被相続人とは | 遺産相続において被相続人の意思が尊重されるケース

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
被相続人とは | 遺産相続において被相続人の意思が尊重されるケース

被相続人(ひそうぞくにん)とは、相続財産を遺して亡くなった人のことであり、被相続人の財産を受け取る側の人を相続人といいます。被相続人が持っていた相続財産の分け方については、民法上で定められている割合(法定相続分)よりも、被相続人の遺言書で指定される割合が優先されます。

遺産相続は被相続人の死亡と同時に開始されることになりますが、被相続人が持っていた相続財産については、遺言書が遺されている場合の『指定相続』と遺言書が無い場合の『法定相続』の2種類に分かれます。

今回は被相続人の意思が尊重されるケースと合わせて、遺産の相続基準について解説していきたいと思います。遺産分割では法的な問題が絡むため難しい内容であるかもしれませんが、要点をおさえておけば正しい遺産相続の判断ができるでしょう。

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被相続人とは相続財産を遺して死亡した人のこと

被相続人とは相続財産を遺して死亡した人のこと

相続人との関係性も含め、最初に被相続人について説明していきます。被相続人は死亡した本人であるため特定が問題となることはありません。しかし、相続人となる者は法律で定められており、被相続人の生前の家族状況により異なります。

そのため、相続人の特定が簡単ではなく場合によっては戸籍確認などの調査が必要になる場合もあります。

遺産相続は被相続人の死亡によって開始する

相続財産を遺した被相続人の死亡後に遺産相続が開始されることが、民法で定められています。

(相続開始の原因)

第八百八十二条  相続は、死亡によって開始する。

(相続開始の場所)

第八百八十三条  相続は、被相続人の住所において開始する。

引用元:民法 第882条、第883条

被相続人の遺産を相続する相続人の分類

被相続人が遺した財産を受け取る側の人のことを相続人と呼び、誰が相続人となるかは法律で定めがあります(所謂法定相続人)。

法定相続人
法律的に定められている相続人であり、遺産相続の権利を持っている者を示します。※被相続人に配偶者がいる場合、配偶者が必ず法定相続人になります。

遺産相続において遺言書があると被相続人の意思が尊重される

遺産相続は遺言による割合指定がない限り、法律で定める相続分(法定相続分)で相続することになります。

表:相続順位

配偶者 必ず相続人になります。
第一順位直系卑属 被相続人の子供が第一に相続人となります。仮に子供が死亡している場合は孫が相続人になります。※養子や認知している子供も相続人に該当します。
第二順位直系尊属 第一順位に該当する相続人が不在の場合、被相続人の父母(父母が死亡している場合は祖父母)が第二順位の相続人になります。
第三順位兄弟または姉妹 第二順位に該当する相続人が不在の場合、被相続人の兄弟または姉妹が第三順位の相続人になります。※兄弟姉妹が死亡している場合は甥や姪が代わりの相続人に該当します。

相続割合の指定ができる

遺言書で遺産分割の指定がある場合の割合を指定相続分と言います。遺言書には被相続人の尊重するべき意思が記されているので、遺言書に相続分の指定がある場合は法律上の相続分よりも優先するのです。

遺言書でも遺留分は保障する

遺留分とは、相続人が最低限もらえる相続財産のことを言います。被相続人がいくら遺言書で自由に遺産の割合を決められると言っても、『遺留分』を侵害することはできないため、遺言書が全てという訳ではありません。

第八章 遺留分

(遺留分の帰属及びその割合)

第千二十八条  兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。

一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一

二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

引用元:「民法 第1028条

被相続人による相続人廃除と相続欠格

遺言書による指定相続と法律上の規定による法定相続についてこれまで解説しましたが、被相続人の意思で特定の相続人の相続資格を奪うこともできることがあります。

専門的な用語を使うと『相続人廃除』といいますが、相続権のはく奪で関連する『相続欠格』と合わせて以下でまとめました。

相続人廃除 | 被相続人の意思によって相続資格をはく奪すること

相続人廃除とは、相続人からの虐待を受けていたり重大な侮辱行為があった場合などの理由で、被相続人が相続人より遺産相続の資格を奪うことをいいます。

具体的な方法としては、遺言書で相続人廃除をするか、生前に被相続人自身で相続人廃除の請求を家庭裁判所へする必要があります。

なお、遺言書で相続廃除を示した場合は遺言執行者が被相続人の代わりになって家庭裁判所へ請求することになります。

相続欠格 | 不法行為などにより相続権を失うこと

また、被相続人の直接的な意思ではありませんが、以下のような被相続人の意思を迫害したり、それに関連するような行為をした場合において『相続欠格』が適用されます。

被相続人の意思に反して遺言書の内容を不正に変えたり、犯罪行為によって自分が相続人になろうとした場合には、事務的な手続きがなくても自動的に相続権が失われます。

《相続欠格の成立例》
  • 被相続人や相続順位において同等か上位の相続人を殺した場合、または殺そうとした場合
  • 詐欺や脅迫などによって被相続人の遺言を止めたり、遺言の内容を変更させた場合
  • 被相続人が殺害されていた事実を認知していたにも関わらず告発をしなかった場合

相続人廃除や相続欠格になった場合は代襲相続が生じる

相続廃除や相続欠格により相続権が喪失された場合、『代襲相続』によって所定の地位にある者が相続人となる場合があります。

代襲相続とは相続人になるはずだった者が死亡、相続廃除、相続欠格によって相続権を喪失した場合、その直系卑属(または孫、ひ孫)が代わりに相続人となることを意味します。

被相続人の遺言書がない場合に適用される法定相続の基準

被相続人の遺言書がない場合に適用される法定相続の基準

続いて、被相続人の遺言書がない場合に適用される法律上の遺産分割基準について説明していきます。相続人が選ばれる相続順位や遺産分割について明確な条件があるので見ていきましょう。

法定相続人と相続人の違い

被相続人の遺産を受取れる権利を有している人のことを法定相続人といいます。法定相続人に該当する者では被相続人の配偶者や子供(あるいは孫)、相続人の父母や兄弟などの家族になりますが、実際に遺産をもらえる相続人の選定には以下のような『相続順位』に従います。

法定相続分

相続順位の決め方

全ての法定相続人が被相続人の遺産を受け取れる訳ではなく、相続順位によって遺産をもらえる法定相続人が決まります。原則として被相続人に配偶者がいる場合は常に相続人になります。それ以外にも第一順位~第三順位のいずれかに該当する法定相続人が選ばれることになります。

相続順位 詳細内容・具体的な相続人候補
※被相続人に配偶者がいる場合は、必ず相続人になります。加えて以下の第一順位~第三順位のいずれかの順位に該当する法定相続人が選ばれます。
第一順位直系卑属 被相続人の子供が第一に相続人となります。仮に子供が死亡している場合は孫が相続人になります。※養子や認知している子供も相続人に該当します。
第二順位直系尊属 第一順位に該当する相続人が不在の場合、被相続人の父母(父母が死亡している場合は祖父母)が第二順位の相続人になります。
第三順位兄弟または姉妹 第二順位に該当する相続人が不在の場合、被相続人の兄弟または姉妹が第三順位の相続人になります。※兄弟姉妹が死亡している場合は甥や姪が代わりの相続人に該当します。

法定相続分 | 相続財産が各法定相続人に与えられる割合

上記の相続順位によって選ばれた相続人に分配される遺産の割合については、以下の表の通り明確に定められています。この遺産分配の割合のことを『法定相続分』と呼び、遺言書によって定められる『指定相続分』が決められていない場合において適用されます。

相続人 遺産分配の割合(法定相続分)
配偶者のみ(第一順位~第三順位が不在) 配偶者が全ての遺産を受取れます
配偶者+第一順位 配偶者:1/2 子:1/2
配偶者+第二順位 配偶者:2/3 父母:1/3
配偶者+第三順位 配偶者:3/4 兄弟姉妹:1/4

被相続人の遺産相続を行う際に弁護士へ相談すべきケース

被相続人の遺産相続を行う際に弁護士へ相談すべきケース

被相続人の遺産相続に関していくつかの問題が想定されるので、最後に遺産分割について弁護士へ相談すべきースを取り上げます。上記で説明したように遺言書や法律上の規定が重視されますが、それでも遺産分割が決まらない可能性もあるでしょう。

被相続人の遺言書の内容について納得できない場合

遺言書は適正な方式によっていない場合は無効となりますし、遺言能力がない者が作成した場合も無効となります。このような遺言の効力についてはそれぞれの相続人が話し合っても解決が難しい内容であるため、専門家である弁護士の判断に委ねた方が良いと思われます。

遺産分割協議がまとまらず裁判へと移行する場合

また、遺言書がなく法律上で規定されている法定相続分を基準に話し合われる『遺産分割協議』を進めても、相続人の意向がまとまらず協議不成立になる場合もあるでしょう。

協議不成立になれば遺産分割調停へ移行し裁判上の手続きが必要になるため、弁護士に相談する必要が出てきます。

戸籍謄本の収集をする時間がない場合

遺産分割協議に入る前に法定相続人を確認するために戸籍謄本を集める必要がありますが、被相続人の出生から死亡まで全ての戸籍謄本を確認しなければならないため、相当な手間がかかるでしょう。

なので、戸籍謄本の確認対応をする時間が無い場合において弁護士に依頼するのも有効な手段です。遺産相続案件に携わっている弁護士であれば事務的な手続きに慣れているので、迅速に対応してくれるでしょう。

まとめ

遺産相続の基準と合わせて被相続人の意思が尊重されるケースについて解説しましたが、基本的には遺言書の遺産分割(指定相続分)が優先されて、遺言書が無い場合は法的な遺産分割(法定相続分)に委ねられることをお分かりいただけたかと思います。

ただし、遺産相続は多額の財産が絡む交渉事になるため、必ずしも円満に解決できる訳でもありません。相続人同士でトラブルが発生したり、遺産分割協議が滞ってしまった場合には弁護士への相談をオススメします。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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