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KL2020・OD・037
遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)とは、その名の通り「遺産分割をするための調停手続き」、すなわち遺産分割について家庭裁判所を介した話し合いで決着をつけるための手続きです。
裁判所の行う民事調停の中では離婚調停が有名ですが、相続でも遺産分割調停や遺留分減殺請求のための調停など、様々な調停手続きが利用されています。
そもそも調停というのは、裁判のように勝敗を決めるための手続きではなく、お互いの主張をすり合わせて妥協点を見つけるための手続きです。相続のように、身近な人同士が骨肉の争いを繰り広げる事件では、裁判によって白黒ハッキリとした決着をつけるよりも、話し合いで落とし所を決めたほうがその後の関係にヒビが入りにくいことから、調停手続きが盛んに利用されています。
そこで今回は、遺産分割調停の手続きの流れや、遺産分割調停の疑問についての解説、調停成立のコツなどをご紹介したいと思います。
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遺産分割調停とは、裁判所で行う遺産分割の調停(話し合い)手続きのことをいい、裁判とは違って非公開の部屋で行われることから、遺産などデリケートな話題についても充分な配慮がなされている制度です。
遺産分割調停の参加者は、裁判官・調停委員等の客観的で公正な第三者のほか、遺産分割の当事者全員が対象となりますが、これらの人全員が顔を合わせる機会は少なく、基本的には調停委員等と当事者1人1人が個別に話をしていく形式で進んでいきます。
ここではまず、遺産分割調停が利用される場面と、どうやって調停を起こすのかについてご説明いたします。
遺産分割調停が利用される典型的な場面は、遺産分割協議が全くまとまらないケースです。分かりやすく言えば、当事者間で話し合う限界が来て、第三者に客観的な判断を求めたい場合に利用するのがこの手続きですが、裁判と異なり話し合いでの解決となることから、穏便な結論が期待できる手続きでもあります。
また、遺産分割調停よりも先に裁判手続きである「遺産分割審判」を申し立てるケースもありますが、このようなケースであっても裁判官の職権で「先に調停をしなさい」と遺産分割調停が行われることがあります。
これを付調停といい、親族間での紛争の際によく採られる制度になっていますから、原則として遺産分割調停を先に申し立てたほうが良いでしょう。
遺産分割調停は、当事者の1人が家庭裁判所に申立てを行うことで起こすことができます。
この場合、当事者が複数人いるのが通常かと思いますので、申立人から見ると他の相続人は全員が相手方ということになります。
後述しますが、遺産分割調停の申立先は「相手方のうちの1人の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所」とされているため、任意でこの裁判所を決定し、申立書と必要書類、手数料を納入することで遺産分割調停の申立ては完了します。
後は裁判所からの通知に従っていれば問題なく手続きが進んでいきますので、あまり難しい手続きではないかと思います。
それでは、実際の遺産分割調停について、もっと掘り下げて行きましょう。遺産分割調停は、家庭裁判所に申立てを行い、期日に家庭裁判所で行われる手続きです。そのため、流れや手続方法は裁判所によって若干異なりますが、基本的な部分はどの裁判所で行う場合でもあまり差はありません。
ここでは、遺産分割調停の流れと手続方法について、基本的な考え方をご紹介いたします。
遺産分割調停は、調停期日に当事者が家庭裁判所に出頭し、調停室と呼ばれる非公開の部屋で話し合いが行われます。
このとき、当事者全員が同じ部屋で話し合いを行うというわけではなく、基本的には裁判官・調停員等の待つ部屋に交代で入室し、各自が調停委員等に自分の主張を伝えるという方法で調停が進んでいきます。
そのため、当事者全員が顔を合わせるのは初回と最終的な結論が出る期日だけになるのが一般的なので、ものすごく緊張する必要はありません。
遺産分割調停の申立ては、以下の手順で行います。
遺産分割調停は、その相続に具体的に関わる人だけが申立てを行うことができます。すなわち、「共同相続人」・「包括受遺者」およびそれらの人から相続分を譲り受けた「相続分譲受人」だけが申立人となり、相続人の債務者など単なる利害関係人は遺産分割調停の申立人になることはできません。
遺産分割調停の申立先は、相手方のうちの1人の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所とされています。
当事者が合意で定める家庭裁判所の例としては、被相続人の最後の住所地(相続開始地)を管轄する家庭裁判所などが考えられます。
調停手続きはある程度の回数の期日と期間がかかりますので、当事者の利便性の高い家庭裁判所を選んだほうがスムーズかもしれませんね。
遺産分割調停の基本的な必要書類は、以下の通りです。
※相続人の中に直系尊属がいる場合は、相続人である直系尊属と同じ代もしくは下の代の直系尊属の中に死亡している人がいるときはその人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本が追加で必要になります。
※相続人が配偶者のみ、または配偶者+兄弟姉妹(代襲者である甥姪も含む)の場合は、下記の書類が追加で必要になります。
必要書類がすべて揃ったら、申立手数料1,200円分の収入印紙と、郵送用の切手代の予納を行います。
郵送用の切手代は、各裁判所によって金額や内訳が若干異なる場合があるので、申立ての際に窓口等で尋ねるのがおすすめです。
申立書が受理されると、裁判所から期日指定の通知がなされます。これは当事者全員に個別に通知されるので、他の相続人等にあなたから連絡する必要はありません。
期日には裁判所に出頭して実際に調停を行います。
初回のみ顔合わせや今後の進行・スケジュールの確認がなされることもありますが、基本的には相手方と話し合うというよりは、裁判官や調停委員相手に当事者が個別に主張を伝え、全員の主張をすり合わせていく作業になります。
以上が遺産分割調停の概要になりますが、ここからは遺産分割調停でよくある疑問について、回答や傾向をご紹介していきたいと思います。
急な予定や体調不良などで遺産分割調停期日を欠席しなければならない場合、欠席によるペナルティは一番気になるところかと思います。原則として、調停手続きにおいては、当事者が欠席した期日に結論が出ることはありません。出席当事者の主張を聞くことはあるかもしれませんが、欠席当事者に大きなペナルティがあるわけではなく、次回以降の期日に持ち越されることになります。
ただし、何度も何度も欠席を繰り返している場合は、調停自体が不成立(不調といいます)になってしまい、自動的に審判(裁判)手続きへ移行されることになり、審判を欠席すると出席当事者に有利な判断が下されるおそれがあります。
したがって、やむを得ず調停を欠席する場合には、必ず裁判所へ連絡し、その際にきちんとお詫びも伝えておいたほうが無難でしょう。なお、審判を欠席するのは非常にリスキーなので、そういった可能性がある場合には事前に弁護士に依頼して代理人として出席してもらうのがおすすめです。
遺産分割調停に明確な期間はなく、短ければ1ヶ月以内、長ければ3年を超える期間を必要とする手続きということができます。平成27年度の司法統計によれば、遺産分割事件(調停・審判の合計)の大多数が3ヶ月以内~2年以内に解決しているというデータが出ています。
引用元:平成27年度司法統計
そして、これらの事件を期日回数ごとに分類すると、1回~15回の期日で終わる事件がほとんどということになります。
引用元:平成27年度司法統計
これらのデータからも分かるように、遺産分割事件はケースによってかかる期間も審理の回数も大きく異なりますが、極端に短期または長期というのはレアケースといえるでしょう。したがって、遺産分割調停が終わるまでには、基本的に数回の期日を経ることになり、3ヶ月~1年程度かかると考えておくのが良いかと思います。
調停と審判の大きな違いは、調停が話し合いを基本に据える手続きであるのに対し、審判は裁判手続きであるという点と言えるでしょう。
そもそも遺産分割など家事事件と呼ばれる分野では、話し合いでの解決が望ましいことから調停前置主義が採られていますが、調停が不成立に終わってしまったら結局は裁判で白黒をつけるしかありません。
そこで、遺産分割調停の場合は、調停が不成立で終わると自動的に遺産分割審判へ手続きが移行されることになっています。
基本的には、調停=話し合い、審判=裁判と考えていただければ問題ないですが、審判の場合は実際に法定で主張反論を行うことになりますので、きちんと準備して臨まないと大変なことになるということに注意しましょう。
遺産分割調停でできるだけあなたの希望を実現するためには、あなた自身の振る舞いや心構えにも注意しておくのが無難です。
遺産分割調停では、当事者による相続財産の隠匿や、相手方を騙すために財産についての情報を充分に開示しないケースがあります。
もしあなたがこのようなことをしてしまうと、話し合いがこじれるどころか、調停委員等の心証も大いに害してしまい、あなたの不利益な結果になりかねません。
このようなことは絶対に避け、あなたの知っていることはきちんとすべて話すようにしましょう。
遺産分割調停では、他の相続人等に遠慮して言いたいことを言わないのは損だと断言できます。
確かに、赤の他人の前でお金の絡む話をするのが恥ずかしいという方や、言いにくいと感じる方も少なくないかと思います。
調停のゴールは「全員の落とし所を一致させる」ことにあるので、「どうしても○○だけは相続したい」や「最低限○○円は欲しい」といった意見を伝えるのは非常に重要な意味を持ちます。
また、調停中に委員等から質問を受けることがありますが、すぐに答えを出せない場合はその旨伝えれば回答を急かされることはありませんので、無理して答えずに次回期日に持ち越すというのもひとつの手です。
なお、調停中はメモを活用すると、あなたの主張を伝える手助けになったり、相手方の出方を見ながら今後の対応を考えるうえで非常に役に立ちますので、併せて検討していただければと思います。
調停に限らず、裁判手続き全般では「絶対に勝てる」事例はありません。したがって、あなたの要望が100%通ることはないと考えておくのが無難です。
例えばあなたが話し合いの仲裁をしているとして、Aさんが「私の希望を100%認めなさいよ!」と主張したとします。Bさんは「私は最低限○○は欲しいけど、△△は譲っても構わない」と答えた場合、どちらの方に良い心証を抱きますか?
この場合、大抵の人はBさんの方に良い心証を抱くかと思います。それは、Bさんが自分の中で優先順位をつけ、譲れないものと譲れるものとをはっきりさせていることから、話し合いのゴールを設定しやすいからです。
調停も同じで、調停委員等の第三者に話し合いの着地点を決める手伝いをしてもらうので、あなたの希望をゴリ押しするのではなく、自分の中で譲れるものと譲れないものをきちんと仕分けて、上手に話し合いをリードしていくのが得策でしょう。
調停に参加するのは、立場は違えど基本的には全員が「普通の大人」です。したがって、無作法だったり横柄な人よりも、礼儀正しい人の方が心証が良くなるのは当然のことでしょう。
わざわざへりくだる必要はありませんが、最低限以下の点には気をつけて、礼儀正しい行動を心がけるのがおすすめです。
遺産分割調停は、裁判所での話し合いの手続きになりますが、原則として本人による参加が求められるものでもあります。しかし、平日に行われる数回の調停に全て参加するというのは中々難しい方もいらっしゃいますし、急な予定で期日を欠席せざるを得ない場合も出てくるでしょう。
また、1人で調停に参加するのは気が引けるという方でも、代理人と一緒に参加すれば怖くありません。ここでは、遺産分割調停の代理人になれる専門家についてご紹介いたします。
結論から言えば、遺産分割調停の代理人になれる専門家は「弁護士」だけです。よく司法書士なども遺産分割に関わるサービスを提供していますが、裁判所での調停手続きに関しては、弁護士だけが代理人として参加することが認められています。
司法書士に遺産分割調停の相談をするのが無意味というわけではありませんが、書面の作成や当日のアドバイスをもらうことはできても、急遽当日代わりに参加してもらうことはできませんので、基本的には弁護士に依頼しておいたほうが安心かと思います。
以前は弁護士にも報酬の基本規定がありましたが、現在は自由化されて各弁護士事務所が自由に報酬額を定められるようになりました。
弁護士費用は、相談の際にかかる「相談料」、実際に依頼した際にかかる「着手金」「報酬金」「手数料等の実費」、裁判所等での手続きの際に必要な「日当」といったもので構成されており、事件の内容・規模や難易度によって変動するのが一般的です。
以下にざっくりとした費用の目安をまとめておきますので、参考にしていただければ幸いです。
参照元:旧弁護士規程の弁護士費用相場
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
300万円以下の部分 | 8% | 16% |
300万円を超え3,000万円以下の部分 | 5%+9 万円 | 10%+18 万円 |
3,000万円を超え3億円以下の部分 | 3%+69 万円 | 6%+138 万円 |
3億円を超え部分 | 2%+369 万円 | 4%+738 万円 |
遺産分割調停は、裁判所で行われるとはいえ、基本的には客観的な第三者を交えた話し合いに過ぎません。そのため、必要以上に緊張したり、怖がったりすることはありませんが、一定の節度や礼儀を保って話し合いに臨むことが大切になりますので、深呼吸などをして落ち着いてから手続きを行うことをおすすめします。
また、調停で行き詰まったり、困ったことが出てきたら、弁護士に相談することも非常に役に立つかと思いますので、1人で戦おうとせず、これらの手段も検討してみてくださいね。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※あなたの弁護士に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。
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