放火罪の判例と逮捕事例|現住建造物等放火罪や放火未遂で不起訴の事例

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
放火罪の判例と逮捕事例|現住建造物等放火罪や放火未遂で不起訴の事例

放火をした場合、すべての罪に放火罪が適用されるわけではありません。放火をした建物の種類や被害の規模などによって、成立する罪が異なります。

人のいる建物に放火をすれば現住建造物等放火罪(げんじゅうけんぞうぶつとうほうかざい)、人のいない建物であれば非現住建造物等放火罪(ひげんじゅうけんぞうぶつとうほうかざい)、建物以外への放火は建造物等以外放火罪(けんぞうぶつとういがいほうかざい)に問われます。

放火罪は不特定多数の生命・身体・財産に危険をもたらす犯罪で、現住建造物等放火罪であれば殺人罪と同等の法定刑が科される非常に重い罪となっています。

この記事ではどんなことをすると放火罪で有罪となるのか、放火罪の具体的な裁判例や逮捕事例をご紹介しましょう。

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放火罪の判例3つ

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ここでは放火罪の判例をご紹介しましょう。

 大阪此花区パチンコ店放火殺人事件

2009年に大阪此花区(おおさかこのはなく)のパチンコ店で起きた火災は、パチンコ店を全焼させ5名が死亡、10名が重軽傷を負いました。

同店にガソリンをまいて放火したとして出頭・逮捕された男性は現住建造物等放火罪、殺人罪、殺人未遂罪に問われ、死刑判決が確定しています。

諏訪地方連続放火事件

2006年に起きた諏訪地方連続放火事件、記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。ネットアイドルが放火に関与したとして大きな話題になりました。

この女性は自身のブログで頻繁に近隣の放火事件を取り上げ、その遭遇率の高さから関与を疑われ、逮捕されるに至りました。

犯行は物置が邪魔だと感じて放火したことに始まり、次第にエスカレート、「放火をすることでいらだちが晴れ、報道により諏訪地方が有名になるように感じて楽しくなっていった。」そうです。

女性は現住建造物等放火罪などに問われ、懲役10年の実刑判決が下されました。

糸魚川大規模火災

2016年末、新潟県糸魚川市で発生した火災は鎮火まで30時間を要し、周囲の建物147棟を焼損させました。

業務上失火罪に問われた出火元のラーメン屋店主は、鍋を火にかけたまま失念していたということです。

本人の反省や強風の影響も考慮され禁錮3年が下されるも、執行猶予5年とされました。

放火罪の具体的な逮捕事例

放火罪の具体的な逮捕事例ここでは放火罪の具体的な逮捕事例をご紹介します。

東海道新幹線火災事件

2015年6月に起こった東海道新幹線車内での火災事件です。男性が新幹線内で焼身自殺をし、火災によって1名が死亡、28名が重軽傷を負いました。

現住建造物等放火罪は人のいる建物、電車、艦船も含まれるので新幹線も該当することになります。

新幹線内での放火は新幹線自体に燃え移って焼損したことから現住建物等放火罪の既遂罪にあたりますし、傷害致死罪についても問題になるでしょう。

死亡した男性については容疑者死亡とし書類送検、その後不起訴処分とされています。この事件は新幹線の安全性やテロ対策についても話題となりました。

上尾連続放火事件

2017年に埼玉県上尾市で連続発生した不審火で埼玉県警捜査一課は器物損壊容疑で男性を逮捕しました。

アパート玄関前に置かれた傘やゴミ袋などの放火について防犯カメラの映像から男性の関与が発覚したということです。

建造物等以外放火罪は、建物以外を放火し周囲に燃え広がったような場合1年以上10年以下の懲役が科せられます。

しかし周囲に燃え広がるなどの公共の危険を生じさせなければ、罪に問われない、あるいは器物損壊罪に問われるでしょう。

器物損壊罪は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料と定められています。

(器物損壊等)
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
引用元:刑法第261条

自宅を放火

東京足立区で自宅を放火したとして、警視庁竹の塚署は現住建造物等放火容疑で男子高校生を逮捕しました。少年は「受験のストレスで火をつけた」と容疑を認めています。

放火未遂で不起訴・起訴猶予になった事例

放火未遂で不起訴・起訴猶予になった事例放火は非常に重い罪や実刑判決が下されやすい犯罪ですが、放火未遂などで証拠不十分や諸事情を考慮され不起訴・起訴猶予になったケースもあります。

放火は着火したが焼損に至らなかった場合に未遂罪に問われ、罰せられます。ここでは不起訴・起訴猶予になった具体例をご紹介しましょう。

証拠不十分で不起訴

幼稚園の備品に放火したとして現住建造物等放火未遂容疑で保育士をしていた女性が逮捕されましたが、検察は嫌疑不十分であるとし不起訴としました。

女性は段ボールなどに放火したことが疑われていましたが、放火の証拠がなかったということです。

諸事情を考慮し起訴猶予

自宅を燃やそうとし現住建造物等放火未遂の疑いで男性が逮捕されましたが、検察は“諸事情を考慮”し起訴猶予処分としました。

起訴猶予は、犯罪の疑いがあり起訴可能ではあるが本人の反省が深い、被害者と示談が成立しているなどで起訴を猶予されることをいい、証拠が不十分などで釈放される嫌疑不十分とは異なります。

補足|放火未遂罪の罰則

放火未遂罪は罪が軽減されますが、どの程度軽減されるのか刑法にはっきりと記載はありません。

放火した対象にもよりますが該当する放火対象の罰則から軽減されることになるでしょう。

(未遂罪)
第百十二条 第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。
引用元:刑法第112条
(未遂減免)
第四十三条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
(未遂罪)
第四十四条 未遂を罰する場合は、各本条で定める。
引用元:刑法第43条・第44条

まとめ

放火の動機は「むしゃくしゃしてやった」「ストレスがたまっていた」など多く聞かれます。しかし、実刑判決が下される可能性も十分考えられます。

放火は重い罪ですが、示談などを行うことでしっかりと反省を示す必要があるでしょう。

反省が認められる、再犯しないよう監視者がいるなどであれば執行猶予がつくかもしれません。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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