労働基準法違反をすると罰金の可能性もある|よくあるトラブルと相談先

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
労働基準法違反をすると罰金の可能性もある|よくあるトラブルと相談先

労働基準法違反は、残業代未払いやマタハラ、セクハラなど様々な労働問題で見られます。最近では、大手企業の残業代未払いや公的機関でのパワハラなども話題になりました。

今回は、労働基準法違反をした企業がどのような扱いになるのか、また、労働基準監督署への申告までの流れなどをご紹介します。

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労働基準法違反をした会社の扱い

給与未払い、残業代未払い、ハラスメントなど、労働基準法違反をする会社は後を絶ちません。労働基準法は法律ですので、違反した場合は罰金や懲役などの罰則が課されることもあります。

この項目では、労働基準法違反をした会社がどのような扱いを受けるのかご紹介します。

労働基準法違反は罰金が科される

労働基準法には罰則があり、違反した場合に懲役や罰金が科されることがあります。例えば以下の様な場合です。

残業代未払いの場合

残業などの賃金未払いの場合は、懲役6ヵ月以下または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

残業代未払いは労働基準法37条に違反するため、109条の罰則にあてはまります。

第三十七条  使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

引用元:労働基準法

第百十九条  次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一  第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者
引用元:労働基準法

悪質な労働基準法違反は企業名が公表されることもある

平成29年5月から厚生労働省では、労働基準法違反を行なった会社に対して企業名を公表するという通達を行いました。企業名が公表される違反は主に以下の3つです。

  • 違法な長時間労働
  • 労働災害・事故
  • 労働賃金の未払い

社会的信用を失う

労働基準法違反をすると悪質な場合はニュースとして取り上げられることもありますよね。

最近では大手運送会社の残業代未払いや消防署のパワハラなどが話題となりました。労働基準法違反は、不祥事として社会的信用を損なうこともあります。

「ヤマト、巨額の未払い残業代 7.6万人調べ支給へ」

宅配便最大手ヤマトホールディングス(HD)が、約7万6千人の社員を対象に未払いの残業代の有無を調べ、支給すべき未払い分をすべて支払う方針を固めた。必要な原資は数百億円規模にのぼる可能性がある。サービス残業が広がる宅配現場の改善に向け、まずは未払い分の精算をしたうえで、労使が協力してドライバーの労働環境の正常化を進める。

引用元:朝日新聞|ヤマト、巨額の未払い残業代 7.6万人調べ支給へ

「福岡・糸島市消防本部で集団パワハラか、被害で退職も」

 福岡県の糸島市消防本部で、40代の男性職員2人を中心としたグループが数年にわたり、職員約30人にパワーハラスメントをしていたとして、市が懲戒処分を念頭に調査していることが1日、市への取材で分かった。事実関係を確認し、近く処分とともに公表する。

引用元:産経WEST|福岡・糸島市消防本部で集団パワハラか、被害で退職も

よくある労働基準法違反に関するトラブル4選

よくある労働基準法違反に関するトラブル4選

労働問題は、働いている全ての労働者にとって「いつ、誰が遭遇してもおかしくないトラブル」です。

この項目では、よくある労働基準法違反として以下のトラブルをご紹介します。

残業代未払い

労働制度を悪用して「年俸制だから残業代はない」、「定時で打刻しろ」と労働時間の記録を残させないといった残業代未払いは労働問題の中でも比較的多いトラブルです。

残業代などの労働賃金は、労働者に支払わなければならないお金ですので、会社に残業代請求損害賠償請求をすることも可能です。

セクハラによる不利益扱い

女性だけでなく、男性も被害に遭う可能性のあるセクハラ問題は労働基準法や男女雇用機会均等法に違反する行為です。セクハラによって不利益な扱いを受けて職場環境が悪化する場合は、ハラスメントの差し止め要求などを行いましょう。

マタハラによる不当解雇

妊娠や出産・子育てをきっかけに降格や解雇、雇い止めなどの不利益な扱いを受けるマタハラ(マタニティーハラスメント)は、労働基準法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法に違反する行為です。

マタハラは、解雇の無効を求めたり損害賠償を請求したりすることが可能です。

パワハラ・追い出し部屋などによる退職勧奨

パワハラ・追い出し部屋などで執拗に退職勧奨を行うのも労働基準法違反です。パワハラなどのハラスメントは、ハラスメント差し止め要求損害賠償請求をすることも可能です。

また、ハラスメンによって精神的に追い詰められてしまった場合は仕事を休むということも必要です。

労働基準法違反を労働基準監督署に申告するまでの流れ

労働基準法違反を労働基準監督署に申告するまでの流れ

労働基準違反の相談は、労働基準監督署に相談することができます。ただし、会社がトラブルに対してどのように対処したのかも重要であるため、労働基準監督署に相談する前に社内の相談窓口に報告をするようにしてください。

この項目では、労働基準監督署に申告するまでの流れについてご紹介します。

まずは必ず社内の相談窓口に報告

残業代請求やハラスメントなどは、まず社内の相談窓口に報告するようにしてください。

これは、労働基準法違反を会社が認識していたか防止措置を行なっていたかなどが重要な争点となるためです。まずは、社内に報告して会社側がどのような対応をとるのか様子を見ましょう。

労働基準法違反の証拠を残しておく

社内の相談窓口に報告しても会社側の反応がない際、労働基準法違反の証拠を残しておくようにしてください。

労働基準法違反の証拠とは、残業代未払いであれば労働時間の記録(手書きメモでも可能)、ハラスメントであればハラスメントを受けた日時や内容の記録などです。

労働基準法違反は管轄の労働基準監督署に申告する

労働基準法違反を会社に報告してもトラブルが改善されない、極めて悪質な労働基準法違反が常態化しているという場合は労働基準監督署への申告を行います。

会社が所属している都道府県の労働基準監督署に、証拠を持って申告を行いましょう。

労働基準監督署に調査・是正指導の依頼をする

労働基準監督署に申告を行う際、労働基準法に違反している疑いがあるとして調査や是正指導の依頼をしましょう。労働基準監督署への相談は電話でも受け付けていますが、訪問で依頼する方が効果的であると言われています。

また、労働基準監督署への申告は、報告者の匿名希望も可能です。匿名で申告したいという場合は、その旨を伝えてください。

その他の相談先

その他の相談先

労働基準監督署に申告する前に、会社で起きている労働問題が労働基準法違反なのか(違法性があるのか)ということを相談したいという場合は、民間や公的機関の相談窓口を利用することもひとつです。

この項目では、社外の相談できる窓口や機関をご紹介します。

民間の労働組合

社内に相談できる窓口や部署がない場合は、民間の労働組合に入るということもひとつです。民間の労働組合は、個人で加入することも可能です。

全労連|労働相談ホットライン

全国労働組合連合(全労連)が運営している労働相談ホットラインでは、電話相談を無料で受け付けています。また、各都道府県にも相談センターが設置されているため、直接訪問して相談することも可能です。

厚生労働省|労働条件相談ほっとライン

厚生労働省が運営している労働条件相談ほっとラインは、夜間・土日も利用することのできる相談窓口のひとつです。主に労働条件に関する相談を無料で受け付けています。

労働基準法違反を弁護士に相談する

労働基準法違反を弁護士に相談する

残業代未払いやハラスメントなどを個人的に受けている、退職後に残業代請求や損害賠償請求をするという場合は、弁護士に相談することも可能です。

弁護士は、労働基準法違反をしている会社との交渉や、裁判などで心強い味方となります。

まとめ

労働基準法違反は、労働者にとっては許せないものです。残業代未払いやハラスメントなどのトラブルは、労働基準監督署に申告したり、弁護士に相談したりすることも可能です。

日々働く中で、労働貢献や労働環境で「これはおかしい」と感じた場合は無料の電話相談などを使用して、トラブル解決のための行動を起こしましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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