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KL2020・OD・037
今回は、有給休暇とアルバイトの関係について書いていきたいと思います。有給休暇は、社員にのみ与えられるものとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、果たしてアルバイトにもそれを取得する権利はあるのでしょうか?
また、取得する際にはどのような条件や注意点があるのでしょうか。今回はアルバイトの有給休暇取得に関する知識を、この記事で解説していきたいと思います。
実はアルバイトの有給休暇に関して、当記事だけでも説明し切れていない知識が多数あります。
下記より、他にも有給休暇に関する知識を獲得して、有給休暇で損をしないようにしましょう。
有給休暇に関する知識一覧 |
アルバイトの有給休暇に関する知識 |
有給休暇の買取に関する知識 |
目次
社員ではないアルバイトでも、果たして有給休暇を取得することはできるのでしょうか?
結論としましては、アルバイトでも有給休暇を取得することは可能です。社員だろうとアルバイトだろうと、またはパート社員であったとしても、有給休暇の取得は平等に与えられた労働者の権利です。
そもそも、有給休暇とはいったいどんなものなのでしょうか?
有給休暇とは簡単に言えば、「出社しなくても給料をもらえる休暇」のことです。
正式名称は「年次有給休暇」といい、「年次」というその言葉の通り、条件さえ満たせば毎年一定数の有給休暇が与えられます。これは法律によって定められており、アルバイトでも法定の要件を満たせば有給休暇が付与されます。
それでは、アルバイトが有給休暇を取得するための条件としてはどういったものがあるのでしょうか?
労働基準法第39条には
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:労働基準法第39条
このように書かれています。こちらからもわかるように、勤務開始から6ヶ月以上勤務をし、かつその8割以上出勤していることが、有給休暇を取得するための条件です。
8割以上の出勤とは、シフトで定められている出勤日の8割以上ということです。仮に1ヶ月に20日の勤務とシフトで定められている場合、6ヶ月で合計120日の勤務となりますので、96日以上出勤していれば、有給休暇を取得することができます。
有給休暇を取得するタイミングは条件のところにも書いたように、勤務開始から6ヶ月以上が経過した段階です。週1日の勤務でも、週5日の勤務でも変わらず、半年以上勤務していた場合には、有給休暇を取得することができます。
それではここで、アルバイトと正社員によって有給休暇の取得の仕方に違いはあるのかについて、考えていきたいと思います。
まずは取得できる日数ですが、アルバイトであっても正社員と勤務日が変わらないのであれば法律上与えられる有給休暇の日数は変わりません。
勤務年数 |
有給休暇付与日数 |
6ヶ月 |
10日 |
1年6ヶ月 |
11日 |
2年6ヶ月 |
12日 |
3年6ヶ月 |
13日 |
4年6ヶ月 |
14日 |
5年6ヶ月 |
15日 |
6年6ヶ月以上 |
16日 |
参照元:厚生労働省
ただし、正社員よりも勤務日が少ない場合、有給休暇を取得できる数は上記の通りではありません。
引用元:労働基準局監督課
所定労働日数がこのように少ない場合、それに伴い付与される有給休暇も減ってきます。たとえば、週4日の勤務とシフトで定められている人が半年間勤務を続け、その8割以上の日数を出勤しした場合、7日の有給休暇が与えられます。
こちらに関しては、社員であってもアルバイトであっても、有給休暇が消滅するのは権利を取得してから2年です。たとえば、半年間勤務を続けて有給休暇を10日取得した人が、その取得日から2年間で1日しか有給休暇を使わなかった場合、残りの9日間は消滅してしまいます。
正社員の場合を例にとって説明すると
【最初の有給休暇取得分10日間】-【取得日から2年で1日の有給休暇を消費】=取得から2年後に残りの9日が消滅。残っている有給休暇日数は1日。
【入社から1年半でさらに11日の有給休暇取得】+【その1年後に12日の有給休暇取得】=合計で23日の有給休暇の付与。
【最初の取得分のうち残った有給休暇日数1日】+【入社から2年半で取得した合計23日】=合計で24日の有給休暇。
このような形になります。基本的に覚えていただきたいのは、取得した有給休暇はその取得日から2年以内に使わない場合、消滅してしまうということです。
それではここで、有給休暇の3つの計算方法について解説していきます。このうちどれが適応されるかは、会社の就業規則によって異なります。
過去3ヶ月の給与の平均額を、有給休暇の給与として計算する方法です。その場合、
【過去3ヶ月の給与の合計÷過去3ヶ月の合計勤務日数】
こちらの計算式で、有給休暇を使用した日の給与を計算します。
こちらが一番わかりやすい計算方法ですね。所定労働時間分という言葉通り、本来の勤務どおりの給与が支払われることになります。
その日が5時間勤務の予定ならば5時間分が、8時間勤務の予定ならば8時間分の給与が支払われます。
【関連記事】有給休暇の賃金算定方法|退職時に有給を取得するときに知るべきこと
有給休暇申請には通常会社のルールがありますので、当然これには従ってください。またルールがない場合は社会人としてのマナーの問題となりますが、余裕をもった申請をすることが好ましいでしょう。突然の申請をしてしまった場合、周りへの迷惑となる可能性もありますし、社内からの印象も悪くなってしまう可能性もあります。
有給休暇を申請した際に、会社側からそれを拒否されることはあり得るのでしょうか?ここではそんなケースについて、考えていきたいと思います。
労働基準法第39条には、このように記されています。
使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
使用者は労働者に対して、有給休暇の申請を拒否することは基本的にはできませんが、例外的に事業運営上の支障が著しくこれを回避できない場合には休暇時季の変更を求めることができるとされています。もっとも、アルバイトの場合、シフトの組み換え等で業務運営上の支障が生じないようにすることは容易と思われますので、基本的に時期変更は認められないと思われます。
上記のように、有給休暇の申請を労働者側が拒否することは基本的には違法です。しかし、会社側に一切の権利がないのかというとそうではなく、労働基準法第39条にも記載されているように、正当な運営を妨げる場合においては、その取得日を変更することができます。
業務の規模が大きかったり、有給休暇取得者の代替者を見つけるのが困難だという場合など、業務に支障が出るといったケースでは、時季の変更が認められる要件です。
【関連記事】有給休暇の申請に理由は必要?労働基準法上必要ないが申請時に配慮すること
有給休暇は労働基準法第39条にも記載されているように、労働者が使用できる正当な権利です。しかし、その申請時期によっては断られるケースもあるでしょう。
労働基準法第39条の内容にもある、「正当な運営を妨げる場合」に有給休暇を申請してしまった際には、その使用日を変更させられることもあります。自分が有給休暇を申請したことによって、会社にとってどんな影響を与えてしまうのか、自分だけの立ち場で判断をしていないかをもう一度考えてみましょう。
何度申請をしても毎回拒否されるようであれば、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
労働者にとっての正当な権利を侵害されている可能性もありますので、自分だけではなく専門家の判断を仰ぐことが、解決への一番の近道ですね。
もし仮に、アルバイトをしていても有給休暇がもらえないとった場合、どのような対処法が考えられるのでしょうか?アルバイトであっても法定の要件を満たせば有給休暇をもらう資格はありますので、もしももらえていない場合には、次のような行動を起こしていきましょう。
会社側としても、アルバイトに有給休暇が発生することを理解していない可能性も考えられます。過去に前例がなかったり、これまで通りアルバイトには有給休暇を与えないという暗黙のルールがあるのかもしれません。
ですので、一度会社側に話を持ちかけてみて、有給休暇を与えないのは違法であるということを伝えてみると良いでしょう。
その旨を伝えれば、しっかりと動いてくれるはずです。
会社側に伝えても、すぐに動いてくれるとは限りません。そうなったのであれば、専門家に相談することが一番良いでしょう。
その際に考えられる相談先が、労働基準局ですね。労働基準局であれば、証拠さえあれば匿名での相談も受け付けていますので、タイムカードや勤務日数がわかる資料を用意し、相談することと良いでしょう。
万が一、それによって法的トラブルにまで発展するようであれば、弁護士に相談することも考えなくてはいけません。
なのでまずは、労働基準局への相談といいう形で小さな行動を起こしていくことがおすすめです。
それでも有給休暇が与えられないようであれば、アルバイトを辞めるという選択肢も考えていくべきでしょう。不当な扱いを受けながら働くべきではないですし、そこに固執する必要もありません。
上司や同僚など、親しい存在に相談することも大切ですが、そこから離れるという勇気をもつことも、とても大切な行動だと私は思います。
今回は、有給休暇とアルバイトの関係性について、記事を書いてきました。
アルバイトであっても社員であっても、その取得方法や使用方法に違いはありません。労働者にとっての正当な権利ですので、これを行使したい場合には、自信をもってその旨を伝えていきましょう。
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