不倫の慰謝料は減額してもらえる?減額のケースと払えないときの対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
不倫の慰謝料は減額してもらえる?減額のケースと払えないときの対処法
  • 「不倫の慰謝料を減額してほしい」
  • 「慰謝料が余りに高額なために支払うことができない…」
  • 「ある日突然、弁護士から内容証明が届いた…」

このようなお悩みを抱えていませんか。

不倫の慰謝料には相場があり、請求された金額によっては減額される可能性があります。この記事では、以下の5点を解説します。

  1. 慰謝料が減額されるポイント
  2. 減額のために必要なこと
  3. 慰謝料が支払えない場合の対処法
  4. 弁護士に依頼した場合のメリット・費用、費用を抑える方法
  5. 弁護士に依頼すべきケース

また、減額できた事例もご紹介しています。目次から気になる項目をご覧いただいて、ぜひ参考にしてみてください。

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不倫の慰謝料が減額・回避されるポイント

ここでは、不倫の慰謝料が減額されるポイントを解説します。

不倫の慰謝料が減額されるポイント

不倫の慰謝料が減額されるポイントはこちらです。

  1. 相場をはるかに超えた高額な慰謝料の請求
  2. 相手にも過失があった
  3. 不貞行為が少なかった
  4. 婚姻関係が破綻していない
  5. 求償権を放棄する
  6. 謝罪・反省

細かく解説しましょう。

1:慰謝料が相場よりも高額だった

不倫の慰謝料の相場は、個々の事情によって異なりますが、次のような相場があります。

離婚しなかった場合

50~300万円

婚姻関係が破綻・離婚した場合

200~300万円

したがって、例えば500万円を超える慰謝料の請求をしてきたというような場合、どのような根拠に基づき請求しているのかを明らかにしてもらう必要があります。

あるいは、不倫以前から婚姻関係が破綻していたなど、あなたに有利な事情を立証していけば、減額される可能性を高めることができるでしょう。

2:不貞となることを知らず、知らないことに過失がなかった

不貞行為となることを知らなかった場合は、そもそも慰謝料を支払う義務はありません。例えば、「未婚者である」と騙されて関係を持ったような場合が挙げられます。

しかし、状況からして相手が未婚者であると知っていたはずである、または気がついて然るべきであったという場合は、不貞行為について慰謝料支払義務を免れることはできません。

3:不貞行為が少なかった

1度きりの関係だった、不倫の期間が短かったような場合は、慰謝料も低額となるケースが多いです。

例えば、不貞行為の回数が10回未満、不倫関係が半年以内といったような場合であれば、減額に応じてもらえることもあります。

また、不貞行為とは肉体関係があったことをいいますので、キスをした、2人で出かけた、連絡をとっただけでは、慰謝料請求は認められないでしょう。

4:婚姻関係が破綻していない

不倫で慰謝料請求をされても、相手の婚姻関係が破綻していない場合は、慰謝料が減額される理由になります。

5:求償権を放棄する

求償権(きゅうしょうけん)(※)とは、あなたが請求された慰謝料の半分以上を、不倫相手に求めることができる返還請求権のことです。

この権利を放棄する代わりに慰謝料の減額を求めることはあり得ます。

不倫の慰謝料が減額されるポイント例えば、上記の図のように慰謝料請求されたAさんは、同じように不倫をした相手の男性Bさんに求償権を行使し、負担した慰謝料の半分を相手男性に請求することができます。

しかし、これは夫婦の家計が同じであれば、奥さんが100万円を得ても、Bさんが負担に応じた結果、家計に入ってきたお金が減ってしまい、ただお金が行き来しただけのことになってしまいます。

Bさんに対する求償権を放棄する代わりに、慰謝料の請求金額を減額してもらうという交渉があり得るのです。

これはW不倫のケースでも同様です。慰謝料の請求を双方で打ち消し合い、結果的に双方慰謝料が0円で和解するケースもあります。

もっとも、求償権の放棄は、放棄するからといっても必ずしも減額されるわけではありません。あくまで交渉が必要であることは注意しましょう。

交渉する際は慎重に行う必要があるでしょうし、弁護士に相談した方がよいかもしれません。

(※)求償権とは

精神的損害に対する苦痛を支払う責任は、あなたと不倫相手2人に生じます。

この不倫の慰謝料に対して、片方が負担した場合、負担した側が負担していない側に求償権を行使して、相手の負担すべき金額を請求することができるというものです。

6:反省・謝罪をする

相手に対する謝罪や反省は、法的に慰謝料が減額されるポイントではありませんが、相手が少しでも許してくれたり、慰謝料を減額してくれたりすることもあり得ます。

パートナーと離婚せず婚姻関係を続ける場合、今後不貞行為を行わない、不倫相手と接触しないという謝罪文や誓約書を書くことで、減免してもらえるケースもあります。

慰謝料請求の対象にならないケース

不倫は、性交渉や、性交類似行為などの不貞がなければ、法的には不倫と評価されません。したがって、キスをした、デートをしただけでは、慰謝料請求の対象にならないと考えられます。

また、別居が10年続いていたなど、婚姻関係がすでに破綻していたことが立証可能であれば、そもそも不貞行為とはなりませんので慰謝料の対象とはなりません。

補足|逆に増額される可能性のあるケース

一方で、不倫の慰謝料が増額される可能性のあるケースはこちらです。

  1. 不貞行為の頻度が多い・不倫関係だった期間が長い
  2. 相手の婚姻関係が長い・不貞行為によって婚姻関係が破綻した
  3. 子供がいる
  4. 不倫をしない、相手と会わないとの約束を反故にした

このような場合、増額される可能性があります。少しでも減額したいのであれば、1度弁護士に相談してみることをおすすめします。

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不倫の慰謝料を請求された際にすべきこと

不倫の慰謝料を請求された際にすべきこと不貞行為があれば、それが相手の配偶者にバレた際、慰謝料を請求されるリスクがつきまといます。もし、ある日突然相手から慰謝料を請求されたら、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、不倫の慰謝料を請求された際にすべき4つのことを解説します。

1:不倫の慰謝料の相場を確認

まずは落ち着いて、請求された慰謝料が妥当であるかどうか、相場を調べましょう。前述したとおり、不倫の慰謝料の相場は50~300万円です。これを超える慰謝料は高額であると考えられます。

2:相手の対応を確認

相手が弁護士を雇っている場合は、下手に対応せず、まずは自分の弁護士と相談する旨を伝えた方がよいでしょう。

また、相手があなたと直接会って話す際は、相手とのやり取りを録音することも有効です。

あなたが相手と直接交渉をしても問題はありませんが、相手を怒らせてしまい、減額に応じてもらえないということも考えられます。

その場で返事をせず、弁護士と相談することを伝えた方が賢明かもしれません。

3:相手と交渉

不貞行為に対して、身に覚えがあるのであれば、請求された慰謝料を支払うことになります。

不倫の慰謝料が減額されるポイント」で解説した内容に当てはまったり、とても払えない金額であったりするのであれば、減額や分割を交渉することもできるでしょう。

ただし、前述したとおり、相手との直接交渉では、相手が減額に応じてくれないことが予想されます。まずは弁護士に相談することをおすすめします。

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4:減額に必要な証拠や記録を用意

不倫の慰謝料の減額を交渉する際や、弁護士に相談する際に必要なものはこちらです。

  • 不倫相手とのやり取りなどの証拠
  • 相手との交渉などやり取りを記録したもの

不倫相手とのやり取りなどの証拠

上記で解説したような内容で、減額される可能性があるのであれば、それに関する証拠は確保しておきましょう

例えば、不倫相手が「婚姻生活は破綻している」「何年も別居している」あるいは「結婚はしていない」とあなたに伝えた内容などです。

弁護士に相談する際など、この記録から適切な対策を講じることができるようになるでしょう。

相手との交渉などやり取りを記録したもの

相手とのやり取りや交渉に関しても、メールや手紙などの書面で行うか、録音するようにしましょう。後からトラブルになることを防止するためです。

仮に訴訟となった場合も想定して、交渉段階から一貫性のある主張を心がけてください

補足|結局、何からはじめればいいのか

補足|結局、何からはじめればいいのかあまりにも高額な慰謝料を請求されており、当事者間での解決が難しい場合は、弁護士に助言をもらうのがベターです。

慰謝料として請求する金額は、相手方が自由に決められるため、相場より高額な請求をされる場合があります。

当事者間で交渉をしても話がまとまらない場合は、法的根拠に基づいて減額の請求をするのが効果的です。

弁護士に現状を伝えることで、①慰謝料額が適切なのか、②どのくらい減額されそうか、などが明らかになります。

慰謝料額の交渉で行き詰まっている方は、一度アドバイスをもらうと今後の見通しが立つかもしれません

詳細は、「不倫の慰謝料の減額を弁護士に依頼する場合」の、「弁護士に依頼したほうがよいケース」にて後述します。

不倫の慰謝料が払えないときはどうすればいい?

もし、不倫の慰謝料が払えないのであれば、分割払いを提案する方法もあります。この際、必ず公正証書を作成し、以下の条項を盛り込むことで、応じてもらえるかもしれません。

強制執行

支払いが滞ったら差し押さえ可能である旨

期限の利益喪失約款

1度でも支払いが滞った場合、全額一括支払いする旨

ただし、上記のような内容を盛り込んだ場合、必ず毎月決まった額を支払いましょう。

この交渉に関しても、冷静に話し合えない可能性がありますので、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士であれば、相手も冷静に交渉に応じてくれる可能性が高まるかもしれませんし、減額の交渉もしてくれるでしょう。

不倫の慰謝料の減額を弁護士に依頼する場合

不倫の慰謝料の減額を弁護士に依頼する場合ここでは、不倫の慰謝料の減額を弁護士に依頼する場合のメリットと費用、弁護士に依頼した方がいいケース、費用を抑える方法、などについて解説します。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリットはこちらです。

  1. 法的知識に基づいた粘り強い交渉によって、減額に応じてくれる可能性が高まる
  2. 請求されている慰謝料が適正な金額か判断してくれる
  3. 弁護士を介することで、相手も冷静に協議ができる
  4. 弁護士に交渉を依頼することで、相手と直接交渉せずに済み、精神的な負担も軽減する
  5. 訴訟に発展する前に解決することが見込める

弁護士に依頼することで、「不倫の慰謝料が減額・回避されるポイント」で解説したような内容を主張してくれます。

例えば、不貞行為以前から夫婦関係が破綻していたなどを立証したり、相手から騙されて不貞行為に及んでしまったことを訴えたり、求償権の放棄などです。

弁護士に依頼した方がよいケース

以下のような場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

  • 相手が弁護士を雇い、高額請求をしてきている
  • 相手に脅されている

特に、相手が弁護士を雇っている場合、あなただけでは対処できないことが考えられます。また、相手が訴訟を起こさないとも限りません。

相手は動かぬ証拠などしっかりと準備をしている可能性もあります。

一方、弁護士がついていないあなたは、いわば丸腰の状態です。不利な条件で慰謝料の請求に応じなければならなくなる可能性があります。

また、相手に脅されて公正証書に署名してしまった場合、内容によっては公正証書が無効になるかもしれません。

相手に脅されたと感じている場合は、まず弁護士に相談してみましょう。

弁護士に依頼した方がよいケース

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依頼した場合の弁護士費用と費用を抑えるコツ

不倫の慰謝料の減額を依頼した場合の弁護士費用の相場は、こちらです。

相談料

0~5,000円/30分

着手金

20~30万円

報酬金

減額された金額の10~20%

実費

弁護士の交通費など発生した分

日当

事務所によって異なる

1日1~2万円など

ただし、これはあくまでも相場であり、事務所によって料金は異なります。相談時や依頼する前に必ず確認しましょう

弁護士費用は高額ですが、無料相談を受け付けている、あるいは着手金が0円といった弁護士事務所を利用することで、費用を抑えることができるでしょう。

また、費用を抑える方法の1つとして挙げられるのが、法テラス(日本司法支援センター)の利用です。

収入が一定以下などの資力要件が必要なものの、無料相談や、弁護士費用の立替え制度などを利用することができます。詳しくは関連記事をご覧ください。

【関連記事】法テラスで離婚相談|無料相談の利用条件や費用を抑えるコツ

『あなたの弁護士』からも、無料相談や法テラスに対応している弁護士を探すことができます。

相談したからといって必ずしも依頼しなければならないわけではありませんので、安心してご活用ください。

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弁護士に相談する際の注意点

弁護士に相談する際の注意点はこちらです。

  1. 相手とのやり取りを記録したメール・録音などの証拠を持参
  2. 時系列やあなたの希望、質問したい内容を決めておく

弁護士への相談はたいてい30分程度です。要点をまとめておくことでスムーズに相談することができます

また、弁護士は『不倫の慰謝料を減額した実績がある』『相性がよい』といった点を重視して選びましょう。

不倫の慰謝料を請求されなかった実例

実際に不倫の慰謝料請求が取り下げられた事例をご紹介します。

【相談者】男性

【相談内容】友人である女性の夫から不貞行為の慰謝料として700万円請求された。確かに友人である女性を自宅に宿泊させたが、それだけであり特に不貞の事実はない。どうすればよいか。

【弁護士の対応】相談者の勤務記録等から女性の宿泊時間帯は勤務時間中であり不貞の事実はないことを夫に説明し、慰謝料を支払う義務がないことを反論。

【結果】夫は請求を断念し、金銭の支払いなく解決。

上記の実例のように、弁護士を介して説明を行ってもらうことで、相手にも納得してもらうことができます。

「少しでも不倫の慰謝料を減額してほしい…」とお考えであれば、無料相談などを活用して、まずは弁護士に相談して、法的な助言をしてもらいましょう。

まとめ

不倫の慰謝料に関して減額されるケースや、減額に必要なもの、支払えない場合の対処法、弁護士に依頼した場合などについて解説しました。

ただし、減額について相手と直接交渉するのは難しく、現実的でないかもしれません。交渉の仕方によっては、相手が不快に感じてしまい、「減額には一切応じない!」ということもあり得ます。

最も避けてほしい対応は、相手の言い分を無視し続けることです。

無視し続けることで、ある日突然「内容証明が送付されてきた…」、あるいは、「訴訟を起こされてしまった…」ということも考えられます。

いずれにしても、まずは弁護士に、慰謝料の金額が適正なのかどうか相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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