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KL2020・OD・037
任意保険基準(にんいほけんきじゅん)とは、交通事故の慰謝料を計算するための基準の1つです。交通事故加害者の加入している保険会社に慰謝料請求をする際に適用される基準になります。
運転者の7割以上は任意保険に加入しているので、大半の自動車事故は任意保険基準で慰謝料が算出されていると言えるでしょう。
保険の種類 |
保険の加入率(2016年) |
対人賠償保険 |
74.1% |
対物賠償保険 |
74.2% |
ただ、保険会社は会社の利益を大きくするために慰謝料をなるべく安くしようと交渉してくるケースが多いため、法律に基づいて正当な慰謝料を算出する弁護士基準よりも、請求できる慰謝料が少なくなってしまうのが大きな注意点です。
この記事では任意保険基準の相場額や慰謝料を増額するコツなどを紹介していきますので、交通事故の慰謝料請求について確認しておきたい場合はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
任意保険基準は保険会社のデータを基に算出されるので、会社ごとに基準が異なり明確な数値が定められているわけではありません。
ここでは任意保険基準の全体の相場をご紹介しますが、あくまで大体の目安として認識して頂ければ幸いです。
入通院慰謝料とは、入通院をする状況になったことに対する精神的苦痛に対して請求できる慰謝料です。入通院の期間によって請求できる慰謝料の額が変動します。
<入通院慰謝料の相場額>
後遺障害慰謝料とは、後遺障害を負った精神的苦痛に対して請求できる慰謝料です。傷害の度合いによって請求できる慰謝料額が変動します。
等級 |
任意保険基準(目安) |
1,300万円 |
|
1,120万円 |
|
950万円 |
|
800万円 |
|
700万円 |
|
600万円 |
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500万円 |
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400万円 |
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300万円 |
|
200万円 |
|
150万円 |
|
100万円 |
|
60万円 |
|
40万円 |
死亡慰謝料とは、被害者の遺族(相続人)が事故で身内を失った精神的苦痛に対して請求できる慰謝料です。被害者の立場や家族構成によって請求できる慰謝料の額が変動します。
<任意保険基準>
死亡者の立場 |
任意保険基準 |
一家の支柱 |
1,500~2,000万円 |
配偶者、母親 |
1,500~2,000万円 |
上記以外 |
1,200~1,500万円 |
次に任意保険基準の慰謝料と弁護士基準の慰謝料の差額をご紹介します。保険会社の提示してきた慰謝料はどれだけ増加できる可能性があるかのご参考にどうぞ。
任意保険基準 |
弁護士基準(他覚症状なし) |
弁護士基準 |
1ヵ月の通院を続けた場合 |
||
12.6万円 |
19万円 |
28万円 |
差額 |
+6.4万円 |
+15.4万円 |
3ヵ月間入院した場合 |
||
75.6万円 |
92万円 |
145万円 |
差額 |
+16.4万円 |
+69.4万円 |
等級 |
任意保険基準(目安) |
弁護士基準 |
差額 |
1,300万円 |
2,800万円 |
+1.500万円 |
|
1,120万円 |
2,400万円 |
+1,280万円 |
|
950万円 |
2,000万円 |
+1.050万円 |
|
800万円 |
1,700万円 |
+900万円 |
|
700万円 |
1,440万円 |
+740万円 |
|
600万円 |
1,220万円 |
+620万円 |
|
500万円 |
1,030万円 |
+530万円 |
|
400万円 |
830万円 |
+430万円 |
|
300万円 |
670万円 |
+370万円 |
|
200万円 |
530万円 |
+330万円 |
|
150万円 |
400万円 |
+250万円 |
|
100万円 |
280万円 |
+180万円 |
|
60万円 |
180万円 |
+120万円 |
|
40万円 |
110万円 |
+70万円 |
死亡者の立場 |
任意保険基準 |
弁護士基準 |
差額 |
一家の支柱 |
1,500~2,000万円 |
2,800万円 |
+800~1,300万円 |
配偶者、母親 |
1,500~2,000万円 |
2,500万円 |
+500~1,000万円 |
上記以外 |
1,200~1,500万円 |
2,000~2,500万円 |
+800~1,000万円 |
弁護士に慰謝料を決める保険会社との示談交渉を依頼すれば、弁護士基準で慰謝料を計算して請求することができます。弁護士は法律的な根拠を示して交渉に臨んでくれるので、任意保険基準の慰謝料よりも間違いなく高額な請求ができるでしょう。
ただし、慰謝料の増額幅は弁護士の力量が影響してきますので、示談交渉依頼は必ず交通事故分野を得意とする弁護士から検討するようにお気を付け下さい。
関連記事:交通事故の問題解決を有利に進めるための弁護士の選び方まとめ
弁護士費用を明確に定める規定はないので費用は弁護士によりまちまちですが、以下の表の金額が示談交渉依頼の大体の相場であると言われています。
<弁護士への示談交渉依頼の相場>
【示談交渉】 |
着手金 |
報酬金(慰謝料) |
着手金あり |
10~20万円 |
報酬金の10~20% |
着手金なし |
無料 |
報酬額の20~30% |
『弁護士基準の慰謝料-弁護士費用>任意保険基準の慰謝料』になるようであれば、迷わずに弁護士に依頼をしましょう。例え増える慰謝料が少額であっても、保険会社とのやり取りなど手間がかかる手続きを一任できるのも弁護士依頼の利点の1つです。
【関連記事】
交通事故を弁護士に依頼するメリット|慰謝料が増額し時間の節約も可能
交通事故にかかる弁護士費用の相場|費用の節約法と依頼先を選ぶコツ
示談交渉が決定する前であればいつでも弁護士に依頼はできますが、理想を言えば事故直後が弁護士に依頼するベストタイミングです。
示談交渉に決まる前にも、後遺障害の申請や治療期間の交渉など慰謝料の請求額に関わる手続きはいくつかあるので、それらの対応を誤らず慰謝料を最大限まで増やしたいのであれば可能な限り早めに弁護士に依頼するようにしましょう。
ちなみに、示談交渉は一度決まってしまうとその内容を後から変更することができません。「慰謝料を受け取ったけど相場よりかなり少ない額だった」なんて状況でも後から慰謝料請求をやり直すことは無理なのでご注意下さい。
関連記事:交通事故の示談交渉で弁護士に依頼するメリットとタイミング
法律の知識を身に着けてから示談交渉に臨めば、個人だけでも弁護士基準の請求ができるのでは?そう思われるかもしれませんが、個人で主張しても相手保険会社がこれに応じないこともあるようです。
例えば「弁護士基準で請求したい」と保険会社に伝えても「それは裁判になった時の基準です」と断られ、保険会社の基準でしか応じてもらえないのがほとんどだと言われています。
弁護士依頼をすれば示談交渉は基本的に弁護士基準で進められます。これは「断ると裁判に発展するかも…」という圧による効果あってのものと思われますので、個人では多少の増額はできても弁護士基準同等の慰謝料を請求するのは厳しいでしょう…。
交通事故紛争処理センターに示談交渉の持ち込みをすれば、保険会社との間に弁護士が入ってあっせんしてくれるので、弁護士基準での慰謝料を前提として示談交渉を進められます。また、弁護士依頼と異なり申し立てに費用は一切かかりません。
ただ、利用例はそこまで多くないのが実情ですし、あくまであっせんであって主張の乖離が著しいと解決には至らないこともあります。
<交通事故紛争処理センターのデメリット>
交通事故紛争処理センターは無料の代わりに弁護士依頼と比べて制限が多々あります。なので、利用する際は上記のデメリットで問題が生じないかを明確にしてからにすると良いでしょう。
上記でも少し触れましたが、示談交渉が終わった後には保険会社に損害賠償の請求が一切できません。治療中なのに示談に進んでしまうと、もう完治したと見なされ治療費を請求できなくなるのでお気を付け下さい。
また、治療期間が長引くと「もう治療は十分ではないか」と保険会社から指摘を受けて、治療費の打ち切りを宣告されるケースもありますが、安易に応じて示談交渉に進まないようにしましょう。
治療が必要かどうかを判断するのは保険会社ではなく担当医です。治療の必要性を医師の診断書で客観的に証明できる状況なら治療費請求は認められますので、示談交渉は必ず治療が完了してから進むようにして下さい。
関連記事:症状固定は誰が決めるのか|被害者が知るべき症状固定のタイミング
保険会社の担当者によっては、加害者の知識不足を利用して支払う慰謝料額をなるべく少なくしようと働きかけることがあります。中には初回提示額が最低限の自賠責基準で計算する保険会社も存在するのでご注意下さい。
民間の保険会社は営利企業なので、支払う慰謝料を少しでも抑えようとしてくるのは決して珍しいことではありません。
任意保険基準の慰謝料は保険会社によって異なりますが、上記で紹介した相場額よりも明らかに少ないようであれば個人の交渉でも増額できる可能性は高いので、示談交渉をする前には必ず慰謝料の相場額を確認しておきましょう。
後遺障害慰謝料を請求するためには、損害保険料率算出機構へ医師からの診断書と申請書類を提出して後遺障害認定を受ける必要があり、以下2つの手続き方法があります。
事前認定だと保険会社は伝えられた事実を簡潔にしか申請書に記載してくれませんが、被害者請求であれば被害者本人が治療の経過や症状の詳細を明確に記載した申請書を提出できるため、後遺障害が認められやすいです。
ちなみに、弁護士に示談交渉依頼をした場合は申請書の作成も弁護士に任せられるので、個人で後遺障害申請をするよりも後遺障害が認められる可能性が高くなります。
【関連記事】
後遺障害診断書の書き方|等級認定が受けやすくなる3つのポイント
後遺障診断書を作成する際のポイントと弁護士に依頼するメリット
交通事故の慰謝料請求は、任意保険基準よりも弁護士基準で計算した方が高額の慰謝料を請求できます。また後遺障害申請なども弁護士に依頼すれば手続を一任することが可能です。
弁護士費用というデメリットを除けば、加害者の保険会社に任せるよりも弁護士に示談交渉依頼をした方が有利にことを進められるので、自分は弁護士に依頼した方が得になるかどうか一度相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。
【関連するQ&A】被害者側で任意保険に未加入の際の負担額
決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。
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KL2020・OD・037
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