LINE乗っ取り詐欺などでよく使われるiTunesカード詐欺の手口とその対策

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
LINE乗っ取り詐欺などでよく使われるiTunesカード詐欺の手口とその対策

iTunesカードでお金を支払わせる詐欺に遭う人が増えています。その手口は様々ですが、次のような理由で被害金の回復が難しい状況になっています。

  • 被害額が少額のため、警察に動いてもらうのが難しい
  • 犯人の特定が困難

犯人の身元がわかっていて、証拠が揃っている詐欺であればお金が返ってくる可能性もありますが、iTunesカード詐欺の場合は犯人の身元がわからなければ、お金を払った証拠も残りません。被害に遭ってからでは遅いので、この手口を知ったことをきっかけに対策を考え、友達やご家族にも教えてあげるなどして被害者を減らしていきましょう。

今回は、iTunesカード詐欺の手口とその例、被害に遭わないための対処法、被害者の方が注意しておきたいこと等についてお伝えします。

iTunesカード詐欺の手口

iTunesカード詐欺の手口

まずはiTunesカード詐欺の手口から確認していきましょう。

甘い言葉や脅しによってターゲットの感情を煽る

感情を煽り冷静な判断力を奪った上でお金を要求してきます。『iTunesカードを悪用する詐欺の例』でもお伝えしますが、任天堂スイッチプレゼントに関する詐欺では、任天堂スイッチが品薄で手に入らず、どうしても欲しいというターゲットの欲求に甘い言葉でつけこんでいきます。

オレオレ詐欺などと比べると歴史が浅い詐欺で、その手口は稚拙です。しかし、欲や恐怖に付け込まれてしまうと相手の発言の真偽を判断する余裕がなくなるので気をつけましょう。

理由をつけて今すぐ払わせようとする

お金を払うのはいつでも良いようなことであっても、今すぐに払わせようとしてきます。時間を与えると人は冷静な判断力を取り戻すため、焦らせてすぐ払わせるよう仕向けてきます。衝動的にお金を出すのはやめましょう。

iTunesカードの購入を促し、iTunesカードで支払いをさせる

タイトルの通りiTunesカードでお金を払わせます。銀行口座に振り込ませる振り込め詐欺もありますが、振り込め詐欺救済法ができたため、犯人の口座を凍結して被害金を取り戻せるケースも出てきました。しかしiTunesカード詐欺の場合は凍結する口座もなければ犯人の手がかりもないため、逃げられてしまうリスクが高くなっています。

iTunesカードを悪用する詐欺の例

iTunesカードを悪用する詐欺の具体的な例をご紹介します。

LINE乗っ取り詐欺

LINEアカウントを乗っ取った上で、アカウントの持ち主になりすましてその知人に金銭を要求する手口です。本人のアカウントからメッセージが来るため、最初は乗っ取られていると気づきにくいこともありますが、やり取りをしていれば日本語や様子のおかしさに気付ける場合もあります。

任天堂スイッチプレゼントに関する詐欺

任天堂スイッチをプレゼント、もしくは安価で販売するように見せかけお金を騙し取る手口です。品薄で誰もが欲しいと思っている新商品は詐欺のネタになりやすいので気をつけましょう。そもそも簡単に手に入るのであれば、品薄にはなっていないはずです。

出会い系詐欺

援助交際などに見せかけ、会う前にiTunesカードで前払いをさせようとする手口などもあります。援助交際は犯罪ですから、仮にお金を騙し取られても警察に相談しにくいという事情をついた手口です。援助交際はするべきではありませんが、信用できるかわからない相手に対し、サービスを受ける前にお金を払うのはやめましょう。

iTunesカード詐欺に遭わないための対処法|iTunesカードで支払わない

iTunesカードで支払わないようにすればこの手口には引っかからなくなります。詐欺は証拠が残ることを何より嫌います。iTunesカードでの支払いは証拠が残らない支払い方法なので、iTunesカードでの支払いを提示された時点で詐欺を疑いましょう

iTunesカードで支払って良いのはAppleのサービスだけです。

返金や犯人の特定が現実的ではない理由

返金や犯人の特定が現実的ではない理由

iTunesカード詐欺に騙し取られたお金を取り戻すのは極めて困難です。ここではその理由を4つご説明します。

犯人の氏名と住所がわからないことには警察も捜査のしようがないから

詐欺に遭ったら警察に行くというのは正しい対応ではありますが、犯人の氏名や住所がわからないことには捜査のしようがありません。残念ではありますが、「どこの誰かわかりませんが5,000円騙し取られました」などと言ったとしてもどうにもなりません。

警察が動かないことには犯人のアカウントを特定しようがないから

犯人のアカウントを特定するためにはAppleの協力が必要で、Appleの協力を得るには警察に動いてもらう必要があります。しかし、警察に捜査をしてもらうことは難しいため、アカウントの特定は現実的ではありません。

犯人はアカウント作成時に本当の個人情報を使っていない可能性が高いから

100歩譲ってアカウントを特定できたとしましょう。しかし、犯人がご丁寧に本物の個人情報を入力して詐欺に使うアカウントを作成するでしょうか?おそらく嘘の氏名や住所を使っているはずです。

仮に捜査をしても被害額を大幅に超える費用がかかるから

どこの誰かわからない人を探すためには探偵を雇って調査をしてもらうことになりますが、ヒントが全く無い捜査は困難で何十万、何百万と費用がかかります。そもそも依頼を断られるでしょうが、仮に捜査をしてもらえたとしても被害額を大幅に上回る出費が発生します。

iTunesカード詐欺の被害者が覚えておきたいこと

被害に遭った方はまず冷静になりましょう。この手口の場合、騙されたものは仕方がありません。最後に、今後どう行動していくべきかについてお伝えします。

二次被害に注意する

詐欺に騙された人は再び狙われます。この手口ではまだあまり見られませんが、「騙されたお金を取り戻す方法があります」などと甘い言葉で被害者を釣り、依頼費用という名目でお金を騙し取られる場合があります。また、LINEアカウントを乗っ取られた人や、個人情報を漏らしてしまった人は、パスワード等を変更し、二次被害を防ぎましょう。

騙された事実を認め今後騙されないようにする

ただ騙されただけで腹が立って終わるのか、それともこの経験を今後の糧にするかはあなた次第です。詐欺に騙される人は共通して、自分だけは騙されないだろうという思い込みをしています。

  • 「なぜみんなだまされるのかしら」と話していたのに、いざ電話があって助けを求められたら息子と疑うことなく、お金を下ろして渡してしまった。
  • 銀行の窓口で「詐欺の可能性はありませんか」と何度も確認されたが自分はそんなものに遭うはずがないと思っていたので「失礼じゃないか」と怒って強引に振り込んでしまった。
  • 関心がなく、振り込め詐欺がどういうものか知らなかった。

引用元:政府広報オンライン|詐欺被害者の声

自分も騙されるんだと謙虚に学べるかどうかはあなた次第です。

それでも怒りが収まらないかもしれませんし、騙された事実を認めたくないかもしれません。そんな人に1つ覚えておいてもらいたいのは、“世の中にはもっと被害額が高額な詐欺もある”ということです。

例えば投資詐欺では架空の未公開株等を購入し、何百万、何千万円と騙し取られることもあります。お金を騙し取られたことに憤慨するのは当然ですが、余裕が出てからでも遅くないので、今後どうすれば騙されないで済むのか考えてみるのも良いのではないでしょうか。騙されるのは恥ずかしいことでは決してありません。詐欺師は人を騙すプロですから、何の対策もしていない一般人が騙されるのは当然のことです。

どうしても納得がいかないのであれば

それでも納得がいかない方は国民生活センターに相談してみましょう。お金をとり返すのは難しいと言われるかもしれませんが、相談は無料で行えます。

まとめ

iTunesカード詐欺の場合はお金を払ってしまうと被害金の回復が極めて困難です。したがって、騙されないよう未然に対策を考えていくしか方法はありません。騙されてしまった人は今回の経験を学びに変え、今後より被害額が高額な詐欺に騙されないようにしていきましょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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