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KL2020・OD・037
淫行(いんこう)とは、未成年に対する性交その他わいせつ行為全般を指し、青少年保護育成条例、児童福祉法、児童ポルノ禁止法などにより規制されています。
この記事では、未成年との性行為等のペナルティについて紹介します。
18歳未満の者との間に肉体関係を持つことは、条例等で禁止されています。状況次第では、逮捕されてしまうかもしれません。
もし未成年者と性的関係を持ったことが発覚した場合には、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。
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目次
実は淫行は、法律上の定義がありません。しかし、判例によって、青少年を脅して従わせたり、だましたり、誘惑するなどして、心身の未熟さに乗じて不当な手段によって性交渉または性交類似行為をさせたほか、自分の性的欲求を満たすために性交渉または性交類似行為と解釈されています。
条例などでは、上記のような書き方ではなく「みだらな性行為又はわいせつな行為」と記載されているます。
最高裁判例は淫行について非常に幅のある解釈を示しており、自由恋愛に基づく性行為等が「淫行」となるのかどうか、境目が非常に曖昧です。
上記判例を形式的に見れば、真摯な恋愛感情に基づく性行為やわいせつな行為は 、「心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う」といえません。また「自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような」ものでもないとして、「淫行」ではないという判断も不可能ではないでしょう。
しかし何をもって「真摯な恋愛感情に基づく」ものといえるのか、明確に言及されていません。たとえば夫婦関係があれば、「真摯な恋愛感情に基づく」等はいいやすいのかもしれませんが、婚姻関係という条件を満たす必要があります。
実務的には、未成年との性交等を「真摯な恋愛感情に基づくもの」と弁解しても、ほとんど通用しないのが実情です。もちろん逮捕後の捜査により、「真摯な恋愛感情に基づくもの」である可能性が否定できない場合、起訴されない可能性もあります。
しかし基本的には、18歳未満の者との間で肉体関係を持つことは、夫婦関係にあるなどの特殊な状況でない限り、刑事事件として立件されるリスクがあると考えたほうが無難です。
参照元:【児童ポルノ事件】 検挙件数・検挙人員・被害児童数の推移|警察庁
ここ10年あまり、淫行の被害児童数、検挙件数自体は減少傾向にあります。最近の淫行の特徴としては、会員制交流サイト(SNS)やチャットアプリで出会ったとされる事件が多いことです。
2019.7.4付の産経新聞で報道された北海道の事案では、陸上自衛隊の男性陸士長と女子中学生の出会いのきっかけもSNSでした。また、加害者に医師、教師、警察官など、比較的お堅いとされる職業が目立ちます。
2020.3.9付の産経新聞によれば茨城県警の40代の巡査部長が千葉県在住の女子中学生との淫行で、また2020.7.15付の毎日新聞によれば神奈川県葉山町の元副町長が横浜市内在住の女子生徒との淫行で、それぞれ逮捕されました。
加えて、被害者と加害者の性別の多様化が見られるのが特徴の一つです。以前は淫行の加害者は男性で被害者は女性であることがほとんどでした。
2018年に報道された教え子だった男子高校生と公立中学校の女性教諭の淫行事件など男性が被害者で女性が加害者となる事案、また同じく2018年に高校生を含む18歳以下の男性5人に自宅でわいせつな行為をさせたとして千葉県の30代会社員が逮捕された事案など、加害者も被害者も男性である事案などが報道されています。
淫行の被害児童と加害者が出会うきっかけとして、以前は出会い系サイトが大半を占めていました。
ところが携帯電話やスマートフォンの所持率が上昇するにつれてSNSで出会う割合が増え、現在ではほぼ全員がSNSを出会いのきっかけとしています。
中でもTwitterをきっかけとした被害が約4割と突出しています。被害児童と加害者が会った理由としては「金品目的」が最も多く30%を占めています。最初から「性的関係目的」で会ったのは13.4%に過ぎません。
それよりも「交遊目的」「優しかった、相談に乗ってくれた」「寂しかった」など、児童側としては単なるコミュニケーション目的で会っただけ、というケースが35%を占めていました。
成人が刑事事件で逮捕された場合の基本的な流れは上記のとおりです。
逮捕から検察官送致までは48時間以内、検察官送致から勾留請求までは24時間以内とされています。。
裁判所が勾留を認めた場合は最大10日間(延長を含めると最大20日間)の身体拘束を受けることになります。
詳細記事:逮捕されるまでとされた後の流れ|逮捕されてしまった時にすべきこと
検察官は身体拘束期間中に起訴する必要があるかを判断し、必要だと判断した場合起訴します。起訴されると刑事裁判が開始され、裁判で有罪になれば刑罰を言い渡されます。
刑事裁判の有罪率は統計上は99.9%と言われているので、起訴された場合はたとえ犯罪事実を否定していても無罪となる可能性は低いのが実情です。
未成年者であることを認識して性的関係を持ったことが事実であれば、事実を素直に認めて捜査に協力するべきでしょう。
また、被害児童やその保護者に対して示談を通じて少しでも被害弁償をすることも積極的に検討するべきでしょう。
なお、加害者は被害児童やその保護者の連絡先を知らないことも少なく有りませんので、実際にこのような示談処理を進める場合には弁護人のサポートを受けることは必須と思われます。
他方、未成年者であることを全く認識していなかったような場合には、その点はきちんと弁解するべきでしょう。18歳未満の未成年者と性的関係をもっても、加害者において相手が18歳未満であることについて認識がなければ犯罪は成立しません。
もっとも、18歳未満と認識していたかどうかは客観的状況から判断されますので、加害者が「自分は18歳未満とは知らなかった」と主張しても、客観的状況から認識していて然るべきというような場合には、刑事責任を問われる可能性があります。
この点は犯罪の成否に関わる重要なポイントですので、弁護人と相談しながら対応について慎重に検討するべきでしょう。なお、18歳未満と性的関係を持つ行為は、たとえ相手が同意していても基本的には犯罪となります。相手との関係が誠実なもので、個人的には「付き合っている」「恋愛関係にある」という感覚であっても直ちに犯罪性が否定されるものでもありません。そのため、18歳未満の未成年とは基本的に性的関係を持ってはならないと考えるべきでしょう。また、相手の飲酒酩酊等に乗じて性的関係を持つことは、準強制成功や準強制わいせつ等の深刻な犯罪行為に問われかねませんので、絶対にしてはいけません。
青少年健全育成条例、児童福祉法、児童ポルノ禁止法の保護対象となる青少年や児童は異性関係にある者に限定していません。
したがって、相手が18歳未満であれば異性であるか同性であるかは関係ありません。
あなたの家族が淫行の疑いで逮捕されてしまった場合は、本人と面会して状況の説明を求めるとともに私選弁護人への相談も検討するべきでしょう。
また、このような性犯罪は再犯率が非常に高い犯罪であると言われています。家族として再犯を防止するための具体的取組についても真剣に検討しなければならないと思われます。
インターネットを通じて児童が性犯罪に巻き込まれるケースが増えていることから、捜査機関も児童淫行等については力を入れていると言われています。そのため、軽い気持ちで18歳未満の未成年と性的関係を持ってしまい、取り返しのつかないペナルティを受けてしまうことも十分考えられます。18歳未満の未成年とは絶対に性的関係を持たないよう、気をつけましょう。
もし未成年と性的関係を持ってしまい不安であるという方は下のボタンからサイト上で弁護士に気軽に無料で質問や相談ができます。
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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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