相続人調査で戸籍を取得する方法|弁護士に代行してもらう3つの理由

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
相続人調査で戸籍を取得する方法|弁護士に代行してもらう3つの理由

相続人調査(そうぞくにんちょうさ)とは、戸籍を確認して被相続人(亡くなった方)の相続財産を受け取ることができる相続人を特定することであり、相続人同士で遺産分割協議をする上では欠かせません。

相続人の一部がいない状況で遺産分割協議を進めると、相続人全員の同意がないと見なされて協議内容が無効になってしまう恐れがあります。

遺産相続を進めるためには相続人調査を行うべきですが、相続財産の所有者である被相続人の出生から死亡時までの全ての戸籍を集める必要があるため、とても手間のかかる作業になります。

今回は相続人調査において適切に戸籍を取得する流れと、戸籍に関する基本的な事項について解説していきます。場合によっては弁護士に相続人調査を代行してもらうことも可能なので、弁護士に依頼するメリットについても併せて取り上げます。

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相続人調査をする理由|相続人全員による合意が必要

相続財産の所有者である被相続人が死亡した時点より相続が開始されますが、遺産をもらう側である相続人自身で相続人全員を特定する必要があります。まずは相続人調査の目的について確認していきましょう。

遺産分割協議が無効になる可能性がある

相続財産の取扱いに関する問題になりますが、遺産相続が開始されてから遺産分割されるまで、原則として以下の通り相続人が複数いる場合は相続人の共有財産であるとされています。

(共同相続の効力)

第八百九十八条  相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

引用元:「民法 第898条

相続財産は相続人に該当する者全員が共有している状態となるため、相続人全員の合意なしに一部の相続人だけで遺産分割をすることは許されていません。仮に相続人が全員集まっていない状態で遺産分割協議をした場合は協議内容が無効になってしまうため、まず相続人の確定をするべきでしょう。

養子や認知している子供を確認する

相続人は実の子や父母に限らず、養子や認知している婚外子も相続人となり、相続権が与えられています。そのため、今まで知られていなかった養子や認知している婚外子についても戸籍の調査が必要です。父親が認知している場合であれば、認知者(父親)の戸籍などに婚外子を認知したことが記載されているので判明します。

※婚姻関係の無い男女の間に生まれた子のことを婚外子、または非嫡出子(ひちゃくしゅつし)といいます。

遺言書に記載されていない相続人の遺留分が発生する

被相続人が遺言書を作成しており、遺言書がある場合に、遺言書では財産が分配されていない相続人がいる場合であっても、兄弟姉妹以外の法定相続人には、一定割合の財産を相続できる権利が保障されています。この権利は「遺留分」といわれており、遺言書に記載されていない場合でも保障されている権利となります。

遺留分を受け取れる法定相続人がいるか否かについて調査をしたい場合にも、相続人の調査が必要になるでしょう。なお、遺留分は請求があってはじめて分配する必要が生じます。

相続人調査において戸籍を取得する流れ

上記で説明した通り、相続人調査では戸籍を集めることになりますが、相続人全員を特定するためには被相続人の出生から死亡時までの戸籍全てを集める必要があります。個人差はありますが、一般的な目安でも5通程度はあり、多いと10通以上になることもあるでしょう。

被相続人が引っ越しや転勤などを理由に本籍地を度々移している場合、相続人調査の労力が大きくなりますが、戸籍を適切に集める方法については以下でまとめました。

相続人調査において戸籍を取得する流れ

まずは被相続人の最後の本拠地にある市区町村役場へ請求

被相続人の死亡日が書かれている戸籍を取得するのが第一です。もしも被相続人の本籍地が分からなくても、被相続人の住民票を取得すれば判明します。
※住民票は本籍地入りで指定する必要があります。

死亡時の戸籍で一つ前の本籍地を確認して戸籍を取得する

戸籍の戸籍事項欄(または身分事項欄)を確認して、古い戸籍があればその戸籍を取得する必要があります。なお、戸籍の取得方法は次項でも説明しますが、本籍地にある市区町村役場の窓口へ直接申請するほかにも郵送での請求も可能です。

被相続人の出生から死亡時までの戸籍を全て集める

被相続人の出生が記録された最古の戸籍が出てくるまで、古い戸籍の取得を続けます。被相続人の出生から死亡時までの戸籍を確認できたら、該当する相続人全員を確定させます。

相続人全員の戸籍を全て集める

被相続人だけでなく相続人全員の戸籍も取得する必要がありますが、該当する相続人については被相続人の子(子が死亡している場合は被相続人の父母)になりますが、法律上で記載されている『相続順位』を基準に判断すべきでしょう。

戸籍に関して知っておくべきこと

戸籍に関して知っておくべきこと

上記では戸籍取得の流れについて説明しましたが、それ以外に戸籍を請求する際に知っておくべきことを取り上げます。戸籍には様々な種類があり、相続人調査では基本的に『謄本』で取得すべきだとされています。

戸籍の請求が可能な人と請求時に必要なもの

戸籍の請求では原則として本籍地にある役所以外では受付してもらえませんが、郵送での請求が可能です。

戸籍の請求ができる者

もちろん相続人調査で戸籍を利用するため、本人以外でも配偶者のほか、父母や祖父母(直系尊属)、子や孫(直系卑属)に該当する人も戸籍の請求ができます。また、委任状を提出すれば家族以外の代理人でも請求が認められています。

請求時に必要なもの

戸籍請求で必要な書類は以下表の通りです。請求先の市町村のHPで郵送の場合の申請書がダウンロードできる場合もありますので、まずはHPを確認するか、電話で問い合わせをなされた方が確実に取得できます。

指定のフォーマットがない場合には、請求者自身で作った書類での提出も可能ですが、必要な項目を全て書くようにしましょう。

申請書 記載項目は主に以下の通りです。・請求者の住所、名前(捺印)、電話番号、請求者と必要としている人(被相続人または相続人)との関係性
・必要な人の本籍、名前、生年月日
・必要な戸籍の種類と枚数
・請求理由(相続手続きで必要なことを明記)
身分証明書のコピー 運転免許書・パスポートなど。
定額小為替
 ※郵送の場合
相続人調査で必要な戸籍における手数料は以下の通りですが、定額小為替の場合は1通につき+100円の手数料がかかります。
戸籍謄本:1通 450円 +100円
除籍謄本:1通 750円 +100円
改製原戸籍謄本:1通 750円 +100円
委任状
 ※代理人の場合
代理人が請求する場合に提出します。
返信用封筒
 ※郵送の場合
郵送で申請する場合に切手を貼って同封する必要があります。

戸籍の種類|基本的には謄本で請求すること

相続人調査で必要な書類である『戸籍』について、厳密には以下の通り3種類に分かれます。相続人調査の場合は古い時代までさかのぼることもあるため、通常の戸籍謄本に加えて除籍謄本や改製原戸籍謄本も必要になってくるでしょう。

《戸籍謄本類の詳細》

戸籍謄本
(現戸籍謄本)
一般的な戸籍謄本であり、現戸籍謄本(または現在戸籍謄本)と呼ばれるものは現時点における戸籍が記載されています。
除籍謄本 戸籍に記載されている者全員が結婚や転籍、または死亡を理由にいなくなってしまった戸籍謄本のことです。戸籍があったということを示すために除籍謄本として残されます。
改製原戸籍謄本 『かいせいげんこせき』または『かいせいはらこせき』と呼ばれる謄本ですが、古い様式で記載されているものです。戸籍は法律の改正により様式の変更がなされますが、古い戸籍も改製原戸籍として残されます。

なお、戸籍内に入っている者全員の情報が記載されている『謄本』のほかに、一部だけの者が記載された『抄本』もありますが、これまで説明したように被相続人に関係する相続人を特定するために請求しますので、基本的には謄本で請求するようにしましょう。

相続人の関係図を作成すると関係が分かりやすくなる

相続人の関係を整理するために相続関係説明図(相続人説明図)を作成することも大切です。必ず提出するものではありませんが、収集した戸籍の内容を確認してまとめる上では必然的に作成する書類になるでしょう。

相続関係説明図の例として、以下のように書くことができます。

相続人の関係図を作成すると関係が分かりやすくなる

行方不明の相続人を探す方法と見つからなかった時の対処

相続人調査では戸籍を頼りに特定をしますが、現在の所在地(住所)に手紙を送ったり直接訪問しても会えず、行方不明になっているケースもあります。

行方不明になり連絡が取れない相続人を探す方法として、家出人や失踪人を捜索してくれる探偵事務所へ依頼することが挙げられます。

ただし、相続人が行方不明のままでも遺産分割できる手続きがあります。法律上死亡したものとする『失踪宣告』と、行方不明である相続人の代理を立てる『不在者財産管理人の選任』の2つがあり、詳細は以下の通りです。失踪宣告の条件を満たさない場合において、不在者財産管理人の選任を検討する必要があるでしょう。

失踪宣告|行方不明者である相続人を死亡扱いにさせる

失踪宣告は行方不明になってから7年以上経過した場合(船舶の沈没や天災などが原因の場合は1年以上の経過)、行方不明者の死亡が認められる制度です。失踪期間に条件があるほか、申立てをしてから失踪宣告が認められるまで1年~1年半程度かかるとされています。

(失踪の宣告)

第三十条  不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

2  戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

(失踪の宣告の効力)

第三十一条  前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。

引用元:「民法 第30条、第31条

不在者財産管理人の選任|相続人の代理を立てる

不在者財産管理人とは、以下の民法で規定されている通り、利害関係人が家庭裁判所に請求した場合に選任されます。

不在者が財産の管理人を置かなかった場合に管理人を選任したり、管理人を置いた場合であっても、不在者の生死が明らかでない場合には管理人を変えることができる制度です。失踪宣告と違って申告から認定までの期間は短いですが、それでも1カ月~3ヵ月程度かかるようです。

(不在者の財産の管理)

第二十五条  従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。

 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

(管理人の改任)

第二十六条  不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。

引用元:「民法 第25条、第26条

なお、不在者財産管理人は、遺産分割協議に出席したり、協議内容に同意するなどの権限は認められていませんが、『不在者財産管理人の権限外行為許可』の申請をすれば不在者財産管理人でも遺産分割協議に加わることができます。

裏技:探偵を使って相続人を探し出す

一般にはあまり知られていませんが、探偵は人探しのプロです。相続人の行方がわからなくても、名前や血縁関係など、多少の情報があれば、目的の人を探して来てくれる可能性があります。

多くの探偵事務所は相談無料のため、まずは電話やメールで、「相続人がみつからなくて困っている」と伝えてみたらいかがでしょうか。

弁護士に相続人調査を代行させる3つの理由

相続人調査をする理由や戸籍取得の方法についてこれまで解説してきましたが、相続人調査を弁護士に依頼して代行させるメリットを最後にまとめました。相続人だけでも時間をかければ対応できなくもありませんが、とても労力のかかる作業になるため弁護士に相談するのも一つの手段です。

必要な戸籍が多く手間がかかる

上記で説明した通り、相続人調査で収集する戸籍は多く、被相続人の出生から死亡時までの戸籍と相続人全員の戸籍(現在分)を集めることは大変です。被相続人の戸籍だけでも2ヵ月近く要するケースもあり得ます。

戸籍を読み解くのが難しい

戸籍は時代の流れとともに書式が変わっており、現在の戸籍はデータによる管理がされていますが、大正時代や明治時代の戸籍は手書き(毛筆体)で書かれているので解読が難しい場合があります。

必要な戸籍の種類が複数あることをあらかじめ把握する必要があります。相続人調査に必要な書面である『戸籍』『除籍』『改正原戸籍』を正しく請求しないと書類不備になってしまうため注意しましょう。

調査対象になる相続人の範囲が分かりにくい

遺産相続において、原則としては被相続人の子が優先されますが、場合によっては両親や祖父母、兄弟姉妹、甥や姪などが相続人になる可能性もあります。したがいまして、家族構成が複雑で特定すべき相続人の範囲が分からないこともありますので、確実に相続人調査を進めるために弁護士へ代行をお願いするのも良いでしょう。

まとめ

相続人調査において戸籍を取得する方法を解説しましたが、相続人を特定する作業はとても大変であることがお分かりいただけたかと思います。戸籍の取得や遺産分割協議について不安があると感じた場合には、早めに弁護士へ相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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