詐欺罪とは?|詐欺罪4つの構成要件から時効・罰則・詐欺の種類まで

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
詐欺罪とは?|詐欺罪4つの構成要件から時効・罰則・詐欺の種類まで

詐欺罪(さぎざい)とは、加害者が被害者を欺いて、財産などの引き渡しをさせ、財産上の利益を得たり、他人にその利益を得させることを内容とした犯罪で、刑法 第246条に規定されています。

振り込め詐欺などが想像しやすいでしょう。

2017年の犯罪白書によると詐欺の認知件数は40,990件で、そのうち逮捕され検察へ送検されたのは17,747名、起訴されたのは9,408名です。

この記事では、下記の5点について解説していきます。

  1. 詐欺罪の構成要件4つ
  2. 詐欺罪の概要:時効など
  3. 詐欺罪の罰則
  4. 他の財産犯との比較
  5. 詐欺の種類

詐欺にあった方はこちらをご覧ください。

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詐欺罪とは?

詐欺罪とは?ここでは詐欺罪の概要について解説していきましょう。

詐欺罪の罰則

詐欺罪は10年以下の懲役、と重い罰則が定められています。

(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
引用元:刑法 第246条

また、パソコンなどに虚偽の情報や不正な指示を与え、結果財産を騙し取った場合は“電子計算機使用詐欺罪”に問われ、同様に10年以下の懲役が科されることになるでしょう。(刑法 第246条の2)

詐欺にはさまざまな種類がある

詐欺は、手口が多様で幅広い犯罪です。詐欺と言われ思い浮かぶのは『オレオレ詐欺』をはじめとする振り込め詐欺でしょうか。

この振り込め詐欺は、詐欺の中でも、特殊詐欺に分類されます。特殊詐欺は電話やメール、ネットを使い対面することなく、不特定多数の人に対し行う詐欺です。

この特殊詐欺には架空請求詐欺や、ワンクリック詐欺、フィッシング詐欺なども含まれます。

一方で原始的な詐欺ともいえるのが、対面で人を騙す保険金詐欺、結婚詐欺、募金詐欺、簡単なものであれば少額の現金を借りたまま返済しない寸借詐欺や、清算する意思もなく食事をする無銭飲食なども挙げられるでしょう。

詐欺罪が成立するタイミングは3つ

詐欺罪が成立するタイミングは以下の通りです。

着手時期(犯罪行為を開始した時期)

加害者が被害者の財産を騙し取る意思を持って、人を欺く行為を開始した時点(1951(昭和26)年5月8日最高裁判決)

その欺く行為で、被害者が錯誤(事実と認識が一致しないこと)に陥ったかどうかは問わない

火災保険の詐取の場合などは、放火段階ではなく保険会社へ金銭の請求を行った段階

既遂(犯罪の成立段階)

人を欺く行為から実際に財産が引き渡された段階

既遂時機は占有移転時(不動産の場合所有者移転登記完了時も含む)

未遂

人を欺く行為で詐欺に着手するも、財産の引き渡しに至らない段階

詐欺罪は、欺罔行為(人を欺く行為)により、被害者から加害者に財産が移転した時点、つまり金品を渡した時点で既遂となりますが、不動産の場合は占有が移転していなくとも移転登記が完了していれば既遂となります。

詐欺は相手を欺く行為を開始した時点で未遂罪が成立します。

例えば、振り込め詐欺で被害者がお金を渡す前に、詐欺と気づいてお金を渡さなかったという場合でも、詐欺未遂罪は成立します。

詐欺罪の時効

詐欺罪の公訴時効(詐欺罪として立件して訴追するための期間)は詐欺行為から7年です。

詐欺罪の保護法益は個人の財産

詐欺罪の保護法益は、個人の財産です。保護法益とは、法律を定めることで守ろうとしている利益を指します。

詐欺罪を定めることで、個人の財産を守ろうとしているのです。

詐欺罪の客体は財物

詐欺罪の客体(対象物)は、他人の財物、財産上の利益です。ここでいわれる財物は動産(不動産以外の経済的な価値のあるもの、財産。現金など。)と不動産です。

財産上の利益には、債務免除(支払い義務、契約にもとづいて交付しなければならない義務の免除)、弁済の猶予、役務の提供(労働力などの提供、働くこと)などが挙げられます。

人を欺く行為の結果、支払いの義務を免れる、借金の返済猶予を設けてもらう、対価を支払わず労働力を提供させるなども詐欺に当たります。

詐欺罪の4つの構成要件

詐欺罪の4つの構成要件詐欺罪の構成要件(犯罪が成立するための条件)は、下記の4つです。

  1. 人を欺く行為(欺罔行為)
  2. 欺く行為によって被害者が騙される(錯誤に陥る、事実と認識が一致しなくなる)
  3. 財産の引き渡しや処分が行われる、または財産上の利益が加害者へ移転する
  4. ①②③の間に因果関係がある

上記4つの要件を満たした場合に詐欺罪が成立します。③に至らない、つまり、実際に加害者へ財産の引き渡しが行われなければ、詐欺未遂罪です。

細かく解説していきましょう。

1:欺罔行為

人を欺く行為を欺罔行為(ぎもうこうい)と言います。この欺罔行為は、相手の財産を、加害者へ引き渡すように嘘の情報を伝える行為が該当します。

『オレオレ詐欺』で言えば、お金を振り込ませるために、電話相手の身内を装うことです。

なお、積極的に嘘を伝えなくても、真実を告げる義務があるのにこれを伝えない行為(不作為による欺罔行為)も含まれます。

不作為による欺罔行為

また不作為であっても欺罔行為が成立するケースがあります。不作為とは何もしないこと。不作為による欺罔行為とはつまり相手の誤解を利用する行為です。

例えば受け取ったお釣りが多かったと認識しながら、これを正すことなくそのまま受け取る行為が該当する可能性があります。

お釣りが多く渡されたことを認識した者は、これを正す義務が生じていると考えられているためです。

なお、お釣りが多かったことに後から気づいて返還しなかった場合は、詐欺ではなく横領が成立する余地があります。

2:欺罔行為によって被害者が錯誤に陥る

欺罔行為のために、実際に被害者が錯誤(事実と認識が一致しない状態)に陥ることが必要です。

そのため、欺罔行為によっても相手が錯誤に陥らない場合(相手が嘘を嘘だと見抜いている場合)、詐欺の未遂罪が成立するに留まり、詐欺罪が成立することはありません。

3:財産の交付または財産上の利益移転

詐欺罪は相手が誤信に基づいて財産を引き渡す、あるいは、財産上の利益を加害者へ移転して既遂となります。

被害者の意思に基づかない財物の移転(相手の了解を得ずに物を奪い取る行為)は、詐欺罪ではなく窃盗です。

なお、騙される人と、詐欺の被害に遭う人が別であっても、詐欺罪が成立することがあります。

三角詐欺と呼ばれるもので、クレジットカードを利用した詐欺などがこれに該当します。

例えば、クレジットカードを人から騙し取り、そのカードを利用して買い物をした場合、騙されたのはカードを取られた被害者ですが、金銭的な損失が出たのはクレジットカード会社になるということです。

4:因果関係

詐欺罪は、①②③がすべて因果関係でつながって初めて成立します。

途中で因果関係がなくなった場合(例えば、欺罔行為でも被害者が錯誤に陥らなかった場合、被害者が錯誤に陥ってもこれによって財物が移転しなかった場合)は、未遂罪にとどまるのです。

他の財産犯との比較

他の財産犯との比較ここでは財物の侵害を行う財産犯と比較してみましょう。

窃盗罪・強盗罪

意思に反し、物理的に財物を交付させられる

詐欺罪・恐喝罪

錯誤に陥り判断を鈍らせ被害者の意思によって財物が交付される

窃盗や強盗は人の財物を相手の意思に反して奪い取る犯罪で、そこに被害者の判断は関係ありません。

しかし詐欺罪、恐喝罪は欺罔行為や恐喝を行い、被害者の意思(判断)によって財物を交付させるのです。

まとめ

詐欺は意外と身近な犯罪です。

意思を持って相手を騙そうとしていなくても、お釣りが多いと認識しつつ受け取り、その旨を告げなければ不作為による詐欺が成立します。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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