保険金詐欺3つの手口と事例|保険金詐欺が発覚する理由とその罰則

弁護士法人ネクスパート法律事務所
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保険金詐欺3つの手口と事例|保険金詐欺が発覚する理由とその罰則

保険金詐欺(ほけんきんさぎ)とは、被保険者(保険の対象になる人)が病気・ケガ・死亡したと見せかけ保険会社から保険金を不正に請求する行為をいいます。

その手口は大まかに次の3パターンです。

  • 病気やケガをしたように見せかける、もしくは本来の必要以上に入院をして(したように見せかけ)保険金を請求する手口
  • 交通事故を装い保険金を請求する手口
  • 被保険者を殺害し自殺に見せかける保険金殺人

保険金は安くありません。特に死亡保険金は1,000万円を超える場合も多く、保険会社が徹底的に調査をするため安易な詐欺はバレます。

刑法では、詐欺が発覚した場合の罰則を最大で10年以下の懲役としています。

未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

引用元:刑法第248条

これは、殺人の罰則(死刑又は無期もしくは5年以上の懲役)を上回る可能性もある、重い罪であることを認識いただけるかと存じます。。

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

引用元:刑法第199条

今回は、保険金の手口とその事例、詐欺が発覚する理由についてご説明します。

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保険金詐欺の手口

保険金詐欺の手口

保険金詐欺の手口のうち、よくあるものをご紹介します。

①病気や死亡した振りをして保険金を請求する手口

不要な入院・通院をして保険料を請求する場合

健康なのに入院をしたり通院をしたりする手口です。当然まともな病院であれば、不要な通院・入院を受け入れてはくれません。この手口を実行するには医師や病院の協力が必須です。事実、保険金詐欺がある場合は悪徳な医師や病院が関与していることも少なくありません。

死亡に見せかけ被保険者が姿をくらます場合

自殺の場合でも保険に加入してから一定期間を経過していれば、保険金が支払われる場合もあります。自殺を装い被保険者が姿をくらますことで、失踪したように見せかけ保険会社に死亡保険金を請求する手口です。

②交通事故を装い保険金を請求する手口

交通事故に見せかけ保険金を請求する手口を自動車保険金詐欺といいます。いくつか手口がありますので、ここでご紹介しておきます。

  1. 交通事故で負った負傷を大げさに伝え、必要以上に保険金を得ようとする手口
  2. 高級車が盗難されたように装い盗難保険金を得ようとする手口
  3. 医師や柔道整復師等と結託して、入通院実績を水増しする手口
  4. 野生動物を故意に轢いて運転手無過失を主張し、保険金を請求する手口

③自殺に見せかけ被保険者を殺害する手口

被保険者を自殺に見せかけ殺害する手口で、俗に言う保険金殺人です。

お金を騙し取るだけの詐欺よりも悪質のため、警察による捜査がより厳しくなります。

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保険金詐欺の事例

以下は実際に起きた保険金詐欺事件です。

事例1|ケガをしたふりをして通院保険金をだまし取った事例

交通事故で通院したと装い保険金約270万円をだまし取ったとして、和歌山県警交通指導課などは30日、詐欺容疑でH接骨院鍼灸(しんきゅう)院(和歌山市)経営の男性=同院の柔道整復師、男性=同市=の両被告(いずれも詐欺罪で起訴)を再逮捕。同市内の塗装業の男と妻を逮捕した。

 

 両容疑者は容疑を認め、夫婦は「けがを負って通院した」と容疑を否認しているという。

 

 逮捕容疑は、共謀して交通事故に遭った夫婦と子供2人が同院で治療したように装い、同院が施術費名目で約103万円、夫婦が慰謝料などの名目で約168万円を保険会社に不正請求しだまし取ったとしている。

引用元:産経WEST|保険金詐欺で接骨院院長ら逮捕…交通事故で連日通院 和歌山

接骨院鍼灸院と被害者役が結託して治療をしたことを装い、施術費や慰謝料といった名目で保険金を不正請求した事例です。夫婦は容疑を否認しているものの、この事件の1年前にもサイドミラーが接触する事故にあっており、余罪の可能性が考えられます。

事例2|火災保険金をだまし取ろうとした事例

プレジャーボートに放火して保険金をだまし取ろうとしたとして、海上保安本部に所属していた元海上保安官の男性=長崎市=ら4人が、非現住建造物等放火や詐欺未遂容疑で逮捕され、起訴されていたことがわかった。同本部が22日、発表した。

 

 6管によると、容疑者ら3人は2015年3月、高松市の小槌(こづち)島付近で仲間の会社名義のプレジャーボート(19トン)に軽油をまいて放火。さらに別の知人とも共謀し、火災保険金4千万円をだまし取ろうとしたとされる。

引用元:朝日新聞DIGITAL|ボート放火し保険金詐欺未遂容疑 元海上保安官らを逮捕

元海上保安官4人が会社名義のプレジャーボートに放火し、火災保険金をだまし取ろうとした事例です。容疑者の1人が事件後に家族の介護を理由に退職したことや、ボートにかけられた保険金が不自然に高額なことなど不審な点がいくつかあり、広島地検が捜査をしたところ事件が明るみになったようです。

事例3|交通事故に見せかけ保険金をだまし取った事例

わざと交通事故を起こして保険金をだまし取ったとして、警視庁が詐欺容疑で埼玉県ふじみ野市仲の無職の男性と、同市大井中央の会社役員の男性16人の詐欺グループを摘発していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。佐々木被告は元保険会社社員の知識を悪用して犯行を主導。グループには一般の主婦らが参加しており、“バイト感覚”で詐欺が蔓延(まんえん)している実態が浮かんでいる。

 

 交通捜査課によると、2人はふじみ野市や川越市などでわざと事故を起こし、治療費や人身傷害保険、休業損害補償などを保険会社に請求していたとされる。事故直後は物損事故として埼玉県警に通報していたが、後に痛みが出たと装って整骨院で診断書を得a target="_blank" href。平成23年から昨年までに約4600万円を不正に得ていた。

引用元:産経ニュース|交通事故保険金詐欺グループ16人摘発 元社員の知識悪用 バイト感覚で4600万円

交通事故を装い、組織的に保険金を騙し取った事例です。犯人の1人は6年間保険会社に勤務していた経歴があり、偽の書類を作成するなど、詐欺を主導していたようです。お金がほしい主婦に声をかけていった結果、最終的に16人が摘発され不正に得られた保険金は合計で4,600万円に上りました。

保険金詐欺を防ぐために保険会社がしている対策

保険金詐欺を防ぐために保険会社がしている対策

既にお伝えしたように、保険会社は不審な保険金請求があると調査に力を入れるため、結果として保険金詐欺は発覚します。ここでは、詐欺を防ぐために保険会社がしている対策について触れていきます。

悪徳医師や悪徳病院をリスト化し目をつけておく

一度の詐欺ではなかなか発覚しない可能性もありますが、楽に大金を得られるのであれば繰り返し詐欺を働きたくなるのが人間の心理でしょう。保険会社では、怪しい医師や病院をリスト化し、不正な請求がないか目を光らせています。

失踪は詐欺の可能性を疑い調査する

災害があった場合は別として、被保険者が失踪した場合は詐欺の可能性を疑い調査をします。被保険者と受取人が共犯の場合が多く、保険金の受取人の身辺を調査することで事件が発覚するそうです。受取人は被保険者の元に着替えや食料を運ぶため、尾行していた場合はこの行動で被保険者の隠れている先がわかります。

保険金殺人は発覚しにくい

上記のように被保険者の死亡が確認できない場合や、ケガや病気を偽っている場合は調査がされます。ただ、保険金殺人のように死人が確認できる場合、詐欺だと証明されづらいケースがあります。

日本では、司法解剖は犯罪性の疑いのある死体にしか実施されないと言われています。

毒物が盛られていたとしても司法解剖が行われない限り、殺人であることが露見せず、結果、保険金が支払われてしまうことになります。

まとめ

今回は、保険金詐欺の手口と事例、保険会社が詐欺を防ぐためにしている対策についてお伝えしてきました。事例を見る限り、保険金の額が不自然に高額だったり、同様の手口で不自然な請求をしたりするとボロが出やすいのではないでしょうか。

保険金は高額ですから、一度騙せると味をしめて繰り返してしまう人もいますが、元々が不正な請求ですので繰り返すほど保険会社に不審に思われ、逮捕される可能性が高くなります。

 

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2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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