詐欺にあったらすぐに利用すべき相談先5選|ネット詐欺の返金対処方法も解説

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弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
監修記事
詐欺にあったらすぐに利用すべき相談先5選|ネット詐欺の返金対処方法も解説

詐欺にあったら冷静でいられなくなり、どうしていいのかわからなくなってしまう方もいらっしゃいます。

騙された後にまずやるべきことは、目的に合った相談先に連絡をするなどして、正しい知識と対処法を理解することです。

この記事では、詐欺にあってしまった人に向けて、相談先を5つご紹介します。

早期解決のためにも目的にあった相談先を選んでみてください

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目的別|詐欺にあった際の相談先5つ

目的別|詐欺にあった際の相談先5つ早速、詐欺にあった際の相談先をご紹介します。目的にあった相談先を選び、早期解決を目指しましょう。

1.警察|犯罪として立件したい方向け

詐欺を刑事事件として扱ってほしい場合には、警察に通報をしましょう。加害者は起訴され、有罪となった場合、10年以下の懲役に処されます。

ただし、次のような場合は、警察に相談しても動いてくれないかもしれません。

  1. 加害者がどこの誰かが分からない
  2. 詐欺行為であるかどうかが明確でない
  3. 詐欺行為を証明する証拠が乏しい

このように、刑事事件として立件する場合、犯罪事実を証明する証拠が極めて重要です。証拠を被害届提出時に警察に提供できれば、警察も事件として立件してくれるかもしれません。例えば以下のような証拠を揃えておきましょう。

  1. 加害者の氏名と所在の分かる資料(名刺等)
  2. 詐欺に使用された契約書その他書面
  3. 加害者との電子メールやLINEなどやりとりの記録ややり取りの録音
  4. 騙されるまでの過程を時系列ごとに説明したもの
  5. 加害者に金銭を支払ったことを証明する資料(振込証明書等)
  6. 加害者の詐欺行為について陳述する第三者の陳述書

2.国民生活センター|対処法が定まっていない方向け

消費者被害に巻き込まれた場合に相談が可能な独立行政法人です。

お昼時の時間帯を中心に、消費者生活に関する電話相談が可能です。

【こんな人におすすめ】

  1. 今後の対処法が不明確な人
  2. 騙し取られたお金が比較的少額な人(高額な場合は弁護士も要検討)
  3. 警察や弁護士に相談するほどではないな、と感じている人

3.法テラス|法制度や相談窓口などを知りたい方向け

法的なトラブルを解決するために設立された機関。問題の解決に必要な各種手続きや法制度、相談窓口を紹介してもらえます。

4.振込先の金融機関|振り込め詐欺にあった方向け

振り込め詐欺にあった方は、警察と振込先の銀行に連絡をしましょう。

お金を振り込んだ口座を凍結し、残っていたお金を各被害者に分配してもらえる場合があります。

また、振込先の口座からお金が引き落とされる前であれば、お金を取り戻せる余地もあるのです。このケースではスピード勝負。すぐに連絡をしましょう。

5.弁護士|お金を取り戻したい方向け

詐欺からお金を取り戻したい場合は弁護士に相談しましょう。警察は民事不介入のため、返金交渉をしてもらえるわけではありません。

被害金が140万円未満であれば特定司法書士に依頼するという方法もあり得ますが、被害金が140万円以上の場合返還請求の対応を依頼できるのは弁護士のみです。まずは相談をしてみて、騙されたお金が返ってくる余地があるのか、確認してみましょう。

当サイトから、詐欺被害を扱う弁護士を検索することもできます。ぜひご活用ください。

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詐欺と戦うにあたって知っておきたいこと

詐欺と戦うにあたって知っておきたいこと

詐欺師は法律に詳しく、証拠を残したがりません。計画的に仕掛けてきた相手に対しては、こちらも情報を集めたり知識をつけたりしないと敵の手のひらで踊らされ続けることになります。詐欺を立証する前に、次のことを知っておきましょう。

意外と検挙率は低くない

インターネットで情報を調べていると、「詐欺を捕まえるのは難しい」「詐欺で逮捕されるのは一割程度」などと詐欺を捕まえるのはいかに難しいかについての情報ばかり出てきて、絶望的な気分になります。

確かに、証拠集めや立証、お金を取り戻すのが大変という側面はありますが、実は認知件数に占める検挙件数の割合は31.4%と決して低くはありません(平成28年 認知件数=14,151件、検挙件数=4,449件)。

もちろん認知件数に含まれない詐欺が計算に入っていないので、100%正確な数字ではないものの、詐欺は決して捕まえられないものではないと分かる一つの基準ではあります。

捜査第二課・生活安全企画課|平成28年の特殊詐欺認知・検挙状況等について

引用元:捜査第二課・生活安全企画課|平成28年の特殊詐欺認知・検挙状況等について

詐欺の手口に関して情報収集をする

相手がどんな方法であなたを騙してきたのかを理解しましょう。これができると、警察に対して犯人の手口を体系立てて説明できますし、もし同様の手口が発生していれば警察もそれだけ本気で動きます。

今されているように、インターネットや書籍で詐欺について調べていきましょう。参考までに関連する記事を貼っておきますから、必要に応じてご覧ください。

詐欺罪の立証要件

詐欺罪を刑事告訴するためには、具体的に次の要件を満たしている必要があります。1つずつ確認していきましょう。

欺罔(ぎもう)

騙すつもりがあって人を騙すことを欺罔といいます。ここの証明が難しく、犯人が「返すつもりがあった。」と言えば、それだけで逃げられてしまうこともあります。返すつもりがなかったと証明せねばなりません。

錯誤

被害者が騙されることを錯誤といいます。騙されていないのに金銭を奪われた場合は、詐欺罪ではなく窃盗罪扱いになります。

交付行為

騙された被害者が、自分の財産を詐欺師に渡すことを交付行為といいます。

財産転移

被害者が処分した財産を詐欺師が受け取ることで財産転移が成立します。

次の例で、それぞれの用語を確認していきましょう。

例えば、母親は健康なのに『お母さんの治療費に200万円』かかるというのが欺罔行為で、被害者がそれを真に受けることを錯誤といいます。被害者が200万円を渡す行為が交付行為となり、犯人が受け取れば財産転移が成立します。

詐欺は立証するのが難しい

詐欺の難しいところは、上記の要件を満たしていても、それぞれを証拠付ける資料が不十分になりやすいです。

騙す意志を証明できなければ欺罔は成り立ちませんし、お金を引き出した記録しかなければ交付行為や財産転移までは証明できません。

相手に支払い能力がなければお金は戻ってこない

仮に詐欺罪を立証できても、お金が戻ってくるとは限りません。相手に支払い能力がなければお金を払ってもらえないのです。ですから、なるべく早く、詐欺師が騙し取った金品を使ったり処分する前に、弁護士に依頼して返還を求めるのがおすすめです。

次に具体的な詐欺への対処法について確認していきましょう。

ネット上の詐欺への対処法

ネット上の詐欺は多岐にわたります。

中でも近年増加傾向にあるネット通販詐欺と仮想通貨詐欺についての対処法や相談先について確認していきましょう。

ネット通販詐欺について

ネット通販詐欺ではネットショップやフリマアプリで商品を購入したにもかかわらず、何日たっても商品が送られてこない事例が多数あります。

また、ネットショップの場合は記載されている住所が存在していない場合も多いです。

フリマアプリの場合は、運営事務局に相談することで相手側のアカウント停止や返金を求めることが出来ます。

一方、個人が運営しているネットショップの場合は一筋縄ではいかないケースが多々見られるのです。

ではネットショップで購入した場合は、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。

ネット通販詐欺で盗まれる情報

個人情報のリスト

詐欺を働くネットショップで商品を購入する際に、多くの個人情報を入力しています。

例えば、

  • 名前
  • 住所
  • 電話番号
  • 振込口座先の電話番号
  • クレジットカード情報

等です。

これらの情報は詐欺グループで共有される可能性もあり、他の詐欺に使用される可能性も高まります。

詐欺グループにとって、これらの個人情報が全て揃った顧客リストは非常に価値が高いものなのです。

一度詐欺に引っかかった人は他の詐欺にも引っかかる可能性も高いため、高い価値を持つリストを詐欺グループに提供されることになります。

クレジットカード情報

クレジットカード情報は詐欺グループが獲得した個人情報のなかでも、すぐに悪用される可能性が高い情報です。

クレジットカード保有者の名前も流出しているため、実店舗でも利用される可能性も高く

後日カード会社から身に覚えのない多額の請求がくる可能性があります。

そのため、ネットショップでの通販詐欺にあった場合にはすぐにでもクレジットカードの凍結と再発行をカード会社に依頼しましょう。

ここからはネット通販詐欺にあった際の対処方法について解説します。

ネット通販詐欺にあった際の対処方法

ネット通販詐欺について

クレジットカード会社に連絡

まずはクレジットカード会社に連絡してカードの凍結を最優先で行うようにしましょう。

その際に、詐欺ネットショップでの購入日以降に不正利用がされていないか必ず確認しましょう。

もし、不正利用が現状されていなかった場合も今後利用される可能性があるため凍結することをお勧めします。

また、仮に不正利用されていた際には、カード会社に身に覚えのない購入である旨を伝えることで購入先の店舗への調査を行ってくれます。

調査の結果、不正利用であると判断された場合はカード会社が不正利用の金額分を保証してくれることがあります。

あきらめずにカード会社に不正利用であることを伝えましょう。

警察への被害届の提出

次に警察への被害届の提出を行いましょう。

被害届の提出を行うことで、振り込め詐欺救済法の対象となります。

振り込め詐欺救済法とは犯罪に利用された口座を凍結し、該当口座に残っている金額を自身と同じ内容で被害届を提出している人数で分けて返金を行う法律です。

全額返金にならない可能性はありますが、返金される可能性が高まるため必ず警察に被害届を提出するようにしましょう。

被害届の提出やネット詐欺の相談はサイバー警察がお勧めです。

弁護士に相談

弁護士に相談することでネットショップで商品を購入した内容証明を相手に送ることが出来ます。

詐欺師は警察と弁護士からの追及を恐れる傾向にあるため、内容証明を送るだけでも解決につながることもあるでしょう。

また、ネットショップと連絡が付く場合等に限りますが、もし内容証明で解決できなかった場合は弁護士に詐欺相手との交渉を依頼することもできる場合があります。

一度弁護士に相談してみましょう。

次に仮想通貨詐欺の対処法について解説します。

仮想通貨詐欺について

仮想通貨詐欺は『数カ月で○○倍に成長?!』といった投資する側の心理を煽るような言い回しで投資を募ることが多いです。

ここからは仮想通貨詐欺の返金方法や相談先について解説していきます。

仮想通貨詐欺の返金方法

セールスページや勧誘文言が景品表示法に違反していないか確認する。

景品表示法の中に優良誤認表記というものがあります。

景品表示法第5条第1号は、事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、

(1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの

(2)事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの

であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。

引用元:『優良誤認とは』消費者庁ホームページ

誇大した表現や事実と異なる表記に対して、合理的な裏付けがない場合に優良誤認表記とみなされます。

優良誤認表記は不当な表記として景品表示法で禁じられております。

特に仮想通貨詐欺の場合は、セールスページや勧誘文言に該当コインの価値の上がり幅を約束するような表記がされている場合も多いです。

文言に有用誤認表記が含まれている場合は、景品表示法違反となります。

景品表示法違反の場合、弁護士に依頼することで解決する可能性も高まるため確認するようにしましょう。

  • 警察もしくは弁護士に相談

合理的な根拠がない内容を伝えて投資させ、内容と異なる結果となっている場合は詐欺罪が適用されます。

被害金額が高額な場合や、被害届が多く提出されている際は警察が動く可能性が高まります。

しかし、警察が動くには該当の詐欺への被害総額がそれ相応の金額になっている必要があるため、基本的には刑事事件として立件することは難しい傾向になります。

弁護士に相談した場合、仮想通貨詐欺を働いた相手に内容証明郵便を送ることが出来ます。

ネット通販詐欺でもお伝えした通り、犯人への警告の意味を成すため交渉することが可能になる事例があります。

仮想通貨詐欺の相談先

弁護士

弁護士に依頼することで内容証明郵便の送付や、相手方との交渉を行ってもらうことができます。

警察

警察に相談することで振り込め詐欺救済法の対象となり、捜査の結果、凍結した口座の残高を被害者数で按分した金額が返金される可能性もあります。

必ず警察に被害届を提出するようにしましょう。

詐欺と争う際の注意点

詐欺と争う際の注意点誰も自分が騙されるとは思ってもいませんよね。当初はその相手を信じていたはず。ですから、詐欺に遭うと相手に対して憎しみや怒りが芽生えてくるものです。それ自体はもっともなのですが、怒りに任せて感情的に行動すれば相手の思うツボです。また、詐欺師は、追い詰めたと思っても、上手いことを言って逃げようとします。憎い詐欺師を逃さないためにも次の点には注意しましょう。

被害届が受理されたら取り下げない

被害届は再提出できますが、もう一度受理されるとは限りません「本当に反省しているし、お金も払うから被害届を取り下げて欲しい。」と言われても、決して取り下げてはいけません。

もし再提出する場合は、取り下げた経緯を警察に説明できるようにしておきましょう。証拠はできるだけ多くあった方がいいでしょう。ただ、犯人が明らかな場合は被害届にこだわらずに、刑事告訴をするのも1つの手段です。

自分1人でなんとかしようとしない

一般の方は法律のプロでもないし詐欺の手口に精通しているわけでもないので、信頼できる機関に相談して力を借りることが大切です。

二次被害に注意|上記のような専門家以外には相談しない

詐欺に騙されて、怒りで我を忘れた人に対して、警察や弁護士のふりをした詐欺師が「騙し取られたお金を取り戻せますよ。」と近づいてくることもあります。一度騙された人はその後も狙われやすくなるので、近づいてくる相手を警戒し、本物の警察や弁護士以外に相談しないようにしましょう。

まとめ

これまで大切に貯めてきたお金を騙し取られると、言葉ではいい表せない怒りや悲しみにさいなまれるものです。突然騙されたという現実を突きつけられて頭が真っ白になってしまうこともあるでしょう。ですが、怒りに任せて感情的に行動してしまえば相手の思うつぼです。

もし犯人を捕まえて謝罪させたいのであれば、感情に任せて行動するのではなく、信用できる相談先に連絡したり、詐欺の情報や対策などを調べたりしましょう。まずは通報と証拠集めから始めてください。

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この記事を監修した弁護士
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。

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編集部

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