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KL2020・OD・037
「いじめ」とは、学校に在籍している生徒間で起こる、相手に身体的・精神的苦痛や影響を与える行為であり、加害者にいじめている自覚がなくても、被害者が精神的・肉体的に苦痛と感じた場合は、それらの行為はいじめになります。
いじめは、小学校・中学校・高校を合わせると年間18万件発生しているため、あなたの子どもがいじめに関わっていてもおかしくはありません。
引用元:2017年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
上の図からわかるように、いじめの認知件数は小学生が最も多くなっていますが、加害者人数としては中学生が最多となり、「集団いじめ」の発生が考えられます。ただ、認知件数・加害者数は調査に基づき計算されているので、実際にはもっと多くのいじめが発生している可能性もあるでしょう。
また、高校生のいじめは自殺に直結する可能性が一番高く、深刻であることがわかります。いじめられた子どもの自殺は最悪の結果です。悲劇を防ぐためには、親がいじめに関わる子どもの発するサインを見逃さないことが大切になります。
この記事では、
について説明しているので、子どもをもつすべての親に読んでもらえれば幸いです。
目次
いじめの内容は、男子・女子で少し異なります。また、近年ではネットの普及によりいじめの内容がより複雑かつ周囲が発見しにくくなっています。
まず、実際にどのようないじめが行われているのか確認しましょう。
以下の通り、男子間では、「悪口・からかい」に次いで「殴る・蹴る」といった暴力が多く、女子間では「仲間外れ・無視」「悪口・からかい」といったコミュニケーションによるものが多いことがわかるでしょう。
このことから、男子のいじめは発見されやすく、女子のいじめは発見されにくいと考えられます。
引用元:いじめの内容|茨城県教育委員会
さらに、すべての年代・性別に共通して、いじめの目撃者に最も多い対応が、「いじめに関わらないようにした」というものです。次いで、中学・高校になると、「いじめに参加した」という対応が多くなってきます。
引用元:いじめの内容|茨城県教育委員会
このことから、いじめは、ストップする可能性は低く、逆に悪化する可能性が高いと言えるでしょう。
近年では、ラインやSNSを使ったいじめが多発しています。2018年12月には、東京都八王子市の女子中学生が、部活動内の仲間からSNSによるいじめによって自殺した事件が報道されました。
SNSによるいじめでは、グループ内の特定の子どもを仲間外れにしたり、悪口を言ったりするなどして、精神的苦痛を与えるいじめが多く見られます。
より悪質ないじめとして、被害者を暴行している場面や、被害者が着替えているときなどの写真を撮り、転送したりネット上に公開したりするというものもあります。2019年2月に、複数の男子生徒が1人に対し暴行を加えた動画がネット上に投稿されたという事件が報道されました。
こういったSNSを使ったいじめは、相手が特定できなかったり、一瞬にして情報が拡散してしまったりするため、被害者を追い詰めやすいです。さらに、一度ネットに拡散された情報は、削除してもネット上にずっと残るというリスクがあります。
いじめの被害は後を絶ちません。しかし、被害者・加害者の子どもは、サインを発しているので、親は見逃さないことが重要になってきます。以下では、被害者・加害者の子どもに見られる特徴を紹介するので、ご自分の子どもに当てはまるかどうかチェックしてみてください。
被害者の子どもは、自分がいじめられているという事実を周囲に隠そうとすることが多いです。しかし、SOSのサインを見せるので、周囲が注意を払う必要があります。
以下は、被害者の子どもに見られる特徴です。こういった特徴が見られるならば、いじめられている可能性があります。
加害者の子どもは、被害者よりも特徴が出にくく、周囲がいじめを行っていることに気づくのは稀です。また、大人の前では「いい子」を演じている場合が多いので、周囲はいじめを行っているなど思いもしないでしょう。大概は、学校や被害者の親から連絡をもらって、はじめて自分の子どもが加害者だと判明します。
もし連絡をもらっても、自分の子どもがいじめを行っているとは信じられないと思いますが、冷静になって、最近の子どもの様子を振り返ってみてください。
子どもに以下のような特徴が見られるなら、いじめを行っているかもしれません。
ご自分の子どもが、被害者・加害者かもしれないと思ったときは、子どもを優しく問いただしてみましょう。決して感情的になったり、「いじめられている(いじめを行っている)のは嘘だよね?」といったように誘導尋問したりしないでください。聞くときは、子どもが安心できるように、冷静に優しく接することが大事です。
いじめの原因には諸説ありますが、以下ではいくつかの説を紹介します。
加害者がストレス発散のためにいじめを行うというものです。冒頭で述べた通り、いじめは中学1年生の間で最も認知件数が多いですが、その原因の一つは、環境の変化によるストレスだと言われています。小学校とのギャップや、親の手が離れることなどがストレスになり、いじめに手を出してしまう子どもが多いのです。
家庭で暴力や暴言があると、子どもはそれが普通だと思ってしまい、学校などで同じことをしてしまうようになります。「子は親の鏡」という諺があるように、いじめもまた家庭環境を反映しているのかもしれません。
いじめは本能によるものと唱える学者もいます。人間には、異なるものを排除することで、自分たちが繁栄しようとする本能があり、その本能がいじめを引き起こしているというわけです。
もちろん、だからといっていじめが許されるわけではありません。本能に従うなら何をしても許されるわけではないでしょう。いじめは防がなくてはいけませんし、発生した場合は適切な対処が必要です。
子どもがいじめの被害者・加害者であった場合、親はどのように対処すべきでしょうか。また、しばしば議論になるのが、「子どものいじめに親は介入するべきか」ということですが、場合によっては親が介入する必要があると言えます。
以下では、子どもが被害者・加害者かもしれない場合の対処法と、親が介入するべきケースについて説明します。
上述しましたが、子どもがいじめられているかもしれないときは、まずは直接子どもに聞いてみましょう。そのうえで、子どもと話し合って親が介入するか子どもだけで対応してもらうか決めてください。そして、子どもが介入を望んだら、下記で紹介する相手・窓口に相談しましょう。
また、登校を嫌がる場合は、強制せずに、家や保健室など、子どもにとって安心できる場所で過ごさせてよいでしょう。
子どもが親の介入を必要としない場合は、様子を見るという選択肢もあります。介入を必要としない理由にはいろいろあるかと思いますが、その一つが、親が介入するといじめが悪化する可能性がある、というものです。こういった場合は、親としては歯がゆいかもしれませんが、子どもを信じて、様子を見守ることも考えられます。
子どもは、親が見方であると示すだけでも安心感を持てます。
ただし、子どもは大人と違って、判断能力が乏しいものです。直ちに介入をしないとしても、子どもをいつも以上によく観察し、何かあれば、すぐに学校等に相談できるよう心の準備をしておきましょう。
子どもが加害者である場合は、親が介入するべきだと言えます。
場合によっては、学校側が被害者側との面談を設けてくれることもありますので、そこで被害者の子どもと親御さんにちゃんと謝りましょう。そのあとは、自分の子どもの精神的なケアをすることが大切です。なぜなら、加害者の子どもの多くは、精神的な問題を抱えていることが多く、その問題を解決しないと再びいじめに走るかもしれないからです。
辛いとは思いますが、これまでの子育ての仕方や家庭環境などを振り返ってみましょう。
ところで、子どもの社会では、立場が入れ替わり、いじめていた側がいじめられる側になるということも考えられます。したがって、いじめが発覚した場合、その後の加害者の動静を見守ることも重要です。
また、事実関係の認定は、慎重に行う必要があります。いじめの加害者、ということを頭から決め付けるのではなく、しっかりと事実関係を調査することが大切です。
以下では、子どものいじめに親が介入するべきケースを紹介します。
上述した通り、子どもが親の介入を望んでいる場合は介入するべきです。子どもは、いじめられていても周囲にSOSを出せないことが多いため、介入を望んでいるということは、我慢が限界に達していると考えられます。
子どもが加害者の場合は、学校や被害者側から「お宅のお子さんがいじめを行っている」と連絡が来ることが多く、自然と面談などで介入することになるかもしれませんが、そうでなくても、ご自分の子どもが加害者であるとわかった時点で、親が介入するべきです。
酷いいじめを行っている場合は、罪に問われることもありますし、被害者が追い詰められて自殺に追い込まれる恐れもあります。その場合には、倫理的な非難はもちろんですが、何千万単位の損害賠償請求を受けることさえあります。
子どものいじめ問題は、親子だけで抱え込んではいけません。第3者に相談して、適切なアドバイスをもらったり、解決を図ってもらったりしてください。いじめについて相談できる窓口・相手としては、以下4つが挙げられます。
子どもに相談をさせる場合は、以下の窓口を教えたり、相手の元に一緒に付き添ってあげたりしてください。ただし、被害者や加害者に直接連絡をするのは、トラブルを招く恐れがあるため、おすすめできません。相手方とは、学校などの第3者を交えて会うほうが、冷静に話し合いができます。
いじめが学校で発生している場合、担任の先生に連絡をすれば、加害者・被害者の子どもと親に合わせてくれたり、いじめの実態を調査してくれたりすることもあります。いじめを早急に解決したいなら、学校へ相談するのがよいでしょう。
一方で、学校側が何もしれくれないという話も聞きます。学校の評判や体裁に関わることを恐れて、いじめの事実を隠そうとすることがあるからです。
学校に相談していじめが解決すれば問題ありませんが、解決しなかったり、いじめが悪化したりした場合は、別の窓口にも相談しましょう。
市区町村や都道府県の教育委員会HPでは、いじめや教育に関する相談窓口を設けております。窓口によっては365日24時間開設している窓口もありますので、今すぐ回答が欲しい人は、まずこの窓口などに相談してみるのもよいでしょう。
引用元:東京都教育委員会
ここ数年、いじめを弁護士に相談する方は増えています。SNSいじめのように、いじめの内容が多様化したことで、被害者が法的措置を望むようになり、弁護士への相談が増えたのかもしれません。
弁護士を頼ることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、相談は無料でできることもありますし、問題解決のために法的な解決手段を教えてくれるので、いじめを解決する強制力があると言えます。
以下のような場合は、思い切って弁護士に相談することをおすすめします。
学校でいじめが起こったにもかかわらず、学校側が対応してくれない場合は、弁護士に相談しましょう。いじめが再発する恐れがあります。
保護者同士の話し合いが激化してしまった場合は、弁護士に介入してもらえば、折り合いをつけられるかもしれません。
利害が衝突している、いじめが犯罪レベルに達しているなどの場合は、損害賠償請求や刑事告訴等、法律的な措置が必要になることもあります。
文部科学省は、いじめについて相談できる窓口を用意しています。また、地方公共団体によっては、電話窓口だけでなく、ラインでいじめの相談を受け付けているところもあります。学校に相談することに抵抗がある方や、学校に相談しても解決しない場合は、こういった窓口に相談するとよいかもしれません。
なお、相談時の費用負担は、ほとんどの場合通話料のみなので、気軽に利用してみてください。
警察は、犯罪だけでなく、「少年相談」などのいじめの相談窓口も設置しています(ただし、厳密に言えば、いじめも犯罪になることがあります)。
いじめが窃盗や暴力、器物破損などに及んでいて、被害届を出したい場合は、警察へ相談しましょう。各都道府県が相談窓口を設置しているので、お住まいの地域の窓口を利用してください。
卑劣ないじめは、大人の目の届かないところで行われます。しかも、自然と加害者が増えて悪化する傾向があり、逃げ場がなくなった子どもは、最悪の場合、命を絶ってしまいます。最悪の結末を迎えないためにも、親の早急な対応が必要です。
いじめに関わっている子どもは、何かしらのサインを出しているので、しっかり気づいてあげることが大切です。もしあなたの子どもが、被害者・加害者であるとわかったら、冷静になって適切な対応をしましょう。解決に伴い、被害者・加害者のどちらの場合であっても、精神的なケアが必要になります。
もし、慰謝料請求や傷害事件に発展した場合は、個人で対応するのではなく、弁護士に相談してみましょう
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KL2020・OD・037
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