DVで逮捕された場合の流れと対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
DVで逮捕された場合の流れと対処法

「家庭内問題を他人に相談するのは気が引ける…。」そう思われる方もいるかもしれませんが、ここ数年で警視庁へのDVに関する相談と検挙率は大きく増加しています。

 

DVの相談件数

DV原因の暴行等検挙数

平成24年

2,805

222

平成25年

2,821

205

平成26年

4,107

593

平成27年

4,971

843

平成28年

6,819

824

参考:配偶者からの暴力事件の概要|警視庁

この記事では年々増加を続けているDVと逮捕の関係性についてご紹介しますので、DV問題に警察が関わった場合どうなるのかを知りたい場合はぜひ参考にしてみて下さい。

◆知り合いがDVで逮捕されたしまった方へ

逮捕されてから72時間は一切の連絡手段が断たれてしまいます。
しかし、当番弁護士制度を利用すれば一度だけ弁護士を呼べることができるので、不利な状況にならないためにもこの制度を利用しましょう。
初回の相談料が無料の弁護士などもいますので、お近くの弁護士を探して相談してみましょう。

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DVで逮捕されたら取るべき対処法

DVで逮捕されたら取るべき対処法

まず弁護士を呼びたいと伝える

逮捕されてから72時間は外部とは一切の連絡手段が断たれてしまいますが、当番弁護士制度を利用すれば一度だけ無料で弁護士を呼ぶことができます。

この制度は警察からの一方的な取り調べにより、被疑者が不利な状況に陥らないために設立された救済制度です。取り調べを受ける前に弁護士のアドバイスを受けられれば、その後に取るべき最善の対応が分かるので必ず利用しましょう。

もし、自分で呼ぶのを忘れていても、取り調べの前に警察が「弁護士を呼びますか?」と必ず確認してくれます。費用がかかると勘違いして断ってしまう人が多いようですが、先ほどお伝えした通り初回は無料なので、安心して弁護士を呼びましょう。

ただ、当番弁護士に相談できるのは初回のみです。不起訴や減刑などを目指すためには継続的に弁護士の力が必要になります。

そういった場合は、私選弁護人をつけましょう。

【関連記事】

無料で呼べる当番弁護士制度の概要|メリットや2回目以降の費用を解説
私選弁護人とは|気になる費用・依頼・国選弁護人の切り替えについて

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黙秘権を活用する

当番弁護士制度を利用しても弁護士はすぐには駆け付けてくれないので、アドバイスを受ける前に尋問が始まってしまうケースが多いようです。もし弁護士と話す前に警察とやり取りをするのに不安を感じるようであれば黙秘権を活用しましょう。

被疑者には警察や検察での取り調べにおいて、自分が不利になるような供述を言わなくてよい権利が保証されています。

何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
○2  強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
○3  何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

引用:憲法38

被疑者は逮捕された直後だと気が動転しているため、警察はそんな中で少しでも供述をさせようと厳しい尋問をする場合があります。そんな状況で無理に話しても不利な状況に陥るだけなので、気が落ち着くまでは不用意な発言はしないようごお気を付け下さい。

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DVで逮捕された後はどうなる

DVで逮捕された後はどうなる

基本的にどのような容疑で逮捕されたとしても、次のような流れで進みます。

  • 警察による逮捕:最長48時間
  • 検察庁への送致:最長24時間
  • 勾留:原則10日、延長の場合最大20日
  • 起訴・不起訴の判断

詳細は『警察に逮捕されるまでの流れと逮捕後の流れまとめ』をご確認下さい。

勾留期間中に検察で起訴か不起訴が判断され、起訴されて有罪となった場合は下記の刑罰が与えられることになります。

 

暴行罪

傷害罪

懲役期間

最大2年

最大15年

罰金

30万円以下

50万円以下

会社はクビになるのか

会社の判断により対処は異なりますが、被疑者として長期間身体拘束を受けることとなった場合には普通解雇される可能性もあります。ただ、被害者と早急な示談が成立した場合や身体拘束が長期間とならない場合には解雇の有効性が否定されるケースもあろうかと思われます。

なお、逮捕されたということが会社に伝えられることはありませんので、逮捕期間の欠勤を上手く誤魔化せるのならば、逮捕の事実を会社に知られずに済ませることは可能です。

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DVが原因で逮捕になるケースとは

DVが原因で逮捕になるケースとは

110番で逮捕される可能性がある

DV被害者が大怪我を負っていたような深刻なケースでは、到着した警察官の判断で犯罪事実が明らかであれば、そのまま逮捕(緊急逮捕)となる可能性が。

また、そのような状況でなかったとしても、被害者から被害の申告がある場合には、任意同行を求められ、そのまま逮捕(通常逮捕)につながる可能性もあります。

ただ、DVのケースでは家庭内の問題であるうえ、被害者が大怪我を負っているということも少なく、通常は警察署での事情聴取を行い、注意や警告で終わるケースが多いと思われます。通報して警察が駆け付けたからといって必ず逮捕になるとは限りません。

被害届が提出される

被害届とDVの証拠が警察に提出され、捜査の結果、犯罪事実があると判断され、逮捕要件(逃亡・罪証隠滅のおそれ)も具備されたということであれば、逮捕手続が取られる可能性はあります。

被害者に怪我があるなら傷害罪の証拠として病院での診断書が有効ですが、怪我がない場合は暴行があった証拠として『録音テープ』『写真』『日記』『メモ』などが証拠になります。

ただ、刑事事件の証拠としては日記やメモは証拠価値が低く、録音テープや写真の有無が重要となってきます。

ちなみに、捜査は被害届が提出されたら必ず行われるわけではなく、証拠が不十分だと判断されると被害届の受理だけで捜査までは行われないケースも多々あります。

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DVの法律上の扱われ方

DVとは家庭内暴力(Domestic Violence)の略称ですが、暴力行為が家庭内で行われたからといって特別な扱いがあるわけではなりません。実は法律上ではDV罪というものは存在しないのです。

DVの大半は『暴行罪』もしくは『傷害罪』として扱われることになります。

  • 暴行罪:他者を暴行したが負傷等がないケース
  • 傷害罪:他者を暴行し負傷をさせたケース

例え両者が家族同士であってもれっきとした犯罪行為です。法律上では道端の知らない人に急に殴りかかるのと、夫婦喧嘩でカッとなって手をあげることは同じです。

ちなみに、暴行による怪我はなくてもDVの苦痛により被害者がうつ病になってしまった場合、少し特殊ですがこれも傷害罪として扱われることもあります。

【関連記事】

暴行罪で逮捕されてしまった場合の流れ|前科を付けない為にすべき事

傷害罪の要件と傷害罪で逮捕された後の流れ|起訴されない為に必要な事

まとめ

民事不介入と言ってもDVはれっきとした犯罪行為。通報や被害届を出されてしまえば、例え家族内の問題であっても逮捕されてしまうことがあります。

逮捕されるとパニックに陥ってしまうかもしれませんが、冷静に対処できれば拘束時間を短くしたり、刑罰を受けないで手続を終わらせることもできますので、決して焦らずに冷静に対処をしていきましょう。

【関連記事】DVの相談窓口7選|匿名や電話・メールで相談できる機関

 

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。第二東京弁護士会所属。

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