労働組合の簡単な作り方|届出方法や条件・メリット・デメリットまとめ

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
労働組合の簡単な作り方|届出方法や条件・メリット・デメリットまとめ

労働組合法とは、以下を目的に作られた法律です。

この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。

(引用元:労働組合法

労働組合を作ることにより、労働者同士が団結し、使用者に対して交渉したり異議を申し立てることができます。

これらを1人でやろうとするのは大変ですが、労働者同士であれば精神的にも楽ですし、一致団結することによって意見も述べやすいですよね。

このように、労働者同士が団結して、労働条件の改善や経済的地位の向上を図ることを目的に、労働組合が作られるのです。

労働組合の作り方|組合を作るための条件

労働組合を作るには、一体どういった条件があるのでしょうか?

ここでは労働組合を作るために必要なモノや条件について、解説していきます。

必要なもの

まず、労働組合を作るのは難しそうというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、実はそんなことはなく、とても簡単です。

労働組合を結成するための書類や届け出は必要なく、認可や手続き、費用なども必要ありません。そのため、作ろうと思った時にすぐに作ることができるのです。しかし、労働組合が法的保護を受けるためには、労働組合法に基づく組織づくりが必要です。

最低人数は2人

労働組合を結成するための人数に、下限はあるのでしょうか?

これに関してですが、あくまでも組合なので、2人以上は必要となります。

逆に最初からあまりにも多い人数だと、使用者の目に触れてよく思われなかったり、または妨害されたりすることもありますので、まずは少ない人数で始めることがおすすめです。

労働組合の作り方|組合を作るまでの流れ

ここで、労働組合を作るための手続きを順序立てて説明していきましょう。

①仲間を募る

まずは、一緒に労働組合を結成するための仲間を募りましょう。

同じ社内の人だけでなく、他社の従業員と組合を結成することも可能です。

1人では結成できませんので、最低でも2人以上は集めましょう。

なお、役員等の経営者側の人間が参加する労働組合は、労働組合として法的保護を受けられなくなる可能性があります。

②結成理由・目的を明確にする

次に、なぜ労働組合を結成するのか、その理由や目的を明確に挙げておきましょう。

ここがブレていてしまっては、仲間と一致団結して行動していくことができません。

目的をもつことで行動スピードも上がりますし、仲間同士の信頼関係も培われていきますから、ここは結成前からしっかりと整理しておきたいですね。

全員で話し合い、慎重に決めていきましょう。

③組合の規約を作る

労働組合は単なる集団ではなく、組織です。そのため、組織上の統制について明記する規約の作成が必須です。労働組合法5条には規約の必要的記載事項について定めがありますが、その他組織統制上必要となる規定を盛り込んだ規約を作成しましょう。

労働組合の結成で当該規約の作成が最も重要です。

④組合員による承認決議

労働組合は組織であるため組織行為について民主的な承認を経る必要があります。

結成段階では、規約や予算について承認決議を経るのが通常でしょう。

労働組合を作るメリット

労働組合を作るメリット

労働組合を作ることにより、いったいどんなメリットがあるのでしょうか?ここで、解説していきたいと思います。

使用者に対し、個人ではなく集団で交渉できる

まずやはり一番のメリットは、個人ではなく組合として交渉できることでしょう。

使用者に対して個人で異議を申し立てても、真面目に取り合ってくれるとは思えません。

しかし組合として交渉していけば、使用者と対等に話し合いを行うことができます。

また、もともと労働者の立場が使用者よりも弱いことを前提とし、労働組合法第一条には

この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。

(引用元:労働組合法

と書かれています。

つまり、労働組合の活動は、法律によって保障されているということがわかります。

こういった法律があることは、とても心強いですね。

職場環境を改善できる

そもそも労働組合の目的は、労働者の不満や要求をまとめて使用者に申し立てることです。

自分一人ではできないことも組合であればスムーズに動けたり、使用者に対し、より意見を伝えやすくなりますよね。

職場でのパワハラ、残業代の未払い、理不尽な労働の強要など、悪しき職場環境を改善していくためにも、労働組合の結成はとても効果があるといえます。

労働者同士の結束が強くなる

1人で抱えている悩みや不安も、組合としての仲間がいることによってかなり緩和されると思います。

また、そういった同じ悩みを共有することでそこに絆が生まれ、共に戦っていく大きな力になっていくはずです。

1人では解決できないことを解決するために労働組合はあるのですから、そこで皆が協力しあい、思いを共有しながら活動していくことで、結束が強くなり、結果的にそれが労働環境の改善に繋がっていくのです。

労働組合を作るデメリット

労働組合を作るデメリット

それでは逆に、労働組合を作るデメリットは存在するのでしょうか?ここでいくつか見ていきましょう。

使用者からよく思われない

労働組合を結成することを、あまりよく思わない会社もあります。

労働者からの申し立てを恐れ、あらかじめ労働者に伝えているというケースもあるようです。

ですが、使用者が労働者に対し、労働組合を作ることを妨げるのは法律で禁止されています。

労働組合法第7条には

使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

一 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。

(引用元:労働組合法

このように記載されています。

こちらからもわかるように、労働組合を作ることは労働者の権利ではあるのですが、それに対してよく思わない使用者もいるということを覚えておきましょう。

自信をもって労働組合を作るべきなのですが、こういった事例もあるということは理解しておいてください。

周囲から浮いてしまう可能性が否定できない

会社に所属する労働者にはそれぞれ内心の自由があります。労働者の中には組織化して会社と事を構えることを嫌う人間もいるでしょう。特に日本の社会ではその方が多数です。そんな中、ごく少数の人間のみで組合を結成し、会社にあらゆる要求を突きつける行為が、必ずしも周囲の理解を得られるとは限りません。周囲の理解を得られない場合、組合活動を行っていることで周囲との関係が悪くなる可能性はまったくないとは言い切れません。

組合費がかかる

労働組合を結成した場合、組合費が発生してきます。

調査によると、組合費の相場は1,000円~6,000円となっており、平均は3,500円ほどだそうです。

これが高いとみるか安いとみるかはメンバーによって違うと思いますので、しっかりと説明をもって支払ってもらえるよう配慮していきたいですね。

労働組合を作った後の流れ

労働組合の行動は基本的に自由なので、結成したあとの決まりは特にありません。

労働者同士でコミュニケーションをしっかりととり、一人ひとりの悩みや不満をヒアリングしてあげるなど、組合内の円滑な運営を心がけましょう。

毎月の組合費の支払いを気持ちよく思わない人がいる場合もあるので、そういった人のためにといってはなんですが、定期的に懇親会などを開き、団結力を高めていくといった工夫も必要ですね。

まとめ

今回は、労働組合の作り方について解説してきました。

この記事でも書いてきたように、労働組合を作ることに関しては、なにも難しいことはありません。

労働環境を改善していくために、ぜひともこの制度を活用していきましょう。

また、労働組合を作ることは会社側から良く思われないと記載しましたが、実は会社側にとってもメリットになるケースもあります。

働きやすい職場になれば労働者のモチベーションが上がり、それに伴っての業績アップも期待できますし、社内の問題点をいちはやく見つけて改善していくこともできます。

自分たち労働者だけではなく、会社にも貢献できるのだという思いをもち、自信をもって労働組合を作っていきましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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