とハッキリ言いましょう。

それでも帰らないときは「帰ってください。」とハッキリ退去要求。

退去要求をしても帰らないなら、不退去罪が成立しますので、すぐに警察に連絡しましょう。

まとめ

帰ってほしいと言ったのに、しつこく居座る悪質な訪問販売業者には不退去罪が成立します。

なので、早く帰ってほしいときはハッキリと退去要求をしましょう。

【関連記事】
訪問販売9つの違法行為|意外と知らない違法な勧誘方法とその対処法
詐欺的な訪問販売の手口と対策|制服や「義務だから」に騙されない

この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。
Prevent banner

関連記事

あなたの弁護士

本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。

※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

消費者被害が得意な弁護士を探す