残業代請求の方法とは|手順や流れを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
残業代請求の方法とは|手順や流れを解説

実際に残業代請求を行うにはどのようなことが必要なのでしょうか。残業代請求では、さまざまな資料が必要となります。残業代請求をすると決めたら、少しずつ準備していくと良いでしょう。ここでは残業代請求の流れを説明していきます。

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残業代請求の方法とその手順

残業代請求の方法とその手順

労働時間(残業時間)が証明できる資料の作成

残業代請求をすると決めたら、まず残業時間が証明できる資料を集めていきましょう。タイムカードや勤務表、業務日報などのコピーを手元に残し、始業・終業の時刻を記録しましょう。また、業務用メールアカウントの送受信履歴なども、その時間は仕事をしていたという証明になります。特に業務用メールによる業務指示は、上司からの指示による残業であることを証明することができます。

就業規則・給与規定のコピーを用意

就業規則や給与規定には所定労働時間の記載がされています。企業としてはどこから残業としてカウントしているのか、確認しておく必要があります。

労働時間の記録のコピー

タイムカード、勤退表、業務日報等、始業と終業の時刻がわかるものがよいでしょう。あとは業務用メールアカウントの送受信記録なども有効です。

就業規則、給与規定のコピー

業務指示のメールやメモなど、上司からの指示により残業を行なったことが確認できるものなど、立証できるものをおさえれば未払いの残業代は請求することができます。

残業代の計算

残業代の計算方法は以下の通りになります。なお、【月給(円)】は扶養手当・通勤手当・住宅手当・残業手当などの諸手当を除いて計算してください。

【月給(円)】÷【月の所定労働時間(時間)】×1.25×【時間外労働時間】

関連記事:残業代の計算方法と知っておくべき未払い残業代請求のイロハ

この計算式から出た金額から実際に支払われた残業代を差し引くと、大まかな未払い残業代を計算することができます。厳密な残業代は、所定時間や就業規則・給与規定によって異なるので弁護士に相談するのが良いでしょう。ただし、残業代請求が可能なのは過去2年間分の残業代です。
参考:残業代請求の時効と過去の未払い残業代を請求する方法

残業代支払依頼書を作成し、企業と交渉

未払いの残業代を計算することができたら、残業代支払依頼書の作成を行いましょう。残業代支払依頼書には業務内容、現状説明、これまでの就業期間、残業代が未払いの期間、金額の要求、支払義務の説明、譲歩の有無、回答方法と期限などを記載した書面を作成し企業に送付します。

内容証明郵便

内容証明郵便は、郵便局が「誰が、いつ、どのような内容の文書を、誰宛に送った」のかということを証明してくれるサービスです。残業支払依頼書を内容証明郵便で送ることにより、主張する内容の文書を送ったという事実を証明することができます。

労働基準監督署への申告

残業代支払依頼書の送付を行なっても支払の合意が得られない場合は、労働基準法違反として労働基準監督署に申告することができます。申告のための申請書は厚生労働省の『主要様式ダウンロードコーナー』に書式やサンプルがあります。

労働審判申立の手続き

労働基準監督署へ申告しても支払いの合意が得られない場合は、労働審判申立の手続きを行います。労働審判とは、労働審判官(裁判官)1人と労働審判員2人で組織された労働審判委員会が、労働者と企業側との話し合いでの合意を試みる制度です。手続きには以下の書類を地方裁判所に提出する必要があります。

  • 会社登記簿謄本の入手
  • 労働審判手続申立書の作成
  • 証拠説明書の作成

なお、労働審判は原則3回以内の期日で審理が行われ、ここでも支払いの合意が得られない場合は審判または訴訟に移行することになります。

和解

双方が調停案に合意した場合、和解が成立します。後日送られてくる和解調書を受け取り、和解金の入金を確認します。

強制執行

仮に、調停調書に記載されている和解金額が期日までに支払われない場合は、管轄の地方裁判所にて強制執行の手続きを行います。強制執行では「執行文」の付与を受けた後、銀行預金等の差し押さえ手続きを行うことになります。

残業代請求を個人で行う場合と弁護士に相談する場合について

残業代請求を個人で行う場合と弁護士に相談する場合について

残業代請求を個人で行う場合

残業代請求は個人で行うことが可能です。残業代支払依頼書を作成しても企業から支払の合意が得られなかった場合、労働基準法違反として労働基準監督署に申告することができます。

申告のための申請書は厚生労働省の『主要様式ダウンロードコーナー』に書式やサンプルがありますので、参考にしてください。また、労働基準監督署の相談窓口や一般労働組合、加盟連合を利用してみるのも良いでしょう。

残業代請求を弁護士に相談する場合

未払いの残業代請求を行なうには多くの手順と資料の準備が必要になり、正直なところかなりの手間が生じます。残業代の厳密な金額を算出したい、特殊な雇用契約を結んでいる、労働基準監督署とのやりとりが不調というときは、弁護士に相談することも一つの手段でしょう。

弁護士に相談すると、資料の準備や書類提出等の手間が省けるなど、時間的・物理的負担を軽減させることができるというメリットがあります。

また、弁護士は残業代請求の交渉を代理で行なうことができますので、企業とのやりとりを自分一人で行なう必要がなくなり、精神的負担も軽減されるという点でおすすめです。

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関連記事:残業代請求を弁護士に相談するメリットと弁護士の選び方

まとめ

残業代請求をする際は、次の手順で進めていきましょう。

  • 残業時間がわかる資料を揃える
  • 残業代を計算する
  • 残業代支払依頼書を作成する
  • 労働基準監督署への申告をする
  • 労働審判申立の手続き

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梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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