放火罪の重さとは?刑罰の内容や逮捕後に弁護士ができることを解説

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
放火罪の重さとは?刑罰の内容や逮捕後に弁護士ができることを解説

放火で逮捕された場合、“現住建物等放火罪”、“建造物等放火罪”などの罪に問われ、2年以上の有期懲役や、死刑になる可能性もあります。

秋から冬にかけては火災のニュースをよく目にしますが、火災の原因には放火によるものも多く、何件も不審火が続いたことから逮捕に至るケースも珍しくありません。

有名なケースを紹介すると、“ドン・キホーテ浦和花月店放火事件”といって、店員3名が焼死、8名が負傷する惨事となった事件があります。

放火で逮捕された人の言い分には「むしゃくしゃして火をつけた。」「燃えるかどうか試してみたかった。」といったものがありますが、軽い気持ちで犯行に至ってしまうと取り返しのつかない事態を招くこともあります。

今回は、放火に関するさまざまな罪と、放火で逮捕されるケースや逮捕後の手続きの流れについてご紹介します。

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放火罪の重さ・罰則について

放火罪の重さ・罰則について

放火で逮捕された場合、考えられる罰則は大きく分けて2種類あり、それぞれ細かく見ていくと13の罪に問われる可能性があります。

 

 

 

 

 

放火罪

現住建造物等放火罪(刑法108条)

人が居住、使用している、人がいる建物・電車・新幹線等大多数が利用する場所への放火

非現住建造物等放火罪(刑法109条)

出入り可能だが、人がいない建造物(空き家・物置・倉庫等)

建物等以外放火罪(刑法110条)

自動車・オートバイ・犬小屋・家具・ゴミ

延焼罪(刑法111条)

自己の所有物に着火後、他人の所有物および財産と見なされるものへ燃え広がった場合に成立

故意か否かに関しては、着火時に周囲へ燃え広がることを予見できるかどうかで成立する可能性がある

放火未遂罪(刑法112条)

現住建造物等・他人所有の非現住建造物等・保険に加入等している自己所有の建造物等へ着火し、焼損に至らなかった場合

放火予備罪(刑法113条)

現住建造物等・他人所有の非現住建造物等・保険に加入等している自己所有の建造物等へ放火する目的で道具などの準備をしていた場合

実際に着手すれば放火罪・燃え広がれば延焼罪・着火しても焼損に至らなければ放火未遂罪

消火妨害罪(刑法114条)

火災の際に消火行為を妨害・消火用の道具を隠匿・損壊した場合

失火罪

失火罪(刑法116条)

現住建造物等・他人所有の非現住建造物等へ過失の結果、焼損および公共の危険を生じさせた場合

激発物破裂罪(刑法117条)

火薬やボイラー・ガスなどを破裂・爆発させて、現住建造物等・他人所有の非現住建造物等を損壊した場合

不注意で起こした場合は過失激発物破裂罪に該当

業務上失火罪(刑法117条の2)

レストランなど職業上、火気の安全に配慮すべき者が失火により人のいる現住建造物等、過失の結果焼損および公共の危険を生じた場合

重過失失火罪(刑法117条の2)

重過失激発物破裂罪(刑法117条の2)

被害の規模を問わず失火により焼損を発生させた際、その過失の程度が重大である・事故を予見できたのに必要な注意義務を怠った場合に上記の罪に加重される可能性がある

ガス漏出等及び同致死傷罪(刑法118条)

ガスや電気などを漏出・遮断などして他人の身体または財産に危険を生じさせたり、死傷させた場合

放火をして逮捕された後の流れ

放火をして逮捕された後の流れ

基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、

次のような流れで進みます。

  • 警察による逮捕:最長48時間
  • 検察庁への送致:最長24時間
  • 勾留:原則10日、延長の場合最大20日
  • 起訴・不起訴の判断

放火罪における起訴・不起訴について

放火罪において不起訴になるケースや、起訴された後に執行猶予がつくケースについて確認しましょう。

不起訴になるケースとは

放火未遂である・被疑者が放火したという十分な証拠が得られないなどで不起訴処分が下されたケースもあります。

2017年に起きた幼稚園の放火未遂事件では、逮捕された女性教諭に対し、起訴に足りる放火の証拠が得られなかったため、嫌疑不十分とし不起訴処分が下されています。

同じく2017年に起きた自宅放火未遂事件では“諸事情を考慮し”逮捕された男性に対し、起訴猶予処分が下されています。

しかし、放火は重大犯罪であるため、不起訴となるケースはまれかもしれません。焼損対象が深刻(現住建造物等)であり、放火の証拠も十分であれば、ほぼ確実に起訴されます。

起訴された場合執行猶予はつくか

起訴された場合は刑事裁判で起訴事実の有無が認定され、裁判所によって被告人の有罪・無罪、有罪の場合の刑罰が決定されます。

懲役刑には執行猶予がつく場合がありますが、これには条件があり、起訴された罪が懲役や禁固3年以下または50万円以内の罰金のときに限られます。

放火や殺人は短期5年以上の懲役刑であるため、減刑事由によって減刑がされない限り執行猶予がつくことはありません。(刑法 第25条)

例えば、次のようなケースでは執行猶予がつく可能性があります。

  • 犯行時心神耗弱状態だった
  • 人が死傷しておらず、焼損の規模が小さい
  • 初犯で強く反省している
  • 被害者と示談が成立している
  • 再犯の可能性が低い

放火で逮捕された場合は弁護士への依頼がおすすめ

放火で逮捕された場合は弁護士への依頼がおすすめ

放火の法定刑は重く、実刑を受ける可能性も高いです。そのため、ご家族・友人知人の力だけでは解決に導くのが難しいでしょう。

放火の場合は被疑者国選または被告人国選弁護人がつくのが通常ですが、国選弁護人で不安という場合は私選弁護人に依頼することをおすすめします。

ここでは、弁護士の役割や弁護士費用の相場についてお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

逮捕後の弁護士の役割

もし、放火で逮捕されてしまった場合、逮捕から検察で身柄の処分が下されるまでの72時間は行動が制限され、外部と連絡を取ることはできません。

弁護士だけが被疑者と面会(接見)することが可能であり、接見を行い今後の弁護方針を立てます。

逮捕後の被疑者は孤独で不安な状況ですので、弁護士が味方となってくれるのは非常に心強く感じることでしょう。

弁護士は弁護活動だけではなく、被害者との示談交渉や検察との交渉も行ってくれます。

示談交渉

放火未遂はもちろん放火の場合でも被害の程度が低く、被害者との示談が可能であれば、弁護士を通して示談交渉を行いましょう。

被害者の感情もあるので、間に弁護士が入ることでスムーズな交渉が期待できます。

量刑も示談に左右されるため、示談を行いしっかりと反省を示すことが重要です。

勾留阻止

現住建造物等放火罪など重い罪の場合は、検察に送検された後も勾留されることが予想できます。

過去5年の犯罪白書の“被疑者の逮捕と勾留”にある“検察庁既済事件の身柄状況(罪名別)”の図から勾留請求却下率や勾留容認率を見ますと、放火や殺人など重罪に関する勾留請求の容認率は100%近くに上っていることがわかります。

勾留に対して不服を申し立てることは可能ですが、重い罪である以上、弁護士が行ってくれる勾留阻止も認められる確率は低いようです。

弁護士へ依頼するタイミング

弁護士への依頼は、放火をしてしまい、逮捕されそうな段階から可能です。

特に、刑事事件は限られた時間の中で進行していくため、早急に依頼することで、望んだ結果を実現しやすくなるでしょう。

逮捕直後であれば、逮捕後一度だけ相談可能な当番弁護士に依頼をし、アドバイスを受けることも可能です。

仮に起訴された後に依頼したとしても、公判が始まるまでの間に被害者との示談など打てる手もあるので、諦めずに依頼してみることをおすすめします。

依頼可能な弁護士

当番弁護士

逮捕後1度だけ無料で相談可能な弁護士

私選弁護人

費用を払って自分や身内・知人などが選任して依頼する弁護士

国選弁護人

原則起訴後に依頼可能

資産が50万円を下回り、弁護士に依頼できない場合、国が費用を負担してくれる弁護士

上記が依頼可能な弁護士です。

逮捕直後であれば、当番弁護士に依頼し今後の相談やアドバイスを聞くとよいでしょう。

また、当番弁護士に費用を支払って、私選弁護人に選任することも可能です。

弁護士費用の相場

弁護士費用は相談料・着手金・接見費用・成功報酬・日当・実費などによって構成されています。

着手金、成功報酬はそれぞれ30万円~40万円がかかり、合計60万円~80万円が相場です。

事務所によって次のような違いがあるので、事前に確認しましょう。

  • 成功報酬に着手金が含まれている
  • 示談金や不起訴など個別に金額が設定されている
  • 出廷すれば日当や交通費などの実費が請求される
  • 接見費用に交通費が含まれている

相談料は30分5,000円が相場ですが、今は初回もしくは最初の30分を無料にしている弁護士事務所も多く、実際に相談すれば対応を見ることもできるのでおすすめです。

時系列や聞きたいことを整理して相談を行えばスムーズに進めることができるでしょう。

起訴された場合の弁護活動について

放火の場合は、解釈の仕方により罪が軽減できる可能性があります。

  • 放火の被害規模から器物損壊罪が適用可能か
  • 燃え移った建造物が現住建造物等との認識の有無

仮に起訴されてしまったとしても、弁護士に依頼し適切な弁護活動を行ってもらいましょう。

まとめ

放火罪は、公共の危険すなわち社会に対する罪という側面があります。放火対象が大きくても小さくても罪は同じ。一律に重い処罰が規定されています。

放火罪で有罪となった場合懲役刑(場合によっては実刑判決)を宣告されるのが通常です。

もし放火にかかわってしまった場合には、放火した事実を素直に話して、真摯に罪と向き合うことが大切です。

同様の罪を繰り返し、自身の力だけでやめることができないのであれば、カウンセリングなどを受けるようにしましょう。

また、放火の度合いや結果が重大であり深く反省をしている場合は、弁護士へ相談し、適切な弁護活動を行ってもらうことで、早期解決が見込めるかもしれません。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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編集部

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