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KL2020・OD・037
仮釈放(かりしゃくほう)とは、刑務所などの矯正施設に収容されている人の中で一定の要件を満たした収容者を、収容期間満了前に仮に釈放する制度。
刑法 第28条に定められています。これによって更生の機会を与え、円滑な社会復帰を図るのが目的です。
釈放された後も刑期の満了までは保護観察対象として、受刑者は定期的に保護観察官や保護司と面接を行い、生活習慣を改善する義務を負います。
この記事では、刑事事件で服役している受刑者の仮釈放について解説します。
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目次
冒頭でも述べた通り、刑務所などの矯正施設に収容されている人の中で一定の要件を満たした収容者を、収容期間満了前に仮に釈放する制度です。
仮釈放後の受刑者は一定の仮釈放条件を遵守することと引き換えに身柄拘束が解かれます。
仮釈放条件には保護観察所に所属する保護司や、保護観察官による定期的な監督・指導を受けることなどが含まれますので、仮釈放後も刑期満了まで当該指導・監督が行われることになるでしょう。
ここでは仮釈放の概要、目的、仮釈放の運用率を解説します。
仮釈放は、収容されていた人に社会生活の機会を与え、更生や円滑な社会復帰を助けるための制度です。
後述する保護司などが、刑期満了まで毎月の面接や、生活習慣の改善、相談に対する助言などの保護観察を行います。
音韻が似ていて混同されがちなのが“保釈(ほしゃく)”。
どちらも身柄の解放という点では共通していますが、保釈は有罪判決を受けていない被告人に対する刑事訴訟法上の手続きであるのに対し、仮釈放は有罪判決が確定して刑の執行を受けている受刑者に対する身柄解放の手続きです。
より詳しく説明しますと、保釈とは逮捕、起訴された後も身体拘束を受けている被告人が裁判を受ける間、一定の保釈金の支払いを条件として一時的に身柄を解放してもらうという訴訟法上の制度です。
なお、保釈の場合、保釈条件を遵守しない場合に“保釈金”の全部または一部が没収されることがありますが、保釈条件を遵守して裁判をきちんと受ければ最終的に全額返還されます。
“被害者等通知制度”を申請すれば、加害者の仮釈放や仮退院審理、保護観察中の処遇状況に関する事項の通知を受けることが可能です。
通知対象者は、被害者、被害者の親族や親族に準ずる方、弁護士である代理人です。
ここでは法務省が公開しているデータを参考に、仮釈放の実態を解説します。
刑法第28条に定められている仮釈放が認められる条件は、下記とされています。
しかし実務的には仮釈放が認められるのは、刑期の約8割(刑の執行率が約80%)を服役してからというのが実態のようです。
法務省の2017(平成29)年の犯罪白書によりますと、2016(平成28)年の仮釈放率は57.9%、仮釈放が認められたのは13,260名でした。
仮釈放は、定められた法定刑の執行率によって保釈対象者となります。つまり、服役をしていても、所定の期間に達し、しっかりと反省をしていれば、誰でも仮保釈を認められるチャンスがあるのです。
もちろん科された懲役期間が短ければ、それだけ早く釈放されますが、重ければ重い分だけ服役しなければなりません。
懲役期間の約8割を服役しないと仮釈放のチャンスがないとも言えるため、収監された年齢によっては実質的には終身刑と同じということも考えられます。
法務省によりますと、2016(平成28)年の年末までの無期受刑者数は1,815名です。
そのうち新たに仮釈放を認められたのはたったの7名、うち6名は30年以上服役しています。
無期懲役は刑期を決めずに収監される刑罰であり、日本にはありませんが、死ぬまで収監される終身刑とは異なります。
無期懲役であっても死ぬまで収監されるとは限らず仮釈放が認められることもあるのです。
もっとも、昨今は無期懲役について仮釈放が認められるケースはまれなようです。
無期懲役の仮釈放対象となるのは服役10年以上と定められていますが、前述した通り実際に仮釈放が認められるのは30年以上経過してからがほとんどなのです。
引用元:法務省|平成29年度版 犯罪白書 第2編 第5章 第1節 第1節 仮釈放と生活環境の調整(4)無期刑受刑者の仮釈放
仮に、仮釈放が認められたとしても、服役期間が30年を超えていれば社会復帰は困難であることが考えられるでしょう。
また、同年に無期懲役で、服役したまま死亡したのは27名でした。
仮釈放、およびこれに類似する制度には次の4つの種類があります。
懲役または禁錮とは、刑罰です。
労役場留置(ろうえきじょうりゅうち)とは、科された罰金を納められない場合に、矯正施設の労務に就いて役務提供によって罰金を支払う手続きのことです。
あまり聞かない婦人補導院は、売春を行った女性を指導する施設のことです。
仮釈放が認められるまでには、矯正施設での調査、仮釈放後の環境、収容者との面接など、慎重な調査を重ねて決されます。
仮釈放の審理を受けるには、服役期間や服役中の生活態度などが考慮されるでしょう。
ここでは、仮釈放を決める地方更生保護委員会についてと、仮釈放の流れについて解説します。
服役している受刑者の仮釈放を審理・決するのは矯正施設ではなく、法務省所管の地方更生保護委員会と保護観察所です。
前述した通り仮釈放が許可されれば、収容施設からは解放されます。
しかし刑は執行中という扱いになっていますので、仮釈放後であっても遵守事項(※)が課され、行動は制限されるでしょう。
※遵守事項とは 更生保護法に定められた保護観察対象者が健全な生活を保持し更正に取り組むための決まり。 |
仮釈放後は、保護観察処分になり、保護観察所に所属する保護司や保護観察官によって指導・監督されることになるため、仮釈放の審査は、地方更生保護委員会や保護観察所によって慎重に行われます。
仮釈放は、矯正施設内で行われた所定の調査を受け、仮釈放の審理を開始する前に事前調査が行われるなど、慎重に進行されます。
担当は、受刑者が出所後に帰住予定地である最寄りの保護観察所が行い、受刑者の身元引受人や帰住地の調査を行います。
など諸要素を考慮してやっと、仮釈放申請が許可されさらに、面接を経て審理、判断が下されます。
仮釈放の審理のため、受刑者は二度面接を受けることになるでしょう。
面接 |
時期 |
内容 |
一度目の面接 |
仮釈放の3ヶ月~9ヶ月前 |
保護観察官による予備面接(かりめん“仮面”あるいはじゅんめん“準面”とも呼ばれる):仮釈放の意思の確認 |
二度目の面接 |
予備面接の1ヶ月~半年後 |
地方更生保護委員会と面接(ほんめん“本面”とも呼ばれる) 直接受刑者と面接し、仮釈放が妥当か審理 |
また服役中に、矯正施設内の規則に反すれば“懲罰”を受けることになりますが、一度程度であれば仮釈放には影響しないと言われています。
ただし、懲罰回数が多い、予備面接後の懲罰などは、仮釈放に大きな影響があるようです。
二度目の面接から1ヶ月ほどで、身元引受人のもとに仮釈放が許可されたという通知が届きます。この通知の1ヶ月~3ヶ月後には仮釈放になるでしょう。
通知には仮釈放の許可と、出所日に出迎え可能かを記す書面が同封されていますので、返送すること忘れないようにしましょう。
仮出所後はすぐに保護観察所へ行かなければならないため、身元引受人が出迎えできるのが好ましいのですが、迎えがなくても仮釈放は可能です。
仮釈放2週間前になると、仮釈放となる受刑者は仮釈放準備寮などに移ることになります。
トイレが別に設置された部屋へ移される、矯正施設内とは別の室内で行う刑務作業が任される、一部テレビの視聴が可能になる、洗濯機で洗濯が行えるなど、生活が変化し、仮釈放が近いことを感じられるようになるでしょう。
また再犯防止や社会復帰について講義やビデオなど仮釈放前教育が行われます。
荷物の整理をし、出所式が行われ晴れて仮釈放となります。出所時には、刑務作業で得た作業報奨金などが清算されます。また、荷物が多ければ郵送も可能です。
出所するための衣類に関しては身元引受人などに事前に差し入れてもらう必要があるでしょう。
もちろん、仮釈放がされて終わり、というわけでもなく、その後すぐに保護観察所へ出向かなければなりません。
仮釈放後から保護観察処分となり、刑期満了まで保護司などから指導・監督を受けることになるのです。
ここでは仮釈放のメリットとデメリットをご紹介しましょう。
仮釈放を行うことで、収容されていた人は社会復帰のチャンスを得ることができます。
また、仮釈放が認められず矯正施設で収容期間の満期まで服役し出所した収容者に比べ、再犯率が低くなっていることも挙げられるでしょう。
法務省によりますと、出所後に帰住先(出所後の帰る場所)がない受刑者の約6割が1年未満で再犯に至るとも言われています。
仮釈放が認められるのは、法的に定められた期間よりもはるかに長く、近年は犯罪の厳罰化もあり、刑期の8割を服役してからというのが実情です。
服役した年齢が遅かったり、刑期が長かったりすると、仮釈放が許されても社会になじめず、再犯を起こしてしまうケースがあります。
受刑者の高齢化や、仮釈放後の受け入れ施設が足りていないなどの問題もあるため、仮釈放後に再犯を起こさないための施策が求められています。
ここでは仮釈放前に注意したい3つのことと、仮釈放後に注意したい1つのこと、合わせて4つの注意点と、仮釈放後に制限されることついて解説していきます。
身元引受人の条件については、関連記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
仮釈放は事前の調査が行われ、審理するという慎重な流れで決められます。
ここで身元引受人が注意したいのは3つです。
特に住所の変更、直前で身元の引き受けられないとなった場合、仮釈放が再審理となり、時間がかかってしまうことになるでしょう。
もちろん、服役している方にとっては、糠喜びでがっかりしてしまいます。
まず、もっとも重要であるのが“住所を変更しない”ことです。仮釈放の審理は慎重に行われます。
帰住地がしっかりしていると判断されて仮釈放が許可されるので、帰住地が変更となると再審査となり、長ければ半年も待たされることになります。
仮に同じ町内であっても、再審査となるため、身元引受人の調査を受けた場合、引っ越しはやめておくのが無難です。
急に身元の引き受けを拒否した場合も同様ですので、受けられないのであれば早めに断る必要があります。
仮釈放には身元引受人が必要であり、いないのであれば保護会へ申請をしなければならず時間を要することになります。
身元引受人に通知が来たさいに、本人に仮釈放日を伝えないよう警告所が同封されています。
本人に仮釈放日を伝えることで、慢心や生じた油断で規律違反を犯す、また釈放が洩れることで嫌がらせを受けることも考えられるためです。
仮釈放後の注意点は1つ、遵守事項を遵守すること。遵守事項を守ることで、ご本人の社会復帰や更生に近づくことでしょう。
前述した通り、仮釈放後は保護観察所処分とされ、保護司や保護観察官の指導・監督を受けながら刑期をまっとうすることになります。
仮釈放後の保護観察にも守らなければならない遵守事項が設けられており、月2回の面接などを行わない、連絡をしない、再犯を起こすなどすれば、仮釈放が取り消される可能性があります。
仮釈放を決するのは服役している矯正施設ではなく、法務省管轄の地方更生保護委員会と保護観察所です。
地方更生保護委員会の下に全国50ヶ所の保護観察所があり、保護観察所には保護観察官と保護司が所属しています。
保護対象者の指導・監督を行うのは、帰住地最寄りの保護観察所に所属する保護司と保護観察官です。
保護観察官は専門的知識を有した公務員で、遵守事項違反や再犯に対する措置、保護司への助言、専門的処遇プログラムの実施を行います。
保護司は保護観察所から認定・研修を受けたボランティアが行い、対象者との日常的な面接や相談、助言・指導を直接行い、対象者に近く、頼りになる存在です。
仮釈放中は、順守事項など守らなければならない規定があります。その規定に記載されている、禁止事項は制限されることになるでしょう。
例えば、犯罪者との交際や、いかがわしい場所への出入り、浪費、過度な飲酒などです。転居や旅行には保護観察所長に申し出を行い、許可を受けなければなりません。
限られた国になりますが、許可があれば海外旅行も可能です。
仮釈放はあくまで“仮”であり、刑期まで遵守事項を守り、健全な生活習慣を築かなければなりません。
身元引受人などのご家族の支援が重要なのはもちろん、今後はご本人の努力が不可欠となるでしょう。
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