公文書偽造罪の構成要件と逮捕された際の流れ|私文書偽造との相違点

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文書偽造が罪になるというのは大抵の大人が知っていることですが、実は、文書偽造の罪には大きく分けて「公文書偽造罪」と「私文書偽造罪」があり、さらにそれぞれの偽造文書罪は行為の内容ごとに罪名が違うということをご存じの方は少ないのではないでしょうか。

公文書偽造罪とは、公務員や公務所がその名義をもって権限内で所定の形式に従って作成した文書等を偽造・変造した際に問われる罪で、身近な例だと運転免許証の偽造や公立学校の卒業証書の偽造などが分かりやすいかと思います。

また、公務員等の身分を有する人であっても、その権限を濫用して不正な変更を加えて虚偽の内容の公文書を作成すれば、公文書偽造罪に該当することになります。

今回は、公文書偽造罪の構成要件などの基本的な知識と、混同しやすい私文書偽造罪との違いについてご紹介いたします。


 


文書偽造の罪の基礎知識

まずは、文書偽造の罪についての基礎知識を整理していきましょう。

文書偽造に関する罪は、刑法154条~161条に規定されており、保護法益は「文書に対する社会の公共的信用」であり、名義人の個人的利益ではありません。

そのため、偽造文書を作出すること自体が罪になり(挙動犯)、偽造文書を作った結果実害が生じたか否かは問題にならない犯罪です。

ここでは、文書偽造の罪を考えるにあたって押さえておくべきポイントをご紹介いたします。

文書とは何か

文書偽造罪における「文書」は、文字その他可読的な発音記号を用いて表示された文書(一般的な文書)と、可視的な象形的方法を用いて表示された図画が対象とされています。

そして、この文書の判断は①可読性②永続性③文書内容の証拠としての重要性という3つの観点から行われます。

具体例

文書にあたるか

録音など記録された音声による意思表示

×

①を満たさない

砂の上に書かれた文字

×

②を満たすが②を満たさない

黒板に白墨で書かれた文字

※ただし③を満たす場合

単に思想を表示したにすぎない小説・書画

×

①②を満たすが③を満たさない


文書の形式による区別

さらに、文書偽造罪の文書は「有印」文書と「無印」文書に分かれます。

これは単純に文書に署名(記名)または印章があるか否かでの区別で、住民票や処方箋など署名・印章が入っているものは「有印」文書、それがない文書が「無印」文書にあたります。

基本的には署名か印章かどちらかしか入っていない場合でも「有印」文書になりますが、両方入っていても無印文書と判断されるケースもあります(最決昭和45年9月4日)。

成立過程による区別

また、文書には「公文書」と「私文書」という区別方法があり、これが「公文書偽造罪」と「私文書偽造罪」の違いになります。


公文書

私文書

対象となる文書

公務所もしくは公務員の印章もしくは署名・記名を使用した、公務所もしくは公務員の作成すべき文書・図画

(公務所または公務員がその名義をもって権限内で所定の形式に従って作成すべき文書または図画)

公務所もしくは公務員でない他人の印章もしくは署名を使用した、権利・義務・事実証明に関する文書・図画

具体例

  • 住民票
  • 運転免許証
  • 旧国鉄の駅名札 など
  • 借用証書
  • 申請書
  • 処方箋 など


大雑把に言えば、「公文書」は公務所や公務員が所定の形式に従って作成すべき文書のことをいい、「私文書」はそれ以外の文書ということになります。


被害者(告訴権者)は誰か

文書偽造の罪は、「文書に対する社会の公共的信用」が害されたことを処罰根拠とすることから、被害者がいないケースも珍しくありません。

こういった場合に誰が告訴権者になるかというと、基本的には刑事訴訟法の原則によって判断されます。


第二百三十条  犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。

第二百三十一条  被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。

2  被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。

第二百三十二条  被害者の法定代理人が被疑者であるとき、被疑者の配偶者であるとき、又は被疑者の四親等内の血族若しくは三親等内の姻族であるときは、被害者の親族は、独立して告訴をすることができる。

第二百三十三条  死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫は、告訴をすることができる。

2  名誉を毀損した罪について被害者が告訴をしないで死亡したときも、前項と同様である。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。

第二百三十四条  親告罪について告訴をすることができる者がない場合には、検察官は、利害関係人の申立により告訴をすることができる者を指定することができる。

(引用元:刑事訴訟法230条~234条

つまり、文書偽造罪で告訴権者として考えられるのは、偽造文書が使用された際の相手方や、文書偽造の際に名義を冒用された名義人などです。


文書偽造と詐欺の区別

例えば人を騙して偽造文書を作成した場合に、文書偽造罪(間接正犯)と詐欺罪のどちらが成立するかが問題になることがあります。

このとき、両者の区別としては「騙された人が文書の内容を理解していたか否か」が重視されることになります。

例えば非識字者に対して「領収書を作ったのでサインしてほしい」と言って借用証書に署名させた場合には、文書の内容を偽って文書を作成させたと言えるので、私文書偽造罪が成立します。

しかし、手形を振り出す必要がないのにあるものと誤信させて手形を振り出させた場合には、文書の内容を理解した上で作成させたと言えるので、詐欺罪となります。

同姓同名の他人がいる場合に自分名義の文書を作成すると罪になるか

また、同姓同名の他人の名前を冒用して自分名義の文書を作成した場合にも、文書偽造罪が成立する可能性があります。

文書偽造罪の原則として、文書から判断される作成名義人と実際の作成者との間に人格的同一性が認められる場合には、無形偽造となり文書偽造罪が成立しないとされていますが、同姓同名の他人の肩書きを付したことでこれらが別人格となることが明らかである場合には、例外的に文書偽造罪が成立することになります。


東京在住のアシロ太郎は大阪に同姓同名のアシロ太郎弁護士がいることを知り、自分の借金の取り立てをストップさせようと債権者に「弁護士 アシロ太郎」の名前で内容証明郵便を送ったとします。

この場合、文書上では弁護士という肩書きが重要な意味を持ちますので有印私文書偽造が問題になります。

しかし、アシロ太郎が旅行先の北海道で宿泊する際に「弁護士 アシロ太郎」の名義で宿泊カードを記載した場合には、弁護士という肩書きは重要ではありませんから、文書偽造罪にならない可能性があるといえます。

偽造と変造の違い

文書偽造罪では、「偽造罪」と「変造罪」が設けられており、作成された文書の内容によってどちらの罪になるかが変わってきます。ここでいう「偽造」とは、作成権限を有しない人が、他人名義を冒用して文書を作成することをいいます。

実質的に名義人と作成者の人格の同一性に齟齬がある場合、偽造と判断されることになりますが(最判昭和59年2月17日、最決平成5年10月5日)、前述の肩書きの冒用事案などでは、その文書における肩書きが重要な意味を持つか否かによって、名義人と作成者との人格が同一性を持っている場合でも例外的に「偽造」とされるケースもあります。

これに対し「変造」とは、真正文書に変更を加える権限のない人が他人名義の真正文書の非本質部分に変更を加え、新たな証明力を作出することをいいます。

例えば、「1万円」と書かれた文書に0を足して「10万円」とするのが変造にあたりますが、単に文書の効用を害したに過ぎない場合(例:1万円と書かれた部分を消してしまったなど)には、文書毀棄罪(刑法258条・259条)の問題になるので注意しましょう。


公文書偽造罪の種類と構成要件

公文書偽造罪とは、「行使の目的で」「公務所もしくは公務員の印章や署名を利用し」「公務所もしくは公務員の作成すべき文書等を」「偽造・変造したこと」によって成立します。

(詔書偽造等)

第百五十四条  行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

2  御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。

(公文書偽造等)

第百五十五条  行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

2  公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

3  前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(虚偽公文書作成等)

第百五十六条  公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

(公正証書原本不実記載等)

第百五十七条  公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2  公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪の未遂は、罰する。

(偽造公文書行使等)

第百五十八条  第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。

2  前項の罪の未遂は、罰する。

引用:刑法154条~158条

まずは、公文書偽造罪がどのような罪なのかについて、種類ごとにご説明いたします。

詔書偽造罪・詔書変造罪

刑法154条に定められた、公文書のうち特に天皇名義で作成された文書について偽造・変造を行った際の罪です。

天皇名義で作成される文書は保護の必要性が高いため、一般の文書と比べて法定刑が重く(無期または3年以上の懲役)なっていますが、そもそも問題になることが少ない罪でもあります。

有印公文書偽造罪・有印公文書変造罪

刑法155条1項・2項で規定された、公文書の有形偽造についての罪です。

構成要件

  1. 行使の目的をもって
  2. 公務所・公務員の印章・署名を使用して
  3. 公文書・公図画を偽造・変造すること

または

  1. 行使の目的をもって
  2. 偽造した公務所・公務員の印章・署名を使用して
  3. 公文書・公図画を偽造・変造すること

ポイント

「印章」とは、公務所または公務員の人格を表象するために物体上に顕出された文字・符号の影蹟をいいます。分かりやすく言えば、公務所や公務員が公務上の印として使用するもので、私印でも職印でも構いません。

ちなみに、「署名」には自署のほか記名(印刷やゴム印等による名称の表記)も含まれるとされています(大判大正4年10月20日)。

無印公文書偽造罪・無印公文書変造罪

刑法155条3項で規定された、公文書の有形偽造についての罪です。

有印公文書以外の公文書・公図画を対象にしたもので、要は「印章・署名」を使用しない偽造・変造のことと思っていただければ良いでしょう。

虚偽公文書作成罪・虚偽公文書変造罪

刑法156条に規定された、「当該文書の作成権限を有する公務員」が職務に関して虚偽の文書もしくは図画を作成・変造した際の罪です。

基本的には当該文書の作成権限を有する公務員が行為主体になる真正身分犯ですが、補助公務員についても実質的作成権限を有する場合には、虚偽公文書作成・変造の罪の成立を肯定しています(最判昭和51年5月6日)。

公正証書原本不実記載罪

刑法157条1項に規定された、公正証書の原本に不実の記載をさせるなどの行為についての罪です。

公務員に対して虚偽の申立てをし、登記簿、戸籍簿、その他公正証書の原本(電磁的記録を含む)に不実の記載をさせる行為が処罰対象になります。

免状等不実記載罪

刑法157条2項に規定された、免状、鑑札または旅券に不実の記載をさせるなどの行為についての罪です。

公務員に対して虚偽の申立てをし、免状、鑑札、旅券に不実の記載をさせたり、虚偽記載のされたこれらのものの交付を受ける行為が処罰対象になります。

なお、本罪が成立する場合は別途詐欺罪が成立しないことになっています(最判昭和27年12月25日)。


公文書偽造罪の具体例と判例

公文書偽造罪についての基本的な知識はお分かりいただけたかと思いますが、ここからは、公文書偽造罪の具体例と判例をご紹介していきたいと思います。


公務員の記名と公印押捺部分をコピーして供託金受領証を作成したケース(最判昭和51年4月30日)

これは、法務局供託官の作成した供託金受領証から供託官の記名と公印押捺部分をコピーして新たな供託金受領証を作成し、これを配布・提出した事案で、写真コピーが文書にあたるのか、また文書にあたるとしてコピーの名義人が誰になるかが争われたものです。

裁判所は、

「公文書偽造罪は、公文書に対する公共的信用を保護法益とし、公文書が証明手段としてもつ社会的機能を保護し、社会生活の安定を図ろうとするものであるから、公文書偽造罪の客体となる文書は、

これを原本たる公文書そのものに限る根拠はなく、たとえ原本の写であつても、原本と同一の意識内容を保有し、証明文書としてこれと同様の社会的機能と信用性を有するものと認められる限り、これに含まれるものと解するのが相当である。

と判断した上でコピーの文書性を肯定し、「文書本来の性質上写真コピーが原本と同様の機能と信用性を有しえない場合を除き、公文書偽造罪の客体たりうるものであつて、

この場合においては、原本と同一の意識内容を保有する原本作成名義人作成名義の公文書と解すべきであり、また、右作成名義人の印章、署名の有無についても、写真コピーの上に印章、署名が複写されている以上、

これを写真コピーの保有する意識内容の場合と別異に解する理由はないから、原本作成名義人の印章、署名のある文書として公文書偽造罪の客体たりうるものと認めるのが相当である。」

として、写真コピーによる有印公文書偽造罪の成立を肯定しています。

  • 写真コピーの性質:原則として原本と同一の意識内容を保有し、証明文書として原本と同様の社会的機能と信用性を有する(=文書にあたる)
  • 写真コピーの名義人:原則として原本と同一の意識内容を保有する原本作成名義人作成名義の公文書にあたる(=有形偽造にあたる)


公務員に虚偽公文書作成を教唆したところ、公務員が公文書偽造をしたケース(最判昭和23年10月23日)

これは、Aが公務員Bを教唆し○○刑務所医務課長C名義の診断書一通を偽造させた事案ですが、裁判所は

「(虚偽公文書作成剤と公文書偽造罪の)この両者は犯罪の構成要件を異にするもその罪質を同じくするものであり且法定刑も同じである」し、「両者の動機目的は全く同一で(いずれもDの保釈のために必要な虚偽の診断書を取得するため)」、「被告人等は最初その目的を達する手段として刑法第百 五十六条の公文書無形偽造の罪を教唆することを共謀したが結局共謀者の一人たるAが公文書有形偽造教唆の手段を選びこれによつて遂に目的を達したものである」

から、Aには公文書偽造教唆の故意が認められると判断しています。


公立高校の教諭Xが偽造された同高等学校長名義のAの卒業証書をAの父Bに提示したケース(最決42年3月30日)

このケースでは、裁判所は「単にBを満足させる目的をもってなされたとしても、偽造公文書行使罪にあたる」と判断しています。

公文書偽造罪の場合は、特に公衆の信用が害されるか否かが焦点になりますので、文書本来の用法に従って使用する目的でなくても、誰かが真正な文書として誤信する危険があることを意識している以上は、行使の目的が肯定されるといえます。


公文書偽造で逮捕される流れ

公文書偽造罪は、文書を偽造している段階と偽造文書を使用した段階の2段階で発覚するリスクが高いと考えられます。

もちろん、警察の捜査によって公文書偽造罪が発覚するケースもあるのですが、私文書偽造罪と比べて対象文書が分かりやすく、偽造行為と文書の行使がセットで行われることが普通かと思われますので(例:運転免許証の偽造・行使など)、私文書偽造罪よりも犯罪成立が明確になる罪と言えるでしょう。


警察の捜査によって公文書偽造罪が発覚した場合には、あらかじめ裁判所に逮捕状を請求し、発布された逮捕状をもって逮捕に至ることが多いので(※もちろん現行犯逮捕等のケースもあります)、そのようなケースでは公文書偽造罪について充分な嫌疑があり、捜査もかなり進んだ状況であると言えるでしょう。


公文書偽造で逮捕された後の手続き

通常、罪を犯して逮捕されると、以下のような流れで手続きが進んでいきます。

逮捕後の手続きに関しては、刑法ではなく刑事訴訟法が規定しているので、ここで簡単にご紹介したいと思います。

まず、通常利用される逮捕は「通常逮捕」と「現行犯逮捕」で、逮捕手続きが適法になされると、被疑者は警察から検察へ送検されることになります。

参考:逮捕されるまでとされた後の流れ|逮捕されてしまった時にすべきこと

被疑者が送検されると、検察官は裁判所へ「勾留」を請求し、事件の取調べを進めることになります。このとき、勾留期間は最大で10日間ですが、1度だけ最大10日間の延長ができるようになっています。

そして、勾留期間が終わると検察官によって「起訴(公訴提起)」か「不起訴(起訴猶予や処分保留も含む)」かの結論が出されます。

参考:刑事事件の主な手続きの流れ|逮捕されてしまったときの対処法2選

なお、逮捕の際や逮捕後に違法な手続きがあった場合には、勾留に対する準抗告をしたり、裁判の際に違法収集証拠排除法則などを利用して、違法な逮捕・勾留であることを主張していくことになるでしょう。


公文書偽造罪の時効

公文書偽造罪にも公訴時効はありますが、罪の内容ごとに若干の違いがあります。


公訴時効については、刑事訴訟法250条によって、法定刑に応じて期限が定められています。

第二百五十条

時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一  無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年

二  長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年

三  前二号に掲げる罪以外の罪については十年

2  時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一  死刑に当たる罪については二十五年

二  無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年

三  長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年

四  長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年

五  長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年

六  長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

七  拘留又は科料に当たる罪については一年

引用元:刑事訴訟法250条

したがって、公文書偽造の罪の公訴時効は、以下のようになるでしょう。

罪名
(刑法条文)

法定刑

公訴時効

詔書偽造・変造

(154条)

無期または3年以上の懲役

15年

有印公文書偽造・変造

(155条1項・2項)

1年以上10年以下の懲役

7年

無印公文書偽造・変造

(155条3項)

3年以下の懲役または20万円以下の罰金

3年

虚偽公文書作成・変造

(156条)

155条と同じ

公正証書原本不実記載等

(157条1項)

5年以下の懲役または50万円以下の罰金

5年

公正証書原本不実記載等

(157条2項)

1年以下の懲役または20万円以下の罰金

3年


まとめ

いかがだったでしょうか。

公文書偽造罪は、公務員や公務所が作成した真正な文書の信用を保護するための規定です。近年はコピー技術も発達してコピー自体の信用性が高まり、官公署の証明書等のコピーを提出する機会も増えました。

適正に使用している分には偽造・変造の問題にはなりませんが、悪戯心などで安易に改変を加えると思わぬ処罰を受ける可能性がありますので、文書偽造の罪の基本だけは押さえておくのがおすすめです。

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

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本記事はあなたの弁護士を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。

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