不動産トラブルによる損害賠償請求について

不動産トラブル
不当占拠

現在、他人(A)が私の所有地を勝手にアスファルトに変え使用しております。使用期間は30年以上経過していると思われ、1年前にその事が判明致しました。
Aは、私の所有地と知らず、私の所有地に隣接している所有地B氏に賃料を支払っていたとのことです。(実際にB氏所有地も使用している様です)
Aからは、私の所有地を購入したいと話がありました。この売買に応じるつもりではありますが、固定資産税の支払いもございましたし、勝手に使用していた過去分につきましては損害賠償請求をしたいと考えております。

これらの状況を伝え司法書士の先生へ相談したところ、不法行為に基づく損害賠償請求の適応で、過去20年までの損害賠償請求が可能です。金額は近隣の不動産賃料や駐車場賃料を参考に出せば良いのではと教えて頂きました。
自分でもネットで不法行為に基づく損害賠償請求で調べてみましたが、時効の部分がかなり難しい説明であまり理解が出来ませんでした。

この場合、司法書士の先生からの助言通り、「不法行為に基づく損害賠償請求」が適応し、過去20年分の損害賠償請求をし法律的に問題がないか、またこれはなんという法律の何条に当てはまるのかを弁護士先生にご教授頂けたら幸いと思い、ご連絡させて頂きました。
ご多忙中大変恐縮ですが、お返事お待ちしております。宜しくお願い申し上げます。


相談者(ID:20790)さん

2021年11月13日

弁護士の回答一覧

ベストアンサーに選ばれた回答
依田 敏泰
弁護士(池袋中央法律事務所)

あなたの所有地を買い取りたいとの申し出があり、あなたもそれに応じるおつもりであるのであれば、そ...

あなたの所有地を買い取りたいとの申し出があり、あなたもそれに応じるおつもりであるのであれば、その売買代金を決める際に今までの固定資産税分やその他の賃料相当損害金も加味して決めればよろしいのではないでしょうか。
わざわざ別に損害賠償請求などすると、却って相手が土地を買い取るという件についても、訴訟係属中は保留扱いになり進展しませんし、最悪の場合、お互いの感情が更に悪化してしまい、買い取るなどという話もなくなってしまいかねません。

仮に訴訟を提起するならば、損害賠償(民法709条)ではなく、あくまでも賃料相当損害金を不当利得(民法703条)を理由に請求するのがよろしいかと思います。
損害賠償が認められるためには、Aさんが隣人であるBさんの土地であると誤解していたことについて、過失があることを指摘し、立証しなければなりませんが、これは難しいことなのではないかと思います。あなたの所有地とBさんの土地の所有地の境界線が明確になっていて気が付かないはずはないなどの事実を指摘する必要があるからです。しかしもしかしたらBさんもあなたの土地が自分の土地の一部として含まれていると認識しているのかも知れませんし、損害賠償請求するのは思わぬところで失敗する可能性があります。
この点、不当利得返還請求権の場合は、法律上の根拠がないのに、Aさんがあなたの土地をただで利用することができたという賃料相当の得をし、あなたが地代さえ取得することができないという損失を被ったという関係があれば請求ができるのであって、立証は容易なはずです。
反面、不当利得返還請求権による場合は、消滅時効の観点から言えば過去10年分しか請求できません(旧民法167条)。
消滅時効の関係では、不法行為による方が請求できる範囲が増えます(民法724条)。原則、損害及び加害者を知ったときから3年で消滅時効となるのですが、損害が発生していることについて知らないまま年月が経過してしまったようなときでも不法行為の時から20年間経過するとやはり消滅時効が完成することになっているので、逆に言うと、今からでも20年経過する以前の損害については請求ができるということになるのです。
つまり消滅時効のことを考えると不法行為に基づく損害賠償請求をした方がメリットがありますが、確実の請求が認められるかどうかという観点で考える場合は、不当利得返還請求をした方がよいということです。

なお、いずれにせよ固定資産税相当額については請求できないのではないでしょうか。固定資産税はあなたの所有する不動産であるということを根拠に課税されているわけで、Aさんが無断で土地を利用しているが故に課税されるものではないからです。
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依田 敏泰
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