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KL2020・OD・037
マルチ商法の手口を知らない人からすると、なぜマルチの販売員はあそこまでのめり込んでいるのか不思議に思うものです。そもそもマルチ商法とは、
上記の仕組みのことをいいます。
このページでは、一般の人がマルチ商法にハマるまでの勧誘の手口と、勧誘に引っかかる人の特徴、会員になった後はどうなるのか、最終的に誰が得をするのかについてご説明します。
目次
ここでは、マルチ商法の勧誘で1人の販売員が誕生するまでのプロセスを見ていきましょう。
販売員になりたての人は、まずこれまでの知り合いのリストを作って電話やメールなどで声をかけていき、この時の反応の良し悪しで、勧誘する人を選別します。
勧誘にも移動代や食事代、時間がかかるので、知り合いの中でも特に話を聞いてくれそうな人に対し、マルチ商法の勧誘であることは伏せて連絡を取り合いながらアポイントをとろうとします。
とにかく話を聞いてもらわないことには何も始まりませんから、「久しぶりに食事でもしよう」などと言って、リスト化した知り合いを誘い出します。そんなに仲良くないのに、いきなり食事に行くのは不自然なため、鋭い人はこの辺りで「怪しいな」と感じるかもしれません。
「最近仕事はどう?」「今の収入で満足している?」などとこちらの不満を聞き出そうとしてきます。これは現状を否定させて、変わりたいと思ってもらうための伏線でもあります。
現状否定や自己否定は洗脳の基本です。新しい価値観を植え付けるには、一度これまでの価値観を自己否定させねばなりません。ブラック企業やカルト宗教でも、最初はひたすら新人を否定します。そして自分に自信がなくなり、何を信じればいいのかわからなくなった段階で新たな価値観を植え付けていきます。
マルチ商法勧誘段階ではここまで強烈ではありませんが、現状をよく思っていない人ほど変わりたいと思っており、新しい価値観を受け入れやすい状態になっています。この段階では、何を言えば販売員になってもらえそうか、ニーズを調査するのが目的です。
「労働者は安月給で会社に搾り取られ、年取ったらリストラされる」「会社に依存しているだけでは一生今の収入のまま」などと将来の不安を煽るような話をします。また、『金持ち父さん貧乏父さん』の本をおすすめするなどして、労働者ではなくビジネスオーナーにならないと自由にはなれないのだとほのめかしていきます。
マルチ商法勧誘員の話が巧みであれば、この段階で勧誘される人は現状の不満や将来の不安でいっぱいになりますので、ここで一筋の希望をちらつかせます。「ビジネスオーナーになり権利収入を得る方法がある」「目標は紙に書くと叶う」などと言って欲求を明確化させます。
この段階で目標を達成したいと強く思えば思うほど、後戻りできなくなってくるので要注意です。欲求を最大化するのがこのステップの目的で、なおかつ、マルチ商法だとは告げていないため、勧誘される側は自分の都合のいいように想像を広げます。
夢もあるしビジネスオーナーになればいいのはわかったけど、具体的にどうすれば権利収入を得られるのか想像もつきません。このタイミングで「既に権利収入で暮らしている師匠がいる」「会社を3つ運営している」など師匠の影をちらつかせ、会ってみたくなるような話をしていきます。
しかしこの師匠というのは、販売員のピラミッド組織の中でも上位にいる販売員のことです。マルチ商法の説明を、既に成功した人の口からしてもらうことで勧誘の成功率が上がります。
最後のステップです。実際に成功した人とその人の暮らしぶりを見せつけた後に、成功するための方法としてマルチ商法の説明をはじめます。
何の欲求もない最初の段階で「マルチ商法の勧誘をするからメシ行こう」と言うよりも、こうして段階を踏んで人間の心理を利用しながら勧誘をしていくことで、圧倒的に話を聞いてくれる可能性が高くなります。
勧誘された側は最悪の場合、「この誘いを拒否することは、今まで描いてきた夢を捨てることだ」とも考えてしまい、怪しいと感じていても信じたい気持ちの方が強くなってしまいます。
もちろん勧誘された全員がこのような心境になるわけではありません。上記のステップのような会話を続ける中で、反応が良かった人のみが最後に勧誘されます。
ここまでで、勧誘の具体的な流れを見てきました。では、具体的にどんな人がどんな理由でマルチ商法にハマるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
日本ではマルチ商法の評判が良くありません。日本では以前にマルチ商法ブームがあり社会問題にもなりましたが、若い世代の人はそのことを知らないため良くも悪くも偏見を持っていません。
マルチ商法のリスクも知りませんし、下手したらマルチ商法すら知りません。30代以上の偏見を持っている人よりもいくぶん勧誘しやすいはずです。
先程も触れたように、現状に不満を持っている人ほど話に食いつきやすいでしょう。欲求を持っている人ほど付け込まれやすいので、簡単に変われるとか誰かがなんとかしてくれると思わずに、自分の力で責任を持って努力していきたいものです。
ここがポイントです。うまい勧誘員は、聞き手が興味を示してから情報を小出しに出していき、具体的にどう稼いでいるのかは最後まで話しません。最初にマルチ商法と言われればインターネットで検索し、怪しいと気づけます。
しかし、そこまでは言わないので、何をして稼いでいるのかはわからないため、個人がそれぞれ想像力を働かせ、都合のいいように考えてしまいます。
基本的に前向きな情報しか話さないので、自分でも簡単に稼げそうだなと思い入会してしまいます。ここでは、いざ入会した後にどんなリスクやギャップがあるのかを見ていきましょう。
マルチ商法で稼ぐのは簡単ではありません。例えば、アムウェイで年収800~1200万円を稼ぐエメラルドDDというランクの人は2015年会計年度で314組しかいません。会員数が70万人なので、権利収入で暮らしたければ、上位0,00044%に入らねばなりません。
もし自分でも簡単にできると思っているのであれば、もう一度よく考えたほうがいいでしょう。
では、エメラルドDDになるにはどうすればいいのでしょうか。エメラルドDDになるには、月202万円の売上を連続で12ヶ月達成できるグループを配下に3つ作らねばなりません。
自分たちのグループで202万円分の日用品を毎月さばくだけでもハードルが高いのに、これを1年継続できる人を配下に3人作ってやっと年収1,000万円です。
勧誘するのにもお金がかかります。人と会うのにも食費と移動費がかかりますし、全員が入会してくれるわけでは当然ありません。パーティーやセミナーに参加する費用もかかりますし、自分で商品を買うのにもお金がかかります。
期待して入会したものの、誰もがすぐ権利収入を得られるわけではありません。金銭的負担から、あせって強引な勧誘をしても会員にはなってもらえませんし、悪い噂を流されてしまいます。
成功したければセミナーへの参加は必須だといいます。既に成功した人の考え方を吸収したり、モチベーションを上げたりしなきゃいけないそうです。
しかし、モチベーションが上がっても年収まで上がるとは限りません。モチベーションを上げ続けて行動すればするほどセミナー参加費や食事代などの負担が増えていきます。繰り返しますが、これだけ努力しても年収800万円を超えるのは0,00044%の人間だけです。
ここでは、販売員が頑張ると誰が得をするのかについてお話していきます。
マルチ商法の商品は各販売員の口コミで広がっていきます。他のメーカーと違い、広告を打ったり卸売や小売を介したりする必要がないため、広告宣伝費を削減できます。
販売員は社員ではなく、業務委託です。あくまで本社から商品を仕入れて販売している立場なので、固定給を支払わずに商品を販売してもらえます。商品が売れれば売上に応じたリターンをもらえるものの、売れなければいくら努力をしても固定給はもらえず費用はすべて自己負担です。会社に社会保険に入れてもらえるわけでもありません。
販売員が特定商取引法に違反した勧誘をしたとしても、本社は「個人事業主の販売員が自己責任で勝手にしたことだ」と主張します。強引な勧誘をした者を本社に通報してくれれば、その会員を除名するということもできます。売れれば両方儲かる。売れなければ販売員だけが損する。マルチ商法のリスクの大部分が販売員にのしかかるとお解りいただけたのではないでしょうか。
わずかとは言え、不労所得を得ている人がいるのは事実です。結果が出るまで努力できるのであれば、マルチ商法に参加するメリットはあります。
自分は仕入れても売れるかわかりませんが、仕入れてもらった時点で本社は儲かります。普通の販売や営業をしていれば、自腹を切って商品の仕入れをすることはありません。クーリングオフや中途解約制度など返品も可能ですが、返品すればその商品分のポイントは当然つきません。
本社や上位の販売員が商品を無理に買わせなくても、本人が成績を出すために自腹で商品を買ってしまうこともあります。
もしマルチ商法に勧誘されて困ったときは、きっぱりと断りましょう。
断る理由はできるだけそれ以上誘いにくくなるものを考えると良いいかと思います。
このページではマルチ商法勧誘の手口と、どんな人が引っかかってしまうのか、入会したあとどんなリスクがあるのかをお話してきました。誰でもできると勧誘されるかもしれませんが、実際に成功している人は少ないのが現実です。
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