交通事故裁判の基礎知識まとめ|費用・期間の目安と弁護士依頼のコツ

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
交通事故裁判の基礎知識まとめ|費用・期間の目安と弁護士依頼のコツ

交通事故がが発生した場合、当事者同士で保険会社を介しながら示談交渉を行いますが、お互いの主張がかみ合わず示談が成立しなかった場合には、裁判所でどちらの言い分が正しいかを判断してもらう必要があります。

しかし、一般人は裁判が未経験であるのが普通なので、手続の進め方や費用など分からないことが多く不安が大きいのではないでしょうか。

そこでこの記事では、交通事故裁判に踏み切る判断基準と基礎知識をご紹介しますので、もし示談がまとまらず裁判を検討している場合はぜひ参考にしてみて下さい。

裁判を検討した方が良い状況

交通事故の大半は示談で解決されるケースが多いですが、場合によっては裁判をした方が良い状況もあります。交通事故被害に遭って以下の状況に該当するようなら裁判を検討することをオススメします。

加害者が示談に応じる気がない

示談交渉自体を拒んでいたりどんな内容の示談も認めなかったりなど、加害者から示談に応じる気が感じられないような場合は裁判を検討した方が良いでしょう。

示談は事故当事者同士が納得しないと成立しないので、被害者の意思だけで決定はできません。交通事故の損害賠償請求には3年の時効があるため、そのまま放置してしまうと加害者の逃げ得になってしまうのでご注意ください。

関連記事:交通事故における慰謝料請求の時効を中断させる3つの方法

お互いの主張が異なりまとまらない

事故の過失割合や後遺症に対する損害賠償の金額など、被害者と加害者の主張が異なりどんなに交渉を続けても平行線でまとまる気配がない状況であれば、裁判を検討した方が良いでしょう。

被害者が法的な根拠を基に正当な主張をしていても、一部の加害者やその保険会社は聞く耳を持たず、自らの主張を通そうとしてくるケースは珍しい話ではないようです。

特に後遺障害が関わる事故では損害賠償が高額となり揉め事になりやすいので、加害者が提示する示談内容にどうしても納得できない場合には、裁判でどちらの主張が正しいかを判断してもらう必要があります。

加害者に支払い能力がある

これは加害者が任意保険(車保険)に未加入である場合の注意点です。加害者が保険未加入者だと自賠責保険で足りない分の損害賠償は全て加害者本人に請求することになるため、加害者に支払い能力がない場合、裁判をしても損害賠償を回収できない恐れがあります。

加害者に財産がある場合は強制執行による差し押さえで回収も可能ですが、加害者が本当に経済的に厳しい状況だと裁判で損害賠償請求を行っても容易には回収できません。しかも、自己破産をされてしまえば損害賠償がチャラになってしまう可能性もあります。

そのため、もし保険未加入の加害者を相手に裁判を起こしたい場合は、相手の収入や財産を事前に確認して弁護士からアドバイスをもらってから検討した方が良いでしょう。

交通事故裁判の流れ

交通事故裁判の流れ

  1. 訴状の提出
  2. 口頭弁論
  3. 証拠の提出
  4. 判決・示談

訴状とは、裁判所にどのような裁判を起こしてもらいたいかを知らせる書面の事をいい、訴状を提出することで裁判を起こす申請を済ませます。

その後に口頭弁論(書面の提出)によりお互いの主張の確認を何度か行い、その根拠となる証拠を提出した後に和解協議の場が設けられ、そこで和解すれば示談成立、和解しなければ裁判官の判決に従うのが交通事故裁判の大まかな流れです。

また、第一審で敗訴した場合でも2週間以内であれば控訴提起が可能です。

裁判にかかる期間

裁判にかかる期間

訴訟から判決までは半年~1年間

交通事故の裁判の平均期間は半年~1年です。争点の有無や多寡により平均時間は変わってきます。ただ、途中で和解により終了することがほとんどですのでその場合は3~6ヶ月で裁判は終了します。

尚、損害賠償金については、裁判後、遅くても2週間以内に保険会社から判決に従った金額が一括で支払われるケースが一般的です。

裁判期間

割合

6か月以内

22.1%

6か月~1年

40.1%

1年~2年

31.7%

2年~3年

4.8%

3年~5年

1.3%

5年超

0.08%

参照元:H27年度、裁判の迅速化に係る検証に関する報告書

被害者側から訴訟を起こす場合の費用

被害者側から訴訟を起こす場合の費用

裁判手数料

裁判所で訴訟を起こすには、裁判手数料を支払わなければいけません。裁判手数料は加害者に請求する損害賠償の金額に応じて以下の表の金額が適用されます。

損害賠償

裁判手数料

100万円以下の部分

10万円ごとに1,000円

100万円~500万円の部分

20万円ごとに1,000円

500万円~1,000万円の部分

50万円ごとに2.000円

1,000万円~10億円の部分

100万円ごとに3,000円

参照元:民事訴訟費用等に関する法律別表第1

裁判手数料は裁判を起こす前に告訴人が支払う必要がありますが、この費用を負担するのは裁判で敗訴した側です。そのため、裁判で勝訴した場合、後でこの手数料は損害賠償と共に科会社から支払われることになるでしょう。

弁護士費用

裁判で弁護士を雇う場合は弁護士費用が必要です。弁護士費用は弁護士によって異なりますが、以下の表の金額が大体の相場額となります。

【裁判】

着手金

報酬金

着手金あり(経済利益額0~300万円)

経済利益額の8%

経済利益額の16%

着手金あり(経済利益額300~3,000万円)

9万円+経済利益額の5%

18万円+経済利益額の10%

着手金あり(経済利益額3,000万円~3億円)

69万円+経済利益額の3%

138万円+経済利益額の6%

着手金あり(経済利益額3億円以上)

369万円+経済利益額の2%

738万円+経済利益額の4%

着手金なし

無料

20万円+報酬額の10%

詳細記事:交通事故にかかる弁護士費用の相場|費用の節約法と依頼先を選ぶコツ

民事訴訟(交通事故の裁判)は弁護士を雇わず本人だけでも起こせるため、弁護士費用は絶対に必要になる費用というわけではありません。

しかし、加害者が弁護士を雇ってきた場合、法律の専門家でない一般人が立ち向かうのは困難なため、基本的には裁判をするのであれば弁護士依頼は必須であると認識しておくべきでしょう。

【関連記事】交通事故問題を弁護士に電話で無料相談できるサイト一覧

費用が用意できない場合の対処法

民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)を利用すれば、日本司法支援センターの法テラスから一時的に弁護士費用を立て替えてもらえる可能性があります。

単身者なら手取りの収入が18.2万円以下で総資産が180万円以下であることなど、基準は定められていますが、それらを満たしていれば民事法律扶助を利用することが可能です。詳細については以下でご確認ください。

参照元:民事法律扶助業務|法テラス

ちなみに、ご自身もしくは同居している家族の保険に『弁護士費用特約』が付属している場合、ご自身の保険会社から300万円まで弁護士費用を負担してもらえます。加入率が高いサービスなので記憶がなくても保険会社に契約内容を確認してみると良いかもしれません。

弁護士を選ぶポイント

弁護士を選ぶポイント

交通事故裁判の経験があるか

弁護士は法律の専門家であるものの、全ての法律問題を解決した経験があるわけではありません。法律知識はあっても交通事故分野の知識と経験がなければ、裁判で適正な損害賠償を勝ち取ることができない可能性があります。

特に交通事故分野では後遺障害認定など医療の知識が必要となる場面も出てくるので、弁護士の力量によって裁判結果に影響が生じやすい分野と言えるでしょう。

そのため、弁護士を選ぶ際には過去に交通事故問題を解決した経験があるかを必ず確認しておくことをおすすめします。ベテランではあるものの交通事故分野は未経験の弁護士よりも、若手で交通事故分野の経験が豊富な弁護士の方が裁判は成功する確率が高くなります。

相談時の受け答えが丁寧か

法律問題には難しい専門用語が多いですが、法律の専門家ではない相談者の質問に対して理解しやすい言葉で分かりやすく答えてくれる弁護士であれば、依頼後も親身になって手続きを進めてもらえる可能性が高いでしょう。

裁判は弁護士にとって日常的な業務であったとしても、法律問題に関わりのない一般人にとってとても大きな問題です。

そのような相談者の心境を察してメンタル面をケアして根拠のある安心感を与えてくれる弁護士ならば、今後の手続きを進めていくうえで心配事が出てきたとしても、都度、適切に対処できるかと思われます。

過去に懲戒処分を受けていないか

弁護士は不正や職務怠惰など問題行動があると懲戒処分を受ける場合があります。過去に懲戒処分を受けた弁護士でも優秀な方はいるかもしれませんが、以前にトラブルを起こしたことは事実であるため、なるべく避けた方が無難でしょう。

弁護士懲戒処分検索センター』で名前を検索すると過去に懲戒処分を受けているかを確認できるので、弁護士相談に行く前に確認しておくと安心かもしれません。

まとめ

裁判には費用も手間もかかりますが、加害者が示談に応じる気がない当の示談できない状況において、正当な金額の損害賠償を請求するために欠かせない手続きです。

弁護士に依頼した場合は、基本的には手続きを全て仕切ってくれますので、弁護士に判決を任せて待つことになりますが、この記事が裁判のおおまかな流れや基礎知識をご理解する役にたったのであれば幸いです。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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