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KL2020・OD・037
霊感商法(れいかんしょうほう)とは、悩みをかかえている人の不安の原因を霊的なものと結びつけたうえで、たたり・悪いカルマ・因縁から逃れるにはこれを買いなさいと高額な商品を売る悪徳商法のことをいいます。
また、商品を販売せず祈祷料や除霊料などでお金を要求するものは霊視商法にあたります。今回は霊感商法の手口と事例、被害を未然に防ぐ方法と被害に遭った際の対処法をお伝えします。
目次
まず、霊感商法の手口を確認していきましょう。
霊感商法に騙される人は、本人にとってはどうにもならないような大きな悩みを抱えていることもあります。
人生のどん底であればあるほど藁にもすがりたくなりますし、自分では立ち向かえないような強大な理不尽が続けば、例えば神様や霊のような存在を信じてそのせいにもしたくなるでしょう。
原因がわかっていた方が人は安心できるからです。霊感商法では、このように不安が大きくて崩れ落ちそうな人の悩みを巧みに聞き出し、先祖の因縁など霊的なものと結びつけていきます。
ターゲットが信じたようであれば、次はこのままではどんなマズイことなるのかを伝えて恐怖心を煽っていきます。事実かそうでないかは重要ではありません。人は時として想像と現実の区別がつかなくなるからです。
筆者は子供の頃に雪女の話を聞かされ、その日は一人でトイレに行けなかったことがありました。どこから雪女が現れるかわからないので、震えながら朝を来るのを待ちました。
大人になれば雪女などいないとわかりましたが、これはなにも子供だけに起きる話ではありません。例えば屋根裏に猫がいてガタガタ音を立てていた場合、確認をするまでは霊なのかそうでないのかわかりません。しかし、霊だと思うと霊に関するイメージや記憶が勝手に呼び起こされどんどん怖くなっていきます。
霊感商法の場合は、 “本当に先祖の祟りなのか”をその場で確認できないため、不安だけがぶくぶくと拡大していきます。
ターゲットが十分に怖がったら、「でも助かる方法がある」と伝えて希望をもたせます。
先祖の祟りから逃れる方法は、ズバリ高額な壺や掛け軸などをその人から買うことです。冷静なときはだまされないでしょうが、例えば、あなたががんの治療と再発を繰り返しているところを想像してみてください。
がんの進行を押さえる治療の副作用で吐き気が止まらなかったり、痛みで寝れない日々が続いたりすると精神的に弱っていきます。
そんな状態のときにガンが治ると言われれば、多少怪しくても苦しみから逃れるためにすがってしまうのはありえるような気はしないでしょうか。
一方、霊視商法の場合は壺や掛け軸など有形のものは売らず、除霊料や祈祷料などでお金を取ります。無形ですから、ほとんど証拠が残りません。
除霊のためなどと言い、狭くて暗い場所に閉じ込めたり、正座を長時間させたりするなどして肉体・精神的に疲れさせていきます。
人間は自分が間違っていると認めたがらない生き物です。高額な費用を払ってしまった後では、自分がまがい物を掴まされたとは思いたくないので、掛け軸に向かって最初は律儀に祈り続けます。
新たに商品を売りつけられる可能性もありますので、できることなら最初の商品は買いたくないものです。
ここでは、霊感商法の事例をご紹介します。
数日前、40万円近い掛軸を勧める電話があった。「いらない」と断ったが、「購入しないとあなたが不幸になる」と言ってさらに勧められた。しまいには、「購入を断ると死ぬ」と脅され不安になり、承諾してしまった。掛軸はまだ届いていないが、申込書と契約書が送られてきた。目が不自由で内容がわからず、家族には知られたくなかったので、知人に相談した。
引用元:国民生活センター
「不幸になる」「購入を断ると死ぬ」の根拠を確かめないまま掛軸を購入してしまっています。電話勧誘販売の場合は、契約書を受け取ってから8日間はクーリングオフできるので覚えておきましょう。
この事例の被害者のように、騙されたらすぐ人に相談するのは被害を早めに解決するためにも大切なことです。
霊感商法に騙されるときは、何らかの不安や悩みの重さに耐えきれなくなっている可能性があります。できるのであれば、悩みが大きくなる前に問題の根本を摘んでしまいましょう。
自分が抱えている問題の原因を霊のせいだと決めつけていることに問題があります。
例えば、病気の原因には遺伝や環境、生活習慣などいろいろな要因が関わってきますが、それをすべて霊のせいにしてしまうと、除霊をするしか解決方法がないような気になってしまうでしょう。
悩みがないときは騙されないかもしれません。ただ、人には欲もあれば不安もあります。詐欺や悪徳商法の被害者は、口を揃えて「自分だけは騙されないと思っていた。」と言います。
警戒心がないと対策しようとは思わないので、皮肉にも自分が騙されていても気づけませんし、認めたがりません。
結局自分の問題は自分で何とかするしかありませんし、どうにもならない場合もあるかもしれません。人と支え合うことは大切ですが、誰かになんとかしてもらおうという気持ちが強すぎると、特定の相手に依存し、言いなりになってしまうかもしれません。
今抱えている問題の原因が本当は何か考えてみましょう。何でもかんでも霊のせいにしないことが大切です。
お金がないのなら働くしかありませんし、気分が沈むなら健康な食事や十分な睡眠など規則正しい生活習慣を持つことから始めたほうが良いでしょう。高いお金を払って除霊してもらう以外にも、なんらかの解決方法があるはずです。
万が一霊感商法に遭ってしまった場合は、クーリングオフをするか専門家に相談しましょう。
電話、訪問、街頭でキャッチされた場合は、契約書を受け取ってから8日間以内はクーリングオフができます。ただし、自分から進んで店舗に商品を買いに行ったりした場合はクーリングオフできません。
クーリングオフができなそうであれば、専門家に相談しましょう。
♯9110に電話すると、緊急でない事件に関して警察に相談できます。
など、わかることを事前にできるだけ整理しておくとスムーズに相談できます。
消費者被害の相談に乗ってくれる独立行政法人です。クーリングオフが上手くできない場合などに、どうすべきなのかを助言してもらいましょう。
被害額が高額であれば、弁護士に依頼した方がいいでしょう。霊感商法は、「特定商取引法9条の3」不実告知による取消し」に該当し、また、「民法90条 公序良俗」、「民法95条 錯誤無効」「民法96条 詐欺 脅迫」に反している可能性があるので、被害額を全額取り戻せるケースもあります。
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
引用元:民法第九十条
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。
引用元:民法第九十六条
霊感商法を防ぐためには、何でもかんでも霊のせいにしないことが大切です。霊がいるのかいないのかがまず明らかではありませんし、特定の霊能力者から商品を買えば助かる保証もありません。
冷静なときであればそこまでは気が付きますが、不安に押しつぶされそうなときは藁にもすがりたくなりますので、普段からうまく心のケアをしておく必要があります。
決して安くない弁護士費用。いざという時に備えてベンナビ弁護士保険への加入がおすすめです。
離婚、相続、労働問題、刑事事件被害、ネット誹謗中傷など、幅広い事件で弁護士費用の補償が受けられます。
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KL2020・OD・037
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