銃刀法違反で逮捕された際の罰則と銃刀法で規定されている禁止事項とは

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
銃刀法違反で逮捕された際の罰則と銃刀法で規定されている禁止事項とは

ニュースや警察24時等のテレビ番組でも、たまに銃刀法違反の事件が取り上げられ、逮捕者が出ている事を耳にする人も少なくないと思います。

銃刀法の正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法(じゅうほうとうけんるいしょじとうとりしまりほう)」といい、略して銃刀法と呼ばれています。

銃刀法では許可なく拳銃を所持することは禁止されていたり、正当な理由がなく刃物を所持したりしてはいけないことは知られていますが、ここでは改めて詳しく銃刀法で禁止されていることや、罰則などについて書いていきたいと思います。

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銃刀法で禁止されている行為

銃刀法で禁止されている行為まずは銃刀法で禁止されている行為について、書いていきたいと思います。

銃砲や刃物の所持

まず拳銃などの銃砲と、刃物等の刀剣類の所持が禁止されており、銃刀法でいう銃砲というのは銃刀法第2条に定められています。

第2条 この法律において「銃砲」とは、けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)をいう。

引用:銃刀法第2条(定義)

エアガン等は銃刀法に違反しないのか?

本物の拳銃等を所持するのは当然いけないことですが、単純な疑問として市販されているエアガンや電動ガンは違反にならないのでしょうか。結論から言うと、市販されているエアガンや電動ガンは所持していても銃刀法違反にはなりません。

銃刀法の第21条の3ではこのように定められています。

第21条の3 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、準空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃であつて空気銃に該当しないもののうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人を傷害し得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ)を所持してはならない。

引用:銃刀法第21条の3(準空気銃の所持の禁止)

準空気銃とは?

難しく書いてあるので簡単に説明すると、ここでいう準空気銃というのは「人の生命には危険を及ぼさないが人を傷害し得る威力」を持つものを指します。

人に傷害を与える威力の基準は0.98ジュールが上限とされていて、これを超える威力を持つエアガン等は準空気銃に分類され、所持することは禁止されています。

どのくらいの威力といいますと、エアガンで使うBB弾が100gだとして、そのBB弾を約1メートル飛ばす力を1ジュールとなっています。本来のBB弾の重さは0.2gか0.25gなのでもっと飛びますが、簡単にそのようにイメージしていただければと思います。

銃砲や刃物の所持市販されているエアガンは、これらの基準以下の威力となっているので銃刀法に違反はしていませんが、これらを改造したりして威力を上げると銃刀法に違反することになります。

拳銃等の発砲・輸入等

けん銃等の銃砲等を所持するのはもちろんですが、けん銃等の発砲や輸入、譲渡等も禁止されています。また、けん銃の部品や実包等の所持、輸入、譲渡も禁止されています。

刃物の取締り基準

銃刀法第22条にて刃物等の所持についてこう定められています。

銃刀法第22条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃物の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。

ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが8センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りではない。

引用:銃刀法第22条(刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)

つまり、6センチメートルを超えるような刃物は正当な理由がない限り持ち歩いては行けないということです。よく護身用と言う理由で持っている人を警察24時などのテレビ番組で見かけますが、護身用というのは正当な理由には当たらないことになっています。

軽犯罪法の規定

銃刀法では6センチメートル以上の刃物の携帯を禁止していますが、6センチメートル未満であれば大丈夫なのかというとそうではありません。軽犯罪法にて以下のように規定があります。

軽犯罪法1条 左の各号の一外とする者は、これを拘留又は科料に処する。

同法1条2号 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

引用元:軽犯罪法第1条2号

つまり、銃刀法に該当しないものでも取締りの対象になるということです。

例えば、ツールナイフや十徳ナイフ、メリケンサックをアクセサリー感覚で携帯していても取締りの対象になりうるということです。

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銃刀法の罰則規定

銃刀法の罰則規定銃刀法で禁止されていることがお分かりいただけたと思いますが、それら禁止事項に規定されている罰則規定について書いて行こうと思います。

けん銃等本体に関する罰則規定

  1. けん銃等の所持…1年以上10年以下の懲役
  2. けん銃等の輸入…3年以上の有期懲役(営利目的の場合は、無期若しくは5年以上の有期懲役、又は1,000万円以下の罰金併科)
  3. 加重所持(けん銃とその銃に使える実弾の両方を持っていた場合)…3年以上の有期懲役
  4. けん銃などの譲渡し等…1年以上10年以下の懲役(営利目的の場合は3年以上の有期懲役、又は500万円以下の罰金併科)
  5. けん銃等の輸入予備…5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  6. 輸入資金提供等…5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  7. けん銃等の譲渡し等の周旋…3年以下の懲役

部品に関する罰則規定

  1. けん銃部品の輸入…5年に以下の懲役又は100万円以下の罰金
  2. けん銃部品の所持…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  3. けん銃部品の譲渡し等…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  4. けん銃部品の譲渡しの周旋…1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

けん銃の実包に関する罰則規定

  1. けん銃実包の輸入…7年以下の懲役又は200万円以下の罰金(営利目的の場合は10年以下の懲役、又は300万円以下の罰金併科)
  2. けん銃実包の所持…5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  3. けん銃実包の譲渡し、譲受け…5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(営利目的の場合は7年以下の懲役、又は200万円以下の罰金併科)
  4. けん銃実包の譲渡し、譲受けの周旋…2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

所持が許可される基準

これまで銃刀法で禁止されていることなどを説明してきましたが、本来所持してはいけないけん銃や日本刀等を所持しようとするときは各都道府県の公安委員会に許可をもらわないといけません。

予備知識として、銃刀法に規定されている銃砲刀剣類の所持を許可してはいけない基準について取り上げたいと思います。

  1. 18歳未満の者(1部の銃砲については14歳未満の者)
  2. 精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他銃砲又は刀剣類の適性な取扱いに支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものにかかっている者
  3. アルコール、麻薬、大麻、アヘン又は覚醒剤の中毒者
  4. 自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者(責任能力がない者、心神喪失者)
  5. 住居の定まらない者
  6. 許可を取り消された日や、この法律によって処罰された日から起算して5年を経過していない者など
  7. 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行う恐れがあると認めるに足りる相当な理由がある者
  8. 他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害する恐れがあると認めるに足りる相当な理由がある者

銃刀法違反で逮捕された後の手続きの流れ

銃刀法違反で逮捕された後の手続きの流れ基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、

次のような流れで進みます。

  • 警察による逮捕:最長48時間
  • 検察庁への送致:最長24時間
  • 勾留:原則10日、延長の場合最大20日
  • 起訴・不起訴の判断

詳細は『警察に逮捕されるまでの流れと逮捕後の流れまとめ』をご確認下さい。

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まとめ

普通に生活していれば拳銃や日本刀等を所持する機会というのはほぼありませんが、人によってはエアガンなどが好きで改造したり、アクセサリー感覚でツールナイフ等を持ち歩いている人もいるかもしれません。

もしかしたら知らないうちに銃刀法に違反していたり、銃刀法には違反していなくても軽犯罪法に違反して取締りの対象になっているかもしれません。

銃刀法の罰則規定を見ていただいてもお分かりいただける通り、重い罰則になっています。初犯であれば罰金刑になることも多いようですが、仮に逮捕されてしまった場合はいち早く弁護士に相談し弁護活動してもらう必要があるでしょう。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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